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今週のヴィンテージウォッチ
90年代ウィークが終わり、HODINKEEのヴィンテージ・チームはHODINKEE Weekendのプレビューを見せて、そう遠くない未来に目を向けている。夏が終わり、水曜日から週末が始まるのはつぎはいつになるだろう? 次のHODINKEE Weekendはコール・ペニントン(Cole Pennington)が主催し、ダブルネームの時計が中心になる。というわけで今回は、今売れている最高の1本をご紹介する。 ロレックス エクスプローラー Ref.1016は、ここニューヨークのティファニーの刻印つきで、販売もされたものだ。
小売店のスタンプがないにもかかわらず、ショップに並ぶ「新しい」ヴィンテージウォッチは魅力的だ。パテックのカラトラバに勝るものは? ステンレススティールのヴィンテージ・パテック カラトラバだ。また、エクスプローラーに勝るものは? そう、エクスプローラーII(文字通り?)だ。 リッチ、サオリ、ショーンの3人はここでその全貌を紹介しているが、いつものようにHODINKEE Shopのヴィンテージコレクションもチェックしてみて欲しい。そこには、パティーナのある美しいグレーダイヤルのデイトジャストや、60年代後半のオメガ シーマスター クロノグラフもあるからだ。
1981年 ティファニーで販売されたロレックス エクスプローラー Ref.1016
私がロレックス エクスプローラーRef.1016の支持者であり、幸運にもオーナーであることはご存知かもしれない(記事はオンラインのみでも我々はまだページと呼ぶのか)。Ref.1016、このモデルは、ヴィンテージのスポーツロレックスというだけでなく、タイムオンリーのスポーツウォッチの完璧な表現であると私は考えてる。必要なものはすべてあり、必要でないものは何もない。時計デザインにおける抑制の完璧な適用。もっともっと言いたいことがあるのだが.....。
初めてティファニーのダブルネームのRef.1016を手にしたのは、エクスプローラーに焦点を当てたリファレンス・ポイント「ロレックス エクスプローラー 完全コレクターズガイド」の記事を書いているときだった。ロレックス エクスプローラーの全モデルがテーブル上に置かれていたが、ティファニー刻印が施された時計は、私に向かって叫んでいたのだ。高校時代に英語の先生に言われたように、エッセイや物語のなかで悪い言葉を書くと(私が書いたわけではないが)、その一語がページから飛び出して、誰もがそれを見てしまうのだ。お気に入りのヴィンテージ・ロレックスが並んだテーブルを通り過ぎると、ティファニーの刻印が最高の悪い単語のように見えた。私の個人的な時計はさておき(来歴もなく当然だ)、今週の時計はこの究極の1016だ。
HODINKEE ShopのVintage Watches記事に登場するこの1981年製エクスプローラーは、これまで市場に出たことのないティファニー刻印のロレックスに求められるすべての要素をやすやすと満たしている。ロレックスにティファニーを示す書類がないため、実際の小売店スタンプのフォントや印刷品質を深く掘り下げていく必要がある。
ティファニー・エクスプローラーの最も伝説的なコレクションは、バニー・メロン(Bunny Mellon)氏のコレクションにあったもので、そのうちのひとつがリファレンス・ポイント記事で紹介された。メロン氏の時計はすべて、2014年にサザビーズで行われた彼女の遺産オークションで、ほかのティファニーの刻印が入ったヴィンテージロレックスとともに落札された。メロン氏のエクスプローラーは70年代半ばから後半にかけてのものだが、ここにあるそれ以外の時計、すなわちペアのデイトジャストは80年代前半のものであり、この時代の本物のティファニー刻印を知るための確固たる根拠となるものだ。我々の時計と、メロン氏の時計やほかの既知の正しい刻印とを比較すると、これは絶対に本物だと言える。
刻印以外でもバニー・メロンコレクションの1016と同じ“マーク4”のマットダイヤルを採用し、実機で見ると非常に印象的な外観を持つエクスプローラーなのだ。このような80年代初期のモデルには、わずかにオフホワイトまたはクリームのような明るい夜光のパティーナが見られる傾向がある。このモデルは、ヴィンテージであることがひと目でわかると同時に、あからさまな「古さ」を感じさせない、この1016によく似合うルックスを持っている。
1960年代 パテック フィリップ カラトラバ Ref. 3466 ステンレススティール製
毎日パテックを身につけているという人はほとんどいないと思うが(たとえ次の世代に受け継ぐ予定があったとしても)、だがもしそうする人がいるなら、Ref.3466がピッタリだと思う。確かにこの時計はセイコーのツナ缶やチューダー、またはタグ・ホイヤーほどタフではないかもしれない。しかし、ねじ込み式ケースバックは、カラトラバの繊細な兄弟モデルたちより少し耐水性がある。この防水性能は、ほとんどの人の、ほとんどのアクティビティに十分すぎるものだ。スティールケースは珍しく、文字盤も落ち着いた色調で、3大ブランドのほかのモデルと比べると、腕になじむ控えめな存在感だ。
決してこの3466が退屈というのではない。実際まったくそうではない。この密やかな小さなビーストの内部には、高い評価を得ているCal.27-460が搭載されている。このムーブメントは1960年に発表され、1985年にやや薄型のキャリバーに変更されるまで、パテック フィリップの時間のみの腕時計の主力として活躍していた。この時計の文字盤もまた、十分すぎるほどの面白さを提供してくれる。ほかの優れたヴィンテージウォッチと同様、この時計も文字盤の何が特別なのかを知るには、間近でよく観察する必要がある。完璧なまでに面取りされ、ポリッシュ仕上げされたホワイトゴールドのインデックスをはじめ、完璧にプリントされたロゴ、ややセリフ調のセコンドレジスターなど、見逃してはならない。私がいつも面白いと思うのは、パテックが完璧なサンレイシルバー仕上げに、少し暗めの「パール加工」のミニッツトラックを挟み込んでいることだ。「この時計を所有するのであれば時間を正確に知る必要などないでしょうが、必要であれば知ることができます」とでも言いたげな感じだ。その全貌は、こちらでご覧ください。
1979年 ロレックス エクスプローラー II Ref. 1655
すぐに引かれる時計もあれば、時間をかけて好きになった時計もある。ロレックス エクスプローラー II Ref. 1655はそのひとつだ。私はこの時計を嫌いだったことはない。長年、「うーん......どうなんだろう」という感じだった。私にとってこの時計は、ある日突然、何の根拠もなく、どうしても欲しくなってしまう時計のひとつだったのだ。人間の脳はいろいろな面で興味深いものだが、時計収集の軌道修正という側面も同様に興味深いものだ。
まず第一に、エクスプローラーからエクスプローラー IIになると、デザイン的にかなり飛躍する。60年代から70年代にかけての時代を反映している。同じエクスプローラーでも、オリジナルのエクスプローラーは伝統的できちんとした兄、エクスプローラー IIは若くて冒険的な弟という感じだ。サイズも、1016の36mmからエクスプローラー IIの39mmへと3mmも大きくなっている。さらにエクスプローラー IIでは、リューズガードとスティール製の24時間ベゼルが加わり、手首での存在感という点では大きな違いがある。
もちろん、最も注目され議論を呼んだのは、オレンジ色の大きなGMT針だ。ロレックスが行った最も大胆なデザイン変化のひとつと言えると思う。時計のデザインがより大きく、よりファンキーな方向へと向かっていた70年代前半にしか、おそらく実現しなかったことだ。イタリアのコレクターたちは、このデザインを“矢”を意味する“Freccione”と呼ぶようになった。イタリア語では、とても響きがいい。この時計のGMT針は、私の理想とするオレンジ色で、明るすぎず、暗すぎず、ちょうどいい感じだ。この時計は1979年頃のもので、のちの“マークIV”ダイヤルのバリエーションがある。また、初期のエクスプローラーIIが直線的な秒針であったのに対し、ロリポップ秒針を採用しており、この時計にもうひとつの個性を与えている。
そして、ロレックスはこの時計を“スペランカー(spelunkers)”(洞窟を探検・研究する人を指す非常に特殊な言葉)のための時計として販売したというのは、非常に実用的でロマンチックな話だ。どんな洞窟を探検していても、たとえ真っ暗闇でも、この時計が夜光のGMT針で昼夜の区別をつけてくれるというわけだ。ツールウォッチとして、これ以上ニッチになれるだろうか。自分がすぐにスペランカーになることはないだろうが、今ますますオリジナルが欲しくなっている。特に、このヴィンテージ・エクスプローラー IIをベースにしたチューダー ブラックベイ プロを試着したあとでは、なおさらだ。
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