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Hands-On ノルケイン フリーダム60

ペプシを飲むか、森の中を散歩するか?

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昨年、新興の独立系ブランドであるノルケインが発表したフリーダム 60 GMTは、ジャンピングアワー機能を備えた真のGMTだ。クロノメーター認定を受けたマニュファクチュールムーブメントを搭載し、価格は40万円台を実現した。それだけでも話題を呼んだのだが、この時計はチューダー ブラックベイ GMTと実質的に同じムーブメントを搭載しているというニュースが流れ、「自社製ムーブメントとは何か」という大きな議論に発展した。その議論は別の機会にするが、あえて言うなら、ノルケインが話題を呼んでいるということだろう。

 さて今回は、フリーダム 60 GMTに追加された2つの新しいバリエーションを紹介したい。ホワイトダイヤルにペプシスタイルの24時間表示インナースケールを備えた「オパーリン」と、ブロンズケースの限定モデル「フォレストグリーン」である。

 これらの時計のオリジナルバージョンとの違いは、純粋に見た目だけだが、見どころはたくさんある。フリーダム 60 GMTは、24時間表示と短針を備えたGMTデザインを採用した面白いモデルだ。アウトドアアドベンチャーの魂(12時の位置にあるブランドの山頂ロゴを含む)と、Mad Men時代のマンハッタンの洗練された雰囲気を備えている。

 一般的に、GMTウォッチは最も楽しいものであり、ほとんどの場合カラフルである。その多くは、複雑機構の中核となる機能に関係している。24時間表示のベゼル(本機の場合はスケール)の多くは、昼と夜を区別するために2色になっている。このようにして、チューダー ブラックベイ GMTにも採用されているカラースキームである有名なロレックスのペプシ(やコーラ、ルートビア、バットマン)GMT マスターが誕生したのだ。

 元々、フリーダム 60 GMTはバイカラーを採用しているが、より保守的なブラックとグレーだ。このような新作が登場すると、より盛り上がるのは明らかだろう。

ニューペプシ

 まず、オパーリンモデルを見ると、おなじみのカラーリングが施されているのがわかる。ペプシ(赤と青)上の24時間スケールは、白い文字盤とのコントラストが、入手困難なアルビノのGMTマスターを彷彿とさせる。ほぼ純白のダイヤルと、色を合わせることで、優れた視認性を実現している。ノルケインのロゴは、ラッカーのような雰囲気で文字盤から浮き上がっている。

 ノルケインでは各アワーマーカーの下に、文字盤を囲むように小さく描かれた夜光プロットを採用している。これは60年代デザインへの回帰だ。実際、クラシックなGMTツールウォッチというよりも、ヴィンテージのデイトジャストを彷彿とさせる。ノルケインはオールドラジウム製のスーパールミノバを使用しているので、マーカーが黄色がかっているのが特徴だ。白の文字盤に対して、人工のヴィンテージ感というよりも、ちょっとした遊び心のあるコントラストの効いたカラーリングという印象になっている。

 写真のオパーリンはSS製のブレスレットが装着されている。手に持つと、このブレスレットはシルクのような手触りだ。基本的には全体を折り畳むことができる。クラスプは2つのボタンでリリースでき、安心感がある。ブレスレット、特にクラスプには当たり外れがあるが、本機は金額に見合った価値があり、全体のスタイルが時計のオールドスクールな魅力とよく調和している。

森に入る

 ブロンズケースのモデルは、サンレイ効果のあるグリーンの文字盤を持つフォレストグリーンとして知られている。正直なところ、2つのうち、私はこちらの方が好きだ。それは、ペプシのモチーフがどこにでもあるものだからかもしれないし、このバリエーションが単独でとてもよく機能しているからかもしれない。この作品を見ると、ノルケインが考えたGMTのデザインが具現化されていることがわかる。グランドセイコーやセイコー アルピニストの面影が感じられるのだ。

 24時間表示にはオパーリンの赤と青の代わりに、ノルケインは漆黒と白の2色構成を採用。どちらの色もグリーンの文字盤に映え、視認性も損なわれていない。GMTの針い赤が非常に映える。

 このモデルでは、オールドラジウム夜光が、ブロンズのマーカー、針、ケースと調和している。アルミニウムシリコンブロンズ合金で作られたこのケースは、はっきりとした金色または黄色の外観である。ノルケインによると、時間の経過とともに酸化して暗くなるそうだ。グリーン文字盤のサンレイ効果は、光の加減で変化する。屋外ではエメラルド色に近い明るい色に輝き、屋内では暗い森のような落ち着いた色になる(GPSなしでは一人で行動したくないような場所だ)。

 このモデルでは、黒のパーロンラバーストラップに、お馴染みのノルケインステッチが施されているのが驚きだ。ストラップはスイスでBIWI(ビウィ)によって開発・製造されており、ビーガン認定を受けている。時計のストラップ という言葉がという単語と同意に使われることが多い中で、このような作品が作られたことは喜ばしい。
 ストラップ自体は非常に快適だ。頑丈さと柔軟性を兼ね備えており、問題なく手首に巻き付けることが可能で、ストラップの端がキーパーから大きくはみ出すこともない。ちらっと見ただけでは、革だと思ってしまうかもしれない。

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ムーブメントを作る

 前述の通り、フリーダム GMTのボンネットフードの中は何も変わっていない。70時間のパワーリザーブを備えたクロノメーター認定のマニュファクチュールキャリバーNN20/2を引き続き搭載している。ノルケインはこれをマニュファクチュールキャリバーと呼んでいるが、チューダーのブラックベイ GMTに搭載されているムーブメントと、事実上同じであることを再確認しておく必要がある。どちらもケニッシという会社が製造している。

 チューダーのムーブメントと厳密には異なることから、ノルケインはこれらをマニュファクチュールキャリバーと呼んでいる。チューダーはムーブメントにシリコン製ヒゲゼンマイを採用しているが、ノルケインはそうではない。まあ、自社製であろうとなかろうと、真のGMT機能を備えた高品質なムーブメントを、圧倒的な価格で提供していることに違いはない。

最終的な考え

  時計は楽しいはずのものであり、ノルケインはその点を十分に満たしている。ノルケインは、GMTのデザインに、大胆な色と印象的な文字盤を加えた。その結果、真のGMTウォッチを求める人たちに、素晴らしい選択肢を提供することとなった 

 確かに本機はチューダーと同じ価格帯ではあるが、デザインが大きく違うので本当の意味でのメリットがあり、検討に値するものだと思う。ノルケイン フリーダム 60 GMT は通常の生産モデルとして仲間入りし、フォレストグリーンは300本の限定生産となっている。

ノルケイン フリーダム 60 GMT。40 × 14.5mmのSS製またはブロンズケース。ブロンズは300本限定。100m防水。サファイアクリスタルケースバック。ムーブメント:NN20/2、ジャンピングアワー(ケニッシ社製)、28石、2万8800振動/時、70時間パワーリザーブ。文字盤には、アプライドマーカーと「オールドラジウム」スーパールミノバを採用。パーロンストラップとSS製ブレスレット。価格:ブロンズケース 50万6000円〜、SSケース 45万1000円〜(すべて税込)。

その他、詳細はノルケイン公式サイトへ。

All Photos: Kasia Milton