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Neighborhood Watch 時計愛好家のためのマイアミガイド

南フロリダの熱帯への玄関口での熱気、湿気、そして時計。

HODINKEEのライターたちは常に移動しています。この新連載では、私たちの目を通して世界をご紹介。私たち(そして時計を愛する地元の人々)が、世界中のお気に入りの都市をどのように体験しているのか。GMTベゼルをセットして、私たちの旅にお付き合いください。

ニューヨークを除いて、アメリカの時計産業の中心地となる都市があるとすれば、それはマイアミだろう。過去10年間で、マイアミの人口密度はアメリカのどの都市よりも急速に高まっている。

Shoppers

デザイン・ディストリクトに群がる買い物客たち。

 マイアミは活況を呈している。サウスビーチの派手なイメージはようやく影を潜め、アートが盛んなウィンウッドや高級住宅地デザイン・ディストリクト、さらにはリトル・ハイチやリトル・ハバナなど、若い世代によって生まれ変わった新進気鋭のエリアが登場している。どこにいても仕事ができるデジタルノマドは、寒さを避けてこの太陽の国(そして州所得税がない)にラップトップを置いているのである。そして、この街は1980年代のマイアミ・バイス以来の文化的復活を遂げ、それに伴って地元の時計文化も盛り上がってきている。

 スウォッチ グループ傘下のブランドは、2022年の製品プレビューミーティングを、ニューヨークではなく、初めてマイアミで開催した。成長中の独立系ブランドであるF.P.ジュルヌは最近、米国本社をマイアミに移し、すでにあるLVMHやリシュモンの大手ブランドと肩を並べるようになった。最近ケリンググループから離脱したユリス・ナルダンは、隣接するボカラトンに店舗を構えている。

Car in Miami

パームツリーとパステルカラーの街、マイアミ。

 パンデミックとバーゼルワールドの凋落に先立ち、マイアミが次の開催都市になるのではと噂された。マイアミでは長いあいだ、Watches and Wondersという、時計に関するあらゆることを民主的に祝うイベントが開催され、業界関係者だけでなく、愛好家も多く訪れていたのだ。マイアミは、もともと世界でも有数のウォッチスポットだったが、いまや業界の中心地にもなりつつある。ここでは、旅行者としてそれを体験する方法を紹介しよう。

Miami vibez

マイアミのユニークな文化は、ラテンアメリカのそれに大きく影響されている。

Miami vibez

キューバと葉巻は、わずか300マイル足らずのところだ。

時計店のロケーション

 「ダボス会議を除けば、毎年12月に開催されるアート・バーゼル・マイアミは、おそらく世界で最も多くの億万長者が一度に集う場所です」と、パームビーチのすぐ近くに拠点を置くウィンド・ヴィンテージ社のスーパーディーラー、エリック・ウィンド氏は言う。そして、彼らがお金を使う場所には事欠かない。現在建設中のアストンマーティン・コンドミニアムを見れば一目瞭然だ。ペントハウス・スイート(ニューヨーク以南のアメリカで最も高い建物になる予定)の購入者には、アストンマーティン・ヴァルカン(230万ドル相当、約2.7億円)が無料で提供されるのだそうだ。

Art Basel Watch

アートバーゼルのバイブスMAX。

 マイアミのデザイン・ディストリクトには80もの高級店が集まっており、その多くが時計ブティックであるため、時計目当ての買い物客にはうってつけだ。ここにはA.ランゲ&ゾーネ、ウブロ、IWC、カルティエ、パネライ、オメガ、ロレックス、タグ・ホイヤー、ヴァシュロン・コンスタンタン、そしてティファニーのブティックもある。デザイン・ディストリクトの買い物客は、まさに小売業者と長い付き合いのあるタイプで、"リスト "の上位に食い込む傾向があるのだ。

Design District

このエイリアンのような建造物を見たら、あなたはもうマイアミのデザイン・ディストリクトに来ているということ。

 デザイン・ディストリクトは比較的新しいが、HNWマイアミのショッピングの原点は、中心街の喧騒から離れた静かなオープンエアのモール、バル・ハーバーである。ここには、オーデマ ピゲ、ブレゲ、ウブロ、F.P.ジュルヌ、IWC、パネライ、トゥルノー、ショパール、そして一軒めで運が尽きてしまったという方には、ここにもティファニーのブティックがもう一軒あることをお伝えしておこう。

 もちろん、街のあちこちに個人経営の店舗が点在しているのも魅力だ。ブリッケル シティ センターにあるカーク・ジュエラー(Kirk Jewelers)では、ロレックスやパテック フィリップ購入の運試しができる。

 もし、あなたが人里離れたところで、中古時計の世界に足を踏み入れることを望むなら、セイボルドビルディングに足を運んでみて欲しい。しかし、このような買い物に慣れていない人には向かないというのは、フェアな警告だ。マイアミを拠点とするヴィンテージ・ディーラー、メンタ・ウォッチ(Menta Watches)のアダム・ゴールデン氏は、「ここはディーラーにとって格好のスポットで、ニューヨークの47番街のマイアミ版のようなものです」と言う。47番街に行ったことがない(あるいは映画『アンカット・ダイヤモンド』を見たことがない)人は、入ってみてすぐその様子がわかるだろう。大きな建物のなかに小さな店や露店が並んでいて、それぞれが品物を売っているのである。これは、セイボルドビルと同じビジネスモデルだ。ディーラーがスペースを借りて、時計を売っているのだ。箱や保証書などがないこともあり、売られている時計の歴史は不明なことがほとんどである。「ほとんどがモダンウォッチなんですが、何が出てくるかわからないんですよ」とメンタ氏は付け加えた。

 セイボルドビルの近くにはデュポンビルがあり、ここにも中古品販売店が軒を連ね、歴史的な建物は結婚式場としても利用されている。歩いてみる価値はある。ヴィンテージウォッチ・マイアミファーラッツォ・ファイン・ウォッチ(Ferlazzo Fine Watches)に立ち寄ってみてはいかがだろう。

FP Journe

今、ジュルヌのブティックにはあまり商品はないが、気にせず立ち寄ってみよう。

 時計愛好家なら誰でも知っているように、ショッピングとは必ずしも“買う”ことではない。新しいメゾンF.P.ジュルヌの場合、とにかく買える時計がないため、10席のレアスピリッツバー「バー・ジュルヌ」で一杯やりながら、クロノメーター・ブルーを小売店で買えたらどんな気分だろうと考えるには最適な場所なのだ。

ヴィンテージにこだわる

 マイアミといえば、新しいものやホットなものばかりかもしれないが、もちろん、多くのことが一度に実現できる場所でもある。この街には、全米でもトップクラスのヴィンテージウォッチディーラーが3社もある。ゴールデン氏が指摘するように、「ヴィンテージウォッチをウィンドウショッピングするような場所ではない」のだが、だからといって、ヴィンテージウォッチがないわけではない。ただ、少し手間がかかるだけなのだ。このような優れたディーラーのいずれかに予約を入れる必要があるのだ。

ウィンド・ヴィンテージ(Wind Vintage)

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Eric Wind (@ericmwind) • Instagram photos and videos

 この店はパームビーチまで車で1時間かけて北上する価値がある。時計の世界に少し身を置いている人なら、彼がどんな人物か、そして彼が販売する世界的な名品についてはすでにご存じだろう。私がウィンド氏の最も好きなところは、彼がビジネス面だけでなく、時計学という学問にも熱心であることだ。2019年、ウィンド氏は、私のこれまでのHODINKEEのキャリアのなかで最も興味深い時計のストーリーを伝えるために信頼を寄せてくれた。同氏はディーラーであるのと同じくらい愛好家でもあり、それを証明するようにHODINKEEのいたるところで彼の署名記事を見ることができる。

メンタ・ウォッチ(Menta Watches)

 メンタウォッチ(@mentawatches)のInstagramアカウントをひと目見れば、ゴールデン氏が新品、ヴィンテージを問わず、ヘビーヒットな時計を扱っていることがわかるだろう。品揃えも豊富だ。ロレックスの「カーミット」のようなハイプウォッチだけでなく、ブランパンの「フィフティ ファゾムス」やその親戚にあたるトルネック・レイヴィルの「ステライル」TR900など、初期のダイバーズウォッチにもこだわりがあるそうだ。ほかのヴィンテージ・ディーラーと同様、メンタを訪れるためには予約が必要だが、それはいいことだ。なぜなら、ゴールデン氏が秘密の隠し場所から作品を取り出してくれるかもしれないからだ。

マシュー・ベイン社(Matthew Bain Inc.)

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Matthew Bain (@wirelug) • Instagram photos and videos

 ベインもまた、一度は耳にしたことがある名前だろう。入手困難なものを調達する不思議な力を持ち、小売店からも人気があり、販売する時計を供給することも多い。ベインのサイトでは、時折、有名ディーラーの“業界”側からの貴重な意見も紹介されている。「ニューマン効果」(Newman Effect)についてのこのエッセイを読めば、HODINKEEでは見ることのできない、別の視点が見えてくるはずだ。

同行者のリストチェック

 HODINKEE Magazine Vol.5に掲載された写真家、ジョシュ・ペレス氏は、両親がキューバからアメリカに移住したあと、マイアミで育った。彼のお気に入りのウォッチスポットは? リトル・ハバナだ。「ここでは、ドミノゲームで遊んでいる連中の手首に昔ながらのものが見られるんだ」 つまり、モダンな華やかさで知られるこの街で、ヴィンテージウォッチを探すにはもってこいだということ。

Josh

写真家ジョシュ・ペレズ氏、生まれ故郷のマイアミにて。

 マイアミの華やかさを味わいたいなら、ブリッケル・ファイナンス・ディストリクトが最適だとペレスは言う。「ここはニューヨークのウォール街のような金融街ではなく、マイアミ流の金融街です」と同氏は付け加える。つまり、ヤングマネー、暗号資産で築き上げた大富豪、そしてワイルドな時計たち。「ここはロレックスのテリトリーではなく、サウスビーチのテリトリーです。ブリッケルでは、ストリートウェアと高級時計が混在していたり、大金に値する繊細な時計が見られるかもしれません」。彼の時計探しのワイルドカードは? マイアミで開催される大きなボートショーだ。「いつもクレイジーなロレックスを身につけた男がいるけれど、ときには本当にクールなものを見ることもできるんです。ヨットを買うなら、いい時計を持っている可能性が高いですからね」。

 もちろん、マイアミのような都市にはRedBar(時計コミュニティ)の支部があり、プロのコンサルタントとして長年時計の世界に携わってきた街の女性、ソフィ・リンドラー氏(Sophy Rindler)が運営している。RedBarのミートアップに参加して、そのあとに飲みに行く場所のヒントを得てみてはいかがだろう。

 一方、ウィンド氏は、マイアミのスポーツシーンで最高の時計を見つけることができると話す。「面白い時計を見たいなら、マイアミ・ヒートの試合を観に行くといいですよ。ドルフィンズやマーリンズもありますが、ヒートの試合では素晴らしい時計が揃っています」。

Porsche 911 Miami

マイアミの車の集まりでは、面白い時計が必ず出てくる。

 時計を見るにはいいのだが、ジミー・バトラーとすぐに話ができるわけではないだろう(でも、もし機会があったら彼がどのタグ・ホイヤーをつけているのか聞いてみるべきだろう)。マイアミのライカストアでゼネラルマネージャーを務めるジョシュ・レーラー氏は、一般の時計愛好家と時計の話をするには、フォートローダーデール近郊で開催されるカーミートが最適だと語る。フューエルフェッド(Fuel Fed)が毎月開催しているミーティングでは、車だけでなくビッグな時計も出てくるのだそうだ。「みんな警戒心を解いていて、いつも純粋に時計の話を喜んでしてくれますよ。彼らは自分の時計の話をすることに、驚くほど積極的なんです」。同氏は、ある会合でパテック フィリップのアドバンストリサーチ アクアノート・トラベルタイム5650Gを見つけ、実際に触らせてもらうこともできたのだという。

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クロックを見つけよう

 もちろん、目を楽しませてくれるのは腕時計だけではない。マイアミにも、注目すべきクロックがふたつある。これらは、その地域の雰囲気を見事に表現している。アール・デコ クロックは観光客に人気で、その前で自撮りするインスタグラマーも多いため早朝にチェックするのがおすすめだ。

アール・デコ クロック(Art Deco Clock)

clock tower

 この時計は、すでにSNSでご覧になった方も多いのではないだろうか。ロンドンのビッグ・ベンのように、時計が観光のメインストリームになった珍しい例だ。きっとそれは観光客が集まるサウスビーチのオーシャンドライブにあるからだろう。

コーラルゲーブルズ市庁舎のクロック

Clock tower

 コーラルゲーブルズ市庁舎は、アメリカ合衆国国家歴史登録財に指定されている。ジョージ・E・メリックは、この町が開発された1920年代の最初のプランナーだ。現在では、マイアミ中心地の喧騒に対抗する静かな郊外都市となっている。そして、その中央には、メインストリートのどこからでも見える3段の時計塔に備えられた美しい時計がある。

時計のために来て、完璧な天候のために滞在する(そして最高の食べ物、美しい人々、そして...)

 マイアミと戯れるには、時計を中心としたふたつのイベントのいずれかに参加するのがベストだ。ひとつはアート・バーゼルで、時計ブランドが豪華なパーティーを開き、ときには新作を発表する(記事「ウブロ クラシック・フュージョン クルズ=ディエズ コレクション」参照)。このショーNFTや仮想通貨の世界でも中心的な存在だが、そのなかにあって、時計文化に出会える。ふたつめは、マイアミビーチで開催されるアンティークショー。ベン・クライマーは2013年にそこへ行き、たくさんの素晴らしいものを見た。ウィンド氏はこのイベントを「一般公開されているヴィンテージウォッチのショーとしては、北米と南米で最高のもの」と評している。 そして、彼はそれを知っているのだ。彼は毎年このショーに出展している。

Miami Skyline

サウスビーチの街並み。

 マイアミにはカメラを向けるべきものがたくさんあり、生命と色彩にあふれた街だ。カメラは持っていないけれど、必要だという人は、コーラルゲーブルズにあるライカストアをチェックして欲しい。店長のレーラー氏(Lehrer)は大の時計好きで、何か面白いものを身につけて店に入れば、必ずリストショットを撮ってくれる。彼の携帯電話には、撮影したお客さんのリストショットのアルバムもある。記事「一度きりの人生を楽しもう:オーデマ ピゲとともに無人島で過ごす」のためにドライ・トートゥガスに向かう途中、レンズを買うためにこの店を訪れ、1時間近く時計の話をした。カメラと時計はクロスオーバーする部分が多いのだ。どちらの話をするにしても立ち寄るには最適な場所だと思う。

Josh Lehrer

ライカストアマイアミのゼネラルマネージャー、ジョシュ・レーラー氏。

 また、時計とのクロスオーバーが盛んなのは、自動車関連もそうだ。コーラルゲーブルズにあるザ・バーン・マイアミなら、あなたのお気に入りが見つかるはず。経営者のガストン・ロサト氏は、ミッドセンチュリー期のイタリア車を中心に、興味深いヴィンテージカーを収集し、取り扱っている。これらの車のメーターを見てみると、ジャガー・ルクルトのジャガーという見慣れたロゴが目に飛び込んでくることだろう。ジャガーはMGやランチアなど、さまざまな自動車メーカーの計時機器やメーターを製造していた。

 マイアミは時計文化が盛んだが、それはほんの一部に過ぎない。マイアミはカルチャーが盛んなのだ。それが見事に融合しているのが面白い。

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マイアミでつけたい腕時計

ロレックス サブマリーナー デイト オイスタースティール & イエローゴールド

Rolex Sub

 ツートンのサブマリーナーはマイアミでたくさん見かけるのではって? いや、実際はそうでもないのだ。これをつけて、マイアミバイスのファンタジーを体験して。

オーデマ ピゲ ロイヤル オーク コンセプト トゥールビヨン オープンワーク

AP Chronograph

 マイアミで思い切り遊ぶのはいいことだ。それがここでやるべきことなのだ。そこで、これまでで最もワイルドなロイヤル オークをつれていくのがいいんじゃないか? 通常のロイヤル オークでは足りないかもしれないからだ。

ウブロ MP-09 トゥールビヨン バイ-アクシス

Hublot Chronograph

 ウィル・スミスがマイアミに宛てたラブレターのなかで、“South Beach, bringin the heat, uh/Haha, can y'all feel that/Can y'all feel that/Jig it out, uh. South Beach”(熱気をもたらしているなら、君もそれに負けないようにしないと)とラップしている。モンドリアンのプールサイドでつけたいくらいだ。

Photography: Josh Perez

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時計の詳細については、オーデマ ピゲウブロロレックス各社のウェブサイトをご覧ください。HODINKEE Shopでは、オーデマ ピゲウブロロレックスの中古・ヴィンテージウォッチを取り揃えています。