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Hands-On ハンサムで魅力的なにぎやかさを宿す、ティソのテレメーター 1938

さまざまなことをさまざまな方法で計測する必要がある、こだわりが強いユーザーに向けて。

Photos by Tiffany Wade

これまでの常識では、自分にとって居心地のいい場所から1歩踏み出すことは素晴らしいことだと考えられてきた。しかし私はそうは考えておらず、どんなときでも快適さを優先したいと思っている。しかし今回、私にとって居心地のいい場所である“レッドゴールドやローズゴールドを使ったミニマリストのための腕時計”から、その外側に踏み出すための手段として、手ごろな価格でヴィンテージ風のルックスを備えた腕時計、ティソ テレメーター 1938が登場した。

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 私はおおむね、ティソの時計のファンである。特にPRX パワーマティックコレクションはハンサムで財布に優しいと思うし、時計の世界に入ったばかりの人や、生活必需品以外に人並みの費用をかけたいと思っている人に贈ったり、すすめたりしてきた。しかしながら、私はどちらかというとクロノグラフが苦手である。体育の授業で受けた過去のトラウマとストップウォッチに対する嫌悪感のせいかもしれないが、私の手首と人生にとって、クロノグラフはあまりにも煩わしい存在だと感じてきたのだ。

ティソのテレメーター 1938

 しかし、この特別なクロノグラフには私の目を引く何かがあった。確かに見た目はごちゃついているが、ポリッシュ仕上げのSSケースと同素材のモノプッシャーが、比較的スムーズでバランスのとれた輪郭を保ち、リューズは私の目にはスポーティというよりドレッシーにすら映っている。ブラックダイヤルは文字盤上を2色で統一され(黒文字盤にオールゴールド、私の好みにぴったりだ!)、ホワイトダイヤルはシルバー、ブラック、ダークブルー、レッドの組み合わせでバランスよくまとめられている。私はブラックとゴールドのコンビが気に入っているが、ホワイトのほうが視認性には優れていると思う。

 この時計はケース径42mmと大きめだが、ラグの間隔が22mとバランスよく、厚みは13.9mmと薄くはないもののずんぐりとした印象も受けない。また、文字盤の情報量が多いためか、やや小振りに見える。しかし、もしあなたの手首にこの42mmの時計が似合わないというのなら、それは単純に似合う手首を持っていないというだけのことだ。

 レースカーのドライバー、竜巻を追跡する人、ゆで卵にこだわる人など、秒単位で物事を計りたい人にとって、この時計はうってつけの選択肢といえる。標準的なセンター時分針と60秒クロノグラフ針に加え、3時位置にレイルウェイデザインの30分積算計、9時位置に60秒計を備えている。ねえノラ、これって文字盤が“にぎやか(ビジー)”というよりは“クロノグラフ”っていうんじゃない? とあなたはいうかもしれない。そう、そのとおり。ここからが目盛りの出番だ。文字盤のセンターにはタキメータースケール(既知の距離での速度を計測するためのもの)があり、中央には青い分針を付けたミニッツスケールがある。そしてダイヤルの外周にはテレメータースケールがあり、目で捉えてから耳に聞こえるもの(雷や稲妻など)までの距離を計ることができる。

ティソのテレメーター 1938の文字盤
ティソのテレメーター 1938のバックル

 この時計が29万4800円(税込)という価格設定になっているのは、自動巻きクロノグラフムーブメント、バルジューA05.231を搭載していることが大きな要因だろう。このムーブメントには、ティソの新しいチタン合金製ニバクロンヒゲゼンマイが搭載されている。ブランドによると、この新しいヒゲゼンマイは、耐久性と耐磁性が向上しているとのことだ。私はオフィスでこの時計を少し触っただけなので、磁気テストはあまり行わなかったが、すべてがスムーズに動いているように見えた。パワーリザーブは最長68時間で、2万8800振動/時で駆動する。また、ティソのブランド刻印が施されたローターが見えるシースルーバック仕様となっており、ムーブメントの動きを鑑賞することもできる。

 これは細かい点だが、ティソのブランドロゴはやりすぎだと思っている。インデックスや大小の針がぎっしりと詰まった文字盤に、雷光のきらめきのようなフォントで“Tissot”の文字が必要だったのだろうか? また、リューズにも“T”の文字があり、文字盤の文字と合わせると過剰さが否めない。それだけでもさりげなく、セクシーにブランドを表現できたのではないだろうか。

ティソのテレメーター 1938のリューズ
ティソのテレメーター 1938 ホワイトダイヤルの寄り

 ストラップは2色とも魅力的だが、少し硬いのが気になる。この時計をNATOに付け替えることは想像できないが、もっとパンチの効いたものに交換することは簡単にできると思う(文字盤の色を生かすために、ホワイトモデルには青か赤が似合うかもしれない)。

 この時計には、ティソが最も得意としているものがすべて詰まっている。すなわち、かっこいい時計を素晴らしい価格で提供してくれるところだ。ムーブメントは特別ではなく、レザーストラップも滑らかなものではない。しかし、文字盤の仕上げと全体的な美しさは、ティソの時計にあって、本物の価値を感じさせてくれる。

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HODINKEE Shopは、ティソの腕時計の正規販売店です。この時計の詳細についてはティソのウェブサイトでご確認ください。