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Editors' Picks 「理想の腕時計」をHODINKEEメンバーに聞いてみた

一緒に夢を見よう。必要なのは、ちょっとしたインスピレーションと、初歩的なPhotoshopのスキルだけ。

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HODINKEEのSlackチャンネルを覗いてみると、「こんな時計があったらいいな」「こんな風に時計を変えてみたい」という会話がたくさん交わされていることに驚くでしょう。これは時計オタクの基本的な要素で、自分の好みとPhotoshopのブラシがあれば、時計業界の次の注目作、少なくとも、自分が欲しいと思う時計を生み出せるという考えです。

 そこで、編集チームは、ジェームズ・ステイシーのPhotoshopの腕前が許す限り、大きな夢を抱いて新年のドリームウォッチを提案したいと思います。以下の作品のなかには、比較的小さな微調整を施したものもあれば、いくつかのモデルの既存の要素を組み合わせて、魅力的な(商業的には問題がありそうな)最終デザインに仕上げたものもある。カルティエ、ノモス、チューダー、タグ・ホイヤー、そしてランゲまで、2022年のドリームウォッチをここにご紹介します。


A.ランゲ&ゾーネ 1815 “ウォルター・ランゲへのオマージュ” ルーメン – コール・ペニントン
A rendering of a walter lange in lumen form.

 ランゲの時計は、その厳格で緊張感のあるデザインが特徴だ。90年代前半のランゲ1と昨年のランゲ1を並べてみると、微妙にデザインが進化しているのがはっきりとわかる。この控えめな製品企画が、私がこのブランドを好きな理由である。ギミックや飾り気は一切なく、忍耐強く、揺るぎない方法で高級時計作りに励むのがランゲなのだ。

 ここはピュアな人のためのブランドだ。場違いなハイプウォッチでサプライズをしようとはしないだろう。しかし、ルーメンシリーズの存在がある。このブランドのシリーズのなかで、ちょっとしたカウンターカルチャーだ。ランゲ1、ダトグラフ、ツァイトヴェルクの3モデルに、スモークの半透明文字盤と大量の夜光を搭載している。ステルス性の高い不気味なデザインはランゲらしくないものの、その完成度の高さは確かなものだ。

 ルーメンウォッチは、知的にも視覚的にも実に魅力的だ。トランスパレントの文字盤からは、ムーブメントの文字盤側を見ることができ、さらにたっぷりと塗られた夜光も素晴らしい(だから「ルーメン」と呼ばれる)のである。そのため、ルーメン仕様にするなら複雑機構を搭載した時計が適しており、1815のようなシンプルな時刻表示だけの時計には適していないかもしれない。しかし、もし私たちがその中間に位置する時計に出会ったとしたら、どうだろうか。

 1815 “ウォルター・ランゲへのオマージュ”は、ルーメンのよい候補になるかもしれない。サブダイヤルに夜光塗料を塗布し、デッドビートの秒針に夜光塗料を塗布すれば、夜間に文字盤を華麗に行進する様子を見ることができる。そしてまた、長いステップとポーズ。そして、もう一歩。それはもう、圧巻だろう。日中も、文字盤側のムーブメントに見応えのあるコンプリケーションが搭載されるだろう。

 1815 “ウォルター・ランゲへのオマージュ”は、それ自体が「何ができるかを証明するための時計作り」である。であれば、それを極限まで追求するのはありではないだろうか?


ブルガリ オクト フィニッシモ 36mm、イエローゴールド - デイビッド・オジェロ
A rendering of a 36mm octo in yellow gold

 ブルガリは毎年、時計製造における記録を更新しているが、私にとっての真のゲームチェンジャーは、36mmで超薄型のオクトだろう。ビデオや写真撮影のために多くのオクト フィニッシモを扱ってきた者として、ケースのフォルムに手を加えることで、手首と時計の比率がどのように変化するのか、想像せずにはいられない。

 数mm削るということは、技術的には思い切った設計変更になることは理解している。技術者からすれば、「Cal. 238の技術的な再設計が必要だ。242個も部品があるんだぞ」となるわけだ。それに対して私は、ローマン・ロイのような声で、「とにかく小さくしろ!」と答える。「そして、ゴールド! ブラックとゴールドだ」。


カルティエ タンク アギシェ(スティール) - ジャック・フォースター
A rendering of a Tank a Guichet in steel.

 100年以上の歴史を持つカルティエのタンクは、さまざまなバリエーションが存在するが、共通しているのは、紛れもなくタンクであるということだ。初代タンクは、いわゆるタンク ノーマルだったが、1920年代には他のモデルも発表され、それぞれがクラシックな雰囲気を醸し出している。

 私のお気に入りは、この奇跡的な10年の終わりに登場し、その地味な外観は、ちょうど29年の大暴落(時計ではなくウォール街の暴落)と調和するものだった。その時計が「タンク アギシェ」だ。「ギシェ」とは、窓や開口部を意味し、タンク アギシェは時計の正面の小さな開口部に時間を表示し、その下に弧を描くように分表示がある。

 それ以外の部分は表も裏も金属で、クラシックなバージョンはもちろんホワイトゴールドかプラチナを用いたホワイトメタル製だ。しかし、私は常々スティール製のタンク アギシェは、特にアール・デコ時代の雰囲気を持つデザインから、実現が待たれるクラシックだと考えており、カルティエがタンタルのカボションを使ったものを作ってくれることを切に願っている。

 ここに「だまっておれの金をもっていけ」のミームを入れて欲しい。

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チューダー ペラゴス II - ジェームズ・ステイシー
A rendering of a Tudor Pelagos GMT

 このテーマに関して僕は、壊れたレコードのように何度も主張しているが、いつの日か実現されることを期待している。

 その夢の一例が「チューダー ペラゴスII」。39mmとやや小型化されたペラゴスⅡは、既存のペラゴス、ペラゴスFXD、ブラックベイGMT、ブラックベイフィフティ-エイト、そしてヘリテージクロノブルーの要素をブレンドしたものだ。チタン製でありながらスタンダードモデルのヘリウムエスケープバルブ(HeV)を取り除いたペラゴスⅡは、FXDのようにスリムで200m防水、スタンダードなペラゴスと同じブレスレット(もちろんラバーストラップも)を備えている。

 ダイビング用の夜光性ベゼルはそのままに、ミルサブのようなフルマーキングを施した(サイコーだ)。続いて、フランジが24時間GMTスケールになり、マッチしたオレンジ色のGMT針に対応。レンダリング画像では日付は表示されていないが、僕はベッドからそれを蹴ることはない。機能的には、BB GMTのMT5612をベースに、ローカルジャンピングGMTに対応したバージョンにするだろう。ペラゴスのダイバーズウォッチとしての本来の用途を守りつつ、便利でバケーションに適したGMT機能を追加することがポイントだと僕は考えている。


グランドセイコー メカニカル ドレス クロノグラフ - ジョン・ビューズ
A rendering of a Grand Seiko dress chronograph.

 グランドセイコーは、私が最も好きな時計ブランドのひとつだ。HODINKEEのバーチャルオフィスでは、そのことはあまり知られていないようだ。昨年は、私が所有するどの時計よりも、信頼でき、非常に正確な自動巻きのグランドセイコー GMTに手を出した。そして、いつかまたGSを購入することは間違いないだろう。しかし、もし自分だけのグランドセイコーを作るとしたら、ここにあるような機械式のドレスクロノグラフで、グランドセイコー独特のテクスチャーを持った文字盤を備えたものになる。

 グランドセイコーはクロノグラフを製造しているが、ホームページを検索するとスプリングドライブのモデルばかりで、そのほとんどが大型でスポーティなデザインに寄っていることがわかる。スプリングドライブは、この日本の時計メーカーを愛する理由のひとつではあるが、私の理想とするグランドセイコーのクロノグラフは、機械式ムーブメントを搭載し、ハイビートで直径40mm以下のものなのだ。


カルティエ アメリカン フルゴールドカフ - ノーラ・テイラー
A rendering of a cartier Americanine full cuff

 この時計とブレスレットの組み合わせは、パンテールと合わせればほぼ完璧だが、タンク アメリカンと合わせれば、さらにドラマチックになると思う。タンクは通常、自ら主張することはなく、自信をもって注目されるのを待っているような時計だが、このようなブレスレットに強力なクラシックを組み合わせることは、何か破壊的で、自覚的なラグジュアリーのように感じられる。


ロレックス エクスプローラー フルイエローゴールド – ダニー・ミルトン
A rendering of a solid gold Rolex Explorer.

 私は、36mmのロレックス エクスプローラーRef. 14270をほぼ毎日着用している。信じられないって? 最近の公開した記事「HODINKEEファミリーが選ぶ、2021年に最も身につけた時計(動画あり)」をご覧あれ。私はエクスプローラー、特に14270以降のすべてのリファレンスが大好きだ。これは基本的に最初の近代的なロレックスの時計で、以前の1016(多くの時計愛好家のお気に入りのエクスプローラー)よりも大規模なデザインのアップグレードを表していた。

 それは、このモデルの大規模な変更には歴史的な前例があることを示すためである。ロレックスは5年間、このクラシックな時計を39mmにサイズアップしたこともある。しかし、このモデルは70年近く、サイズに関係なくフルステンレススティールの時計だったということだ。2021年にロレックスがロレゾール、すなわちツートンのエクスプローラーを発表し、多くの人に衝撃を与え(そして怒らせ)、憧れの36mmサイズにも戻された。私はそのリリースを愛するあまり擁護する記事まで公開した(記事「ロレックス ツートンの新型エクスプローラーを擁護する」参照)。読者の多くは、コメント欄で私と意見の相違を表明した。厳しいものだ。

 しかし、ツートンカラーも好きなのだが、金無垢にはかなわない。ここ1年ほど、私はゴールドの時計が大好きで、ジャックのデイデイトに対する嫉妬はよく知られているところだ(記事「今年のホリデーシーズン、自分へのご褒美で欲しい時計はこれだ」参照)。だから、時計界のスターに願いをかけるとき、私は自分の手首を見て、「このエクスプローラーには金無垢が似合う」と思ったのだ。

 ここからはジェームズの出番だ。その夢をPhotoshopで現実にしたのだから、誰が何と言おうと、私は間違っていないのである。写真を見てもらえればわかると思う。もし、ロレックスがこの時計を実現しなければ、それは大きな間違いだと思う。金無垢、36mmのエクスプローラー...僕に賛成する人は?

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ノモス グラスヒュッテ ミニマティック ブラック - トレヴァー・ギリーランド
A render of a Nomos minimatik black

 このスリムなスーパースターが、2022年の夢の作品としてダークサイドに旅立つときがきた。現在生産されているみっつのミニマティックは、すでに時代を超えたエレガントなデザインを誇っているが(ノモスの製品はほとんどそうだ)、私はさらにその上を行くものを作ろうと思っている。

 文字盤とストラップを黒で統一し、ダークブルーのアクセントで「よく見ればわかる」という魅力を加え、直径35.5mm、厚さ8.9mmの均整のとれたケースはそのままに、クラシックなドレスピースを求める目の肥えたコレクターにとって理想の時計の誕生だ。


タグ・ホイヤー オータヴィア GMT - ローガン・ベイカー
a rendering of a Tag Heuer Autavia GMT

 私は、タグ・ホイヤーのCal.ホイヤー02ムーブメントの大ファンであることを公言してきた。多くの意味で、このムーブメントは現代における理想的なクロノグラフムーブメントであり、ホイヤーのクロノグラフ製造における素晴らしい伝統を現代的に表現したものだと考えている。

 ホイヤーのヴィンテージクロノグラフのなかで、私の愛してやまないホイヤー ケンタッキーと並んで大好きなのが、赤と青の「ペプシ」風ベゼルを備えたオータヴィア GMTだ。色使いがとても魅力的で、あらゆる意味で賑やかで、とてもお気に入りなのだ。そして、2018年にタグ・ホイヤーがフラッグシップのスケルトンモデル カレラにローカルジャンピングアワーを備えた「真の」GMTモジュールを追加したのを見て以来、私はその復活を待ち望んでいるのである。

 上のレンダリング画像では、タグ・ホイヤーがフラグメントデザインと藤原ヒロシとのコラボレーションによるフォーミュラ1で使用した現代的なC型ケースを引っ張り出し、数年前にHODINKEEショップで販売したヴィンテージの例から文字盤とベゼルを引っ張り出してきた。私が見る限り、この時計は100%実現可能なものだ。そして、今すぐ腕にはめたいと思っている。


あなたの理想の腕時計は?

 さて、私たちの夢を見たところで、あなたの夢を共有してみませんか? あなたの夢の時計の概要をコメント欄に投稿していただければ、この記事のようにPhotoshopで加工してご紹介するかもしれません。現行モデルの微妙な調整、新しい文字盤の色など、あなたが時計の世界に欠けていると思うものをぜひ教えてください。

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HODINKEEは、グランドセイコー、ノモス、ブルガリ、タグ・ホイヤーなどの実在する時計の正規販売店ですが、これらのファンタジー時計は、私たちの想像によるものです。HODINKEEショップでは、これらのベースとなった実在の時計も販売しています。

タグ・ホイヤー、ブルガリはLVMHグループの一員です。LVMH Luxury VenturesはHODINKEEの少数株主ですが、編集、そしてファンタジーウォッチデザインの独立性を完全に保っています。