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Watching Movies ザック・エフロン、『アイアンクロー』でプロレススターのケビン・フォン・エリック役でツートンカラーのロレックス デイトジャストを着用

今週のWatching Moviesのキーポイントは、家族、悲劇、プロレス、そしてロレックスだ。


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今回もWatching Moviesシリーズをお届けするために、フィルムのリールから作品を引っ張り出してきたことをお許しいただきたい。過去12カ月間の映画界は非常に盛り上がり、『オッペンハイマー(原題:Oppenheimer)』『バービー(原題:Barbie)』以外にも素晴らしい作品が数多くリリースされた。失礼を承知で申し上げるが(私は両作品とも大好きだ)、今年ほど映画的に特別な年を思い出すのは難しい。似たような年を思い返すとしたら、2007年になるだろうか。その年は『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(原題:There Will Be Blood)』、『ノーカントリー(原題:No Country For Old Men)』、『フィクサー(原題:Michael Clayton)』、『ゾディアック(原題:Zodiac)』などを世に送り出した年である。『トランスフォーマー(原題:Transformers)』の1作目もあった(リンキン・パークが主題歌を担当した)。その年が非常に興味深かったのは、賞の選考において、多くの優れた選択肢があったにもかかわらず、いくつかの映画が受賞の対象から外れてしまったことだ。今となってはモダンクラシックと呼ばれる映画である。

 今年もそれと似たような年だった。今日は、期待に胸を膨らませて2023年に公開したものの、受賞の望みを打ち砕かれた映画を見てみよう。その映画とはショーン・ダーキン(Sean Durkin)監督の『アイアンクロー(原題:The Iron Claw)』で、一世を風靡しながらも計り知れない喪失感に見舞われたプロレスラー一家、フォン・エリック(Von Erichs)の実話にインスパイアされた感動作である。この映画では、ザック・エフロン(Zac Efron)がキャリアの転機となる役で主役のケビン・フォン・エリックを演じ、彼は映画の舞台となる1980年代を象徴するロレックスの時計を身につけていた。

Iron Claw

リングに上がったフォン・エリック一家。Image: A24


注目する理由

 アカデミー賞授賞式から最初の1週間を終えようとしているが、ノミネートされたすべての映画を見て、昨年見た素晴らしい映画のなかでまったくノミネートされなかったもの(私の意見としては不当だが)をいくつか思い出した。1本目はウェス・アンダーソン(Wes Anderson)監督の『アステロイド・シティ(原題:Asteroid City)』で、これは何度も見る必要があり(私を信じて)、私が必死に探しているヴィンテージクロノグラフが登場する映画である。そしてもうひとつが今日のメインである『アイアンクロー』であり、アカデミー賞の騒ぎが一段落したいま、Watching Moviesを復活させて、見過ごされがちなこの映画に戻るには絶好の機会だと思った。

 この映画は、父親の跡を継いだ四人の兄弟がそれぞれ、1980年代のプロレスの世界に入っていく様子を描いている。当時はちょうどWWF(ワールド・レスリング・フェデレーション)が頭角を現してきた頃で、プロレスの発展期であった。エフリン氏演じる長男のケビン・フォン・エリックには、幼いころに亡くなった兄がいて、事実上の長男として残されたことを知るなど、この家族は最初から喪失感にさいなまれていた。そして彼は兄弟のなかで初めてプロ入りした選手でもある。

Efron

 映画のネタバレにならないように言うと(たとえそれがある種の伝記映画であっても)、テキサスの兄弟たちは、彼らが抱える威圧的な父親のもとで育ったことの影響や、ともにプロレスの舞台に立つことへの競争心に向き合って、成長することを余儀なくされる。そして大きな損失と絶えず向き合いながら、ビジネスのプロフェッショナルとしての側面と家族的な側面をどのように切り分けるか、模索することを迫られる。死はこの映画で最も基本的な役割を果たしており、エフロンの演技で重要な役割を担っている。正直に言って、彼にそのような演技力があるとは知らなかった。

 各自がひとりでこの映画に没頭できるように、筋書きから離れて、エフロンにも関係する時計の部分に注目しよう。この映画での彼のキャラクターは、映画をとおしてリング上のファイターから、年を重ねるにつれて一族によるプロレス帝国のオーナーへと成長していく。そしてささやかな成功を収める彼を見るにつれて、彼のキャラクター性が非常に際立つ時計を着用しているのがわかる。ロレックスのジュビリーブレスレット仕様のスティールとゴールドを見逃すのは正直難しいし、彼のキャラクターがツートンのロレックス デイトジャストを身につけていたことは一目瞭然だった。

Rolex Datejust

『アイアンクロー』でザック・エフロンが着用していた時計と同様の、ツートンカラーのロレックス デイトジャスト。Image: Kasia Milton

 どんな映画を見るときもそうだが、ショービジネスはあくまでもショービジネスであり、正規品ではない時計がしょっちゅう出てくることを知っているため、常に慎重かつ注意深い態度で時計を見つけている。私が映画やテレビに関する仕事に携わるようになったのは、時計の調達に関するコンサルティングをするためでもある。時計を見つけるのは楽しいし、我々が目にする時計は、我々が思っているよりもクールでリアルなものであってほしい。先週日曜日に行われたアカデミー賞の話に戻ろう。

 ロレックスはこの授賞式とのパートナーシップのために、過去5年間の映画のうちにロレックスの時計が登場したビデオクリップという形で、今ではよく知られた映像を発表した。そのうちのワンシーンに、まさにこの映画が映っていたのだ。エフロンがツートンカラーのデイトジャストを身につけ、映画のラストである極めて重要な感動的シーンを演じている瞬間である。これが時計の正当性を証明するものでなければ、何がそれであるかわからない。

Efron Rolex

『アイアンクロー』にて、ツートンカラーのデイトジャストを着用したケビン・フォン・エリック役のザック・エフロン。Image: A24

 さて、誤解のないように言っておくが、ロレックスはプロダクトプレイスメント(広告主の商品を使って、認知度を広めること)をしていない。無償で映画に直接協力して、その時計を含めるよう依頼することもない。そのすべてのビデオクリップは、ブランドとは無関係に、ロレックスの時計が何らかの理想的な形のもとで取り入れているのである。ご存じのように、ロレックスは多くの人にとって、先祖代々受け継がれる典型的な時計だ。私自身、祖父が亡くなったときにツートンカラーのロレックス デイトジャストを譲り受けたため、特別な思い入れがある。映画のなかでも、ホルト・マッキャラニー(Holt McCallany)演じるフォン・エリックの父フリッツは、ダイヤモンドインデックスが付いた金無垢のデイトジャスト&ジュビリーブレスレットらしきものを身につけている。

Iron Claw Rolex

『アイアンクロー』でホルト・マッキャラニー演じるフリッツ・フォン・エリックが、金無垢のロレックス デイトジャストらしきものを着用している。Image: A24

 エフロンのデイトジャストに関しては、この映画で彼が身につけているのがどのようなリファレンスなのか正確にはわからないが、おそらく80年代に製造されたシャンパンダイヤルの16013だろうと想像している。言うまでもなく、彼は映画のなかでも人生の重要な場面でこの時計を着用し、深刻な人生のトラウマを克服しようとする彼とともにある。ヘビーな映画であることは否定できない。ある意味では、いいことも悪いことも含めて、時計が思い出や経験で満たされる様子を表している。


見るべきシーン

 ツートンカラーのデイトジャストが最初に登場するシーンは、エフロンが妻のパム(リリー・ジェームズ演じる)と結婚したあとに執り行われた結婚披露宴のシーンだ。感動的なシーンで、夫婦とフォン・エリックの家族全員が集まってお祝いをしている。そして、インターネットで話題になり急速に広まったラインダンスの瞬間にも登場した。エフロン演じるケビン・フォン・エリックは、結婚式のあいだずっとデイトジャストを着用しているが、この時計をフィーチャーしたもっと特別なシーンがある。ケビンは弟のデビッド(ハリス・ディキンソン演じる)が、まだ診断されていない病気で苦しむ姿をバスルームで見つける。ふたりはバスルームの床に座り、ケビンが弟に第一子を妊娠していることを伝えると、フレームの前にデイトジャストのシルエットが表れる。

Iron Claw

Image: A24

 デイトジャストがクローズアップされる重要なシーンはほかにふたつある。ひとつはロレックスのビデオクリップ(上で簡単に説明した)で登場した、映画の最後にエフロン氏演じるケビンが彼の子どもたちを抱きしめるシーン。もうひとつはそのシーンの少し前のところだが、映画のなかで非常に感動的な瞬間なので、ネタバレはしない。しかし、このシーンの利害関係が原因で、ケビンは父親と対決し、激しい殴り合いをすることになる。彼は父親を地面に倒し、首を絞め始める。そして彼が力を抜いて手を緩めると、カメラが彼の手に切り替わり、ツートンカラーのデイトジャスト シャンパンダイヤルが見えてくる。決してハッピーなシーンではないが、痛切な瞬間の時計を映し出す、非常にエモーショナルなシーンだ。

Iron Claw

Image: A24

『アイアンクロー』(ザック・エフロン主演、リリー・ジェームズ、ハリス・ディキソン、ジェレミー・アレン・ホワイト、ホルト・マッキャラニー、モーラ・ティアニー、スタンリー・シモンズ出演)はショーン・ダーキン監督、小道具はスティーブン・P・ノエル(Stephen P. Noell)担当。AppleやAmazonでレンタルまたは購入することができます。

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