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Introducing ブランパン エアコマンド フライバッククロノグラフ限定モデル 

非常に希少なヴィンテージパイロット・クロノグラフが、最新の技術と融合してよみがえる  。

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クイック解説

元祖ブランパン エアコマンドは、ブランパンが1950年代に製作した腕時計だ。米海軍が既に同社のフィフティ ファゾムス ダイバーズウォッチを採用していたことを受け、新たに米空軍に向けて設計したと考えられている。そのエアコマンドは、同ブランドのType 20モデルと類似のスペックを有したフライバッククロノグラフであり、12本だけ試作され、アメリカでブランパンを扱っていたアレン・トルネク(ALLEN TORNEK)を通して米空軍のパイロットに提供されたそうだ。近年ではオークションでもほとんどお目にかかれないため、ブランパンのヴィンテージコレクターにとっては渇望のひと品となっている。2019年5月下旬に香港で開催されたフィリップスオークションで1本出品された際は、落札予想価格が5~10万ドル(約500万~1000万円)だった。それ以前には、同じくフィリップスが2016年に開催した88エピック ステンレススティールオークションにおいて10万スイスフラン(約1000万円)で競り落とされたものもあった。

ブランパンの新作 エアコマンド、2019年モデル

出品されたそれぞれの腕時計についてのオークションカタログ上の説明は、本質的にほとんど同じだった。2016年の方には、「(前略)専門家たちは、連続生産されたことや商品化されたことはないと断言している」とあり、また、「ブランパンも、他の多くのスイスの時計メーカー同様、クォーツ危機による打撃を受け(中略)、未完成の腕時計も含め多くの資産を手放さなければならなかった。このエアコマンドという神秘的なモデルもひと握りしか現存が確認できておらず、その仕様を厳密に断定するのは難しい」と続いている。

ヴィンテージのブランパン エアコマンド、2016年開催フィリップス88エピック ステンレススティールオークション、ロット番号27。

さらに、「ただ、一部のエアコマンドにはブランパンと刻印されたムーブメントが使用されており、ここでご紹介している腕時計も、売却されたケース、ダイヤル、ベゼル、プッシャー、そして針をバルジュー キャリバー222と組み合わせて作られただけの可能性もある」とも説明している。創造に関する謎は明かされないままの運命のようだが(もし当時の記録が残っていたら、熱心なコレクターは間違いなく論じ合う楽しみを奪われることになる)、元祖エアコマンドは、20世紀半ばの実用計器としての腕時計特有の美しさを備えた素晴らしいフライバッククロノグラフであり、2019年の新作モデルは、少なくともその外観については非常に近いものとなっている。ダイヤル側からひと目見ただけでは見分けるのが難しい程である。新作モデルは、元祖モデルより若干大きい(元祖はケース径42mm、新作は直径42.5mm)。アラビアインデックス(やリューズ)も新作モデルの方が大きく、「Flyback」というサインがさりげなく添えられており、そしてもちろん、クロノグラフのプッシャーの位置の違いから、新型のムーブメントが採用されていることが分かる。元祖モデルにあった60秒計は無くなり、代わりに12時間計が配置されているが、全体的には、3分ごとに長くした30分計の目盛に至るまで、かなり忠実に再現されている。

左)元祖エアコマンド、右)新作モデル。

しかし、ヴィンテージモデルのバルジューCal.222とは大きく異なるフライバック ムーブメントを使用しているーーブランパンのキャリバーF388Bだ。これは、コラムホイール付きの垂直クラッチを備えた自動巻フライバッククロノグラフであり、5Hz(3万6000振動/時)の振動数により、毎秒を10分の1間隔で刻むことができる。

ファーストインプレッション

本機は、ヴィンテージモデルを敬愛する人にまさにふさわしい品と言えるだろう。ヴィンテージの腕時計は、その郷愁を呼び起こす魅力で多くの人々を惹きつけるが、やはり機能面においては、ヴィンテージのままだと現代モデルに比べ概ね劣ってしまう。材料技術、潤滑油、ガスケットや密閉技術、ムーブメントの設計など、ここ十数年における発展を踏まえるとなおさらだ。また、デザインの観点から見ると、現代ブランドは生成り色(エクリュカラー)のスーパールミノバ(やや皮肉なことに、「エクリュ」とは本来「未加工の」や「漂白されてない」という意味の言葉らしい)を使用する傾向が圧倒的に強い。ラジウムやトリチウムの夜光塗料の黄色がかった色味を再現するためなのだが、ジェイソン・ヒートン(JASON HEATON)も本サイトの記事の一つで述べているように、「ヴィンテージ人気にかこつけて雰囲気を似せようとしている!」と決めつける必要はないだろう。本来のパティーナを真似してヴィンテージ風を装うことに抵抗がある場合は、ただの色バリエーションとして捉えればいいのだ。

新作のエアコマンドは、元祖のヴィンテージモデルの魅力を捉えることに概ね成功しており、何かひっかかる部分があるとすれば、おそらくプロペラ形のローターだろう。これは受け手によって(または今朝寝起きが良かった否かによって)余計なウケねらいにも、あるいはちょっとした遊び心にも捉えられる類のものだ。エクリュカラーの夜光塗料と同様に、プロペラ形の自動巻きローターを採用した、アビエーションがテーマの腕時計はかなり多く出回っており、個人的な抵抗感は数年前と比べて少なくはなっている(年齢を重ねてあきらめが早くなってしまったのか、そのことで大騒ぎする気力がないのだ)。いずれにせよ、新作エアコマンドに使われているローターはなかなか良く出来ていて、レッドゴールドの表面に施されたやや落ちついたサテン仕上げは、ムーブメントの他の部分に施された仕上げのスタイルと心地良く調和している。1950年代初期にはほとんどの空軍がなるべく早くジェット機に乗り換えようと躍起になっていたので、1950年代のデザインを元にした腕時計にプロペラ形のローターを使うのは少々時代錯誤な気がしないでもないが、それでも見た目は美しい。

ついでながら、新作モデルに日付窓を付け加えなかったことについて、ブランパンに称賛を送りたい。いつもは気にならないのだが、この腕時計にそれは不快なほど不似合いだっただろう(よくぞ2カウンターデザインを堅持してくれた)。概して言えば、ブランパンのヴィンテージの中でも最も興味深く、そして言うまでもなく神秘的な腕時計のひとつに対して敬意を表した忠実なオマージュである。しかも新素材や新型ムーブメントの搭載によりさらに魅力が増している。ブランパンはこのモデルを、ほとんど現存していないヴィンテージのエアコマンドより若干多い本数、すなわち500本限定で生産する予定だ。

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基本情報

ブランド: Blancpain(ブランパン)
モデル名: Air Command(エアコマンド)
型番:Ref. AC01 1130 63A  
 

ケース径:42.50mm
ケース厚:13.77mm  
ケース素材:スティール、両方向に回転するSS製のベゼルとセラミック製のインサート付き、表面およびケースバックガラスはサファイア製
文字盤色:黒、タキメーターの目盛り付き
インデックス:アラビア数字
夜光:ベージュカラーのスーパールミノバ
防水性能:30m
ストラップ/ブレスレット: カーフレザー、22mm 


ムーブメント情報

キャリバー:F3888B
機構: 時刻表示、フライバッククロノグラフ
直径: 31.80mm
厚さ: 6.65mm
パワーリザーブ: 50時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数:5Hz(3万6000振動/時)
石数:35
クロノメーター認定:なし
追加情報: コラムホイール、垂直クラッチ式

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価格・発売時期

価格:195万円(税抜)
限定:そう、限定500本!