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September 28, 2020
September 28, 2020
A Week On The Wrist チューダー ブラックベイ フィフティ-エイトを1週間レビュー(動画解説付き)
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A Week On The Wrist チューダー ブラックベイ フィフティ-エイトを1週間レビュー(動画解説付き)

小型化されたチューダーのモダンダイバーズは、これまでとは全く違うヴィンテージ感満載の時計に仕上がっている。

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時計史において、ミッドセンチュリーのダイバーズウォッチ以上にバリエーション、新解釈、そして度重なるイノベーションを生み出し続けたアーキタイプは存在しないでしょう。このジャンルを開拓した時計達の名前をここに挙げずとも、おそらく皆さんの頭の中には既にいくつかの時計が浮かんでいると思います。多くの人たちにとって「時計」という言葉を聞いてまず思い浮かべるのは、おそらくこのタイプの時計でしょう。回転式計測ベゼル、シンプルで飾り気のない文字盤、そして頑丈なケースとブレスレットを持つ「ミッドセンチュリーのダイバーズウォッチ」という存在を超える、個としての時計は無いと思います。それは、物理的な存在であると同時に、概念そのものなのです。

 だからこそ、チューダー ブラックベイ フィフティ-エイトのような時計は興味深いのです。チューダーは、2012年のヘリテージ ブラックベイ発表と共に、同社のダイバーズウォッチの新しい形を生み出しました。たった一つの時計として始まったブラックベイは(この記事の執筆時点で)8年近い時間をかけて、チューダーにおける一大ファミリーへと成長すると同時に、他社が製品展開の雛形にする存在にまでなったのです。
 しかし、ブラックベイは、オールドスクールなダイバーズウォッチから多くのインスピレーションを受けつつも、決して前世紀の時計そのものになろうとはしていません。比較的厚めの41mmケースを採用したブラックベイを、1950年代の時計と見間違えることはないでしょう。そして、今回取り上げるブラックベイ フィフティ-エイトは、これまでのブラックベイとは一線を画す代物でした。

 ブラックベイ フィフティ-エイトを作るにあたり、チューダーは、既存のブラックベイと50年代後期の同社の初代ダイバーズウォッチを掛け合わせました。小さめのケースサイズとレトロな文字盤やベゼルのデザイン要素が、新型ムーブメントや現代的な製造品質と同居しているわけです。オマージュであると同時に、それを望まないユーザーに無理に押し付けてくるわけではありません。ユニークかつ斬新な手法で、新旧両方の世界を自由に行き来できる時計だともいえるのではないでしょうか。

 そんなわけで、この時計を僕自身がじっくり試してみる必要がありました。


2つのアーキタイプ

 チューダーの初代ダイバーズウォッチであるRef.7922は、1954年に発表されました。「チューダー オイスター プリンス サブマリーナー」と呼ばれたこの時計は、ロレックス初のダイバーズウォッチであるRef.6204 サブマリーナーの発表からわずか一年後に登場したことになります。両者には多くの共通点がありました。どちらも、シンプルな日付表示無しの文字盤、無骨な計測ベゼル、そして小さめのリューズにリューズガードの無いケースを採用していたのです。これらの特徴は、瞬く間にダイバーズの元型といえる存在になり、チューダー、ロレックス、そして地球上のほぼ全ての時計メーカーが、そのデザインを元にしたダイバーズウォッチを世に送り出すことになるのです。

 それから半世紀以上の時を経て、ヘリテージ ブラックベイが初めてその姿を現したのは、バーゼルワールド2012の開催直前のことでした。リリース時のベンのレポートを(そして他のメディアの記事も)読み返すと、その当時のリアクションは非常に興味深いものでした。今日私たちが見慣れている、ヴィンテージモデルへの回帰を意識した時計は当時の市場には存在せず、チューダーはこの新モデルによって多くの人々をハッとさせたのです。

 ブラックベイシリーズの最も驚くべき点の一つは、チューダーの歴史から個々の要素を拝借することで、その独自のアイデンティティを確立したことでしょう。ギルトダイヤルは1954年のチューダー初のダイバーズから、大型のリューズは1950年代後期および1960年代前期モデルから、イカ針(スノーフレーク)は70年代のミリタリー時計から、そして色褪せた赤系の色使いもチューダーの歴代の時計からインスパイアされています。それらの要素を、現代の製造技術や仕上げを用いて、モダンなサイズ感とプロポーションを持つパッケージに納めているのです。それは、6つの異なるヴィンテージ時計の集合体であると同時に、そのどれでもないといえます。

 ここから、ブラックベイは自身の青写真としての役割を果たすことになります。新色、新素材、そして新サイズや形状のバリエーションまで展開します。例えば、ブラックベイ ブロンズをヴィンテージオマージュの時計だと片付ける人はいないでしょう。それは、あくまでも「ブラックベイ」なのです。たった8年足らずで、ブラックベイはその独自の世界を確立したと言っても過言ではないでしょう。

 そして遂に、ブラックベイ フィフティ-エイトの登場。チューダーがその歴史上のレガシー、現代においてのアイデンティティ、そして両者の相互作用の可能性を提示するうえで、また新たな局面を迎えた瞬間です。この時計は、単純なオマージュ時計でもなければ、ただの「ブラックベイの一つ」でもないのです。この時計は、それらと一線を画す、独自かつ効果的な新路線なのです。

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ブラックベイ フィフティ-エイト

バーゼルワールド2018で発表されたブラックベイ フィフティ-エイトは(兄弟機であるブラックベイGMTと共に)瞬く間にその年最も話題になった時計の一つであり、そこには納得いく理由がありました。BB58は、ブラックベイシリーズの元型からの離脱と、シンプルなカラーバリエーション展開という二つの極論の中間をいくものでした。新しいプロポーションと、歴史に基づきつつも新しいデザイン要素の組み合わせ、そして新型のムーブメントまで搭載していたのです。BB58は、その歴史に忠実でありながら、れっきとした新作の時計でした。

ケース&ブレスレット

 ブラックベイ フィフティ-エイト最大の特徴は、そのサイズでしょう。直径39mm、厚さ11.9mmのこの時計は、通常のヘリテージ ブラックベイと比べ、わずかに2mm小さく、そして3mm近く薄くなっています。2mmという数字を大きくは感じないかもしれませんが、こういったタイプの時計にとっては、まさに天と地の差があるといえます。時計を手に取っただけでその違いを感じることができますし、実際に装着してみると、その違いはさらにはっきりと感じられます。僕はずっとブラックベイのファンでしたが、日常使いをするにはほんの少しだけ大きすぎ、分厚すぎだとも感じていました。ついにその問題が解決したわけです。

 簡単に言えば、この時計はヴィンテージのチューダー サブマリーナーと同サイズであり、そのデザインにも似通った点が多くあります。まず、リューズガード無しである時点で、僕の個人的な評価がグンと上がりました。それと同じくらい重要なポイントは、大きく面取りされたラグ形状でしょう。ロレックスがスポーツモデルをいわゆる「マキシケース」に移行した際、長らくサブマリーナーやGMTマスターといった時計を、文字通り形作っていた、ラグの面取りの意匠が姿を消しました。チューダー ブラックベイ フィフティ-エイトで復活したこのラグ形状は、ケース全体のデザインを引き締めると共に、ヴィンテージ感に溢れる魅力も放ちます。

 ブラックベイ フィフティ-エイトには、レザーストラップおよび布製ストラップオプションも設定されていますが、この時計をブレスレット無しで購入するのは大きな間違いだと思います。ブレスレット抜きのチューダーのダイバーズというのは、正直、時計として不完全です。このブレスレットは、チューダーが数年前に発表したリベットスタイルのもので、私のお気に入りの現行ブレスレットの一つです。ソリッドリンク(ヴィンテージのリベットブレスレットに見られるフォールドリンクではない)でありながら、その両側のキャップデザインのおかげで、まるで50年前のブレスレットを見ているかのようです。

 このブレスレットの大きな利点は、ユーザー自身で簡単にサイズ調整ができることでしょう。適正サイズのマイナスドライバーさえ用意すれば、時計師の力を借りることなく、クラスプ両側のリンクを取ることが可能です。これは、多くのメーカーが無視する、ユーザーフレンドリーな配慮の一つですね。
 逆に、クラスプ上のサイズ微調整用の穴は3対しかありません。ここは、5対は欲しいところです。ほぼ無視できるレベルの製造コストの差で、カスタマーにとっての快適性は大きく向上するはずです。

文字盤&ベゼル

 ブラックベイ フィフティ-エイトの文字盤とベゼルをひと言で表すならば、それは「ギルト」でしょう。1950年代のオールドスクールなダイバーズへの回帰として、チューダーはガルバニック加工が施されたミラーダイヤルを彷彿とさせる、ブラックのベースにゴールドのプリントという組み合わせを選択しました。チューダーロゴ、防水性表示、クロノメーター認証、チャプターリング、インデックス外枠、針、そしてベゼルのマーカーまで、全て柔らかいゴールドトーンで統一されています。チューダーの公式資料では「ピンクゴールド」としていますが、私にはピンクというよりも、柔らかめのイエローゴールドに見えます。

 この時計の発表当時、ゴールドを多用したデザインはファンの意見を二分しました。BB58の暖かみのあるトーンとほのかな輝きを歓迎する声と共に、少々行き過ぎているとする声があったのも事実です。私自身は前者のグループに属しますが、後者の意見も十分に理解できます。ブラックベイ フィフティ-エイトは明らかに1950年代のダイバーズを意識しているわけで、ゴールドの使用はコンセプトにマッチしていますし、例えばブラックベイ ブラックなどの時計との差別化にも貢献していると思います。ゴールド以外で唯一その存在感を示す色はベゼル12時位置の赤い三角印ですが、これもまた、過去への明確なトリビュートとなっています。

 ご想像通り、文字盤の視認性は非常に高く、3針のみ、デイト無しの設定は、この時計の飾り気のない、引き締まった機能美にマッチしています。艶消しのアルミ製ベゼルインサートは、現行ダイバーズに多く見られるセラミック製のものよりも、ヴィンテージベゼルを彷彿とさせる風貌です。細めのコインエッジベゼルは、手袋着用時や手が水に濡れた状態での回転操作には少々難がありますが、その対価として、よりスマートな見た目と日常生活においての優れた操作感を実現しています。実際にダイビングをする以外のシーンで問題になることは無いでしょう。

ムーブメント

 ソリッドケースバック仕様のため、ブラックベイ フィフティ-エイトのムーブメントを拝むことはできませんが、そのムーブメントはこの時計にとって非常に重要な要素の一つです。チューダー自社製Cal.MT5402は、この時計のために設計された新型ムーブメントなのです。ブラックベイ フィフティ-エイトの小型化を実現するにあたり、既存の自社ムーブメントを流用することができず、この新型キャリバーを開発することになったわけです。

 MT5402は、その他の大型ブラックベイモデルに搭載されているMT5602よりも小型かつ薄型に仕上がっています。後者が直径31.8mmであるのに対し、MT5402はその直径を26mmに抑えつつ、70時間のパワーリザーブ、4Hz振動、そしてCOSCクロノメーター認証を備えています。チューダーは、このデイト無しのムーブメントが今後登場する時計にもベースとして使用されることになると、バーゼルワールド2018での発表時に明言しています。より小型のブラックベイ36は未だにETA2824を搭載しており、まだその姿を見ることはできませんが、今後に期待したいところです。

 個人的には、ETAキャリバーで事足りるにも関わらず、チューダーが自社製ムーブメントの使用を選択した事を非常に歓迎しています。ETA搭載モデルもラインナップに存在し、クローズドケースバックのお陰でユーザーが見ることができないにも関わらずの選択なのです。この事実がブラックベイ フィフティ-エイトを、その他のトップレベルのブラックベイモデルと肩を並べる、チューダーのフラッグシップ機へと昇華させていると感じます。あくまでも対等なバリエーションであり、見た目重視の新作ではないのです。

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On The Wrist

 ブラックベイ フィフティ-エイトを着用した瞬間、それが何か特別な存在であることを理解できるでしょう。この時計がモダンな時計であることを疑う余地はありません。高い堅牢性を持ち、どんな任務もこなせるであろう信頼感があり、そして新しい製品のみが放つ輝きも併せ持っています。それでいて、往年の時計ような「魂」感があるのです。1958年にビッグクラウンを腕にしたときの感覚はこんなだったのだろうと、容易に想像できます。このレビューのネタバレになってしまうかも知れませんが、これは時間をかけて慣らしていく必要や、自分の気持ちを無理やり乗せていかなければならないタイプの時計ではありません。装着した瞬間「あ、これはもう外したくない」と悟りました。

 私感ですが、このケースはスポーツウォッチとして完璧なプロポーションだと思います。決して華奢ではなく、かといって比較的細身な僕の手首からはみ出るようなこともありません。統一されたベゼルと文字盤の配色のお陰でその一体感が強調され、サイズ感よりも大きな存在感を持っています。ヘアライン加工されたラグ前面と鏡面仕上げの側面のコントラストは、時計を着用することでより強調されます。その仕上げの変化は、予想外の瞬間に光を捉え、あなたの意識を引きつけるでしょう。このケースは予想しなかったダイナミズムを腕の上で発揮し、僕はそれに魅せられたのです。

 本機の最大のセールスポイントは、やはりその汎用性の高さ。実質的に単色の色使いと中型のサイズで、ブレスレットはもちろん、ほぼどんなストラップにも合うこの時計は「最初の本気の一本」にも「ワンウォッチ・コレクション」にもなり得る逸材なのです。どんなファッションにも合わせやすく、僕なら旅行に多用すると思います。スリムなケースはセーターとも相性がよく(袖口に引っかからない)、はたまたTシャツに短パンでビーチに着けて行くのにも最適です。こういった使い方ができる時計は決して多くないのですが、ブラックベイ フィフティ-エイトは、ほぼ完璧な「どこにでも行けて、何でもできる」時計です。

 普段僕は、日差精度に固執するタイプではありません。時計を秒単位で合わせて精度をチェックしてみることはたまにありますが、基本的には自分がミーティングなどの時間に遅れなければ、それで必要十分な精度だと思っています。今回、あくまでも興味本位でこの時計の精度を測ってみたのですが、その結果には心底驚かされました。6泊7日の使用後、この時計はたった+2秒の誤差しかありませんでした。「+2」です。これは驚愕に値する数字で、現代の機械式時計として最高の精度の部類です。というわけで、あなたが精度オタクならば、この時計はオススメです。

 快適性という観点では、上にも書いた不満が一つだけあります。ブレスレットの微調整がもう少しできればという点です。僕はサイズ区分の丁度中間になってしまい、完璧なフィットを得るのが難しいのです。リンクを4コマ外してクラスプを最大にすると少しだけ小さすぎ、3コマ外してクラスプ最小だと僅かにダブついてしまうのです。結果的に僕は後者のセッティングを選び、ほぼ問題なく使用できましたが、あと1〜2mm調整が出来れば完璧でした。

 ブラックベイ フィフティ-エイトと一週間を過ごした後、それを外すのは(予想通り)かなり辛いものでした。この時計は、シンプルであるにも関わらず、もしくはシンプルであるが故の魅力に溢れています。その感覚は、なんとも形容し難い代物です。気軽に使え、それでいて面白味があり、タフでありながら丁度良いサイズ感で、懐古的でありながらモダンなのです。静的なコントラストに溢れ、ただひたすら着けることが楽しい時計だといえるでしょう。

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競合モデル

 ブラックベイ フィフティ-エイトが傑作なのは間違いありませんが、時計業界で最も競争の激しい価格帯に属しているのも事実です。36万3000円(以降全て税抜)という価格設定は、エントリーレベルから中堅クラスまでの高級スポーツウォッチに真っ向勝負を挑む形になっています。ダイバーズというカテゴリーは多くのユーザーにとって一番馴染みのあるものであり、その中での差別化を図る必要もあります。今回は、定価5000ドル以下(モデル間の日本円での価格設定は上下する可能性あり)で価格に対するバリューが高く、日常使いに最適と感じたモデルに限定して比較対象を選択しました。

オメガ シーマスター プロダイバーズ 300M コーアクシャル 41mm

 オメガの膨大なシーマスターモデルのカタログには、基本的に全てのユーザーニーズ合った一本が揃っているといえます。その中でBB58と最も直接的に競合するモデルを探すとなると、この時計がそれに当てはまると考えました。41mmのケースはチューダーよりもひと回り大きいですが、オメガの自社製コーアクシャル ムーブメントを搭載し、セラミック製回転式ベゼルを備え、ソリッドケースバックを採用しています。また、オメガ伝統のブルーと、よりシックなブラックから好みに合わせて色を選べます。48万4000円(編集部注:現在このモデルは販売終了しており、定価は現行時代のもの)のこのモデルは、シーマスターシリーズのエントリー機という位置付けとなります。もしもヴィンテージ風のモデルを探しているならば、シーマスター300が2倍近い74万8000円(ブレスレットモデル)という価格設定、そしてマスター クロノメーター認定のムーブメントとオメガの「ウェーブダイヤル」を採用したシーマスター ダイバー 300Mが欲しければ、42mmのケースサイズと61万6000円の値札にステップアップする必要があります。上にも書いた通り、誰のニーズにも合った一本があるわけです。

44万円 omegawatches.jp(編集部注釈:現行モデルではありません)

オリス ダイバーズ65 ブロンズベゼル 40mm

 オリスのダイバーズ65コレクションは、ヴィンテージ愛好家にとっての定番となって久しく、その高い人気には理由があります。この時計は腕によく馴染み、ハンサムで、圧倒的なコストパフォーマンスを誇ります。20万円を僅かに上回る価格設定のダイバーズ65 40mmバージョンは、その価格帯からは考えられないほどの充実ぶりです。もしもさらにヴィンテージ感の高いバージョンがお好みなら(多くの人にとって、スポーツウォッチとして小さすぎるかも知れないことは承知していますが)私のお気に入りでもある36mmバージョンも存在します。暖かいアクセントカラー(このモデルの場合はブロンズ製ベゼルがそれに貢献している)と実用性の高いデザインをもつこの時計は、現在市場に出回っている中で最もBB58と類似したモデルだと思います。ムーブメントの先進性はチューダーに軍配が上がり(オリスはセリタ SW 200-1ベース)、デイト付きという違いはありますが、チューダーと比べて3割以上も低い価格設定となっています。真の代替え機という意味では、この時計を選んで間違いは無いでしょう。

24万6000円 oris.ch

IWC パイロット・ウォッチ・マーク XVIII

 これは、今回の比較のワイルドカードとなる一本でしょう。ダイバーではなく、それ故に正当な比較とは言えないことは重々承知していますが、まずは言い分を聞いてください。もしもあなたが数十万円の予算で日常使いできるスポーツウォッチを探しているなら、このモデルを選択肢に加えるべきだと思います。歴史に裏打ちされた定番デザインでありながら、明確なヴィンテージへのオマージュ的な要素を全く持っていないのです。IWCは数年前に、マーク・シリーズのケースサイズを41mmから40mmへと戻す英断をしたと僕は思っています。結果として、マークXVIIIの装着感は明らかにアップしました。この時計のブレスレットの着け心地は最高で、その文字盤は実用時計デザインとして最上級の代物です。BB58と比較して3割以上高めの価格設定ではありますが、候補として試着してみることを強くお勧めします。

60万5000円 iwc.com


総評

 チューダー ブラックベイ フィフティ-エイトはその発表時、かなりの注目を集めましたが、それが必ずしも長期的な成功に直結するとは限りません。しかし、蓋を開けみればどうでしょう。鳴り物入りの登場から2年が経ち、その魅力はさらに増したと言って過言はないと思います。アメリカのほとんどの小売店で数ヵ月にも及ぶ順番待ちが続いていることを踏まえると、こう考えているのは僕だけではないはずです。この時計は、そのデザインの構想から製品としての完成度まで、非常に高いレベルを維持した一本です。この時計は、安っぽいレプリカとは一線を画すヴィンテージ感に溢れ、日常使いに最適なサイズと品質を併せ持っています。モダンとヴィンテージを効果的に融合するその手法は、実に見事なものだと今でも感じます。

 あなたが、真剣に最初の一本を探しているビギナーコレクターだったとしても、特に新しい時計を求めていないベテランコレクターだったとしても、ブラックベイ フィフティ-エイトを検証してみて損はないでしょう。シンプルさが光る、質実剛健なこの時計は、使えば使うほどその魅力が増す一本です。

より詳しい情報は、チューダー公式サイトへ。