ADVERTISEMENT
先日、40台のレーシングカーがデイトナ・インターナショナル・スピードウェイを500マイル走破し、最も速いドライバーがデイトナ500を勝ち取ることになった。多くのアメリカ国旗が掲揚され、最速を競うレースとともに、大量のビールが消費されることになる。NASCARカップシリーズの開幕戦は、おなじみのデイトナ24時間レースとはまったく形式が異なり、フランスの有名なル・マン24時間レースに似たヨーロッパ式の耐久レースなのだ。しかし、この2レースに共通するのは、現在最もホットなロレックスであるデイトナと同じ名を冠することだ。
しかし、デイトナはもともと今のような熱狂を集める時計ではなかった。メガコレクターのジェイソン・シンガー(Jason Singer)氏は、2015年の「Talking Watches」のなかで、1980年代のNAWCC(古典時計協会)のイベントでの光景を次のように回想している。「デイトナがテーブルから落ちたので、私がそれを拾おうと屈んだら、とても有名なディーラーが足でそれをテーブルの下に蹴って戻したんだ。当時デイトナは250ドルから350ドル程度だったからね」
デイトナは当時、単にコレクターに人気がなかっただけなのだ。この傾向は2000年代初頭まで続いた。
しかし、大多数のコレクターに愛されていないときでも、ロレックス デイトナを渇望する人々がいた。それはレーシングドライバーたちである。そう、ロレックスは’90年代初頭から、デイトナ24時間レースで表彰台に上ったドライバーにこの時計をプレゼントしていたのである。
必要なことは、すべてこの名に収斂される。フリースベストを着た銀行家や石油王にとって、この時計はステータスシンボルだが、レースドライバーたちにとっても別の理由でステータスシンボルなのだ。
2008年のレースを前にして、デイトナ24時間レースを制したことのあるスコットランド人ドライバーのダリオ・フランキッティ(Dario Franchitti)は、「この特別なレースでどのドライバーとチームが勝利するのか楽しみです。デイトナ24時間レースで優勝することは、ドライバーにとって信じられないほどの偉業ですが、ビクトリーレーンでロレックスの時計を受け取ることは究極の報酬なのです」と語った。
そして、現代の偉大なレーサーであるスコット・プルーエット(Scott Pruett)によれば、ロレックス デイトナは、誇示するためではなく、純粋にコースを制する腕前の証であるからこそ、究極の報酬なのだという。
「ロレックスは、最高レベルで成功するための忍耐と労苦を常に思い出させるものです」と、彼はかつて語った。「デイトナで戦うすべてのレースドライバーは、究極の報酬であるロレックスの時計のためにレースをしているのです」
彼はさらに続けた。「トロフィーを獲得すれば、それはトロフィーケースに収まります。しかし、デイトナを獲得すると、裏面に“勝者(Winner)”と刻印されているのです。これ以上特別なことはないでしょう。現役のドライバーも、引退したドライバーも、このレースで一番印象に残ったものは間違いなく時計だと言うでしょうね」
このエピソードが象徴するのは、レースドライバーは、常に時代の最先端を走ってきたということだ。
Shop This Story
HODINKEE Shopではロレックス デイトナを含む数多くの中古品を取り揃えています。ロレックスの詳細については公式Webサイトまで。
話題の記事
Introducing モバード×デリック・アダムス アーティストシリーズが新登場
Bring a Loupe ロンジン 13ZN、ホワイトゴールド製デイトジャスト、ロレックス プレエクスプローラーなど
Photo Report オリジナル マイアミビーチ アンティークショーで出合ったヴィンテージウォッチと珍しいアイテムたち