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Hands-On セイコー プロスペックス SBDC171が、過小評価されがちなクラシックデザインを一新

知らないダイバーより知っているダイバーの方がいい。

最近、セイコーから届いた箱を開け、梱包からSBDC171を取り出したとき、私は既視感を覚えた。この時計、どこかで見たことがある、そしてこれはデジャブだ、と。でも、"ここ "ではない。このような場所で、このような時計と一緒に。この時計に見覚えがあるのは、なぜだろう。

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 今年初め、セイコーがダイバーズウォッチ現代デザインシリーズの一環として、SBDC171、SBDC173を発表したことをジェームズが記事にしたとき、他の多くのセイコー製品と同様、私の目は奪われた。ケース形状、ベゼル、文字盤のインデックスなど、セイコーデザインの真髄とも言える親しみあるクラシックな雰囲気は、私にとって、そして他の多くの愛好家にとっても、ホームのように感じられるだろう。セイコーは私のコレクションの出発点であり、ここ数年、さまざまなモデルを次々と手に取ってきた。新しいトリオは、アイスダイバーや、カメをテーマにしたタートル、その前のウィラードのように、素晴らしいセイコーダイバースのように写った。しかし、いずれも、あと数クリックで買いそうな手前で思いとどまり、あきらめようとしていた。

Seiko SPB313

 6月のセイコーの発表から、数週間前にSBDC171が私の手元に届くまでのあいだ、私はジェームスの記事から学んだことをすべて忘れることにした。このSBDC171が、セイコーの名機「6105-8000」の単なる復刻版ではないことを、私が知っているなかで最もディテールにこだわるグループのひとつであるセイコーファンに、リスクを冒してでも認めなかった。頭のどこかで、何かおかしいと感じながらも。

 では、詳細の紹介に戻るとしよう。セイコーは、ビンテージリファレンス6105-8000を現代的に生まれ変わらせたモデルとして、SBDC171と、ブラック/ギルトダイヤルのSBDC173のほかに、クラシックなブラックダイヤルのSPB317(日本未発売)を発表した。

Seiko SPB313

 オリジナルの6105-8000は、少し中二病的なところがある。元祖である62MASは、1965年に登場したセイコー初のダイバーズウォッチとしてコレクターズクラシックとなり(その再解釈については、ジェームズが詳細に、またさらに細かく書いている)、6105-8000の後継モデルである6105-8110はその奇妙で象徴的なケース形状で『地獄の黙示録』で有名になり、その「ウィラード」はセイコーコレクターなら必ず持っているヴィンテージ6105となった。しかし、6105-8000は常にただ静かに存在した。実際、オリジナルの6105-8000はウィラードの影に隠れてしまい、新しいSPB313に対する私の夢想状態の反応は、ある意味ウィラードを期待していた私の脳が、別のものを手に入れることを期待していたのかもしれない。オリジナルの6105-8000の価格は徐々に上昇しているが、トリオのなかで最後に復刻したのがこのモデルだったことにも、あまり驚きはなかった。

 カラーバリエーションに関係なく、セイコーの新トリオの特徴は、同じくスーパーハードコーティング(ダイヤシールド)を施した幅41mm、厚さ12.3mmのスティール製クッションケースを採用し、ラグ幅は46.9mmである。これにより、SBDC109、111よりも約1mm、SBDC101よりも1.4mm薄くなり、これまでのプロスペックスの復刻版のなかで最も薄型の製品となった。本機はプロスペックスで最も薄いケースを採用しながらも、200mの防水性能を維持している。

Seiko SPB313

 内部にはセイコーの6R35ムーブメントが搭載され、毎時2万1600振動、70時間のパワーリザーブで作動する。多くのバイヤーにとって、おそらく次のような点が、復刻版の勝負の分かれ目になるだろう。 4時半位置の小さな円形の開口部に日付が表示されることだ。この表示は、私も最初に見たときから気になっていた。

 ストーンヘンジの建設にまで遡る日付窓の大論争を蒸し返したくはない(つまり、あの岩はすべて大きな日付窓以外の何ものでもないということ)。しかし、セイコーがそれぞれのモデルで日付窓のカラーマッチングを行ったことで、デイト表示がこれほどまでに控えめな存在になったのは紛れもない事実である。長年、身につけてきたのはほとんど日付ののっていない時計であったため、私自身もデイト表示がそこにあったことを忘れてしまっていた。

Seiko SPB313
Seiko SPB313

 SBDC171を実際に手首に装着してみると、その美しさが際立つ。クッションケースの曲面が手首に吸い付くようにフィットし、その薄さは意識せざるをえないほどに感じられる。湾曲したサファイアクリスタルの下には存在感を放つ深みがあり、ブラックベゼルとのコントラストだけでなく、ブラックダイヤルが主流であるダイバーズの世界でも際立つホワイトダイヤルがアクセントになっている。

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 盛り上がった夜光のマーカーはやや青みがかった色合いで、周囲はシルバーで彩られているため、ほとんどの環境下で黒に見えるかもしれない。けれど私は、色が完全に一致していないことにより、つける人物の視線を文字盤の中身に移動させ続けるという、デメリットというよりむしろメリットを持ち合わせていると思う。黒い針、特に先端が赤と白になっている秒針は、文字盤から高く浮いているように見える。正直、見ていて楽しいし、少なくとも、それこそが時計に求めることの大部分を占めているのではないだろうか?

Seiko SPB313
Seiko SPB313
Seiko SPB313

 いくつか個人的に批評したい部分がある。SPB317がラバーストラップで200ドル安いのに対し、SBDC171は(SBDC173と同様)ステンレススティールブレスレットで1100ドル(13万2000円・税込)する。私はブレスレット派だが、最初の投稿で200ドル節約してラバーの白文字盤を選ぶと言ったジェームズに同意せざるを得ない。ブレスレットは、そのダイビングエクステンションによるたくましさや実用的な要素もありつつ、あまり美しくない奇妙な曲線のような部分がある。ラバーブレスレットやNATOストラップにすれば、これらの批判はすべてなくなるだろう。

Seiko SPB313

 また、逆回転防止ベゼルが適度にクラシックな美学を備えているのに対し、そのクリック感はややスポンジーで、クラシックなセイコースタイルにおいてベゼルがわずかにずれているからなのか、それとも湾曲したサファイアクリスタルがいたずらに走っているのか、私にはよくわからない。しかし、この時計が持つすべての長所を考慮すれば、上記のような欠点が気分を害することはないだろう。

 セイコー プロスペックス SBDC171の問題点はここにある。それは、別のダイバーズウォッチを買う準備ができるまで、私の関心を引きつけ続けられるかどうかだ。それは時間のみぞ知ることではあるが。というのも、今週私は緑のSBDC111の購入を自然と考え直したのだ。それは、SBDC171がクラシカルなデザインと新鮮な表情を見事に両立させていることを非難したいわけではない。ただ、対比的にセイコー プロスペックスのベンチの強さと奥深さを物語るものであるように思えたからだ。

Seiko SPB313

 私が最初に戸惑ったのはなんだったのだろうか。この時計は、その前に発売されたシリーズで見たことがある、あるいは少しのデジャブを感じた。そしてそれは、単純にも親しみ深いセイコーという時計の真骨頂であった。

セイコー プロスペックス SBDC171。直径41mm×厚さ12.3mm×ラグ・トゥ・ラグ46.9mm。セイコーのダイヤシールドを施したスティール製クッションケース、スティール製フラット5リンクブレスレット(ダイバーズクラスプ)。200m防水。 自動巻き6R35ムーブメント、2万1600振動/時、パワーリザーブ70時間。ホワイトダイヤル、サファイアクリスタル(曲面)。価格は13万2000円(税込)。

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