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Introducing タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ ポルシェスペシャルエディション

カレラ meets カレラ。

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クイック解説

モダンウォッチの文脈の一部が、車やモータースポーツの世界によって形成されてきたけれど、時計と自動車ブランドのパートナーシップは、売上において表彰台に上ることが保証されているわけではないのが現実だ。これは、多くのブランドが試みてきたことだが、文字通り数え切れないほど多くのコラボレーションが、クラッシュして燃え尽きてしまったか、あるいは単に展示ケースの中で錆びついてしまっただけで、より一般的な時計たちに追い越されてしまった。だから、タグ・ホイヤーが新たなクルマとのパートナーシップを発表することは、当然のことながらビッグニュースだ。しかし、その問題の自動車企業がドイツの名門、ポルシェに他ならないとなるとそれはただごとではなくなる。

 そう、タグ・ホイヤーはポルシェと共にレースを含む様々な取り組みや、そして当然ながら新たなスペシャルモデルのクロノグラフの製作を含む、幅広いパートナーシップを結んだ。昨年7月に発表されたタグ・ホイヤー カレラ スポーツ クロノグラフをベースとした、この新しいカレラ ポルシェ クロノグラフは、タグ・ホイヤーとポルシェとの新たな関係から生まれた初のレースをテーマにしたモデルだ。
 定評のある44mmケースを踏襲したこのポルシェ カレラ クロノグラフは、ポルシェ モータースポーツのレーシングカラーにマッチしたレッド/ブラック/ホワイトの色使い、ポルシェロゴが入ったブラックセラミックベゼル、アスファルトのような質感のダークグレー文字盤、夜光が施されたアラビアインデックスを備えている。スポーティなステッチが施されたレザーストラップ、またはスティール製ブレスレットから選ぶことができる。

ファースト・インプレッション

ポルシェであれホイヤーであれ、カレラという名称は、カレラ・パンアメリカーナと呼ばれるメキシコの長距離ロードレースに由来。元々は1950年から1954年にかけて開催されていたレースで、5日間で2100マイル以上の距離を走ろうとする過酷なレースに参加する、悪魔のようなレーサーたちの間でポルシェはおなじみだった。

 この2つのブランドは、時計が織り成す歴史とモータースポーツの黄金時代(そして、間違いなく機械式時計の黄金時代)におけるそのパートを共有しているため、多くの点で、納得感のあるパートナーシップだと僕は思う。
 タグ・ホイヤー カレラと同様に、ポルシェの最も伝説的なロードカーである911は、1963年に発売。911はフランクフルト・オートショーで発表され、老朽化しながらも愛されていた356に代わって、ポルシェのDNAが大きく進化した最初のモデルとなった。911の誕生により、ポルシェは歴史上最も実を結んだスポーツカーブランドの一つへの道を歩み始め、その成功の多くは「win on Sunday, sell on Monday(日曜日に勝って、月曜日に売る)」という精神が生んだ。 

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 フォードからフェラーリ、シボレー、そしてポルシェに至るまで、レースでの成功は、スポーツカーを大衆に販売するための理想的なゲームプランとなり、ジャック・ホイヤーもまたそこに参戦。ホイヤーのリーダーは、レースの舞台と興奮を非常に愛していたため、世界中のトップレベルのモータースポーツにホイヤーを組み込むことに積極的だった。間もなく、ホイヤーのロゴはワールドチャンピオンの車やレーシングスーツにも見られるようになる。1970年には、スティーブ・マックイーンが映画『栄光のル・マン』の中で、ポルシェ917のレースカーの後ろに飛び乗る姿が世界中で拡散され、そのシーンでは今や非常にコレクション価値の高いホイヤー モナコを着用している。その後数十年の間に、両ブランドはモータースポーツの世界で存在感を示し続けることになり、ポルシェがより多くのレースシリーズに進出する(そしてより多くの一般向けロードカーを生産する)につれ、その影響力は増すばかりだった。

 1985年にホイヤーがタグ・ホイヤーとなったとき、TAGはマクラーレンとその栄誉あるレース活動に深く関わっていたため、このブランドはモータースポーツの世界に深く入り込んでいった。余談だが、TAGの当時のCEOであったマンスール・オジェは、伝説的なマクラーレンF1ロードカーの誕生と、最終的にル・マンでの圧倒的なパフォーマンスに貢献した4人のうちの1人である(このことについては、この記事HODINKEE Magazine Vol.5でもう少し詳しく読むことが可能だ)。

 歴史的な観点から見ると、これは文脈やフォーカスの点で多くを共有する2ブランド間での自然なペアリングのようだが、疑問は残る; この時代に、レースとの繋がりで時計は(クルマもまた)売れるのだろうか? 僕には分からないことだが、ポルシェとタグ・ホイヤーはそれを試してみるようだ。
 カレラ ポルシェ クロノグラフは、垂直クラッチとコラムホイールを備えた自動巻きのCal.ホイヤー02を搭載しており、クロノグラフの12時間積算計や80時間のパワーリザーブを備えている。 

カレラ スポーツ クロノグラフと同様に、カレラ ポルシェ クロノグラフは、昨今愛されている多くのクロノグラフに共通するモダンな要素を合わせもった見た目をしている。ただこの特別モデルは、アラビアインデックスと3時位置にある黒地にホワイトの日付表示が見事にマッチしており、他とは一線を画している。世界的な自動巻きクロノグラフメーカーの一つであるタグ・ホイヤーが、カレラをベースにポルシェをテーマにした時計を製作したのは、それほど驚きではない。ポルシェ911のステアリングホイールを模してデザインされた、ワインディングローターが見られるトランスパレントケースバックを備えた「カレラ ポルシェ クロノグラフ」は、100m防水を備えている。

 この2つの世界的ブランドの歴史に、競争の精神が焼き付けられているように、今回のパートナーシップをカジュアルなオーディエンス(ポルシェやレースに特別な感情をもっていない人たち)にとって意味あるものにするには、同等の集中力や決意が必要となるだろう。この分野で成功を収めるには、ネームシェア以上のものが必要であり、ある分野での人気が別の分野でも同じような結果をもたらすことを期待しているわけだ。そう、ポルシェの人気の最高潮は、間違いなく現在であるが、彼らはショパールとのレースパートナーシップを結んでいたことを忘れてはならず、それは、FIA世界耐久選手権(WEC)において非常に成功を収めた919ハイブリッド プログラムの間のことだった。そして、彼らはたくさんの勝利を手中にした。

 919 プログラムの終了時にWECから撤退して以来、ポルシェはフォーミュラEに目を向けている。それは、タグ・ホイヤーが現在サポートする現代のモータースポーツにおける両ブランドの取り組みの一部である(ポルシェ カレラカップ、WEC、バーチャルレース、テニスのイベントなどの他にも)。

 時計に焦点を当ててみると、僕自身44mmの新しいカレラを実際に見る機会はなかったものの、「カレラ ポルシェ クロノグラフ」は確かにハンサムで、911やル・マンのピットレーンでも全く違和感がないと思う。このモデルの44mmという特大サイズのフットプリントを補完するには、より小さなサイズのモデルを望みたいところだが、ブランディングを狭めて、より一般的な非限定モデルからスタートさせたのは賢明だったと思う。

 興味深いことに、カレラポルシェ クロノグラフは今月にも米国や日本で販売される予定で、価格はレザーモデルが63万0000円、スティールブレスレットが65万0000円(税抜)だ。これはノン・ポルシェのカレラ スポーツ クロノグラフの希望小売価格よりも若干低い設定となっており、ポルシェロゴに大きなプレミアムを支払う必要がない。これは世界中のリスト(手首)とレーストラックを占領するという野望をもった、レース界においてバラ色の過去に彩られたパートナーシップであり、このタグ・ホイヤーとポルシェとの未来がレースのスタートを切るかどうかは時だけが教えてくれる。


基本情報

ブランド: タグ・ホイヤー(TAG Heuer)
モデル名: タグ・ホイヤー カレラ キャリ バー ホイヤー02 クロノグラフ ポルシェスペシャルエディション
型番: CBN2A1F.FC6492 (ストラップ)、 CBN2A1F.BA0643(ブレスレット)

直径: 44mm
ケース素材: スティール
ベゼル: 固定式、ブラックセラミック
文字盤色: アスファルトのような質感のグレー
インデックス: アプライド
夜光: スーパールミノバ
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: スティールブレスレット、またはブラックレザー


ムーブメント情報

キャリバー: Cal.ホイヤー02
機能: 時、分、秒、日付、クロノグラフ、12時間積算計
直径: 32mm
パワーリザーブ: 80時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 33
クロノメーター認定: あり


価格&発売時期

価格: 63万円(レザー)、65万円(ブレスレット) 全て税抜
発売時期: 2021年2月
限定: 通常版

詳細は、公式サイトへ。