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In-Depth タグ・ホイヤー オータヴィア アイソグラフへのホイヤー愛好家達の声

伝統的なクロノグラフが3針スポーツ ウォッチとして生まれ変わった。そして、その出来栄えはいかに?

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この3月に行われたバーゼルワールドで、タグ・ホイヤーはオータヴィア アイソグラフのコレクションを発表した。この新モデルは、ブランドの歴史を感じさせるのと同時に、ヴィンテージ時計愛好家達の間で物議をかもすものとなった。1933年から1957年まで、ホイヤーのオータヴィアは、自動車や航空機向けのダッシュボードタイマーとして製造された(名前の「オータヴィア(自動車を意味するAUToと航空を意味するAVIAtionを合わせた造語)」はそれに由来する)。1962年からオータヴィアはクロノグラフとなり、その後23年間で85以上ものモデルが生産された。

2003年、タグ・ホイヤーはクッションケース入りのオータヴィア クロノグラフを復刻させ(2種類のステンレススティールモデルと1種類の18Kモデル)、さらに過去2年間で、8つのモデル(ジョン・ブースがこの記事でレビューしたモデルを含む)を伝統的なラウンドケースに入れて復刻させた。

バーゼルワールドでのオータヴィア アイソグラフの発表によって、オータヴィアはクロノグラフという複雑性を持たない3針時計として、同モデルの第三章に突入した。

この最新版のオータヴィアは、多くの時計愛好家たちの間では好意的に受け止められたが、ヴィンテージ ホイヤー愛好家の間では、以下の2つの理由により議論が巻き起こっている。 

まず、一部の伝統主義者は、タグ・ホイヤーがいかなる形でも3針のオータヴィアを生産すべきかどうか疑問視している。彼らは、オータヴィアはクロノグラフであるべきで、いかなる形でも「時計でしかない」オータヴィアを提供することは間違っている、と主張するのだ。 

この反対意見に対する私の意見は、1960年代のホイヤー社のカタログと今日のタグ・ホイヤーのカタログを比較することで得られた。1960年代、ホイヤーではクロノグラフのみを提供しており、3針モデルは皆無だった。1960年頃からクォーツ時代に突入したが、カタログには3針時計はひとつもなかった。今日のタグ・ホイヤーのカタログを見てみると、カレラやモナコで3針モデルの時計が多く見受けられる。そのため、カレラとモナコが1960年代のクロノグラフから近代的な3針時計に移行したのと同様、オータヴィアにこのチャンスを与えることはふさわしく思える。

第二に、タグ・ホイヤーの3針のオータヴィアの製造が許容されたとしても、アイソグラフモデルのデザインについて疑問が残る。新型オータヴィアのデザインは —それが時計であろうとクロノグラフであろうと— 、どの程度以前のモデルを踏襲する必要があるのか。デザイナーは、昔ながらのオータヴィアで使用されてきた要素を守るべきなのか、それとも新型オータヴィアが先行モデルの精神を引き継いでいる限り、新たな要素を取り入れることが許されるのか。考えてみると、なぜオータヴィアは先行モデルの枠に収まる必要があるのだろうか。
世界は変遷してきた。時計も変わるべきではないのだろうか?

時計自体に話が及ぶ前に、この新モデルの登場がタグ・ホイヤーのブランド、そしてその愛好家たち(特にヴィンテージホイヤーの愛好家たち)にとってどのような意味をもたらすか、私の見解を紹介させて欲しい。 

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コレクションのステータス性

生粋のオータヴィア愛好家である私にとって、バーゼルワールド2019での特大ニュースは、オータヴィアが3針時計になることではなかった。私にとっての一大ニュースは、オータヴィアがタグ・ホイヤーのカタログの中で、6つの「コレクション」(コネクテッド ウォッチのコレクションに加え)の一角を担うようになることだった。

タグ・ホイヤーは、オータヴィア、カレラ、モナコという1960年代のクラシックに基づいた3コレクション、そしてアクアレーサー、フォーミュラ1、リンクという過去20年で新たに導入した3コレクションを有することになる。それだけだ。カタログにあるコレクションは6種類のみであり、2019年3月からはオータヴィアがそこに加わる。 

2016年初頭まで時を巻き戻そう。タグ・ホイヤーのCEO ジャン-クロード・ビバー(Jean-Claude Biver)はオータヴィアの復刻を発表し、ヴィンテージ愛好家たちに向け、オータヴィアがカタログコレクションになることは無い、と述べた —少なくともその時は。

その代わり、カタログに2モデル(ブラックとホワイト)とそれに沿った限定版をいくつか掲載する、と発表した。古くからの愛好家たちは、オータヴィアがタグ・ホイヤーのカタログで見られることを喜んだが、同時に愛するオータヴィアがコレクションとして定着せず、一過性のものに過ぎないことに落胆した。

だからこそ、2019年にオータヴィアが時計コレクションに加わったことは、大きな前進なのだ。そして、それは理にかなっている。ちょうどオータヴィア、カレラ、モナコがホイヤーの「ビッグ3」だった1969年のように、50年後この同じ戦略は、これら3モデルをより幅広い層の愛好家に訴えかける完全なコレクションへと押し上げようとしている。 

1960年代、カレラは正統派デザインとスポーティなルックスを統合し、金無垢のケースやトリプルカレンダーのコンプリケーションなどの豪華機能を提供していた。一方モナコは、角型デザインとミッドナイトブルーやチャコールグレーの文字盤を有し、スタイリッシュな外観を求める愛好家をターゲットにしていた。オータヴィアは、ホイヤーの道具箱の中で最も有用な「ツール」であり、運転・ダイビング・飛行用のベゼル、世界旅行用のGMT機能を有し、文字盤の色は黒白からオリーブグリーン、ピューター、シャンパンまで、20以上のカラーバリエーションを展開していた。オータヴィアが今日のタグ・ホイヤーのカタログで同様の立ち位置を取ることは実に素晴らしいことだ。

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スポーツウォッチの3つのカテゴリー

バーゼルワールドにおけるオータヴィア アイソグラフのデビュー以来、この時計がスポーツウォッチのラインナップでどの位置に収まることになるか、かなりの議論がなされている。スポーツウォッチの分類では、これらの時計はパイロット用、ダイバー用、レーサー用時計の3つの主要カテゴリに分類される。スポーツウォッチのそれぞれの特徴を見直し、新型オータヴィア アイソグラフがこれらの体系にどのように位置するか、検討したい。 

スポーツウォッチの主要3種の核となる要素を検討する目的は、新型のスポーツウォッチすべてが、この定義されたスタイルいずれかの枠内に収まることを促すものではない。この使い古された3つのやり方に当てはめることで得るものは少なく、逆に繰り返しによるリスクを負うことになる。しかし、異なる種類のスポーツウォッチの要素を組み合わせた新しい時計では、一貫性のあるスタイルを提示することは難しいこともあり、伝統主義者は「これは一体何なんだ」と問うかもしれない。

1-パイロットウォッチ

デジタル化以前の航空機の計器パネルを視覚化しており、それ故に我々はパイロットウォッチを第二の計器として捉えている。ただパイロットは、この計器を計器パネルに設置するよりも手首に巻く方を選んだ。それでも、パイロットウォッチのスタイルは、航空機のその他の計器のスタイルと調和している。パイロットは、コックピット内の暗闇でも時計を見る必要があり、マットブラックの文字盤と明るいホワイトの針による最大限のコントラスト、文字盤と針に使用する強力な蛍光素材、時刻を示すアラビア文字が必須となる。
パイロットウォッチは、頑丈で耐磁性を持ち、重力と気圧の急激な変化に耐え得るものでなくてはならない。反射する金属性のマーカーやその他の光を反射する要素は、大事な場面でパイロットの注意をそらす可能性があるため、好ましくないのだ。 

パイロットウォッチには、回転ベゼルが装備されていることが多く、通常それは時間を示す大きい三角マークと分を示す太めの目盛りがついている。このベゼルはさまざまな計時を行うシチュエーション、例えば飛行前チェックの計時や待機経路でのターン、戦闘機パイロットの「標的までの距離」などで使用される。

2-ダイバーズウォッチ

ダイバーズウォッチは、信頼のおける防水性、そして様々な水中条件で最大限の可視性を確保するための文字盤と針から始まった。針や文字盤のインデックスは大きめで、ダイバーの目につきやすいよう変則的な形状をしていることが多い。ダイバーが区別できない可能性があるため、数字の使用は控えられる。ダイビングベゼルにある大きめの三角形の印でダイバーは潜水開始時間をマークし、同じくベゼルにある分表示により潜水経過時間を計測できる。ダイバーはまた、減圧停止や必要な水面休息時間(ダイビング間の時間)などのその他の目的でもベゼルを使用する。パイロットがベゼルを使用して時間の計時や複雑な飛行計算を行ったりする一方で、ダイバーにとっては分数が全てとなる。 

ダイビング先は太陽が眩しい場所も多く、オレンジやイエロー、ホワイトの文字盤はその楽しみを視覚の面からも引き立たせてくれることだろう。

3-レーシングウォッチ

パイロットウォッチやダイビングウォッチの主要な要素を説明していく中で、我々は個々の要素について細かく注目したが、レーシングウォッチの特徴を定義するにはたったひと言で済む。クロノグラフこそがレーシングウォッチだ。

ドライバーであろうと、ナビゲーターであろうと、ピットクルーであろうと、レーシングウォッチには時計に組み込まれたストップウォッチが必要だ。レーサーはラップや車同士の間隔を計測し、同様にナビゲーターはチェックポイントへの正確な到着時間を計測する。レースとの関連性を強調するため、多くのクロノグラフはタキメーターの目盛りを文字盤やベゼルに組み込んでおり、測定距離(マイルやメートル)にかかった時間を速度(MPHやKPH)に変換する。めったに使用されないにも関わらず、タキメーターはレーシングウォッチにおける究極の装備だ。スポーツウォッチの歴史を見ても、モータースポーツと密接に結びついた3針時計は一度も存在していないといえる。これにはクロノグラフが必須だ。

アイソグラフ?

この視点から、「オータヴィアの新型アイソグラフとはどのような時計か」という疑問に向かってみよう。 オータヴィアであるこのアイソグラフに、我々は自動車や航空の要素を特色として求めることだろう。しかし、3針(でクロノグラフなし)に限定したことで、どうしたらこの時計が成功できるのか疑問に思うのではないか。確かに、ヴィンテージコレクターの間でのこの時計についての議論の多くは、このオータヴィア アイソグラフが、ダイビングウォッチの要素とパイロットウォッチの要素を有しているが、レーシングウォッチの「外観」に由来する要素が少なかったことによるものだ。

パイロットウォッチの外観を与えている要素について確認してみると、大きなアラビア数字、文字盤の端を一周するレイルウェイトラックの目盛り、特大サイズのリューズ、秒針の先にある特徴的な三角形が見られた。ダイビングウォッチにある特徴からは、洗練された時刻表示、明るく大きめな時針と分針、10、20、30などの数字で分を示したベゼルなどが挙げられる。しかしどれほど見ようとも、レーシングウォッチとしての「ツール」は確認できない。クロノグラフ機能もタキメーターの目盛りも見当たらない。(オータヴィア アイソグラフの各要素の由来についての詳細は、このOnTheDashの記事を参照。) 


3つの時代を1つの時計に結集する

スポーツウォッチにおける主要3カテゴリーの要素を取り入れることに加えて、オータヴィア アイソグラフは3つの時代の時計のスタイルを踏襲している。オータヴィアのダッシュボードタイマーは1930年代に設計され、この時代にある「線路」状の目盛りと特大サイズのリューズを確認できる。 オータヴィアのクロノグラフは1960年代に由来し、ケース(60年代半ばのオータヴィア クロノグラフの形状と一致)、アラビア数字(ホイヤーのブンデスヴェーア クロノグラフのものと一致)、日付ウィンドウ(1968年のオータヴィアで初めて採用)によりその年代が色濃く反映されている。そして近代は、その他ブランドのパイロットウォッチで使用されているものと同様のスタイルの針、セラミック製のベゼルインサート、明るい白色の夜光塗料などにより表現されている。 

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実機検証

3種類の時計の要素と3つの時代の特徴を取り入れた時計を目にしたとき、我々は最も重要な問題に直面する —「それがどのように見えるのか」という問題だ。 新型のオータヴィア アイソグラフは、たった42 mmのケースの中で多岐にわたる要素要素を組み合わせた時計として、成功することができるだろうか。それともこの組み合わせは、あまりにも多くの選択肢を詰め込もうとして、パイロット、ダイビング、レーシングのいずれとしても強烈なイメージを残すことに失敗した、単なる寄せ集めに過ぎないのだろうか?

3月、オータヴィア アイソグラフについて最初に公表された写真を調べた際に、コレクターとして、そしてヴィンテージ愛好家としての本能が刺激された。私はこの時計の要素を分類し、混血の魂を感じた。いったいどのようにして、ブンデスヴェーアの文字盤にある数字用フォントとオータヴィアのベゼルにある数字用フォントをひとつの時計に合わせることができたのか? 80年経ち、オータヴィアの文字盤の夜光塗料はアンバーとブラックの間で落ち着いている。そこでタグ・ホイヤーはどのように明るい白色のスーパールミノバを使用したのか? 文字盤上で見ると、馴染みのある要素は散見できたが、既知のタイプのスポーツウォッチや歴史的な時代にしっくりと当てはまる外観は欠いていた。 

金属製のケースに入ったオータヴィア アイソグラフのラインナップを初めて目にし、それらを着用する機会に恵まれた際、私のコレクターとしての分析的なアプローチは和らぎ、より愛好家としての感動に置き換わった。私は見栄えの良い時計を身に着け、あらゆる角度からそれを楽しんでいた。この時計の個々の特徴を観察し分類するよりも、親しみがあり快適な美しいケースやエネルギーを感じさせるカラフルな文字盤、そして時計を生き生きとさせる明るい白色の数字や針に目を奪われていた。この時計はパイロットやダイバー、レーサーのために特別にデザインされたものではないかもしれない。しかし、現代の冒険心にあふれた楽しみを追求する人々のエネルギーを捉えている。 

上死点にあるタグ・ホイヤーのロゴを見て、このオータヴィア アイソグラフはオータヴィア先行モデルの復刻やトリビュートではないことに気づいた。このアイソグラフは、ヴィンテージのホイヤー クロノグラフを収集するような人々を喜ばせることを目的としていないのだ。むしろ、ベゼルの縁に揃った歯の数や、ホイヤーが初めてポリッシュマーカーを採用した日付表示などを気にしないような、明るく鮮やかな時計を身に着けたい今日の愛好家向けに作られたものだ。

ケースとリューズ

オータヴィア クロノグラフは1962年から1985年までにさまざまな異なるケースを使用しており、この新作のアイソグラフは、ファンのお気に入りのひとつである、1967年前後にあったねじ込み式ケースのセカンドモデルを採用している。ベゼルは元々のオータヴィアよりも狭くなっており、その歯は四角というよりも斜めに刻まれている。人は皆それぞれ好みがあるが、このセカンドモデルのケースが、2016年のオータヴィア・カップでタグホイヤー愛好家たちから最も多くの票を獲得したという事実は無視できない。このケースは、マリオ・アンドレッティ(Mario Andretti)、ヨッヘン・リント(Jochen Rindt)という2人のF1チャンピオンも着用していたものだ。

新型アイソグラフは42.5 mmで、現代のスポーツウォッチにある典型的なサイズだ。13.5mmの厚さと面取りされたダイヤルの形状は、この時計を快適なものにしている。ケースのエッジは、現代の多くの時計が持つ柔らかく洗練されたエッジを採用せず、1960年代の前モデルの外観を模倣した鋭くシャープな仕上がりとなっている。

特大サイズのリューズは、どんなタスクにも耐えられる印象を与え、日々の中で時計に触れるためだけに気がつくと巻いていることがあった。リューズの使い心地も良好で、時計の設定や巻き上げに安心や信頼できる感触を与えてくれている。 

文字盤と針

オータヴィア アイソグラフの文字盤は、鮮やかな色彩と、文字盤の中心にゆくにつれ色が薄く外側にゆくにつれ色が濃くなるグラデーションスタイルの仕上がりが強烈な印象を与える。「オレンジピール」仕上げが、部屋にあるさまざまな「家具」を効果的にまとめ上げる絨毯のように、温もりのある質感を与えている。アラビア数字と針は、これら家具の中で最も印象的で、白いスーパールミノバがその中でひと際目立っている。チャプターリングに統合されている研磨された金属製マーカーは、文字盤にスパイスを与える追加要素となっている。 

文字盤の中央から離れ、まばゆい数字とマーカーを過ぎると、チャプターリングとベゼルの間の「レイルウェイトラック」が控えめに現れる。1930年代のダッシュボードタイマーやクロノグラフに敬意を表する以外に、この要素に意味があるのか疑問に思う人もいるだろう。 

私は、ベゼルについて同様の疑問がある。このアイソグラフのベゼルは、ダイバーズウォッチやパイロットウォッチとして使用される印象的な外観を取り入れる以外では、先代に比べて存在感が薄い。確かにベゼルは1960年代半ばから後半にかけてのオータヴィア クロノグラフでホイヤーが使用していたスタイルの雰囲気を捉えている。しかし、少なくとも私の目には、この時計のスタイルと「冒険」のための時計というその位置付けからすると、より印象的な数字やマーカーが必要なように映るのだ。

折衷的なアプローチを採るインテリアデザイナーには、あまりにも多くの異なる外観や物を取り入れることによるリスクがある。そのため、私はオータヴィア アイソグラフの文字盤に組み込まれている個々の要素を評価しつつも、この「部屋」にはあまりにもたくさんの「家具」があると感じているのかもしれない。 

ムーブメント

筆者メモ:私がこのレビューのために所有したプロトタイプの時計は、最新のアイソグラフキャリバーではなく、スタンダードなキャリバー5のムーブメントのものだった。そのため、タイミングや精度に関する感想は一切含めなかった。 

オータヴィア アイソグラフにおける最も興味深い革新のひとつとして、新たなムーブメントが挙げられる。異なる年代やカテゴリーの要素を混合するというテーマに沿って、タグ・ホイヤーは、1950年代の最初の自動巻き時計を起源に持つ、キャリバー5 ムーブメント(セリタ社製)を使用し、それを近年タグ・ホイヤーが開発した炭素複合材によるヒゲゼンマイで改装した。この新たなヒゲゼンマイは、今年初め、定価301万9500円の時計カレラ キャリバー ホイヤー02T ナノグラフ クロノグラフで初めて使用された。 

タグ・ホイヤーは、この新たなアイソグラフ技術は、耐衝撃性の向上、重力感受性の低下、耐磁性能、温度変化の影響への標的補償など、従来のヒゲゼンマイに比べいくつもの利点を有すると述べている。新しいヒゲゼンマイは、テンワに等時性を与える、すなわち往復運動の大きさが異なっていてもテンプが1往復に要する時間は同じ、という点で優れている。この新しいムーブメントは、COSCにクロノメーターとして認定されている。 

ストラップとブレスレット

オータヴィア アイソグラフは、ストラップの取り付けや交換を容易に行える独自システムを組み込んだ、タグ・ホイヤーで最初の時計となる。 

バネ棒は所定の位置に固定されており、ストラップやSS製ブレスレットの端には、爪の先だけで(ツールを使わずに)これらの取り外しや取り付けを行える、スライド部分が組み込まれている。これはスポーツウォッチとして素晴らしい機能であり、朝の水泳やランニング時にはSS製のブレスレットを取り付け、その後、その日の服装に合わせて革のストラップに着け替えることもできる。

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結論

ホイヤー オータヴィアの歴史を時系列で辿るのであれば、2019年3月に二つの事柄を加える必要があるだろう。タグ・ホイヤーは、オータヴィアを3針時計としての第三章を開始させただけでなく、それがブランドのカタログで6番目の「コレクション」として位置づけたことを宣言した。ベゼルのフォントやチャプターリング上のレイルウェイトラックの採用について議論するのではなく、私たちはオータヴィアのこの新たな門出を祝福すべきだ。私は最新のオータヴィアを着用してみて、それを大いに楽しみ、オータヴィアが3針モデルとクロノグラフモデル双方の時計コレクションをより豊かにする基礎を提供できていると確信した。パイロットやダイバー、レーサーやその他の冒険家たちは、この最新のオータヴィアを堪能することだろう。そう、オータヴィアがカタログに戻ってきたことは本当に喜ばしいことなのだ!

タグ・ホイヤーのオータヴィア アイソグラフの詳細については、我々のオリジナル記事tagheuer.comのウェブサイトをご参照ください。 

編集後記: 本記事のダイビングウォッチのセクションへの情報を提供してくれたジェイソン・ヒートン(Jason Heaton)に感謝します。