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Watching Movies ナタリー・ポートマン、『ルーシー・イン・ザ・スカイ』で完璧なオメガウォッチを携えて宇宙から帰還

そして、ジョン・ハムはスピーディを着用している。今週の時計関連映画だ。

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『ルーシー・イン・ザ・スカイ(Lucy in the Sky)』(2019年)は、映画レビューサイト「Rotten Tomatoes」で21%の評価だった。私の好みはこのサイトの数字とは一致しないため、低評価と監督のノア・ホーリーの血統(彼は「ファーゴ」や「レギオン」などのFX番組の制作者)が相まって、私の好奇心を高めることになった。それで映画を観たところ、気に入った。大好きというわけではないが、気に入ったのだ。物語は、ナタリー・ポートマン演じる宇宙飛行士のルーシー・コーラが、宇宙に行って戻ってきたものの、地上の生活に全く適応できなくなった自分に気づくというものだ。劇中でオメガのスピードマスター ムーンウォッチが登場する。コーラが選んだ時計は、まさに星のように輝いていた。

『ルーシー・イン・ザ・スカイ』(2019年)のポスター。


注目する理由

 ブルーオリジンの打ち上げについてはご存じの方も多いだろう。ジェフ・ベゾス氏とNASAの伝説的人物ウォーリー・ファンク氏を含む彼の友人たちが、空高く10分間のクルーズを行った。彼らは皆、カスタムメイドのスピードマスターを身につけており、名高い時計の名声をさらに高めた。このイベントの精神に、この知られざる宇宙映画はピッタリだと思った。

 この映画を再生しようとしたとき、私はApple TVのリモコンにタイトルを音声で告げた。すると、テレビは映画の映像ではなく、ビートルズの「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」を流し始めた。私は怒らなかった。実際、私はその曲を全部聴いてしまった(そう、この曲は映画のなかでも、実にトリッピーなモンタージュで登場する)。

『ルーシー・イン・ザ・スカイ』で地球上を浮遊するルーシー・コーラ(ナタリー・ポートマン)。スクリーンショット: 20th Century Studios

 この映画は紛れもなく映像的に面白い。作品がいつの時代設定なのか、ほとんどわからない。シンセを多用した80年代風のサウンドトラックは、この映画が実際の出来事に基づいているにもかかわらず、古典的なSFの雰囲気を醸し出している。さらに、ポートマンの演技はメロドラマチックで不安定、心を揺さぶられるものだ。これは誉め言葉として言っている。

 優れた宇宙飛行士の映画にはつきものだが、ここにも象徴的なスタンダードのムーンウォッチ(おそらく旧型の1861ムーブメントを搭載)が登場する。そしてそれは、宇宙飛行士仲間でコーラと恋仲になるマーク・グッドウィン(ジョン・ハムが演じている)の腕につけられている。しかし、それがメインのアトラクションではない。

『ルーシー・イン・ザ・スカイ』で、コーラ(ナタリー・ポートマン)とグッドウィン(ジョン・ハム)のキスシーン中に見られるオメガのx-33。スクリーンショット: 20th Century Studios

 ハリウッドでは重厚な時計を身につけた女性があまり登場しないのは残念なことだ。映画『エイリアン』でエレン・リプリー(シガニー・ウィーバー)が自分の名前を冠したセイコーを身につけていた以外は、ほとんど見当たらない。だからこそ、ポートマンが身につけた時計を見たときにはとても興奮した。映画は決して秀作とは言えないかもしれないが(21%ほど悪くはない)、彼女の時計は確かに良かった。

 それがオメガのスピードマスター X-33で、オリジナルのムーンウォッチを現代風に進化させたモデルだ。1998年に発売されたこのモデルは、長い試作期間を経て宇宙飛行士の標準装備品となった。これは、宇宙飛行士やパイロットに直接時計を渡して試してもらい、改善点のフィードバック得て任務に備えるというもの(そのようなテスターの一人が、コール・ペニントンとともにTalking Watchesに出演したデビッド・ウィリアムズ氏だった)。

 この時計は、時刻・日付表示(あらかじめプログラムされた永久カレンダーを含む)に加え、アラーム、アラーム付きミッションタイム、アラーム付きUTC、クロノグラフを搭載している。これらの機能は、針の下に配置されたLCDディスプレイによるアナログ/デジタル方式で表示される。

 コーラのX-33は1998年のオリジナルデザインだが、近年にアップデートが行われた。今では“スカイウォーカー”と呼ばれるが、これを知る人には不思議なほど適切な表現だ。ポートマンは、スター・ウォーズの前日譚3部作でパドメ・アミダラを演じたことで有名だ。OK、素晴らしい、でもそれが何か関係あるの? マニアの皆さん、アミダラはアナキン・スカイウォーカーと結婚し、後にルーク・スカイウォーカーとその妹レイア・オーガナ/スカイウォーカー/ソロの母親になるのだよ。

『ルーシー・イン・ザ・スカイ』でX-33をつけて運転するコーラ(ナタリー・ポートマン)。スクリーンショット 20th Century Studios

 「ルーク・スカイウォーカーの母は“スカイウォーカー”を身につけている」という記事を書くために、彼女が最新バージョンの時計を身につけていたらいいのに、と思う気持ちも一部ある(かなりある)。でも、今あるもので我慢しよう。この映画で本当に素晴らしいのは、彼女が作品中ほぼずっとX-33を身につけていることだ - 基本的に彼女の手首から離れることはない。


見るべきシーン

 映画の冒頭で、宇宙空間のワイドショットとコーラのクローズアップが映し出される。彼女の目線を通して広大な宇宙に感嘆していると、ドローンで撮影された地球郊外の映像に素早く切り替わる。カメラは、雨の中、車の中で座っているコーラに向かって進む [00:05:33]。船外活動中の宇宙服を着た彼女の顔と、トラックのフロントガラス越しの彼女の顔とでは明らかに違う。これが彼女のキャラクターを紹介するものだ。彼女が姪を学校に迎えに行き車を走らせようとするとき、カメラは再び焦点を合わせ、紛れもないオメガ X-33のダイヤルを映し出す。

スクリーンショット: 20th Century Studios

 前述したように、本作はコーラが地球での生活に戻った様子を描いている。結果として彼女は精神的に不安定になり、結婚生活にも影響が出てくる。序盤、彼女は2人の同僚とともにハム演じるグッドウィンとビールとボーリングを楽しみ、我々は初めて2人の間にロマンチックなつながりができることを知る。言い方を変えれば、彼は彼女にボーリングを教えている(ゴーストスタイルで)のだ。一行はボウリング場のバーのテーブルに移動して、ビールとウイスキーを飲む [00:27:36]。ここでコーラはシャイナー・ボック(テキサスのビール)のボトルを持ち、X-33をカメラの前に映し出す。そして彼女はドン・ドレイパー、じゃなかった、グッドウィンの目を見つめ返す。

スクリーンショット: 20th Century Studios

『ルーシー・イン・ザ・スカイ』(出演:ナタリー・ポートマン、ジョン・ハム、ダン・スティーヴンス、エレン・バースティン)は、監督ノア・ホーリー、小道具はトリッシュ・ギャロパー・グレンが担当。iTunesやAmazonでレンタルできる。

Lead image courtesy, 20th Century Studios.