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ジェームズ・ステイシー:カルティエ 「タンク マスト」ソーラービート™️
どうせクォーツにするならソーラーはどうだろう? 僕はここ数年、カルティエの「タンク」を物色し続けているが、その選択肢の多さから、誰もが自分に合うタンクを見つけられると確信した。ただ、限られた予算の中でスタイルを崩さずにモダンなカルティエを手に入れたいのであれば、新作の「タンク マスト」ソーラービート™️に注目すべきだろう。
28万8200円〜という価格のハイテクな「タンク」は、ソーラーとは思えないほどの繊細な仕上がりで、むしろ正統派の「タンク」のように見える。機械式モデルはいつの時代も愛好家の心を掴んで離さないものだが、普段スポーツウォッチを愛用している人が、ドレスウォッチとしてこの時計を使うことには大きな魅力があると思う。スティール製のケース、2つのサイズ、そしてシルバーのダイヤルにブルースティールを組み合わせたゴージャスなデザインの「タンク マスト」ソーラービート™️は、カルティエを特別なものにしている魅力を損なうことなく、「タンク」シリーズに新たな魅力を加えたエキサイティングなモデルなのだ。
カルティエ 「タンク マスト」ソーラービート™️、 28万8200円 (スモール)、 30万3600円(ラージ)(全て税込)
ジョン・ビューズ:チューダー ブラックベイ クロノ
ブラックベイを抜きにしてチューダーを語ることはできない。ブラックベイは、ヘリテージモデルから派生したコレクションで、まだ発売から10年も経っていないとリマインドする必要があるだろう。そのデザインバリエーションを考えてみよう。多くの人がお気に入りのモデルをもっている。私は最初のブラックベイ フィフティ-エイトが好みだが、ブラックベイ クロノは、今年になるまで本当の意味で「理解」できなかったものだ。今回、時計を目にしてみて、ブラックベイ クロノはパンダやリバースパンダのダイヤルをもつ運命にあったのだと感じている。何かが修正されて、正しい方向へ向けられたように感じる。このデザインのアップデートと、2019年のスティール&ゴールドモデルで初めて採用されたやや薄めのケースと相まって、ブラックベイ クロノは私の望む時計となった。リバースパンダが私のお気に入りの1本だ。
チューダー ブラックベイ クロノ、 53万200円(レザーストラップ、ファブリックストラップ)、56万4300円(SSブレスレット)。共に税込
コール・ぺニントン:ブライトリング プレミエ B09 クロノグラフ 40
今年は多くのブランドがグリーンの新作を出したが、ブライトリングのプレミエ B09 クロノグラフ 40 だけは“ピスタチオグリーン”のダイヤルカラーを実際に見てみたいと思い、すぐにサンプルを取り寄せようと思った。ブライトリングは、過去のモデルからインスピレーションを得ることと、全く新しいものを導入することの間で絶妙なバランスを保っており、この時計は、比較的サプライズの少ないショーの中で私の目を引いた。40mmのSS製でブライトリング B09キャリバーを搭載し、ダイヤルの美しさも相まって、今回のショーの中で一番のオススメモデルとなった。
ブライトリング プレミエ B09 クロノグラフ 40 、 SS製 94万6000円、18KRG製 202万4000円(全て税込)
ダニー・ミルトン:カルティエ タンク マスト
「カラフルなカルティエのバットマンだ!」 新しい単色使いのカルティエ「タンク マスト」の画像を初めて見たとき、私は心の中でそう思った。そして、「このマストを見なければならない」と思ったわけだ(まあ、実際にそのまま考えたわけではないが)。まだ実機を見ていないが、私の興奮は少しも冷めていない。確かに、このようなカラフルな作品は、80年代のマスト ドゥ カルティエ タンク ヴェルメイユに遡ると前例があるが、今回のリリースにはまだ新鮮でエキサイティングなものがある。カルティエがミニマルでカラフルなものを目指したら、私は常に興味をもつ。
カルティエ 「タンク マスト」 31万7900円(税込予価)
ローガン・ベイカー:グルーベル・フォルセイ GMTスポーツ(ブレスレットモデル)
私は現在、長い片思いをしている。学生時代のような片思いではない。 グルーベル・フォルセイの時計に首ったけなのだ。ジュネーブのWatches & Wondersで発表されたばかりのこのスイス企業の最新作は、チタン製のGMTスポーツのアップデート版で、今回は見事な一体型ブレスレットがついている。もちろん、立体的なワールドタイムとインクラインテッド・トゥールビヨンという、我々がよく知るグルーベル・フォルセイの2つの要素を備えている。また、目に見える部品のひとつひとつに惜しみなく手作業で仕上げられているのも、グルーベル・フォルセイならではの特徴だ。ここでの新しい試みは、ブレスレットの仕上げだろう。時計の世界がより良く統合されていくのを(ブレスレットリンクも)止めることはできないが、私はこのブレスレットを実際に見るのが待ち遠しいのだ。
冗談ではなく、今年発売されたどの時計よりもこのブレスレットウォッチに期待しているかもしれない。私たちを隔てる海さえなければ(そして私の銀行口座に必要ないくつかのゼロさえなければ)。
グルーベル・フォルセイ GMT スポーツ(ブレスレットモデル)、52万スイスフラン(約6136万円)
ジャック・フォースター:カルティエ 「クロシュ ドゥ カルティエ」「カルティエ プリヴェ」
毎年、どの展示会でもお気に入りを選ぶというこの茶番をしなければならないが、私はそれがとても嫌いだ。というのも、Watches & Wondersのような伝統的なトレードショーの縮小版であっても候補は山のようにあり、私は自分の考えをまとめるのが苦手だからだ。皆さんは結果を求めているのであって、私の性格を知るために来ているわけではないから、全ての候補を挙げて皆さんの忍耐力を試すつもりはないが、これは...大変なことなのだ。
とはいえ、もし私が毎日身に着ける時計を1つ選ぶとしたら、 「クロシュ ドゥ カルティエ」はその候補に挙がるだろう。これはカルティエの中でも最も好きなデザインの一つだ(カルティエは単独で考えても、エレガントな日常使いの選択肢が途方もなく多いブランドだ)。クロシュは万人向けではないと思う。デザインは独特で奇抜といってもいいくらいだし、ダイヤルの向きやケースの非対称性から、時計を愛する少なからぬ人々が候補から外すだろう。しかし、それこそが私の好きなところなのだ。奇妙な魅力とまでは言わない。デザインが貴族的すぎる。しかし、多くの人にとって候補から外してしまうような特徴こそが、この時計を形作っていることは事実だ。普通と違うこと - それはバグではなく特徴なのだ。
カルティエ 「クロシュ ドゥ カルティエ」「カルティエ プリヴェ」、 320万7600円(1917 MC搭載のPG、YGモデル)、361万6800円(1917 MC搭載のPtモデル)、712万8000円(9626 MC搭載のPGモデル)、811万8000円(9626 MC搭載のPtモデル)、950万4000円(9626 MC搭載のダイヤモンド付きPtモデル)。全て税込予価
佐藤 杏輔:パテック フィリップ カラトラバ “クルー・ド・パリ” Ref.6119
昨年、「パテック フィリップ カラトラバ 5196が、傑作とされている理由」という記事を書いたが、パテック フィリップのコレクションの中で筆者が最も好きなモデルがカラトラバだ。腕時計がもつべきスタイルを決定づけ、それを脈々と受け継ぐ存在であり、時計愛好家であれば、言わずと知れたブランドを代表する傑作の1つである。
確かに傑作ではあるが、カラトラバは機能的には何の変哲もない手巻きのスモールセコンドウォッチだ。現代的な自動巻きウォッチがメインストリームの現代においては、正直なところ、愛好家向けのニッチな存在と言える。そんなカラトラバに新モデルが、しかも新型の手巻きムーブメントを載せて発表されるとは想像していなかった。
既存のRef.5196は直径37mm、厚さ6.8mm。対して、新しいカラトラバ “クルー・ド・パリ”は直径39mm、厚さ8.08mmと、サイズアップしている。一方、搭載ムーブメントのサイズを見てみると、Ref.5196が搭載する215PSは21.9mmであったのに対し、30-255は31mmと9mm以上も大きくなった。これによって、ダイヤル中央寄りにあったスモールセコンドの位置が見やすく、適切なダイヤルバランスになったと思う。新型の手巻きムーブメントを載せたカラトラバのリリースが、まさかこれだけで終わることはないだろう。本作ももちろん気に入っているが、今後のバリエーション展開も非常に楽しみなモデルだ。
パテック フィリップ カラトラバ “クルー・ド・パリ” 339万9000円(税込)
和田 将治:ブルガリ オクト フィニッシモ パーペチュアルカレンダー
ブルガリは、超薄型時計製造の分野において挑戦を続け、昨年、本サイトでも記事「ブルガリ オクトフィニッシモ 世界記録を打ち立てた6モデルを一挙レビュー」を公開したばかりですが、今年またしても新たな世界記録を樹立。7度めとなる記録を作ったモデルは、オクト フィニッシモ パーペチュアルカレンダーです。
直径40mmのケースは、全体の厚さがわずか5.8mmで、内部には2.75mmの極薄のCal.BVL 305を搭載。また、チタンケースに加えて、プラチナケースでも提供されており、オクト フィニッシモにプラチナが採用されたのは初めてのこと。
今作で個人的に特に気に入ったのは、かの伝説的な時計デザイナー、ジェラルド・ジェンタのスタイルを思わせるダイヤルレイアウトです。同社は、2000年にジェラルド・ジェンタ社を買収し、そのDNAをブルガリのウォッチメイキングにも組み込んできました。ジェラルド・ ジェンタのレトログレード表示に敬意を表し、本作では日付と閏年にレトログラード表示に。複数の機能を同じスペースに組み合わせていないため、非常に視認性が高くまた美しいシンメトリーなレイアウトを実現しています。
ブルガリ オクト フィニッシモ パーペチュアルカレンダー:TIケース、TIブレスレット仕様は683万1000円、プラチナケース、ブルーのアリゲーターストラップとマッチするプラチナ製ピンバックル仕様は1025万2000円(全て税込)
関口 優:タグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル 300
約6年ぶりにリファインされたアクアレーサーは、43mmのケース径はそのままに1mm近く厚さを削り、ブレスレットも薄く洗練された構造へと進化した。本機は、ドット(実は八角形)インデックスやダイヤル上の印字などに大きな変更が加えられ、文字盤に余白をよりもたせたところが印象的で、ややクラシカルなダイバーズといった趣きになっている。アヴァンギャルドを自認するブランドとしては、2015年誕生の前作のほうが"らしい"デザインであった気もするが、今作はそれが故の揺り戻しであると僕は思っている。
ファッションの世界でも同様だが、世間が保守的なときには前衛的なものが好まれ、コロナ禍や他の出来事で揺れ動く現在のような時代にはコンサバな意匠が多くなる。これはタグ・ホイヤーに限ったことではないけれど、まさに今の空気感を反映した時計の1本として心を掴まれた。ただ、新しいアクアレーサーで最も好きになったのはグリーン文字盤をもつグレード2チタン製モデルで、なんだかんだ尖った時計をラインナップしてくるタグ・ホイヤーに敬服したのである。
タグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル 300:SSケース 36mm 33万5500円、36mm ダイヤモンド付き 39万6000円、43mm 35万7500円、チタンケース 43mm グリーン 49万5000円(全て税込)
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