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VINTAGE WATCHES 1994年製のA.ランゲ&ゾーネ ランゲ1、2013年製のF.P.ジュルヌ クロノメーター・ブルー フルセット、2001年製のパテック フィリップ アクアノート

特別な水曜日の逸品として、ヴィンテージ・チームが“ネオヴィンテージ”と、それを凌駕する時計を披露。

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Hodinkee Shopで現在販売されているすべてのヴィンテージウォッチを見るには、こちらをクリックしてください。

 Hodinkee Vintage Watchesの企画が始まって以来、水曜日の逸品は常にコレクターの話題にのぼり、最も興味を引きつける優れた時計の情報をお届けしている。2011年のGiltMANとの提携、2012年のPop-Up Fleaへの出店、それに引き続き2016年にサイト上で水曜日の逸品の取り組みを開始したとき、コレクターの興味を最も集めていたのは、その定義上、ヴィンテージウォッチであった。ヴィンテージは常にHodinkee Shopや世界中のオークションカタログに掲載されている一方で、“ネオヴィンテージ”やさらに新しい時計が、時計文化における時代精神の一部となりつつある。今週のHodinkee Shopの水曜日の逸品では、コレクターの関心を集めるこの“新しい”領域に焦点を当て、“ネオヴィンテージ”ウォッチ2本と、誰もが愛する、時刻表示のみ、ブルーダイヤル、タンタルケースのF.P.ジュルヌをお届けしよう。

A F.P. Journe on the wrist

 水曜日の逸品は時計愛好家の3名が担当している。毎週、ヴィンテージウォッチの記事でお気に入りの時計を紹介しているのと同じ顔ぶれだ。今週は与えられたテーマの幅が広かったため、もはや世代に縛られず、彼らが本当に取りあげたいものを選んでお届けすることとなった。リッチ(Rich)は1994年製のクローズドケースバックの初代“ステルス”ランゲ1を、サオリ(Saori)はクロノメーター・ブルーを、そしてショーン(Sean)は初代“ジャンボ”アクアノートを紹介する。なお、Hodinkee Shopで取扱いのあるすべてのヴィンテージウォッチはこちらでご覧いただくことができる。

1994年製 A.ランゲ&ゾーネ ランゲ1“ステルス” Ref.101.005 プラチナ
By Rich Fordon

 我々コレクターが敬愛するブランドのなかでも、A.ランゲ&ゾーネは90年代生まれのブランドであり、少なくとも我々が今日知っているA.ランゲ&ゾーネの姿はこの時代のものだ。1990年から1994年のランゲの歴史は、ブランドの再生または再発表と考えられており、1994年10月24日の伝説的な記者会見で発表された“最初の4本”は、HODINKEEでも大々的に紹介し、最近ではローガン・ベイカー(LoganBaker)が90年代特集で取り上げている。その日発表された4本の時計のうち、ランゲ1は、A.ランゲ&ゾーネの製品がどれだけあろうとも、最も目立つものである。2019年にベン(Ben)が語ったように、「ランゲ1こそがランゲ」なのだ。

A Lange 1 on the wrist

 1994年以来、ランゲ1は着実に、時計界でも目の肥えた多くのコレクターから人気を博し、コレクションされる時計のひとつとなった。この時計は、建築的かつ芸術的な品質を有しており、これは時計製造や収集のアイコンとされているほかの多くの時計が機能重視に傾き、失ってしまったものだ。これが、私のなかでのランゲというブランドを言い表す言葉だ。私はスイスやフランスの最高水準の時計づくりに慣れているが、ランゲはすべてにおいて異なる音を奏でている。仕上げ、品質、精度といった点で少なくとも同等の水準にありながら、独特で型破りなデザインを有しているのだ。

 今回紹介するランゲ1は、生産開始から2年目に遡る第1世代のRef.101.005だ。コレクターの関心が高まり、ランゲ1が注目の的になると同時に、コレクターが重視するリファレンスやバリエーション、それを識別する方法を理解しようとする研究が活発に行われるようになった。最新の研究ではこれら初期モデルに特有のダイヤルの書体を特定し、これを“初期MIG(Early MIG)”ダイヤルと呼んでいる。このような差異によって、コレクターはより一層、この品のような正しいモデルに引きつけられる。

A Lange 1

 モノクロームの外観を持つプラチナ製 Ref.101.005 ランゲ1は、シルバーダイヤルとホワイトゴールド針の調和したトーンから“ステルス”という愛称で呼ばれている。クローズドバックモデルのなかでもこれはあまり見かけない。あえて言えば、希少なモデルだ。HODINKEEではこちらで扱っている。

2013年製 F.P.ジュルヌ クロノメーター・ブルー フルセット付き
By Saori Omura

 独立系時計メーカーを語るとき、真っ先に名前が挙がるのが“F.P.ジュルヌ”だ。私は常に、フランソワ・ポール・ジュルヌ(François-Paul Journe)の創造性に憧憬の念を抱いてきた。彼が生み出してきた時計はどれも美しく、ひと目で彼のものとわかる。単純なことに聞こえるかもしれないが、時計が次々と発表されて海のように市場を埋め尽くすなか、これは間違いなく記念碑的な偉業である。何年も前、彼の代表的なデザインであるクロノメーター・レゾナンスを初めて手にする機会を得たときのことを思い出す。それまで見たこともないデザインに直ちに心を奪われた。その後、まったくの偶然によりジュネーブのアトリエで、ほんの少しだけ彼にお会いできる機会を得た。遠くから憧れてきたデザインを手がける人物を目の前にして、非現実的な思いであった。

A F.P. Journe

 クロノメーター・ブルーは2008年に発表された。それまでの彼のデザインに比べると、新鮮で若々しくなったといえるだろう。ケースはタンタル製で、ケースの金属の選択としては、今だにかなり珍しいものである。伝統的なステンレススティールや貴金属であるホワイトメタルに比べてやや濃いグレーの外観である。タンタル仕上げにより重厚感ももたらされている。鮮やかなブルーのダイヤルは、シャンパンやグレーが主流であったF.P.ジュルヌらしからぬ色使いと感じさせる。白字の特徴的な数字と針の組み合わせにより、この時計をより一層際立たせている。机の向こうからでも容易に目を引く時計である。裏返してみると、伝統的なものとはまったく異なる構成のムーブメントが美しく仕上げられており、真の時計メーカーとしてのF.P.ジュルヌの繊細さと才能を証明している。常に優雅かつ革新的、そして記憶に残るこの時計は、いつか私のコレクションに加えたい逸品である。

2001年製 パテック フィリップ アクアノート Ref.5065A
By Sean Egan
A Patek Aquanaut on the wrist

 5065が発表された年、私はピカチュウやダース・ベイダーのイラストでも載ってない限り、パテックや時計というものに関心を持つことはなかった。このような時計も現在では収集価値がいくらか出ているのかもしれないが、コレクターにとっての近年の5065の価値に比べれば霞んでしまう。正直なところ、今回はそのとおりだと思う。この時計を“ネオヴィンテージ”と呼べば格好の記事ネタになるかもしれないが、私は、そうではないと主張したい。ネオヴィンテージとは、長年にわたってマイナーチェンジを繰り返してきた昔のものを受け継ぐデザインであり、ヴィンテージのDNAを十分に残し、風格を有するものである。この時計もそのほとんどに該当するが、発表が遅かったため、ネオヴィンテージの“ヴィンテージ”の部分からは外れていると言える。とはいえ、この時計は温かみのあるトリチウムの夜光と適度な磨耗という、ネオヴィンテージの最も素晴らしい点を備えており、傷の心配をする必要がない。

A Patek Aquanaut reference 5065A

 私にとって、一般的にアクアノートで最も印象的なのは、ひとつの時計のなかに存在するコントラストだ。八角形でありながら流れるようなデザインのベゼルは、ダイヤルおよびストラップ上の非常に積極的なグレイネードの質感とは対照的である。さらに近づいて見れば、ダイヤルの中央の深い黒に対して、滑らかで明るい、ほぼ放射状のミニッツトラックがある。さらに日付表示用の歯車も対照的だ。グリーンのストラップは、ミリタリーウォッチのイメージを強めているが、あまりミルスペック的になりすぎないように、あくまでも豪華に仕上げている。このように、一見相反するように見える特徴が調和して、最も身に着けやすいパテックが実現されているのだ。

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