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クイック解説
これまでのところ、Watches & Wondersはいくつかの本物の驚きを私たちにもたらしてきたが、その中でも最も重要なのが、新しい「ソーラービート™️」ムーブメントを搭載した「タンク マスト」だ。この時計は、「タンク」コレクション初のソーラーウォッチであり、カルティエ史上初のソーラーウォッチでもある。
Laziz Hamani © Cartier
ケースはステンレススティール製で、ラージモデルが33.7mm×25.5mm、スモールモデルが29.5mm×22mmと、2つのサイズがある。カルティエによると、時計の修理が必要になるまで平均で16年の稼働時間が期待できるという(充電式電池でも充電回数には限りがあるため、充電式蓄電池の寿命を想定しているのだろう)。このモデルは、エレガントでトラブルのない、毎日使える時計というだけでなく、環境への影響を軽減することも目的としている。 - ストラップは、ブラック、ブルー、ライトグリーンの3色で、動物性ではないレザーを使用しており、このレザーは、食品産業用に栽培されたリンゴの端材から作られている。
太陽光発電システムのための光は、ダイヤル、具体的には、ローマ数字の部分を透過してムーブメントに到達する。
ファースト・インプレッション
「タンク マスト」ソーラービート™️の発表が、なぜ私を驚かせたのか。振り返ってみると、それはとても論理的なことだ。せっかくクォーツのタンク ウォッチを作るのであれば、可能な限り最新の技術を使った方が良いからだ。
Laziz Hamani © Cartier
カルティエのウォッチメイキングデザインディレクターであるマリー=ロール・セレード氏は、今週初めにHODINKEEの取材に応じ、この時計には興味深いデザイン上の課題があったと語った。現代のソーラームーブメントは非常に効率的で、1970年代の第1世代からずいぶんと進歩している(最初のソーラーウォッチはシンクローナだが、発売されたのは意外と早く1972年だ)。しかし、ムーブメントの充電に必要な光はインデックス部分を通過して入ってくるが、そのためには十分な光量を時計に取り込むための広い面積を確保する必要があった。このプロポーションの制約は、「タンク マスト」ソーラービート™️の設計・開発で解決しなければならなかった興味深い問題のひとつだったと、セレード氏は語っている。
Laziz Hamani © Cartier
これは素晴らしい発展であり、1970年代にカルティエが初代「マスト ドゥ カルティエ」で確立した方向性を推し進める、さらなる一歩だと思う。カルティエは、19世紀から20世紀初頭にかけて、クラシックラグジュアリーの概念を確立した企業のひとつだ(公式には、カルティエは時計メーカーではなく、時計も製造するジュエラーであるということだが、実際には、最も印象的で最も独創的な時計デザインの大部分がカルティエから生まれている)。「マスト ドゥ カルティエ」は、様々な観点から見ることができるが、私にとっては、贅沢とは、素材の贅沢、工芸品としての贅沢、独占的なもの(あるいはその3つ全て)である一方で、デザインの贅沢というものもあり、それは必ずしもコストによって定義される必要はないということを、少なくとも部分的には常に示してきた。タンク マスト ソーラービート™️は、これまでで最も実用的なタンクであることは確かだが、本物の時計製造の歴史につながる素晴らしい方法でもあり、手頃な価格であることに劣らない美しさがある。
基本情報
ブランド: カルティエ(Cartier)
モデル名: タンク マスト ソーラービート™️(Tank Must SolarBeat)
サイズ: ラージサイズは33.7mm×25.5mm、スモールサイズは29.5mm×22mm
ケース素材: ステンレススティール、人工スピネルリューズ
文字盤色: アイボリー
インデックス: カルティエのシークレットサイン入りローマ数字
ストラップ/ブレスレット: 非動物性レザーストラップ
Maud Remy-Lonvis © Cartier
ムーブメント情報
キャリバー: カルティエ製クォーツ「ソーラービート™️」
機能: 時、分のみ
追加情報: 太陽光発電の充電システム・時計の修理が必要になるまでの予想寿命は16年
価格・発売時期
価格: スモールモデルは28万8200円、ラージモデルは30万3600円(全て税込) ※価格は発売前に変更の可能性あり。
販売時期: 2021年9月発売予定
限定: なし。通常モデル
詳細は、カルティエ公式サイトへ。
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