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Entry Level 最も安価なオーデマ ピゲは最も希少。ロイヤル オークの価値ある提案

スティール製。34mm。これでも十分に高価なのだが、メニューのなかでは最も低価格の機械式時計なのだ。価格が成層圏まで上昇することもあるオーデマ ピゲというメゾンにおいては、バーゲンと言える。

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「Entry Level」では、高級時計メーカーの最も安価な時計を紹介する。それらはまだ決して安くはないが、どのブランドもどこかから始めなければならないわけだ。

ドイツの自動車メーカーBMWについて語った有名な言葉に「長さが違うだけで同じソーセージを作っている」というものがある。オーデマ ピゲは最も有名なコレクションであるロイヤル オークから手を広げ、最近ではCODE 11.59 バイ オーデマ ピゲを発表したが、ジェラルド・ジェンタのデザインは、同社の最も有名な時計であり続けている。

 ロイヤル オークは、AP(オーデマ ピゲ)の世界へのエントリーポイントでもある。技術的に言えば、真のエントリーポイントは、SS製33mmのクォーツ式ロイヤル オークで、その価格は181万5000円(税込)だ。クォーツが悪いわけではないが、HODINKEEをご覧になっている方ならば、最も手頃な価格の機械式時計についてもっと知りたいと思っているはずだ。

 それも偶然なことにロイヤル オークなのだ。具体的には34mmのロイヤル オーク オートマティックで、現在の価格は253万円(税込)。直径(34mm)、厚さ(8.8mm)、自動巻きムーブメント(cal.5800)という点で、これは2021年にリリースされた最もホットな時計のひとつ、Dimepieceのブリン・ウォルナー氏が最近見事にレビューした34mmのAPロイヤル オーク オートマティック セラミックに機能的には相当するものだ。ただ、今回見る時計は、大々的に宣伝されているセラミックではなく、ステンレススティールだ。

 AP ロイヤル オーク オートマティック Ref. 77350ST.OO.1261ST.01がロイヤル オークのラインナップに加わったのはかなり最近で、我々は2020年4月に取材を行った。発売当時、APはツートンモデルと、ダイヤモンドをセットしたベゼルのふたつのバリエーションを含む、4バリエーションを発表した。当時、APはこれをレディスウォッチとは明言しなかった。プレーンスティールにシルバートーンのグランドタペストリーダイヤルと、ツートンのバリエーションがあったことで、要はNFLのラインマンより小さい人向けのロイヤル オーク、ということになったわけだ。その1年後、ゴールドをアクセントにしたセラミックバージョンが登場、フロステッドゴールドもあるが、こちらはかなり高価だ。

 200万円を超えるスティール製の時計が、新しいAPをつけるための最も手頃な方法となることに、私は驚きはしない。ロイヤル オークを小売価格で購入することは最近では通常のことではなく、素晴らしい運や地元のブティックやAPハウスとの確立した関係がなければ、当然、難しいということだ。多くの人々が市場価格を支払うことになる。こうした時計は、小売価格の2倍程度が相場だと思う。

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 しかし、このリファレンスにはそれがあてはまらないようだ。おそらく34mmのロイヤル オークは、一部の自称男性的な購入者にはレディスウォッチとして敬遠されているのだろうが、現在生産されている最も安価な自動巻きのオーデマ ピゲにはまだハイパーマーケット効果が及んでいないようだ。この時計は、ネット上で - 名前は伏せますが - あなたが思うより安い値段で販売されている。私は最近、約2万9000ドル(約327万円)で売られている1本を見た。しばしば264万円という小売価格の倍で売られている37mmのロイヤル オーク オートマティックとは対照的だ。

 私はこのサイズのロイヤル オークの実物を見たことがないのだが、知人は見たことがあるそうだ。34mmのロイヤル オークは、男性の腕につけてもまったく違和感がないと聞いた。この34mmのRO(ロイヤル オーク)を身につけると、15202を身につけたようになるという幻想はまだ持っていないが、我々のあいだで手首の小さい人にとって、これは知る価値のある時計だ。

 ヴォーシェ製cal.3002をベースにしたAPキャリバー5800は、時、分、秒、日付を表示し、50時間のパワーリザーブとゴールド製ローターによる自動巻き機構を備えている。端から端まで23.3mmというコンパクトなムーブメントは、33mmのロイヤル オーク クォーツと37mmのロイヤル オーク オートマティックのあいだに位置する時計としてふさわしいものだ。純粋主義者は、Cal.5800が完全な自社製でないことに異論を唱えるかもしれない。しかし、ヴォーシェは自社製ムーブメントを製造する優良メーカーだ。パルミジャーニ・フルリエ(過半数)とエルメス(少数)が共同で所有し、両社のムーブメントを製造するほか、リシャール・ミルなどのハイエンドメーカーにもムーブメントを供給している。

 完全な自社開発キャリバーを手に入れるには、37mmのロイヤル オークとそのCal.3120までジャンプアップしなければならないが、私はこのことを34mmのロイヤル オークの大きな欠点とは考えていない。ディスコンになったばかりのRef. 15202は、39mmのコレクタブルなロイヤル オークの王者だが、ジャガー・ルクルトが独自に開発し、三大高級時計と言われるヴァシュロン・コンスタンタンやパテック フィリップが採用している自動巻きCal.2121を搭載していた。

 この時計は、自動巻きムーブメントを搭載したロイヤル オークのなかで最も小さく、最も手頃な価格かもしれないが、ロイヤル オークのデイト付きオートマティックのフルラインナップを考えても、特に見劣りするところはない。

 とはいえ、34mmというサイズは賛否両論あるはずだ。しかしこの時計は、少なくとも私の知る限り、女性と同じくらい多くの男性を興奮させた34mmのセラミック製ロイヤル オークとまったく同じサイズなのだ。今、APのセラミックが注目されているのは、この加工しにくい素材にディテールを与えているからだ。このSS製の時計は、間違いなくオーデマ ピゲの中核をなすものであり、そのハイプトレイン(編注:日本のライブチャットやSNSにおける投げ銭のようなもの)はまだ完全に駅を離れてはいないのだ。

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最も安価なオーデマ ピゲの詳細については、同社のウェブサイトをご覧ください。