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“Ciao ragazzi!(こんにちはみなさん!)”
春に行われるモナコ・レジェンド・グループのオークションの下見と取材、そしてそれを楽しむためのモナコ旅行から帰ってきたばかりだが、そのイタリア語のフレーズがまだ耳に残っている。プレビュー初日から今まで行ったことのあるオークション会場とは違う雰囲気を放っていた。イタリア、フランス、ジュネーブ、ドバイ、アメリカ、日本、セルビアなど、さまざまな国から集まってきた人たち。表向きの理由はオークションのためだったが、そこにはともに時間を過ごす理由ができたことに興奮した友人たちの同窓会のようにも見えた。
今まで見たこともないような、素晴らしい時計を偶然にも持っている友人たち。
2日かけて行われたプレビューと2日間にわたるオークション(カタログに掲載された点数は261ロット)で、私にとっても再会した仲間にとっても、時計を見たり、話をしたりする時間がたっぷりとあった。このオークションでみんながどんな時計を買ったのか、どんなものを買おうとしているのか、これはいいもの、これはお買い得、そしてこれはお金を出して買う価値があると思ったものをいろいろと聞かせてもらった。しかし、たとえ何も持たずに帰ったとしても、すでに手首には何かすごいものがついている可能性は高い。私は自分の仕事以上に素晴らしい時計を見て、おもしろい会話をしたような気持になっている。そんなわけで、今回は2回に分けてPhoto Reportをお届けしていこう。
その中心にいたのは、電話を取り次ぐ役目のダヴィデ・パルメジャーニ氏であり、共同議長のクロード・コーエン(Claude Cohen)氏は槌を振るった。しかしパルメジャーニ氏がいなければ、モナコのル・メリディアンホテル(入札参加者の多くが宿泊したホテル)の会議室に、このような気心の知れた仲間たちが集まる雰囲気は生まれなかっただろう。200人近くがいる会場のなか、私はまだパルメジャーニ氏から時計を買っていない10人のうちのひとりだったと思うが、彼が築いたビジネスではなく友情という感覚を見て、それを変えたいと思わせた。
彼と彼のチーム、そしてとても大切な彼の家族の全員が“モナコ・レジェンド・グループ”と、パルメジャーニ氏の世界という雰囲気をアクティブに育てている。彼らはオークションのみならず、金~日曜の夜には3つの(大規模な)招待制ディナーと、さらに日曜のセッションの合間には巨大なビュッフェランチを用意して、世界の最も重要なコレクターやディーラーを必ず招待するのだそうだ。これらの場所はリラックスしておしゃべりをしたり、友人の時計を見たり、場合によってはいくつかの時計を購入したり交換したりするのに最適な場所となるのだ。
時計の世界、特にヴィンテージの世界とは私が大切にしている仲間意識といものがあり、リラックスした雰囲気がある。ヴィンテージは細かい事柄がたくさんあって、些細なことでつまづいてしまうこともあるため、友人や信頼できる販売店など、周囲に強力な仲間が必要になる。ダヴィデ・パルメジャーニ氏は、このような週末を演出できる唯一の人物だと思う。今回のオークションで最も高額なロットだったパテック 2523/1 ワールドタイマーを334万6000ドル(日本円で約4億4785万円)で落札したコレクターと、3番目に高額だったハンジャルのサインが入ったホワイトゴールド製パテック ノーチラス Ref.3700を184万ドル(日本円で約2億4630万円)で購入した、彼の友人に話を聞いてみた。それぞれのロットが近づいてきたとき、会場の後ろのほうでお互いを励まし合っているのを見るのが楽しかった。
ノーチラスを購入した友人について、「彼とは15年来の付き合いで、時計がきっかけで知り合いました」と、今のワールドタイマーのオーナーは話してくれた。「彼が何を望んでいるのか、どんなときに特別な励ましが必要なのかを私はよく知っています。だが何がいいのか、お金を払う価値があるのかどうかもわかっています。ヴィンテージには注意が必要なのです。このようなものがあると知り、そこから何が正しいのか何が間違っているのかを知るには何十年もかかります。だからこそ、ダヴィデ(パルメジャーニ)を信頼しています。それは彼が誰よりも多くヴィンテージを見てきたからです」
新しい名前と顔がたくさんあったため、もしすべてが一致していなかったら、あらかじめ謝っておく。オークションに参加した方のなかには、当然ながらプライバシーにこだわる人も多くいるため、名前を意図的に伏せているかもしれないが、もし自身や自分の時計を発見して、そこに名前を記入して欲しいという方がいたら以下のコメント欄にコメントを残してほしい。そしてもしこれを読んでいるあなたが、 “次回は参加できるかな?”と思っているのであれば、その答えはイエスだ。少なくともオークションには参加できる。ニース行きの飛行機を予約してモナコまでタクシーで移動し、実際に時計を見て、いくつかのロットに入札することは大歓迎だ。
ただしこれは好みの問題にすぎない。それでは後編のレポートまで、Ciao ragazzi!
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モナコ・レジェンド・オークションの詳細については、公式ウェブサイトをご覧ください。
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