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Introducing ルイ・ヴィトン 新作タンブールが一体型スティール製スポーツウォッチとして生まれ変わる(動画解説付き)

ジャン・アルノーとLVがまったく新しい解釈を加えたタンブールを発売するというビッグニュースが、ラ・ファブリク・デュ・タンから届いた。

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Video Editor: Vic Ottomanelli

2002年に、ルイ・ヴィトンのタンブールが初めて発売された。これは現代的な時計デザインであり、すでに21年も前のものであるという事実に、多くの人は気づいていない。そして時間とともにルイ・ヴィトンの時計デザインの基礎を成形するものになった。さらにジャン・アルノー(Jean Arnault)氏がLVの時計に携わることで、我々はブランドの考え方やアウトプットに変化を期待するようになった。現在のところ、ブランドの時計製造部門であるラ・ファブリク・デュ・タンは、ダニエル・ロートジェラルド・ジェンタの名を冠した由緒ある独立系ブランドの復活を支援している。

 そして今日、アルノー氏はルイ・ヴィトンに新たな足跡を残し、ブランドの次なる時代を築くための新しい時計を発表した。ルイ・ヴィトン タンブール スティールの最初の写真を見て欲しい。そう、確かにタンブールという名前はそのままだが、実際にはまったく新しいものだ。

 見ただけで、彼とラ・ファブリク・デュ・タンが何を目指しているかがわかるだろう。ここ数年ブランドのオートマタ(これとかこれ)などの超高級時計に注目が集まっている。それはブランドのコアとなる要素であり続けているが、今回の新しいモデルはブレスレット一体型のスポーツウォッチ市場に狙いを定め、20年の歴史を持つタンブールから生まれた固有のデザインコードでそれを実現しようとしているようだ。

  いろいろな意味で、これはこれまで見たLVウォッチのなかで最もオーソドックスな時計になるかもしれない。ブルガリはアヴァンギャルドで知られるブランドだが、このコレクションにもそういう要素がふんだんに盛り込まれている。その前衛さはオクト フィニッシモで行ったことに似ていると感じる。というのも、時計の枠を超えたブランドであることを再認識させるとともに、新たな目玉コレクションを発表することでブランドとの距離感を縮めているのだ。ある意味、ランゲのオデュッセウスに流れるエネルギーのような、両ブランドが統合されたスタイリングを自分たちの意のままに操り、独特の外観を作り出している点が似ているように感じる。

 それがこの新しいタンブールなのだ。それはブランドの方向性と、市場が今何を求めているかを理解しているリーダー(アルノー氏)の姿勢を物語る。しかし一体型のスポーツウォッチは数多く出回っている。なぜこれを気にする必要があるのか?

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 まず第1に、この時計はあらゆる種類の金属の使用を想定した新しいラインであり、今回はその第1弾となる。今後、さらなるアップデートが予定されているようで、まあ、これっきりということはないだろう。ふたつめはLVが機能するコンセプトを採用しながらも、ブランドの全体的なデザイン手法に調和する形でそれを実現したという事実であり、それ自体がLVを特別なものにしたということだ。ではそれがどのように組み合わされたのか、チェックしていこう。

 ケースサイズは40mmで、厚さは8.3mm。タンブールはその丸みを帯びた奥行きも含め、ドラムケースの形として長いあいだ知られてきた。この新しいモデルに関してその定義はもう見当たらない。その代わりに人間工学に基づいて特別に設計された裏側が完全にフラットではない薄いケースが特徴で、むしろ手首に沿うように設計されている。まあ時計愛好家(アルノー氏がそうであるように)なら、このような記念すべきリリースには盛り込むようなディテールだとは思う。忘れてはならないのは、これは時刻表示のみの時計だということだ。ケースの縁、ベゼルの傾斜部分にはタンブールの伝統に敬意を表し、ルイ・ヴィトンの文字をあしらっている。これもまたLVが既知のスタイル(一体型SS製のスポーツタイプ)に独自のタッチを加えていることを示している。

Talking Watches: ルイ・ヴィトン時計部門ディレクター、ジャン・アルノーの時計コレクション

ルイ・ヴィトン時計部門ディレクターが、自身のコレクションを紹介するTalking Watches記事

 内部に目をやると、やはりルイ・ヴィトン特有の美学を感じさせるダイヤルデザインが再び現れる。以前のモデルを酷評しているわけではないし、実際多くの点で真新しいと思っているが、それでもこのブランド特有のものだと感じる。これらのセクターを内側に移動させ、スモールセコンドのサブダイヤルを含む円形の囲みを配列。植字アラビアインデックスは、既存のタンブールと同様のタイポグラフィティスタイルを採用しているように見えるが、盛り上がった植字とその内側に塗布した夜光により、さらにインパクトのあるものになっている。(12時位置と6時位置の)テキストはLOUIS VUITTON PARISとFAB. EN SUISSEのみだ(どちらもラ・ファブリク・デュ・タンとヴィンテージの“Fab. Suisse”ダイヤルにちなむ)。また最初のローンチではブルーとグレーの2色の文字盤が用意された。

 グレーダイヤルバリエーションでは垂直にブラシ仕上げを入れたほぼ白のセンターカラーによりコントラストを強調。全体的にトーン・オン・トーンで統一されているにもかかわらず、、数字がダイヤルから目立つように浮かびあがって見える。

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 ブレスレットに目を移すと、これがラグのないケースであることがわかる。これは古いタンブールモデルと一致する特徴である。しかしそれらの時計は常にラグの外観を模倣したエンドリンク式のアタッチメントが付いたストラップを取り付けていた。この新しいブレスレットを装着することで、時計全体が独特の滑らかさを帯び、大幅にスリム化されたタンブールと見事に調和している。

今回の発表はルイ・ヴィトンらしさを感じるスタイルでありながら、確かな時計技術を備えた時計を生み出すことで、メゾンの時計製造の歴史に新たな1ページを追加することを目指しています。

– ジャン・アルノー、ルイ・ヴィトン時計部門ディレクター

 ブレスレットはサテン仕上げとポリッシュ仕上げをパッケージ全体に組み合わせることで、アール・デコ調の雰囲気を醸し出している。ケースへのシームレスな取り付けは、Apple Watchのブレスレットへの取り付け方法と少しばかり似ているといえなくもない。そして、そのような親しみやすさを持たせることは意図的なものかもしれない。

 この時計のなかには、ラ・ファブリク・デュ・タンのミシェル・ナバス(Michel Navas)氏とエンリコ・バルバジーニ(Enrico Barbasini)氏が考案した、クロノメーター認定済みのマイクロローター式Cal.LFT023を搭載。この特別な新しい時計のためにつくられたという意味では初めてのことではあるが、それだけではない。この新しいキャリバーは、ルイ・ヴィトンが著名な時計メーカー、ル・セルクル・デ・オルロジェ(Le Cercle des Horlogers)と共同で開発・設計したブランド初の自社製自動巻き3針ムーブメントなのだ。マイクロローターは高慣性の22Kゴールド製で、ムーブメント自体は約50時間のパワーリザーブを確保し、振動数は2万8800振動/時(4Hz)となっている。またジュネーブ天文台のクロノメーター認定済みで、日差-4秒、+6秒の精度を誇る。

 この新しいタンブールは新旧の時計愛好家に語りかけるようにデザインされた時計である。ある人たちは40年前から続く一体型SS製スポーツウォッチの伝統を見て、ルイ・ヴィトンがそれに加わることの意義を理解するかもしれない。またある別の人たち(高級時計になじみのない初心者)は、世界で最も知名度のあるブランドが日常的に使用するデジタルオブジェクトをほうふつとさせるデザインコードを備えたラグジュアリーウォッチを発表したと見ているかもしれない。新型タンブールには多様性があり、内部にはそれを示す正真正銘の機械的な裏付けがある。そして何よりも経験的にカッコいい時計なのだ。

 またタンブールを非常に薄くすることの影響にも注目しなければならない。時計のプロフィールを劇的に変化させ、この新しい一体型バリエーションを独自のものにしている。発売時点で261万8000円(税込)のこの時計は、ショパール アルパイン イーグル XPS(スモールセコンド表示付きのL.U.Cムーブメント)と競合し、この価格帯の(同分野の)時計は他社の追随を許さない。

 これがこのデザインの最後ではないことは確かで、そしておそらく今年が見納めになることはないだろう。どれほどのインパクトがあるのだろうか? それは時間が経たないとわからない。個人的にはすぐにでも手に入れたいと思っている。

ルイ・ヴィトン タンブール・スティール。Ref.W1ST10、Ref.W1ST20。直径40mm×厚さ8.3mm、50m防水。ステンレススティールケース。グレーまたはブルーダイヤル、6時位置にスモールセコンドのインダイヤル、ホワイトゴールドの針、アラビア数字インデックス、針と数字にスーパールミノバコーティング。無反射コーティングサファイアクリスタル、サファイア製シースルーバック。 SS製ブレスレット(3つ折りのフォールディングバックル)。自動巻きCal.LFT023、直径30.6mm×厚さ4.2mm、時・分・スモールセコンド。22Kローズゴールド製マイクロローター、約50時間パワーリザーブ、31石、2万8800振動/時(4Hz)、ジュネーブ天文台クロノメーター認定済み。価格は261万8000円(税込)。

Video produced in collaboration with Converge Productions.

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新作のタンブールについては、ルイ・ヴィトンの公式ウェブサイトをご覧ください。

ルイ・ヴィトンは、LVMHグループの一員です。LVMH Luxury VenturesはHODINKEEの少数株主ですが、編集上の完全な独立性を維持しています。