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June 22, 2021
アーノルド&サン ルナマグナはどのようにして作られたのか?

アーノルド&サン ルナマグナはどのようにして作られたのか?

アーノルド&サンのルナマグナは、大理石の小さな芸術品をお披露目した。

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アーノルド&サン ルナマグナの立体的なムーンフェイズディスプレイは魅惑的な美しさを備え、2つの半球は地球唯一の衛星が放つ見事なまでの荘厳さを連想させる。アベンチュリンガラスと大理石で構成されたこのディスプレイは、私がこれまで見た時計の中で、最も独創的な月の描写の一つだ。

 ルナマグナは輝くアベンチュリンガラスのダイヤルの下に、リューズで簡単に設定することができるアーノルド&サンの新しい自社製ムーブメント、AS1021を搭載している。しかし、この時計の主役は、半分が大理石でできた2.2gの月そのものだ。それはしっかりした軸をもち、回転もする。

 アーノルド&サンの製品開発責任者であるデビット・アポセロス氏に、この一風変わったるディスプレイが、どれほどの手間をかけて作られたものかを語っていただいた。

ステップ1:原材料を探す

デビット・アポセロス氏(以下DA):  私たちは、ムーンフェイズを表示する新しい方法を考えていました。立体的で特殊な素材を使ったものを作りたかったのです。良い素材を探すのに数カ月かかりました。例えば、月の裏側を表すブルーのアベンチュリンガラスなどです。月の裏側を、夜空全体の中で解釈したかったのです。そのためには、アベンチュリンのダイヤルと同じような光り方をする必要がありました。また、月の白い面には、夜の月に見られるようなグレーの色合いを持つミネラル素材を使うようにしました。そこで見つけたのが、アドリア海周辺の大理石です。これはヴェネツィア周辺のモニュメントに使われている有名なタイプです。グレーの濃淡と模様のあるとても美しい大理石です。

ステップ2:コアリング(素材のくり抜き)

DA:次にコアリングの工程です。職人は、色合いやトーンを得るために適切な石を選ばなければなりません。アベンチュリンの場合は、金属酸化物の破片の密度が最適な部分を選ばなければならないほか、原料から芯の部分を切り取るときの圧力に注意しなければなりません。とても繊細なため、そうしないと表面にクラックが入ってしまうのです。月の両面で、両方の素材で同じ工程が必要になります。

ステップ3 :ひたすらスライスする

DA:コアリングすると、円筒状のものができあがります。真っ直ぐな面を得るために一枚一枚スライスしていくのですが、同時に内部がどうなっているか、空洞があるのかないのかを確認しなければなりません。この作業に、鋭利なカッティングディスクの熟練した扱いが必要となります。これはかなり高速で行う作業なのです。

ステップ4 :ドリルを知る

DA:各パーツの内側の面にドリルで穴を開けます。月の中にはスティール製の軸がありますが、ここに軸を通すのです。この段階での研究開発は非常に大変でした。というのも、この種の素材に特化した工具を定めて、調整する必要があったからです。また、ドリルの回転数や進行速度などの設定値も見つけなければなりませんでした。完璧な設定値を見つけることで、品質や美観の問題となるチップを避けることができます。この工程だけでも、1個あたり2.5時間のドリル作業が必要です。非常に精密な作業なのため、ゆっくりと進めなければなりません。この段階での不良率は約20%です。

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ステップ5 :外側を丸める

DA::これは最もデリケートな工程で、不良率も約50%と最も高くなる可能性があります。素材を選ぶときには、当然ながら中が見えません。空洞がなければいいのですが、それは分からないのです。外側の面を丸めると空洞が出てくることがあります。ここからが正念場です。この段階では、1つのパーツに対し、約3時間かけて加工を行います。

Step 6: 磨きをかける

DA::そして、半球のドームを磨きます。これは機械的な最後の工程です。これには長年の経験が必要で、磨きすぎてしまうと、表面が変形してしまい、完璧な半球のドームにはなりません。これは非常にデリケートな作業なのです。

Step 7:組み立て前のチェック

DA::2つの半球の部品が完全に組み込めるように、全ての寸法を確認します。軸は2つの半球の間に絶対に隙間なく収める必要があります。

ステップ8 :月の完成!

DA:最後の作業は、ムーンフェイズディスプレイの組み立てです。軸を設置し、2つの鉱物の半球をクリップで留めます。特殊な接着剤であるエポキシ化合物を垂らして固定し、オーブン内で4〜5時間かけて硬化させます。

ステップ9: 検証する

DA:最終的には、品質プロセスと機械的検証プロセスを経ます。全てが基準をクリアすれば、新しいルナマグナ・キャリバーに備え付けられるのです。

アーノルド&サン ルナマグナ。44mm×15.9mmの18Kレッドゴールドケース、Cal.A&S1021、ムーンフェイズがついた2万1600振動/時の手巻きムーブメント、パワーリザーブ90時間。ダイヤルはアベンチュリンガラス、ブルーのPVDフランジ、ムーンフェイズは大理石とアベンチュリンガラス。3気圧防水。世界限定28本。価格:583万円(税込)

詳しくはアーノルド&サンの公式サイトをご覧ください。