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Just Because ニュースです、あなたの腕時計は細菌の宝庫かもしれません

生命は、道を見つける。―ジュラシック・パークより

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まるで恐竜時代と言っていいくらいの大昔、私は、学部生のサーベイコースで病理学を教えてお小遣い稼ぎをしていた。ベヒモス(ベヒモスというのは、私が意味するところの職権を持つ人々のこと)のおこぼれで生計を立てている、学会のパイロットフィッシュの一人だった。あなたがもし、若くて退屈していて不安な学部生のグループに科学のクラスを教えているとしたら、そして、彼らの大部分が科学の授業で素晴らしい経験をしたことがなかったり、嫌々受けているのだとしたら、あなたはいくつかのアイスブレークになる話を持っていたほうがいい―ひと言で言えば、口説き文句だ。楽しませたい、教えたいという気持ちから、私は以前、まつ毛ダニとして知られるニキビダニという小さな生き物についてのゼロックス(コピーのこと、これでどれほど昔のことかお分かりいただけるだろう)を配布していた。小さくて無害な生き物であるニキビダニは、その名の通り人間のまつげの毛包に生息し(毛包1本に対して6本以上、らしい)、その生涯(約半月)を頭を伏せて過ごし、皮脂分泌物に含まれる貧弱な栄養素で生活をしている。

"彼らは知れば知るほど、実はかなり愛らしい。" -進化生物学者のミシェル・トラウトヴァイン氏NPRの記事画像出典: NPR)。

 彼らは事実上普遍的に人間の顔に生息しており、他に宿主がいない。つまり、私がタイピングしている私の顔の上で、そして今読んでくださっている親愛なる読者の皆さんの顔の上で、ほぼ間違いなく存在しているということだ。彼らは生まれ、交尾し、生き、そして死ぬまで、私たちのほとんどが彼らの存在を知らないままである。極めて初歩的な消化器系の末端に肛門を必要とするほど長生きすることもないが、彼らの存在が厄介だと思うならば、それはおそらく慈悲だ。もし彼らが何か考えを持っていたとしても、暗闇の中で頭を下げれば宿主、つまり我々には永遠にほぼ気づかれないままだ。 彼らは哲学でもやっているのかもしれない。

 ここまで読んでくださった方は、なぜ私がこの話を持ち出すのか不思議に思われるかもしれない。まぁ、親切な読者、時計を習慣的に着用している皆さんに申し上げるが、人間の表皮は微生物の大繁殖地であるという現実は、避けては通れない。大腸内ほどたくさんはいないが、推定値は 1,000,000,000,000,000 かそこらの微生物 (ある研究によって「湿ったマイクロバイオーム」と独善的に解説されるへそに大部分が生息)が、 あなたや私の肌の上にある。おそらく千種類もの生物と19の植物(以前はもっと低い数値だったが、近年ではRNA分析の新しい方法によって 増加した模様)がいる。時計のニュース配信が少しゆっくりになっている中で(8月はいわゆるスイスの伝統的な「時計師の休日」でもある)、日常的に肌に触れているのに毎日の入浴時には着けられない時計が、目に見えない気持ち悪い生き物集団の住み家になっているのではないか、という疑問がわいてくるのは当然と思うに至った。そしてそれは、確かにそうに違いないという確信になったのだ。

金には抗菌作用がある。時計学の祖先の知恵に万歳。

 そして、我々が予測したようにそれは起こった。この問題に関していくつか試みられた実験の1つは、フロリダ州ボカラトンにあるNBC系列のWPTVとの協力で行われた―また、明らかに忙しくはなかった彼らは - フロリダアトランティック大学の生物科学科の善意の人たちに協力を求めた。中でも、Dieuto Esiobu博士(博士でありマイクロバイオームの研究者)は、様々な材質でできた20個ほどの時計を実験した。材質は、フィットビットのようなものから、もちろん、特に指定はしないが高価なゴールドの時計にまで及んだ。この善意の博士は何を見つけたのか? 人間の皮膚と同じように、大腸菌株といった病原性を持つ可能性があるものも含めて、様々な種類の細菌が広範囲に存在していたということだ。では博士の見解は?

「とても良いものもあれば、とても良くないものもあります」と彼女は言う(親が子供たちに「マッチは遊び道具ではない」「ナイフを誤って扱うと怪我をする可能性がある」と説明するのと同じように、ゆっくり、はっきりとした声で話していると想像)。

 しかし、真の時計愛好家には希望の光がある。彼らの心臓の鼓動は、フィットネスの記録やスマートウォッチのような低俗な新参者に測られるためにあるのではない。20本の時計の中で、どれが菌の汚染を免れたか? それがゴールドの時計だったのだ―金には抗菌作用があり、あなたがイエローゴールドの36mmデイデイトを買わなければならなかった理由を、理解できずに長年苦しんでいる大切な人に説明するのに必要な理由を提供してくれたわけだ。(冗談である。付け加えておくが、私はそれを試したが、その試みは、圧倒的に否定的なレビューで初日を終えた。)

一日金の時計を着ければ医者いらず?

 これらのことから得られるものは、目に見えない微生物の世界に対する我々の視点を、微生物がどこにでも存在し、そして実際に彼らが提供してくれる恩恵に対して、一定の敬意を持つようにできるということではないだろうか。我々と共存するバクテリアの大部分は、有害でないだけでなく、多くの点で有用であり、実際にはより活発な病原性のある生物を抑制するのに役立つことがよくある。微生物の存在は、その美しさ、繊細さ、複雑さ、そして大小のすべての生き物を支える生命の無数の素晴らしいつながりと共存の、無くてはならない現実を語っている。

 とはいえ、たまには時計を洗ってみてはどうか。ひと月も同じ下着を着ないのと同じこと、そうでしょう? (もし着るなら、コメントに書かないようお願いしたい)。Eshiobu博士が言うには、"ただ拭けばいい"ということだ