本記事は、プレジデントデー(2人の アメリカ大統領の誕生日を記念した祝日。 1人は1732年2月22日生まれの初代大統領ジョージ・ワシントン 、もう1人は1809年2月12日生まれの第16代大統領アブラハム・リンカーン )にちなんだ企画です。
HODINKEEはアメリカ大統領の時計について長いあいだ誇りを持ってレポートしてきたが、2014年にエリック・ウィンド氏がジョージ・ワシントンから始まる記事「アメリカ大統領の記録されたすべての時計の総合リスト」を初めて発表し、まったく新しい次元へと踏み出した。そのリストを何気なく読み返してみても、過去246年のあいだに、各大統領が時計と独自の関係を築いてきたことがわかる。家宝や個人のお気に入りから、時計会社や政敵、外国の高官からの贈り物まで、さまざまな作品を取り上げている。
腕時計が懐中時計に取って代わったように、時計はその時代を反映している。また、ロレックスのデイデイトが「プレジデント」と呼ばれるように、その職責の重さを反映し、それを身につける男性に対する我々のイメージに影響を与えることもしばしばだ。ビル・クリントンとジョージ・W・ブッシュの両元大統領は、在任中にタイメックスの腕時計(それぞれタイメックス アイアンマンとタイメックス インディグロ)をつけていたことで知られているが、これはおそらく地に足の着いた、親しみやすい人物として見られることを望んだのであろう。ジェラルド・フォード大統領は、ニクソン恩赦に関する下院小委員会の公聴会で、当時としては高価なゴールドフィルドのLEDパルサーを着用しているところが写真に残っている。この時計があまりに注目を集めたため、フォードはしばらくのあいだ、この時計の着用を中止したと伝えられている。
歴代大統領の代名詞ともいえる時計ブランドといえばもちろんロレックスであり、特にデイデイト(またはプレジデント)である。ドワイト・D・アイゼンハワーは、大統領として初めてロレックスを着用し(ゴールドのデイトジャスト)、1952年の『ライフ』誌の表紙を飾った。それ以来、リンドン・ジョンソン(愛称はLBJ)を含む数人がロレックスの時計を身につけている。LBJは、ロレックスのデイデイトにプレジデントスタイルのブレスレットを装着した最初の大統領で、それがこの時計のニックネームの由来となった。実際、ベン・クライマーは2014年の記事「In-Depth 姿を消した最も偉大な12の腕時計」でこの特定の時計について書いている。
その後、バラク・オバマ氏はケヒンデ・ワイリー氏による大統領の公式ポートレート(現在は国内を巡回中)で、ロレックスのチェリーニを着用している。
しかし、ロレックスだけが「大統領」の腕時計ではない。現代の大統領(および数人の副大統領)が着用した時計は、おそらくあまり知られていないだろう。ヴァルカンのクリケットは世界初の機械式アラーム時計で、トルーマン以来、ほぼすべての大統領が所有、または贈呈されている。
オメガもまた、歴代の大統領に愛用されてきたブランドである。ウィンド氏によると、ジョン・F・ケネディは1961年の就任式で、友人のグラント・ストックデールから贈られた小さなオメガを身につけていたという。最近では、2020年1月にダニーが報じたように、バイデン大統領は、ロレックス デイトジャストに加え、選挙戦や執務中に、ブルーダイヤルのオメガ シーマスター プロフェッショナル300や、42mmのオメガ スピードマスター プロフェッショナル "ムーンウォッチ" をつけている姿が目撃されている。
自由世界のリーダーとして活躍した人たち、そして彼らが身につけた時計にちなんで、これらの時計とそれを身につけた人たちの物語をご紹介しよう。ハッピー・プレジデントデー ウィークエンド!
特集記事
Historical Perspectives:歴代アメリカ合衆国大統領の時計完全ガイド(随時更新)
2014年に出版されたこの網羅的でよく参照される大統領の腕時計のリストは、その後何度か更新され、最近では2017年にドナルド・トランプ前大統領が追加された。
In-Depth: 大統領(副大統領も?)の名声を得たヴァルカン クリケット
1947年に発売されたヴァルカン クリケットは、機械式アラーム(ご想像の通り、コオロギの鳴き声!)を搭載した最初の時計で、このコンプリケーションにより、トルーマンをはじめとするアメリカ大統領に愛されるようになった。エリック・ウィンド氏が2011年のレビューで書いているように、「1950年代までに、ヴァルカンはクリケットが『大統領の時計』、『忙しい人のための世界最高の時計』、『クリケットは最高の時間厳守と確実な記憶力を持つ男としてのあなたの評判を確立する』と宣伝していた」のだ。
Grails: 待ちに待ったロレックスのデイデイトを手にして
我々の編集長であるジャック・フォースターは(我々が知る限り)大統領選挙に立候補したことはないが、多くの最高司令官と共通するものがある。ロレックスのデイデイトの大ファンなのだ。彼らは誇りを持ってこの時計を身につけるためには選挙で選ばれなければならないが、ジャックは昔ながらの方法(このウェブサイトに1000本の記事を書くこと)で獲得した。
Hands-On: ジャクリーン・ケネディ・オナシスが愛用したカルティエ タンク
ケネディ大統領は、1957年の結婚4周年記念日に妻ジャクリーンからカルティエの薄型ラウンドウォッチ(タンクではない)を贈られ、大統領在任中はずっとこの時計を身につけていた(暗殺された日もこの時計をつけていたとの情報もある)。しかし、ファーストレディは自身のカルティエを身につける姿を頻繁に写真に撮られており、それは1963年当時に、姉のキャロライン・リー・ブーヴィエと結婚していた義兄のスタニスラフ・ラジヴィル王子から贈られた小さな金無垢のタンクであったという。2017年、カーラ・バレットはこの時計がオークションに出されようとしていることを記事にした。その数日後、時計は総額37万9500ドル(バイヤーズプレミアムを含む、日本円で約4380万円)で入札したキム・カーダシアンが落札したと伝えられている。
Just Because:オメガにとって初めてのゴールド製スピードマスター
現在ホワイトハウスの住人であるジョー・バイデンは、スピードマスターを着用した姿を頻繁に写真に撮られている。しかし2019年、アポロ11号の月面着陸から50周年を迎えるにあたり、スティーブン・プルビレントはスイスのビールにあるオメガのマニュファクチュールを訪れ、スピードマスター #1について記している。それは、組み立てラインから出荷された最初のスピーディが、大統領であるリチャード・ニクソンに、人類を初めて月面に着陸させた記念として贈られる予定だったが、その価格が大統領贈呈品の法的上限を超えていたため、受け取ることができなかったというもの。この物語は、スティーブンがオリジナルのスピーディと、当時発売されたばかりのスピードマスター アポロ11号記念限定モデルを実際に手に取り、着用した体験を詳細に語っている。
このように時間に正確な彼は、常に優れた計時装置を身につけることを喜びとしていました。フィラデルフィアでは、初代大統領は定期的に時計店(セカンドストリートのクラーク)に足を運び、自分の時計とレギュレーターを比べていたそうです。
– ワシントン・パーク・カスティス(マーサ・ワシントンの孫)、ワシントンを語るLead illustration, Andy Gottschalk
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