Introducing 漁網をアップサイクルした、オリスの環境配慮型新アクイス

　2015年、ブレスネットの創設者であるベンジャミン・ウェンケ（Benjamin Wenke）氏とマドレーヌ・ヴォン・ホヘンタール（Madeleine von Hohenthal）氏がタンザニアでダイビングをしていたとき、“ゴーストネット”と呼ばれる、海で何世紀にもわたって漂流し、海洋生物に深刻な影響を与える漁網の悲劇に気づいた。彼らはゴーストネットをアップサイクルしてブレスレットを作り始めたが、今ではこの生命を脅かす可能性のある廃棄物を美しいものに変える、ありとあらゆる製品のカタログを作っている。

　今回の場合、これらの廃棄ネットはダイヤルを作るために使われる。緑、青、白の小さな端材をゆっくりと温めて溶かし、冷やして固めて薄いシート状にしたものから生まれたカレイドスコープだ。そのシートは、サイズに合わせてカットされたうえで研磨により厚さ0.3mmまで削られる。添加物、接着剤、充填剤は一切使用されていない。この工程で使用される素材は異なるものであるため、文字盤はひとつとして同じものはない。

　これらのダイヤルは直径43.5mm、または36.5mmのオリス　アクイスデイトのSS製ケースに収められ、どちらも300m防水、SS製ブレス、シースルーバック、逆回転防止ベゼルを装備している。

　この時計はセリタ SW200-1をベースにしたオリス 733を搭載しており、中央に時・分・秒表示、6時位置にデイト窓、日付のクイックチェンジ機能、秒針停止機能、そして38時間のパワーリザーブを備えている。Cal.400を搭載したアクイスデイトのプライスに対して、どちらのサイズも38万5000円（税込）と、手の届きやすい価格帯に抑えられた。これらの時計は今年の9月から発売される予定だ。

　アップサイクルにより製造されたダイヤルはどの色のプラスチックを混ぜ合わせるかに大きく左右され、時計の雰囲気も大きく変わってしまう。しかし、今回発表されたブレスネットによるダイヤルはグリーンとブルーを混ぜ合わせたようなクールな色合いから、他のモデルにはない個性的なデザインでありながら、安心して身につけることができる。また、パワーリザーブが比較的短かろうが、Cal.733を搭載していることが何よりも喜ばしい。セリタ製ムーブメントを搭載してより求めやすい価格になったことで、より多くの時計が売れ、“ゴーストネット”の問題に対する認識が高まることを期待したい。

　そして、私が本当にショックだったのはこのゴーストネットについてだ。網に捕らえられた動物たちの悲惨な写真はたくさん見てきたが、その網がどれほどの期間、海中を漂うことになるのかは知らなかった。この時計がゴーストネットの再利用に貢献し、特にダイバーズウォッチへのアップサイクルにつながることを願っている。

ブランド: オリス（Oris）
モデル名: オリス×ブレスネット アクイスデイト（Oris x Bracenet Aquis Date）
型番: 733 7730 4137 07 8 24 05PEB （43.5mm径モデル）、733 7770 4137 07 8 18 05P （36.5mm径モデル）

直径: 43.5mm、36.5mm
厚さ: 12mm（43.5mm径モデル）、12.5mm（36.5mm径モデル）
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: “ゴーストネット”をアップサイクルしたブルーとグリーン
インデックス: 夜光が塗布されたスティール
夜光: スーパールミノバ®で覆われた針とインデックス
防水性能: 300m
ストラップ/ブレスレット:  3連のSS製メタルブレスレット、セキュリティフォールディングクラスプ（43.5mm径モデルはクラスプエクステンション付き）

キャリバー: オリス 733
機能: センター時分針、6時位置にデイト窓、日付のクイックチェンジ、日付修正、ファインタイムチューニング、秒針停止機能
パワーリザーブ: 38時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 26

価格: 38万5000円（税込）
発売時期: 2023年9月
限定: なし

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