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Weekend Edition ハイクオリティなフィールドウォッチの定義とは?

ツールウォッチとは、実は道具としての時計のことである。

デトロイトとシカゴを結ぶ高速12号線で移動中、マーク(Mark Kauzlarich)が2022年新作、チューダー レンジャーのニュースを運んできた。記事を読むため車を停車し、ガソリンを給油し、Faygo(ソフトドリンク)のボトルを手にしてから、私はフィールドウォッチの定義が曖昧であることに気づいた。

 私の頭のなかでは明確にイメージできる単語なのだが、何がそのジャンルを形作っているのか、あるいは崩しているのか、なかなかピンとこないのだ。最も伝統的な文脈では、1962年のMIL-W-3818B、1964年のMIL-W-46374、1967年のGG-W-113といった軍の仕様が指針となるだろう。ハミルトンでは、これらの規格に基づき、カーキ フィールド メカニカルを発表し、のちの世代にツールウォッチの理想形を提示したからだ。

 では、カーキ フィールド メカニカルは、フィールドウォッチのすべてといえるのだろうか。G-SHOCKやガーミンなどが入り乱れた時代に、シンプルで時間だけの機械式時計は、本当に仕事に最適で最も実用的なツールになり得るのだろうか? 日付表示の有無は、“フィールドウォッチ”としての資質を高めるのか、下げるのか? ベンラスのタイプIはフィールドウォッチなのか、ダイバーズウォッチなのか、あるいはその両方なのか?

 それから1週間ほどして、レンタカー(2020年製の起亜自動車、オプティマ)で3000マイル(約4830km)走破し、ジェームズの新しいチューダー レンジャーのハンズオン記事を楽しんだあと、私は結局、多くのことと同様、今日のフィールドウォッチのジレンマに対する答えは両極の中間にあるのだと思うことにした。現行のカーキ フィールド メカニカルの派生モデルと新型レンジャーに代表される視認性、ハック(秒針停止)機能、手頃な価格は純粋主義者にとってのフィールドウォッチの必須要件だが、だからと言って、G-SHOCKのマッドマスターやガーミンのMARQ、あるいはリシャール・ミル RM 25-01がその人にとってのアウトドアライフに適したツールであると判断するならば、それらを排除すべきではないということだ。

 いちばん大切なのは、その場に赴き冒険することなのだ。自分だけの冒険を。

 週末の冒険にインスピレーションを与えるために、HODINKEEの過去記事から、フィールドウォッチの世界や私たち自身の冒険を紹介するストーリーをいくつかご紹介しよう。


注目記事

 ジェイソン・ヒートンによるこの2018年の記事は、私の密かなお気に入りのHODINKEEストーリーのひとつだ。この記事でジェイソンは、ミシガン州在住のエンジニア兼ストラップメーカーであるマイロン・エリクソン氏と対談し、1970年代から90年代にかけてハミルトンが製造した33mmのスティールケース、手巻き式ムーブメント、(整備しやすいように)取り外せるケースバックが特徴の素晴らしいフィールドウォッチをコレクションしている。いわゆる“紛らわしい秋のウグイス”は、21世紀における時計収集の典型的な仰々しさとは対照的に、楽しく身近なものである。

Co-branded Hamiltons from LL Bean, Brookstone and Orvis.

L.L.ビーン、ブルックストーン、オービスとのWネームのハミルトンの数々は、いわゆる“Confusing Fall Warblers(紛らわしい秋のウグイス)”のごく一部を構成するものだ。

 最近の記事だが、昨年のEditors' Picksでは、HODINKEEチームのお気に入りのフィールドウォッチを6点、それぞれ1000ドル以下でランキングしている。あまり知られていないオリエントのディフェンダーを選ぶ読者もいれば、マラソンやCWC、ハミルトンやセイコーなど、定番のメーカーを選ぶ読者もいるだろう。もちろん、記事の最後にはG-SHOCKのマッドマスターも登場する。

 アナログウォッチをコンパスとして使うことができることをご存じだろうか? このハウツー記事では、ジャックはそれがどのように機能するかの約束事を詳説している。セイコーのアルピニストやリシャール・ミルのRM25-01、1980年代のポルシェデザイン by  IWCのコンパスウォッチなど、簡単に使える時計もあるが、アナログウォッチであれば、ほぼ全モデルで応用可能だ。次回、森で迷子になったとき、きっとハイキング仲間を感心させることだろう。

Richard Mille RM 25-01

リシャール・ミルのRM 25-01は、フィールドウォッチに含まれるのだろうか?その答えは、ジェイソン・ヒートンが教えてくれるだろう。

 誰もがセイコーアルピニストを知っている。しかし、ヴィンテージセイコーローレル アルピニストは知る人ぞ知る存在だ。2021年のこの復刻により、まったく新しい世代の時計愛好家が、セイコーのオリジナルの1959年の登山家向け腕時計のツール的な魅力を体験することができ、その後のすべてのアルピニストにインスピレーションを与えた。ジョンはこの限定モデルを手に入れ、昨年この記事でその感想を語っている。

 我々が判断してきたように、フィールドウォッチというジャンルには保守的な定義と自由な定義が存在する。しかし、私の考えでは重要なのは目的を成し遂げることだ。ニック・マリノは、ボストンのエクササイズ専門店Tracksmithの7人のチームメンバーに話を聞き、ベテランランナーが舗装路(またはフィールド)を走るときに手首につける時計を特定した。

私にとってフィールドウォッチとは、可能な限り便利で信頼性が高く、かつ必要ないときには意識しなくてもよいものでなければならない。

– ジェームス・ステイシー