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Staff Picks レイバー・デー後に白はつけられないなんて誰が言う? 夏のルールを無視したお気に入りのホワイトウォッチ

ホワイトダイヤルからホワイトセラミックまで、レイバー・デーの後であっても身につけずにはいられない(あるいは考えずにはいられない)時計がある。

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ここ米国の23年9月4日はレイバー・デー(労働者の日)であり、週末は非公式に夏の終わりを告げる3連休となる。レイバー・デーの前にのみ白を身につけるという昔ながらのルールを、本当に信じたり守ったりする人はいないだろうが、我々が大好きな真っ白に漂白された腕時計をいくつか紹介する最適な口実にはなる。

 ホワイトセラミックであれホワイトラバーであれ、あるいはただのホワイトダイヤルであれ、この色は時計でよく見るブラックよりもはっきりとした印象を与えることは確かだ。とはいえ気温が下がり、(秋の定番とも言える)パンプキンスパイスが恋しくなったあともずっと、それを手に取りたい(あるいは手に入れることを夢見ている)と思わずにはいられないほど優れた時計もある。ということで、季節に関係なく、我々のお気に入りの時計をいくつか紹介しよう。


オーデマ ピゲ ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダー ホワイトセラミック

 ある意味、こんな“ハイプ”ウォッチを選んだ自分が嫌になるが、トニーが“ホワイトウォッチ”と言ったとき、真っ先に思い浮かんだのがホワイトセラミックでできたオーデマ ピゲ ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダーだった。これには正当な理由がある。本モデルはオーデマ ピゲのラインナップのなかで最も果敢な時計のひとつだった(というのは私の主張だ)。確かに、ロイヤル オーク全般に対して感じていたように、最初はこの時計が本当に好きでなかったことは認めよう。もっと言うと、カラーブレスレットにカラーセラミックを合わせた、“私を見て”と叫んでいるような時計自体気に入らなかった。なのにこれを選んだのは、今でもオーデマ ピゲをセラミックの巨匠と見ているからであるし、この時計があまりにも派手だからでもある。

オーデマ ピゲ ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダー ホワイトセラミック

 時々、私は自分自身を、ホワイトセラミックのロイヤル オークを身につけることができる映画スター、あるいはセレブリティのような別人として想像する。そしてそれを皆がみて、“ああまさにマークらしい。彼は自信に満ちあふれていて、派手でスタイリッシュなんだ”と口々に話す。夢を見るのはいいことだ...なんちゃってね。

 さきほど私は、これがオーデマ ピゲのラインナップのなかで最も果敢な時計だと伝えたが、それにはふたつの理由がある。ひとつは同ブランドが昨年発表した、これよりもクレイジーなブルーセラミックの存在だ。服装に溶け込める可能性のあるホワイトとは異なり、ブルーはとにかく派手だ。しかしブルーバージョンがリリースされたあと、しばらくしてホワイトがブランドのウェブサイトから消えた。不在というのは心を懐かしくさせてくれるんだろう。今はただただ恋しいのだ。

–マーク・カウズラリッチ(Mark Kauzlarich)


IWC マーク XVIII ホワイトダイヤル

 IWC マーク XVIIIに昔から親近感を抱いていた。(短い歴史ではあったが)現代的なデザインのなかに、ツールウォッチのエネルギーの最後の息吹を体現していたからだ。先代モデルに採用されていた(1日前後もわかる)ゲージスタイルの日付の読み取りは少しやりすぎていたように思う。対照的にXVIIIは、特にブラック文字盤のモデルにおいては針、文字盤ともにマットな質感の美しさをもたらしていて、決して高貴さはなかった。ホワイト文字盤のバリエーションはそのツール的な理想を取り入れ、遊び心をたっぷりと取り入れている。私は普段ホワイトダイヤル派ではないが、(レイバー・デーのルールが適用されずとも)しばらくのあいだ私の琴線に触れていた。これは真っ白なポーラーダイヤルをIWCがアレンジしたものだ。数字の黒はパイロットウォッチのデザインの特徴である、判読性のしやすさを重視していることを示す。唯一の欠点としては、文字盤のあまりの軽さに、本来の40mmのサイズよりも大きく見える可能性があることだが、それは本当のコンセプトではない。間違いなく通行人の視線を集める時計だ。過小評価されがちなIWCのブレスレットにさえこれをつけたいと思う。

IWC マーク XVIII ホワイトダイヤル

 残念ながらこの時計はディスコンとなっている。同じような銀色の文字盤を持つマーク XXが残されているが、ただあの力強さはない。そして以前の全面サテン仕上げのブレスレットは、サテン仕上げとポリッシュ仕上げのバージョンへと変更された。話が脱線してしまったが、XVIIIが私の選択であり、それに固執しているのだ。

–ダニー・ミルトン(Danny Milton)


グランドセイコー SLGH005 “白樺”

 当初、レイバー・デーにふさわしいいちばん好きなホワイトウォッチは何か聞かれたとき、僕はすぐにグランドセイコーのSLGH005を思い浮かべたましたが、“いや、ちょっと待てよ。この時計本当は白くない!”とすぐに改めました。とはいえ精神的にはそうなので(雫石時計工房のすぐ外にある白樺の木の森からインスパイアされています)、結局これを選ぶことにしました。

グランドセイコー SLGH005 “白樺”

 グランドセイコーについて、過去に触れたことのない事象が何かあるでしょうか? 価格が高く、クラス最高の仕上げ(そしておそらく数クラス上の仕上げを入れても)なのは誰もが知っていることですし、自然からヒントを得たこのダイヤルは、現在見られる数多くの伝統的なダイヤルと比べても、間違いなく唯一無二です。白樺はこれらをすべて象徴していて、現在市場に出ているなかでも僕のお気に入りの時計のひとつです。

 この時計は賞賛に値する多くの要素が詰め込まれていますが、僕にとって(少なくとも時計において)は通常、より重きを置くのはルックスです。これほど美しい質感の文字盤は見たことがないと思います。個人的に所有していますが、決して飽きることはありません。飽きるとしたらケース(22mm幅)からクラスプ(20mm幅)までの最小限にテーパードされたブレスレットですが、いつか改良されると信じています。そうですよね? そんな些細な不満はあるものの、僕は白樺が大好きです。本当は白くなくても...ごめんね!

–ブランドン・メナンシオ(Brandon Menancio)


ロレックス エクスプローラーII Ref.16570 “ポーラー”

 白一色の時計が手首に乗っているのは絶対に我慢できないが、僕はかつて白いG-SHOCKを5分間だけ所有していたことがある。白い文字盤の時計、特に黒いアクセントを施した文字盤を持つ時計が好きなのだ。またホワイトダイヤルウォッチの(4人の大統領の巨大な彫刻がある)ラシュモア山を選ぶとしたら、初期の5270G、スピーディ プロジェクト アラスカ、初期の25554BA ロイヤル オーク QP(パーペチュアルカレンダー)だろうか。最後の1本は僕の最も好きな時計のひとつであり、ロレックスが製造した5桁モデルのなかでも最高のデザインのひとつであるエクスプローラーII Ref.16570だ。これを抜きに崖の表面を彫ることはできない。

ロレックス エクスプローラーII 16570 “ポーラー”

 1989年から2011年まで、ブラックダイヤルまたはホワイトの“ポーラー”ダイヤルのいずれかで提供されていた僕の愛するモデルは、黒縁のマーカーにマッチする針、鮮やかな赤いGMT針をセットしている。アメリカのアルピニスト、エド・ヴィエスターズ(Ed Viesturs)が書いた『No Shortcuts to the Top』を読んでいるときに、僕はRef.16570(それとエクスプローラーII全般)の虜になった。その後まもなく、より現代的な3186ムーブメントを搭載した後期型のRef.16570 ポーラーを手に入れ、ワシントン州にあるベーカー山頂までのハイキングに2回携行した(内1回は成功、1回は失敗した)。

 僕にとってこの時計は、サイズ、明るい文字盤、フライヤーGMT機能、そしてエクスプローラーIIの遺産が組み合わさった完璧なものだと思う。ブレスレットはどんなシーンでも装着できるし、ドレスコードが気にならない場合はNATOに交換するのが好きだ。レイバー・デーであろうとなかろうと、僕の手首からRef.16570が離れることはない。そして現実的でない価格がまた現実へと戻り始めたのもよろこばしい。結局のところ、僕は5桁のロレックスのリファレンスが6桁の価格で買える世界のほうが好きだ。

–ジェームズ・ステイシー(James Stacey)


ロレックス ヨットマスター Ref.16628

 この初期のRef.16628はいい意味で厄介だが、たくさんの小さな特徴を持っているため私はすぐにヨットマスターガイになってしまう。この特定のリファレンスは1992年に登場し、わずか数年間しか製造されず、またすべての例がトリチウム文字盤を持っているわけではない。超マニアックになりたい人向けに言うと、ロレックスはこのモデルを少しだけ先行生産しており、Ref.16628のなかには1991年に製造されたものがある。トリチウムダイヤルを見つけるには、ダイヤルに直接塗られた、一風変わった三角形マークを見つけるといい。1990年代初期のデイトナやエクスプローラーIIのホワイトダイヤルと同様、これらのRef.16628も多層ラッカー加工による“ポーセリン”効果がある。その結果、よく見るとパリッとした黒いフォントが白い表面の上に浮かび上がっており、漆の層のあいだに位置しているのがわかる。

ロレックス ヨットマスター 16628

Image: Courtesy of Analog/Shift

 もし私がこのレイバー・デーにヨットの背に乗って、ロゼをすすりながらくつろぐとしたら、『メディア王 〜華麗なる一族〜(原題:Succession)』のグレッグ(Greg)のように過ごすだろう。“ロレックスは私の好みじゃない。けどそれで大丈夫、着用するよ。ただ、好みじゃないんだ”。

リッチ・フォードン(Rich Fordon)


オーク&オスカー オルムステッド

 数年前、私はオルムステッドを受け取るためにオーク&オスカーのシカゴ本社に向かった。すぐに歓迎してくれて、イームズの椅子に座り、ウイスキーを飲みながら、チームが私の新しい時計のブレスレットのサイズを測ってくれた。ちょうど連休の頃だったのでさらに数人の顧客がやってきて、それぞれの新しいオーナーは少なくとも数分は滞在してウイスキーを飲んでいた。イームズの椅子とイケアの椅子の違いはほとんどわからないが、オーク&オスカーの好きなところには通ずるものがある。表面的にオルムステッドは、ほかの多くの時計とは一線を画す、いくつかの配慮されたデザインの選択(例えばカスタムフォントとサンドイッチダイヤル)を持つ、簡単に着用できるフィールドウォッチだ。2015年の設立以来、クールなコレクションをリリースしてきたオーク&オスカーは、多くの若手ブランドがやらない方法で、一貫したデザインコードを確立し、それを貫き通すことに成功した。

オーク&オスカー オルムステッド

 ただよく観察して、オルムステッドと一緒に時間を過ごすと、細部まできちんと仕上げられていることに気づく。オルムステッドには秒針のカウンターバランスと、文字盤に隠れたロゴが重なるという、小さなデザイントリックがある。あのイームズの椅子のように、所有してから最初の数カ月はそれに気づかなかった。しかしひとたびそれに気づくと、 オーク&オスカーが小さなことに時間をかけているのなら、大きなこともきちんとやっているはずだと考えさせられるディテールのひとつだ。例えばオルムステッドでは、ホワイトダイヤルはフィールドウォッチに完璧にマッチするマットな質感を備えているとか。

–アントニー・トライナ(Anthony Traina)


オーデマ ピゲ ロイヤル オーク オフショア レディ アリンギ 37mm

 私は37mmのオフショアに目がない。アグレッシブなデザインと派手な美学は、細い手首にぴったりだと思う。私はゾッとするようなものが大好きなのだ。はっきり言ってこの時計がひどいものだとは思わない。ただ2023年には、大好きだが無用なリスクを冒すようだ。

ロイヤル オーク オフショア レディ アリンギ 37mm

 今年はオフショアが誕生から30周年を迎えるので、誕生日のお祝いにぴったりの時計を選んだ。レディス用の37mm径のチームアリンギウォッチは、2007年にフォージドカーボンを使ったチーム・アリンギ限定モデルとして発表されたがあまり知られていない。ただ興味深いことに、オーデマ ピゲが初めてフォージドカーボンを使用したシリーズで、さらにダイヤルに別のブランドロゴを入れたのもこのモデルが初めてだった。

 オーデマ ピゲにとってアリンギは非常に重要な存在だった。信じられないかもしれないが、ロイヤル オークという名前を誰もが知っているわけではなかった時代に、ブランドの認知度を高めたスポンサーだったのだ。

 オフショアは当初、若い消費者を取り込むために設計された。ロイヤル オークは洗練されたジャンニ・アニェッリ(Gianni Agnelli)型のキャラクターで、完璧に仕立てられたスーツを着てアマルフィ海岸で夏を過ごし、自分の富については慎重であったのに対し、オフショアはより若々しく、よりスポーティだった。さらに言うと派手で快楽主義的でもあった。

 もし私がこの時計をつけるなら、自身のレーダーの下をかいくぐろうとしない。私は“more-is-more(多ければ多いほどいい)”の姿勢を貫く。ホワイトラバーにダイヤモンドは、なんて完璧な組み合わせなんだろう!

–マライカ・クロフォード(Malaika Crawford)

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