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Photos by Anthony Traina
ロンドンから1時間も離れた場所(現代としてはイライラさせられる)にあるヘンリー・オン・テムズで毎年開催されるスペクタクル、ヘンリー・ロイヤル・レガッタは、きっとウェス・アンダーソン(Wes Anderson)が演出に関わっているに違いない。1839年以来、毎年開催されるヘンリー・ロイヤル・レガッタに、世界中のボートクラブが鮮やかなローイング(ボート競技用)ブレザーやカラフルなドレスに身を包んで集結する。紳士淑女のための厳格なドレスコードがあり、ますます格調高くなる“エンクロージャー”の白いピケットフェンスに囲まれたテムズ川のほとりでミルを漕ぎ、ボート競技に参加することもできる。
ヘンリー・オン・テムズ。
観客の世代も幅広い。レガッタでは、モーターボートが登場する前にテムズ川でボート漕ぎをしていたと思われる粋な老人と同じくらい、ボートストライプを身につけたたくましい若い漕ぎ手を見かけることが多く、それは伝統とスポーツに彩られながら、絶妙なステイタス性も感じさせる。ある英国人によると、ヘンリー・ロイヤル・レガッタはロイヤルアスコット開催の競馬とウィンブルドンのあいだ、夏のソーシャルカレンダーの真ん中に位置し、誰もが夏休みに南ヨーロッパで旅立つ前に開催されるのだと、何度も説明してくれた。もちろん、これらすべてのローイングブレザーとそれに関連するクラブにも独自のヒエラルキーとジョークがあったのだが、ありがたいことにそのほとんどを忘れてしまった(グレートマーロウスクールを除いては、このくもり空の夏の日、なぜか数少ない善意の辛辣な言葉が飛び交っていたのだ)。
ブレモンは2017年、ヘンリー・ロイヤル・レガッタ初の公式タイムキーパーとなった。このパートナーシップは、ブレモンの印象的な新しい時計製造施設であるザ・ウィングが、レガッタの会場がある場所から道を少し行ったところにあると考えると理にかなっている。今年の大会には17ヵ国から419チームが参加。1マイル(約1.5km)、550ヤードのコースでノックアウト式のトーナメントに全チームが出場した。
テムズ川沿いのレースを囲むように時計が並んでいる。メイン滑走路であるスチュワード・エンクロージャーは、ドレスコード(麦わら帽子を着用すること)も厳格に定められている。ブレモンが私たちをもてなすあいだ、私はヘンリー・ロイヤル・レガッタの光景と時計をいくつか撮影した。
ローイングブレザーズのセイコー5を自宅から持ってきた。
6日間の大会期間中、ロールスロイスとメルセデスといったクルマが並ぶ駐車場では、フォートナム・アンド・メイソンのバスケットが用意された、優雅なピクニックが催された。スコーンとコロネーション・チキン(イギリスの伝統料理)のタワーが並ぶアフタヌーンティーや、テムズ川沿いに並ぶビアガーデンでは、夜遅くまで続く生演奏付きのパーティが繰り広げられていた。毎朝午前11時にバーがオープンし、イギリスのスパークリングワインをきちんと飲んだせいで足をすくわれて、川に転落した参加者の話も少なからずある。
クリストファー・ウォードを着用した若いイギリス人のボート選手を見つけた。
スチュワード・エンクロージャーの明るい椅子から、ノックアウト式のボート競技を観戦した。
レースが終わったあと(あるいはノックアウトされたあと)は、ジャケットを着て仲間と一緒にピムスやエールを飲む。
ツートンカラーのデイトジャスト。
もうひとりのボート選手はセイコーをつけている。
ドレスコードに長年こだわり続けているカップル。
ピンクのOPは、レガッタ・ウィーク中の抑制されたテムズ川のほとりのように、ゆったりと着用されていた。
この警備員がヘンリーでいちばんクールな男性だったかもしれない。ある女性がモエブランドのクッションを盗んでボートで逃げようとしたが、ただ彼はそれを認めなかった。
男子エイトのノックアウトレースを観戦。
その日のレースを終えて競技を観戦する女性ボートチーム。
少しゆったりとレースを観戦できる。
若い漕ぎ手の腕にはツートンのチューダー デイトデイが。
JJの小さなノーチラス。
スチュワード・エンクロージャーの観衆。
人ごみのなかからよりよい景色を見つけようとしている。
ブレモンCEOであるダヴィデ・チェラート(Davide Cerrato)の奥さんは、かつてメルセデス・グライツ(Mercedes Gleitze)嬢が持っていたものと同じ、ヴィンテージのロレックス オイスターを着用していた。
ブレモンCEOのチェラート夫妻。
彼はロンジチュードを着用。
そしてボートに乗っていた、もうひとりのセイコーダイバー。
オメガ シーマスター ダイバー300M 007エディションをつけていた年配の観客。
シチズン エコ・ドライブを着用した選手。
そして、ベゼルにダイヤモンドをあしらったウブロを身につけた観客もいた。
よく重ねられたレディスのデイトジャスト。
シーガルのクロノグラフもいた。私がこの時計に目をつけたのは、この時計をつけていた男性が、ボートレースのタイム計測にクロノグラフを使う方法を友人たちに教えていたからだ。
ロンダが60年代にイギリスで製造した、ヴィンテージのタイメックス。
ゾーイ・エーブルソン(Zoe Abelson)のホワイトゴールド製デイデイト。
オックスフォード大学を卒業したばかり(そして時計の写真家でもある)のオーウェンは、ローイングブレザーズのセイコー5を着用していた。
彼はセイコー5の色が、リーンダー・ローイングクラブの色(ピンクのカバが描かれた黄色のタグ)と一致していると指摘した。
リーンダーといえば、2度のオリンピックボートで金メダルを獲得したアレックス・グレゴリー(Alex Gregory)が、リーンダー・クラブのジャケットを着ていた。
それをブレモン スーパーマリンと組み合わせていた。おそらくリーンダーはヘンリー・オン・テムズのボートクラブのなかで最も格式の高いクラブだ。
グレゴリー所有のふたつのオリンピック金メダル。
私は、レガッタの多くの女性がよく選ぶサントスをつけていた。
この女性のようにね。
アッパー・テムズ・ローイング・クラブは、ヘンリー・ロイヤル・レガッタのコースのすぐ近くにある。ここにはドレスコードはなく、パンケーキとスムージーだけだ。
美しいサーモンダイヤルを持つロレックス デイトジャスト。
カシオとドレスのマッチング。そして、ほとんどの写真がドリンクを片手に撮っていることに注目して欲しい。
レガッタのカラー。
カルティエのタンク マスト。これを身につけていた紳士は、姉が亡くなったあとに姉からそれを相続したもので、今では彼女がこの時計に取り憑いているのだと言った。フォローアップしたかったが、残念ながら時間がなかった。
カルティエ パンテール。
オーデマ ピゲ オフショア クロノグラフ。
クレイグ(Craig)のGMTマスターII。
ナビエラ(Nabeela)のカルティエ タンク。
スウォッチ スキン。
このボート選手のデジタル カシオの写真を撮りながら、 彼の友人が“パテックを家に置いてきたのが残念だったね”と冗談を言い続けていた。
オメガ シーマスター プラネットオーシャン クロノグラフ。
カルティエ タンク フランセーズを身につけた老紳士。
レガッタを観戦して長い1日を過ごしたあと、昼寝をしている。
ブレモンのビクトリー限定エディション。
年配者も若者も、その日のレースについて語り合う。
ほかのチームがその日のボートを片付けている。
ヘンリーに乾杯。また次の機会まで。
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