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クイック解説
例年この時期までには、ジュネーブで開催されるSIHHでIWCの新作は目にしていた。しかし、物理的な見本市が開催されなかったことで、IWCの新作リリースをストップするには至らず、今年同社は、ポルトギーゼコレクションに焦点を当てている。価格と複雑機構の両面で、2本の複雑時計がコレクションのトップを担っている。うち1つは、新作のポルトギーゼ・パーペチュアル・カレンダーであり、もう1つはこれからご紹介する時計、ポルトギーゼ・トゥールビヨン・レトログラード・クロノグラフだ。
ローンチ時には2つのモデルが発売される予定で、1つはプラチナケースにシルバーダイヤルを備えたモデル、もう1つは、IWCの18K Armor Gold®ケースにブルーダイヤルを備えたモデルである。アーマーゴールドは、IWC独自の特殊なプロセスで作られる18Kレッドゴールドの合金で、同社によれば従来のレッドゴールドよりも5倍から10倍硬く、耐摩耗性の高い素材だ。
搭載するのは、IWC Cal.8900。これは、以前プラチナケースに青文字盤を備えたユニークピースであるポルトギーゼ・トゥールビヨン・レトログラード・クロノグラフのローレウス・スポーツ・フォー・グッドエディションや、2017年のダ・ヴィンチ・トゥールビヨン・レトログラード・クロノグラフにも採用されていたものである。
同ムーブメントにはいくつか興味深い特徴が見られる。例を挙げると、ストップセコンド機能付きトゥールビヨン(トゥールビヨンとしては珍しいものだ)、IWCのダイヤモンドシェルテクノロジーでコーティングされたアンクルとスケルトンのガンギ車などがそうだ。IWCによれば後者は、摩擦を減らすことでテンプへのエネルギー供給効率を向上させる(トゥールビヨンを搭載する時計の設計において常に課題になるポイントである)。
両モデルとも世界限定50本で提供される。
ファースト・インプレッション
IWCにおけるトゥールビヨンの歴史は、想像よりも長い。高級時計製造に関して初心者の方は少し驚かれるかもしれないが、同社は機械式の高品質でシンプルなツールウォッチを製造するメーカーとして長年定評があるが、21世紀初めよりずっと以前から複雑機構を開発するメーカーとしてのアイデンティティも持っているのだ。
最も壮観な初期の例の1つは、IWCの最初の真のグランドコンプリケーションウォッチであるイル・デストリエロ・スカフージア(直訳は「シャフハウゼンの軍馬」)だ。この時計は1993年に発表され、西暦を4桁デジタル表示する永久カレンダー、スプリットセコンド・クロノグラフ、ミニッツリピーターを搭載し、同社初のトゥールビヨンも見られた。
ポルトギーゼ・トゥールビヨン・レトログラード・クロノグラフの精神は、デザインと技術の両点において、30年近く前に"シャフハウゼンの軍馬"によって確立された血筋によく似ている。
Cal.89900は、トゥールビヨンに加えて、時・分を同軸上に表示するクロノグラフを備えている。レトログラードの日付表示のマーカーは小さく、瞬時に読み取るの難しいだろう。しかしそのかわりに、今月があとどれくらい残っているのかを視覚的に知らせてくれる。このかなり風変わりな文字盤レイアウトとムーブメントは、2017年のダ・ヴィンチのケースデザインと非常に相性が良いように思える。時間が経つ前に実機も見てみたいと思う。個人的にブティック限定モデルは特に魅力的に感じている。
基本情報
ブランド: IWC
モデル名: ポルトギーゼ・トゥールビヨン・レトログラード・クロノグラフ(Portugieser Tourbillon Rétrograde Chronograph)
型番: Ref. IW394005 (ブティック限定)、Ref. IW394006 (プラチナ)
直径: 43.5mm
厚さ: 16mm
ケース素材: プラチナ、または18K Armor Gold®
文字盤色: シルバーまたはブルー
防水性能: 3気圧
ストラップ/ブレスレット: サントーニ製ブルーのアリゲーターストラップ
ムーブメント情報
キャリバー: IWC 89900
機能: レトログラードによる日付表示、クロノグラフ(時分の同軸表示)、時、分
直径: 30mm
パワーリザーブ: 68時間
巻き上げ方式: 手巻き付き、18Kローターによる自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 42
価格&発売時期
価格: IW394005: 1165万5000円, IW394006: 1365万3000円(全て税抜予価)
発売時期:発売中
限定: 各世界限定50本
さらなる詳細は、IWCの公式サイトをご覧ください。
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