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Introducing セイコーダイバーズの歴史を現代に受け継ぐシリーズが、さらなるモダンなアップデートを遂げて登場

セイコーダイバーズにおける大人気シリーズである1965 メカニカルダイバーズ 現代デザインが、セイコーブランド100周年の節目にアップデートを図った。デザイン、スペックの両面から、その成果を見ていこう。


クイック解説

セイコー プロスペックスより、1965 メカニカルダイバーズ 現代デザインが登場したのが2020年のこと。国産初の本格メカニカルダイバーズのディテールを踏襲しつつ、モダンかつ実用的なスペックと外装を備えた同シリーズは手に取りやすい価格も後押ししてたちまち好評を博した。とりわけオリジナルモデルに近しい外観を持つSBDC101の人気は高く、HODINKEEでもジェームズ・ステイシーが複数回にわたって記事にしている。その後も1965 メカニカルダイバーズ 現代デザインは、この4年間でいくつかのバリエーションをリリースしながらセイコーダイバーズ全体の人気を牽引してきた。そしてセイコーブランドが100周年を迎える2024年に、同社は同シリーズにメスを入れることを発表した。シリーズ名も新しくなる。その名も、メカニカルダイバーズ 1965 ヘリテージだ。

[左]SBDC195、[右]SBDC197ともに17万6000円(税込)

 新しくなったのは名称だけではない。今回セイコーは、同シリーズのスペックや外観にさらなるアップデートを施した新作をリリースした。

 まずは外装について触れていこう。短めのラグや直線的なストラップ取り付け部を含めてフォルムに大きな変化は見られないが、ケースサイズは従来モデルの直径40.5mm × 厚さ13.2mmから直径40mm × 厚さ13mmへわずかにシェイプされた。そのサイズダウンを受けてか、ブレスレットも今作のためにピッチを短くとったコマと小ぶりなバックルから構成された新開発のものを使用している。ベゼルインサートはダイヤシールドを施したSSからアルミニウムに変更。ダイビングスケールはレーザーによる彫り込みに塗料を流しこむことで、長期の使用でも剥離しにくくしている。ダイヤル上では、オリジナルに倣って3時位置にあったデイト窓が4時と5時のあいだに移動した。丸く取られたデイト窓は縁もなく、遠目にはあまり目立たなくなっている。

 続いて、スペックについて。ムーブメントには2023年に発表され、同年にキングセイコーにも搭載された薄型自動巻きのCal.6R55が選ばれた。これによって、これまで採用されていたCal.6R35の約70時間に対してパワーリザーブは約72時間に伸長。わずかな差ではあるが、3日間の大台に乗っている。また、防水性能は200m空気潜水用防水から300m空気潜水用防水へと大きく向上した。

SBDC199 20万3500円(税込)

 今回発表されたのは、レギュラーモデル2型(SBDC195、SBDC197)と、セイコーブランド100周年を祝したスペシャルエディション1型(SBDC199)の計3型だ。前者は17万6000円(税込)、後者のスペシャルエディションは前述のSSブレスに加えて、ペットボトル再生原料を製紐(せいちゅう)と呼ばれる日本の伝統技術を用いて編み上げたファブリックストラップも付属して20万3500円(税込)となる。この製紐によるファブリックストラップは2021年に1965/1970 メカニカルダイバーズ 現代デザインにおいて初めて採用されたもので、厚く袋状に編まれていることでやわらかくしなやかな肌触りを有し、通気性にも優れている。ラグ幅はうれしいことに20mmだ。手持ちのプロスペックスにも、このハイクオリティなストラップを転用できるというわけだ。3型はすべて、2024年6月8日(土)の発売を予定している。


ファースト・インプレッション

1965 メカニカルダイバーズ 現代デザインは、ブランドの歴史においてマイルストーンとなるモデルとその意匠をモダンに再解釈し、実用的な時計に仕上げることを目的としたシリーズだ。オリジナルモデルの再現を念頭に置いた“復刻デザイン”とはデザインにおけるコンセプトがそもそも異なる。そのためか、1965 メカニカルダイバーズ 現代デザインの延長線上にあるメカニカルダイバーズ 1965 ヘリテージにおいても、ファーストダイバーに忠実であることより、現代で日常的に使用することを想定したアップデートが行われているように見える。62MASの顔立ちからは少し乖離したものの、20万円以下で購入できるモダンダイバーズとしての完成度はより高まったと思う。

 直径0.5mm、厚さ0.2mmのサイズダウンが手首上での雰囲気にどれだけ影響するかは、実機を見てみないとわからない。だが、デイトが4時〜5時位置に移動し、主張が控えめになったことで顔立ちとしてはより洗練されたものとなった。2023年12月にリリースされたマリンマスターでも同様の位置に配されていたが、今作においてはデイトディスクとダイヤルの色味が近いためより自然に溶け込んでいるように見える。また、レギュラーモデル(SBDC195、SBDC197)のダイヤルカラーもSBDC101のグレー、SBDC107のフェードしたブルーなどと比べるとグッとメリハリが効いているようだ。なお、デイトの移動によって、ルミブライトを塗布した12ヵ所のインデックスは完璧なシンメトリーになった。これもまた、ルックスの美しさに貢献している。また、防水性能を大きく向上させながら、そのうえでケースサイズを絞っている点も見事だ。これには、Cal.6R55の搭載も関係しているのかもしれない。しかし総じて、(メカニカルダイバーズ 1965“ヘリテージ”と名称は変わったものの)新作ではさらに現代的かつ実用的な方向へと舵取りがなされたように僕には見える。

 一方、ベゼルにアルミニウムインサートを採用した点は少し気になっている。既存モデルに見られたSS製ベゼルインサートは、ダイヤシールドが施されているため非常に堅牢だ。ジェームズも、SBDC101を1年間使用したあとのレポート記事で目立つ摩耗は見られないと書いていた。実用的であること、現代的であることを目指すなら、従来どおりSS製ベゼルを採用することが望ましいように思う。ステンレスでは表現できない、アルミならではの光沢感や色味が重要だったのだろうか? それともケースの小型化に合わせ、クラシカルな雰囲気を強調したかったのだろうか。このアルミニウムベゼルとほかの要素のバランスも含め、今回のアップデートは広報写真だけでは判断できない細かな調整が目立っていた。各コマとバックルを小ぶりに調整したというブレスの美観も気になるため、できることなら6月8日(土)の発売前に、今回のデザインにおけるセイコーの意図も確認しながら既存モデルと並べてじっくり比較してみたいと思っている。


基本情報

ブランド: セイコー プロスペックス(Seiko Prospex)
モデル名: メカニカルダイバーズ 1965 ヘリテージ
型番: SBDC195、SBDC197、SBDC199(スペシャルエディション)
直径: 40mm
厚さ: 13mm
ケース素材: ステンレススティール(ダイヤシールド)
文字盤色: ダークブルー(SBDC195)、ブラック(SBDC197)、チャコールグレー(SBDC199)
インデックス: バーインデックス、アプライド
夜光: ルミブライト
防水性能: 300m空気潜水用防水
ストラップ/ブレスレット: ステンレススティール製ブレスレット(ダイヤシールド)、SBDC199はポリエステル製の製紐ストラップも付属
追加情報: 内面無反射コーティング付きカーブサファイアガラス


ムーブメント情報

キャリバー: 6R55
機能: 時・分・秒表示、デイト表示
パワーリザーブ: 約72時間
巻き上げ方式: 自動巻き(手巻き付き)
振動数: 2万1600振動/時
石数: 24


価格 & 発売時期

価格: 税込17万6000円(SBDC197、SBDC199)、税込20万3500円(SBDC199)
発売時期: 2024年6月8日(土)
限定: なし

詳細はセイコーのWebサイトをご確認ください。