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Hands-On ジャガー・ルクルト ポラリス・クロノグラフを実機レビュー

2023年、新色と真新しいムーブメントでリフレッシュした。

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無数のバリエーションがあるダイバーズウォッチにすっかりハマっている僕は、市販されているほかのスポーティな(ただしダイバーズウォッチではない)選択肢にも目を向けてみたくなる。このことを念頭に置いて、現在カタログにダイバーズウォッチが存在しないジャガー・ルクルトのクロノグラフを紹介しよう。美しいディープシー クロノグラフがこの世を去ってしまったことにいつも嘆いているが、今日紹介するのは、スイスで最も有名な時計メーカーのひとつであるポラリスシリーズを、現代的により率直に表現した、モダンでスポーティなクロノグラフだ。

JLC polaris chrono

 初心者のために説明すると、ポラリスコレクションは140万円以下のスティール製デイリースポーツウォッチから、528万円(税込)のSS製ポラリス パーペチュアルカレンダーモデルまでレンジに含まれている。今回のレビューでは、最近新しくなったポラリス・クロノグラフを取り上げる。

 ポラリス・クロノグラフはSSケースで直径42mm、厚さ13.5mm、ラグからラグまでの長さは48.5mmだ。発売当初からブルーとグレーの2色が用意されている。ブレスレットかテキスタイルストラップが選べ、どちらのオプションにもラバーストラップが付属する。ありがたいことに、すべてのマウントはクイックチェンジに対応しているためすぐに付け替え可能だ。本記事でレビューするのは、ブレスレットオプションのブルーラッカーダイヤル&ブルーラバーストラップのセット。価格は税込で235万4000円だ。

JLc polaris chronograph

 ポラリスの名を冠したモダンクロノグラフはこれが初めてではなく、2018年にSS製またはローズゴールド製のブラックダイヤルクロノグラフが発売されている。そして2023年、新しいムーブメントと新しいダイヤルを搭載したモデルが登場した。

 ポラリスコレクションにヴィンテージ風デザインを踏襲したポラリス・クロノグラフは、広々としたダイヤルと薄いベゼルを備えている。文字盤はオレンジのアクセントが付いたブラックタキメータースケールに包まれ、ベースの文字盤は30層以上重ねたニスによりグラデーションのあるブルートーンに仕上げられている。最終的には明るいブルーからブラックに近い色となり、スポーティなSS製クロノグラフとしてはかなりドレッシーなフォーマットになったように感じる。グラスヒュッテ・オリジナルのファンキーでカラフルな60年代のクロノグラフを思い出したが、ポラリスははるかにモダンで控えめな感じがする。そのために、ブルーが暖かすぎたり、カラフルすぎると感じた場合、グレーの提案にはそれなりの魅力がある。

JLc polaris chronograph
JLc polaris chronograph
JLc polaris chronograph

 日付表示のないポラリス・クロノグラフは、3時位置に30分積算計、中央にクロノグラフ秒針というシンプルな機能を備えている。9時位置のインダイヤルは現在の秒数を示す。ダイヤルテキストも最小限に抑えられており、各インダイヤルの合計数を示すオレンジのアクセントをさりげなく配している。機能性の最終段階は“12”、“6”の数字と、初期のポラリスモデルを連想させるブロック状のインデックスを組み合わせた、特大のインデックスデザインによって確立されている。

polaris chronograph
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 大きな針は(インダイヤルに窓のようなものを提供するために)セミスケルトン化され、インデックスに合わせて先端には夜光が付いている。夜光はこの手の時計には適している。ジャガー・ルクルトはスーパールミノバBGW9を使用しているようで、C3やより現代的なXシリーズほど明るくはないものの、昼間は白く見え、光が弱まると青く光る。

 文字盤のレイアウトは特に美しいとは言えないかもしれないが、読みやすさは問題なかった。ジャガー・ルクルトのデザイナーはポラリスの美学をうまく取り込みながら、クロノグラフに色と質感を加えるという素晴らしい仕事をした。

JLc polaris chronograph

 このケースは7インチ(約18cm)の僕の手首に広くフラットに装着され、その形状と仕上げは非常に複雑で、短く面取りされたラグ、サファイアクリスタルを囲む洗練されたベゼル、サテン仕上げのケースサイド、クロノグラフプッシャーとリューズの洗練されたタッチポイントがある。裏にはシースルーバックがあり、このスポーティなクロノグラフが100m防水であることが確認できる。

 裏蓋から見えるのは、ジャガー・ルクルト製Cal.761。2万8800振動/時で時を刻み、約65時間のパワーリザーブを提供する。垂直クラッチとコラムホイールの両方を採用した、完全一体型自社製クロノグラフムーブメントである。クロノグラフのプッシュボタンは鋭い切れ味を感じさせ、触感も豊かだ。

JLc polaris chronograph

 とはいえジャガー・ルクルト ポラリス・クロノグラフの前世代の機能構成のほうが断然好きだった。これらの初期モデルはCal.751を採用しており、最も注目すべきは文字盤9時位置に12時間積算計を備えていたことだ。僕にとってはランニングセコンドがあるよりもかなり便利な機能だ。60分以上測定できるクロノグラフを好む傾向がある。これはどのダイバーズウォッチのベゼルでも、複雑な機構なしで提供される基準値だからだ。

 ブレスレットタイプの重さは163 g(僕の手首に合うサイズで)、ラバーストラップタイプの重さは120gで、スポーツウォッチのように装着できるが、デザインのあらゆる要素に高級感を感じさせる。このブレスレットはアウターリンクがポリッシュされ、クラスプの部分が18mmまで細くなっている。これはプッシュボタン式のバタフライタイプで、クラスプの半分に小さなポップアウトマイクロアジャストが付いている。これによって、日中手首が少しむくんでも、素早く簡単にブレスレットを延長することができるのだ。

JLC polaris chronograph
JLC polaris chronograph
JLC polaris chronograph

 ブレスレットに違和感がある場合は、どちらのオプションもクイックチェンジ式のバネ棒が内蔵されているので、ラバーに交換するのも簡単だ。ラバーに関してはポラリス・クロノグラフが最高の感触だと思う。なぜかブレスレットよりも高級感があり、つけ心地も最高だと思う。

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 ラバーはFKMのように硬く成形されすぎたものではなく、滑らかで非常に柔らかいラバーで、付属のSS製デプロワイヤントクラスプに向かって細くなっている。普通とは少し違うかもしれないが、本当にいいラバーストラップが高級時計の雰囲気をガラリと変えてしまうのが好きだ。ウブロ、オイスターフレックス、オメガ、ブライトリング、パネライのせいである。でも僕は気に入った。装着感に関係なく、ケース直径とラグ間のバランスのとれた相互作用によって、現代のスピードマスターの軌跡よりも僕の手首に小さく感じられる。

JLC polaris chronograph

 ジャガー・ルクルトが現在スポーツウォッチにおいて強いブランドアイデンティティを持っていないことを考えると、ポラリス・クロノグラフが僕の手首に装着されたときにどのように読めるか、わからなかった。数日間使ってみて、もしあなたがドレスウォッチの完成度を期待しているのなら、スポーツウォッチというプラットフォームはそのほとんどを満たしていると言える。これは間違いなくジャガー・ルクルトであり、僕の手首と(仮想上の)クレジットカードの明細書の両方にも、ジャガー・ルクルトらしさが表れている。

 そして、僕の仕事と時計の趣味を知っている人なら、これが235万4000円(税込)でお買い得だと言わないことを知っている。ポラリスの数分の1の価格で素晴らしいスポーツウォッチを手に入れることができるが、時計の場合、それがポイントになることはほとんどない。たとえば、 ロレックスのデイトナ(税込で197万4500円)、 ゼニスのデファイ21(税込で159万5000円)、オメガのスピードマスター Cal.321(税込で237万6000円)のようなモデルを使っているとしよう。その点ポラリスは、はっきりとしたツールっぽさではなく、スポーティなクロノグラフのアイデアをジャガー・ルクルトらしくカジュアルなエレガンスに近づけている。拡張レザーと大きなクロームホイールを備えた、十分な車高と4WDのSUVのようだ。

JLC chronograph
JLC polaris chronograph
JLC polaris chronograph
JLC polaris chronograph

 今日の時計界のほとんどの層がそうであるように、ほぼどの価格帯にも素晴らしい選択肢がある。ジャガー・ルクルト ポラリス・クロノグラフは、ロレックスのデイトナが独占しているこの分野のなか難解で、よくできた、興味深い選択肢を提供していると思う。ジャガー・ルクルトにこれ以上何を望む? 当然のことながら、ユニークなレベルソで最もよく知られているブランドは、与えられたフォーマットに独自のひねりを加え宇のも得意なのだ。

 それを踏まえてポラリス ダイバーの準備はできているだろうか?

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ポラリス・クロノグラフの詳細については、JLC公式ウェブサイトをご覧ください。HODINKEE Shopでは、ジャガー・ルクルトの中古腕時計を取り扱っています。ここをクリックして、ショップにある時計をご覧ください。