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Hands-On EDCの世界に戻ってきたのは、このシャープな時計のおかげだ

毎日持ち歩くものに最後に関心を持ったのは10年ほど前のことだ。その後、あるナイフメーカーが時計を作ったことで、再び夢中になった。

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 私はいつもナイフを持ち歩く男になった。しかし、面白いことにアダム・サヴェッジ(Adam Savage)やRedditではなく、時計が私をここまで導いてくれたのだ。ジェームスブランド × タイメックス  エクスペディション ノースだ。

 2012年に設立されたジェームスブランド(JB)はEDC界の寵児だ(“EDC=Everyday carry”とは誰かが毎日持ち歩く便利なアイテムのこと)。このブランドはスタイリッシュでミニマルなナイフを作ることで、EDCの世界ですぐに好意的な評判を得た。このナイフはベア・グリルス(Bear Grylls)のワナビーたちより、むしろデザインマニアにアピールした(ただし、公平に見てボーラー M390 スティールや大量のチタンなどの素材を使用しているため、フィールドでの能力は平均以上だ)。また、カラビナやキーホルダーなど、ほかのEDCグッズも製造しており、パイク、チャプター、エルコ、クローヴィス、ウェイランドといった気の利いた名前が付けられている。これらの製品がオレゴン州ポートランドにルーツを持つブランドのように聞こえるとしたら、それは会社がそこで設立されたからだ。

 JBが若くて軽快な西海岸志向であるのに対し、タイメックスは正反対と言える。本社はコネチカット州のミドルベリーだ。1854年から続く老舗だが、近年はジョルジオ・ガリの指揮のもと、タイメックスのデザインが刺激的で新鮮なものになってきた。この会社は堅実で信頼性の高いデザインでその名声を確立してきた。つまり、“take a licking and keeps on ticking(衝撃を受けても動き続ける)”というスローガンだ。

 今回のコラボレーションでは、2つのブランドの特徴的なデザイン要素を慎重に融合させた時計が完成した。タイメックス  エクスペディション ノースシリーズの41mmケースはチタン製で、ミヨタの8215 ムーブメントを搭載している。ねじ込み式リューズにはエナメルのJBロゴが入っており、200m防水に対応しているほか、同ブランドのシンプルな哲学を反映したまったく新しいダイヤルデザインを採用している。価格は349ドル(約3万8400円)だ。

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 チタン製の機械式時計としては、かなりお買い得だと思う。タイメックスで最もポピュラーな機械式モデルのマーリンは249ドル(約2万7400円)で販売されているが、100ドルのプレミアムで、チタンケースの世界に入ることができる。おまけにサファイアクリスタル風防だ。また、限定コラボウォッチを持つことのアドバンテージもある。もちろん、あなたがそのようなことを信じているのであれば、だが(多くの消費者はそう思っている)。

 時計を単体で購入することもできるが、JBで最も人気があるナイフのチャプターとチタン製カラビナのメルヴィルをセットにしたボックスセットを購入することもできる。時計、ナイフ、カラビナのコンボは、すべてチタン製だ。このセットはEDCと時計双方のコミュニティをつなぐ完璧な役割を果たす。すでに多くの交流があるが、この“スターター”EDCキットは2つの世界のギャップをうまく埋めていると思う。どちらも長年の愛好家にとって十分に興味深いものだ。

付属のナイフ、チャプターはNATOストラップのカットをはじめ、ナイフを使うあらゆる場面で活躍する。

私は、このNATOストラップでのジェームズ・ステイシー メソッド®の使用に対して、彼に対するロイヤリティの支払いを拒否する。

あとは、この古いNATOストラップの切り端をライターできれいにするだけだ。

 EDCファンは価値と実用性を非常に重視している。時計マニアが熱心に時計を吟味していると思うなら、YouTubeでナイフのレビューをいくつか再生してみてほしい。時計と同じようにデザイン、使いやすさ、人間工学、価格、ブランドの知名度などが話題の中心となっている。EDCの世界には、特に危険を伴う仕事をしている人たちのために銃器も含めたサブカルチャーがある。腕時計の記事ではそのようなものはないので、私は火の出るようなものは持たない。

さて、私の典型的なEDCは何だろう? 左から順に紹介してみよう。
1)iPhone、2)HODINKEEのオフィスからお下がりのライカ CL、3)  JBのチャプターナイフ(チタン製)、4)JBのメルヴィル(チタン製)、5)使い込まれたMuyshondtメイスンのプロトタイプ フリーガー エレクトリック トーチ(ラズルダズル迷彩柄)、6)1995年に購入した日産スカイラインのキー 、7)バンコクの古い工房でベン・ヴィアピアナ(Ben Viapiana)と一緒に作ったパスポートカバー、8)セイム・オールド・ デイズによるタイのバッファローホーンを使ったカスタムサングラス、9)JB × タイメックス エクスペディション ノース、10)バング&オルフセンのベオプレイ E8 スポーツヘッドフォン、11)60年代のビュイックに使われていたデッドストックのビニールで作った財布 

 EDCのオピニオンリーダーがJBのタイメックスをどのように分析するか知るために、私はEDCギアをレビューする人気YouTubeチャンネルを持つニック・シャバズ(Nick Shabazz)に注目した。彼のビデオの中に「DO NOT GET INTO WATCHES(時計の世界に入るな): A Public Service Announcement」というタイトルのものがある。その中で、彼は「時計は値段が上がると壊れやすくなる」と嘆いている。これこそが、私がこの人のところに行くと確信した枠組みなのだ。ジェームズブランドが時計の世界で勝負するのであれば、時計好きの視点とEDCの視点の両方から製品を見るのは当然だと思う。

 「日常的に持ち歩くということは多様です。なかには時計に興味のない人もいるでしょう」とニックは話してくれたが、「賢い人はね」と笑って分析を続けた。「機能優先の視点があります。丈夫で長持ちすることが重要なのです。このような人たちは複雑さとコストが増すだけなので、時計の回転するギアなどには興味を示さないでしょう。しかし、もちろん高級志向の人たちもいます。ナイフをたまたま刃がついている芸術品のように扱うアートナイフの人たちがいます。問題を美しく解決してくれる。切れ味が特に良いわけではありませんが、ファンシーであることが重要なのです」

 そしてニックは、EDCを愛好する彼が時計に求めるものを的確に表現してくれた。

 「製造者が完璧な機能を持つ製品を作るために必要なことをした上で、さらにもう一歩踏み込んだ努力をしたという証拠が欲しいのです。私はそれを時計やナイフに求めています」

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 ジェームズブランドのタイメックスは、時計コレクター向けの時計ではないし、箱にしまっておくのに適した時計でもない。むしろ自分の道具に厳しく、頻繁に使う人に向いている時計だと思う。何といってもタイメックスだから気軽に身につけられるのがいい。だからこそ、EDCという実用性第一の世界から時計の世界に入ってくる人にはぴったりなのではないだろうか。

 EDCコミュニティでは高級時計の世界のようにラグジュアリーが称賛されることはない。ベンチメイドやカーショウ、ウォックスの懐中電灯がツートンカラーのエクスプローラーに合うとは限らないのだ。シンプルさと便利さ、そして贅沢でないことが称賛される。タイメックスはその枠組みの中で完璧にフィットする。技術的に優れているだけでなく(ミヨタ製のムーブメントはEDC愛好家が好むタイプだ)、親しみやすく気取ったところがない。森の中では、あなたがつけているのが最新の独立系ブランドの時計であろうが入手困難なロレックスだろうが、誰も気にしないのだ。

 ツールウォッチの特徴は機能する以外ないのだ。ハンティング機能やフィッシングディスプレイのようなものはすべて余計なのだ。悪魔のように叩きのめされても機能し続けるのか? 私はロレックスのGMTマスターⅡとサーチナのDS PH200Mの両方を徹底的に試してみた。そして、両者の価格差は日本のエコノミーカーの中古車が買えるほどだが、どちらも同様に機能した。だからこそ、どちらも評価できる。

 ジェームズブランドのタイメックスの購入者は、歴史的なつながりや時計の希少性、ブランドのレガシーにはあまり関心がない。彼らが求めているのは現場で自信を持って身につけられる時計であり、ナイフや懐中電灯などのほかの道具と同じように扱うことができる時計なのだ。

 そして、これも言っておきたい - チタン製ナイフやカラビナと並んで、とてもきれいに見えるのだ。筋金入りのEDC好きも、機能性をクリアしたギアならば見た目の美しさも認めるはずだ。

Photography: Spenser Heaps

 何年も前、私はEDCの世界に片足を突っ込んでいた(これらのポストは2013年のもの)。EDCは巨大なコミュニティであり、どのソーシャルメディアでも「#edc」や「#everydaycarry」のハッシュタグをチェックすれば、その実態がわかるだろう。HODINKEEの読者のなかには、“ポケットダンプ”をしたことがある人が少なからずいるのではないだろうか(ポケットを空にし、中身をきれいに並べてインスタ映えする写真を撮ること)。もしそうなら、あなたの写真を見せて欲しい。

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