trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Hands-On チューダー ブラックベイ フィフティ-エイト 18K 実機レビュー

スティールのカテゴリにプレシャスメタルが挑戦してきた。

ADVERTISEMENT

ゴールド(金無垢)のダイバーズウォッチというアイデアは、新しいものでもなければ、奇抜なものでもない。ロレックスは1969年にRef.1680サブマリーナーのゴールドバージョンを発表しているし、その後も金無垢のダイバーズウォッチを何度も繰り返し発表している。現代では、セイコーがダイバーズウォッチのカテゴリに「ゴールドトーン」の魅力を加えた数多くのモデルを製造し、オメガはシーマスター 300に3種類の貴金属を使用、さらにオリスやドクサも最近、ゴールドの流れに参加している。

 時計とジュエリーの境界線が曖昧になった今、時計メーカーは従来のルールを大胆に変えている。例えば、新しいエクスプローラーのコンビモデル、限定で7万ドルのドクサ クロノグラフ、オーデマ ピゲからはアメコミのブラックパンサーをテーマにしたモデルなどが登場している。そしてそれらの時計と同じように、イエローゴールド無垢のブラックベイ フィフティ-エイト 18Kは、チューダーの通常モデルに共通する特徴とそうでない部分を融合させた、野心的で賛否両論ある作品だ。

 ブラックベイ フィフティ-エイト 925と同様に、ブラックベイの幅広いデザイン言語と、最近発売された人気の高いブラックベイ フィフティ-エイトのフレーバーが、このモデルのフォーマットを確立。サイズは39mmで、今回はサテン仕上げの18Kイエローゴールドケースを採用している。厚さは12.7mm、ラグからラグまでの全長は47mmだ。

 興味深いことに、925と同様、18Kはディスプレイケースバックを備えている。このモデルには、ブラウンのアリゲーターストラップとグリーン/ゴールドのファブリックストラップの2種類のストラップが付属しており、どちらも同じ18Kゴールド製のバックルが付いている。ゴールドのブレスレット仕様はないが、ブラックベイ フィフティ-エイト 18Kの重さは103gで、他のバージョンのフィフティ-エイトとそれほど変わらずに着用可能だ。これは、重さや純正の取り付け方法が似ていることからも驚くことではない。

 最初に手にした印象は、光の加減によってグリーンが他の一般的なカラーリングとどのように変化するのかということだった。明るい光の中では、あるいはブティックのような過剰な光の中では、バナナの葉を思わせるような、黄色のアンダートーンを含んだかなりパンチの効いたグリーンになる。しかし、もっとカジュアルな照明、あるいは2台のフラッシュのバランスのとれた光源の下では、この色はより濃いオリーブグリーンで、より豊かな彩度をもち、単純によりラギッドな色調であることが分かった。このグリーンとゴールドのケースやアクセントとの組み合わせは、これまでに出会った他のゴールド製のダイバーズウォッチとは異なるものだ。僕の目には、この温かみのあるアースカラー調ともいえる色味が、このゴールドウォッチをまるでブロンズ製であるかのように見せた。

 グリーンのスティール製フィフティ-エイトや、ゴールドのフィフティ-エイトにブルーやブラックのカラーリングを組み合わせたものなど、どちらの要素も素晴らしいものになると思う。先週ご紹介したシルバーのブラックベイと比べると、その斬新さは際立っている。

 スポーツウォッチのトレンドであるグリーンの文字盤とブロンズケースの2つを組み合わせたような18Kは、ワイルドで派手な印象を与え、無限の楽しさを感じさせてくれるはずではあるが、この貴金属製のチューダーには期待していたほどの魅力はなかった。ゴールドの時計は大好きだし、ゴールドのスポーツウォッチも好きなのだが、ブレスレット(重厚感を出すため)や、もっとクラシックな色使いがないと、この組み合わせは僕には合わない。

 しかし、ベゼルの美しさは健在で、全体に美しいサテン仕上げが施され、18Kは他のフィフティ-エイト同様、18cm弱の僕の手首にぴったりだ。タンのレザーストラップ(神への冒涜!)に付け替えると、カジュアルでありながら、同社が誇るダイバーズウォッチのヘリテージに目を向けているようにも感じられる。これらは全て良いことであり、僕は別のカラーバリエーションを見たいと思う(できればブルーにゴールドのアクセントでお願いします)。

 ブラックベイ フィフティ-エイト 925と同様で、チューダーのディスプレイケースバックを恨むつもりはない。しかし、エングレービング可能なケースバックのオプションが欲しいし、この価格帯であれば、ムーブメントにもっと高度な仕上げを施すことができたのではないかと思う。今の状態では、このムーブメントは見せるためのものではない。しかし、逆に言えば、エングレービングを入れたくなるような時計ではあるのだ。

 いずれにしても、ご覧いただいているムーブメントは、チューダーのMT5400だ。これはMT5402(スティール製のフィフティ-エイトと共通)の派生バージョンで、ディスプレイケースバックの開口部を埋めるためにサイズが拡大されている。本ムーブメントは、COSC認定を受けており、チューダーの5年保証付き(4Hz、70時間のパワーリザーブ)。

ADVERTISEMENT

 比較的シンプルな機能でありながら、18Kは複雑な時計だ。それは、一般的なチューダーの時計に期待されていること(僕も含めて)だけでなく、ロレックスのサブブランドとしての同社の歴史、ロレックス自身のグリーンという色との密接な関係(さらによく知られているダイバーズウォッチのゴールドバージョンとの関係)、そしてもちろん、価格との交わりでもある。

 この時計の希望小売価格は、182万3800円(税込)。非常に高額だ。チューダーにしては高額であり、ブランドファンにとっては納得するまで時間がかかることは間違いないだろう。

 結局のところ、他のブラックベイモデルと比較すると、ゴールドのために大きなプレミアムを支払っていることになる。一方、ロレックス、パネライ、オメガなどの高級ダイバーズウォッチと比較すると、チューダーの相対的な地位は変わらないことが分かる(ゴールドのドクサについてはここでは、やめておこう)。

 チューダーは、一般的にスティールの市場で優れているが、上に挙げた競合他社はスティールとゴールドの両方で存在感を示している。他のブランドの方が優れていると言っているわけではないが(僕は18Kが競合他社の多くの選択肢と同じかそれ以上に好きだ)、シーンが違うことと、チューダーにはコアな愛好家がつながるような特定の遺産がないことを示唆している。確かにこのブラックベイは個人的には、惹かれないかもしれないが、チューダーのこの大胆なやり方にはあっぱれと言いたい。

 僕の個人的な意見では、シルバーのフィフティ-エイト 925の方がその独特の面白みのために成功した製品だと思う。

ブラックベイ フィフティ-エイト 18Kは、たまたまゴールド製のブラックベイになったと考えたいところだが、僕にはゴールド製の時計がたまたまブラックベイだったという風に思いたい。

本モデルは、スティール製のダイバーズウォッチを愛する(僕のような)ファンとは、全く別の客層を狙っているように思える。ブラックベイシリーズはチューダーにとって大きな存在であり、個人的にチューダーのGMTムーブメントを搭載したフィフティ-エイトの登場を夢見続けているが、シリーズの最上位に大胆なゴールドを求める理由は納得がいく。もしかしたら、もっと大胆に、もっとゴールドにすることもできるかもしれない。

チューダー ブラックベイ フィフティ-エイト 18Kは、直径39mmの19Kイエローゴールド製で厚さは12.7mm、全長47mm。防水性能 200m、ディスプレイケースバックとグリーンの文字盤とベゼルを備える。内部にはMT5400ムーブメントを搭載(ハック、手巻きつき、日付なし)、COSC認定。5年保証付き。価格 182万3800円(税込)でレザーとファブリック製のストラップが付属(どちらもゴールド製のバックルつき)。

詳細は、チューダー公式サイトへ。