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Hands-On グランドセイコー ヘリテージコレクション "白樺" SLGH005を実機レビュー

グランドセイコーから新たに登場した"白樺"文字盤は次の雪白になるのだろうか?

グランドセイコーは、誕生60周年の熱も冷めやらぬまま、2021年に突入。そしてそれは、セイコーが創業140周年を迎えたことも意味し、先日から様々な魅力的なモデルが登場しています。中でもトップバッターとして登場したSLGH005は、次世代のデザイン言語Series 9と自社製ムーブメントCal.9SA5を採用した初のレギュラーモデルであり、さらにとても美しい文字盤を備えた新作として注目を集めています。今回はそんなSLGH005をお借りし、ハンズオンする機会を得たので、実機写真を交えてご紹介したいと思います。

 グランドセイコーは、1967年に44GSによって確立された同社のデザイン哲学「セイコースタイル」をベースに、その伝統を現代解釈したモデルをヘリテージコレクションで展開しています。SLGH005は同コレクションに内包され、ブランド60周年を迎えた2020年に誕生した、Series 9と呼ばれる新たなデザインを採用した時計です。

 Series 9は、より多様でよりアクティブな今のライフスタイルにあうものとして、同社のデザイナー酒井清隆氏が手掛けたもの。単なるバリエーションではなく、これからのグランドセイコーにとっての王道となるデザインを目指し作り上げられました(詳細は、記事「グランドセイコー SLGH007 “年輪”限定モデルとSeries 9 デザインについてデザイナーの酒井清隆氏が明かす」参照)。

 SLGH005で真っ先に気づくのは、"白樺(しらかば)"と名付けられた独特な文字盤。機械式グランドセイコーの製造拠点である岩手県の「グランドセイコースタジオ 雫石」近くにある白樺林からインスピレーションを受けています。今回のハンズオンの前にセイコーの新作発表会で実機を目にする機会がありましたが、グランドセイコーの担当者から説明される前にひと目見て文字盤のテーマが分かりました。それほど印象的だったのです。

 文字盤は、金型からプレスで原型がつくられ、真鍮プレートを型打ちし、切削、めっき、印刷、ロゴ・インデックスのセッティングと工程が重ねられ完成。これは"雪白(ゆきしろ)"の愛称で知られるSBGA211と同様です。

 SLGH005とSBGA211は、どちらも独特の質感を備えた明るい文字盤に、ブルーの秒針をもつモデルですが、両者は全くの別物(そもそもムーブメントやその他も違いますが)。雪白文字盤の質感がかなり控えめであるのに対して、白樺はとても主張の強い質感です。白樺のテクスチャは凹凸が深くインデックスやロゴ、印字が文字盤から浮いているようにも見えるほど。また、それもあってかSLGH002SLGH003の文字盤では6時位置にあった、AUTOMATICの文字が取り払われています。白樺は、次の雪白になり得るかという疑問がありましたが、両者のキャラクターが大きく違うため、個人的にはそうはならないのではないかと思います。

 Series 9デザインの視認性の高い太い時針と分針、そしてインデックスは、SLGH002やSLGH003のようなよりシンプルな文字盤はもちろん、白樺のようなキャラクターの強い文字盤でも全体のバランスを崩すことなくマッチ。手首の上で動かして光の当たり方を変えると、陰影が如実に変わり見飽きることのない楽しさがあります。

 独特な文字盤以外で、SLGH005を手にとって気づくのは、これまでのグランドセイコーのモデルとは明らかに違うケースであること。SLGH005の直径40mmのステンレススティールケースは11.7mm厚と薄く作られています。

SLGH005のケースサイド(リューズ側)
SLGH005のケースサイド

 グランドセイコーの公式サイトを見ても、機械式自動巻きムーブメントを搭載したモデルは、比較的シンプルな3針モデル(日付表示付き)でも厚さは13mmを切るのものはありません。GMTなど追加機能があれば、14mmを超えるモデルも少なくないのです。グランドセイコーといえばマッシブな作りのラインナップを展開するブランドで、どちらかといえば薄型の時計は不得手というイメージが個人的にありました(手巻きモデルを除く)。しかし、Series 9デザインは、僕のそのイメージをガラッと変えました。

 薄くなったものの、グランドセイコーらしさが失われたのかというと全くそうではありません。Series 9のデザインは、確かに新しいのですが、しっかりとセイコースタイルをベースにしたものであることに気づきます。

貫通ラグは引き続き採用されており、ストラップ換装は容易。

 ケースサイドは、グランドセイコーらしい力強い造形が保たれています。ケースサイド、ラグの上面にはヘアライン仕上げが施され、部分的に鏡面仕上げが与えられることで、これまでよりもエッジの際立ったシャープなデザインになっています。Series 9のケースデザインの特徴は、薄型でありながらメリハリをつけ、非常に高い立体感が演出されている点ではないかと思います。

 ケースの厚みを抑えるため、ケースバック(裏ぶた)を極限まで薄くするといった小技が効いていますが、最大の要因は内部にあります。

 搭載するのは、グランドセイコー60周年記念の目玉として登場した3万6000振動/時のハイビート自社製ムーブメントCal.9SA5。直径31.6mm、厚さ5.18mmと従来比15%も薄型化されています。このムーブメントは、新たに開発されたデュアルインパルス脱進機とツインバレルの採用によりハイビートでありながら80時間のロングパワーリザーブを実現。また、同社で初めてフリースプラングテンプが採用されたことも特筆すべき点であり、技術面に関する詳細は、ジャックの記事「グランドセイコー60周年記念 SLGH002 が2020年最大の時計ニュースの一つである理由」をご参照ください。高い精度はもちろんですが、ムーブメントも非常に美しく高い次元で仕上げられており、視覚的にも満足度の高いものとなっています。

ほとんどテーパードのないブレスレットは、スポーティな雰囲気を与える。

 ムーブメントが薄型化し、ケースも薄く作られていることで、重心が下がり、さらに直径40mmのケースに対して、22mmと幅広のラグになっていることで、手首をしっかりとホールド。とても良い着け心地を実現しています。正直なところ幅広のブレスレットは、16.5cmと比較的細めの僕の手首には、大きすぎたり、違和感のある見た目にならないか心配でしたが杞憂に終わりました。薄型でありながら、全体に立体感を感じさせるSeries 9デザインがその理由でしょう。

 酒井清隆氏が目指した「多様なライフスタイル・どんなシーンにも合うデザイン」を本機は、確かに実現しています。見たときに魅了される白樺の美しい文字盤が一層その魅力を高めています。雪白に取って代わることはないかもしれませんが、間違いなく雪白に並ぶグランドセイコーの顔になるでしょう。

グランドセイコー ヘリテージコレクション "白樺" SLGH005。ステンレススティール製ケース: 直径40mm、厚さ11.7mm。ムーブメント: Cal.9SA5、3万6000振動/時、自動巻き、80時間パワーリザーブ。機能: 時・分・秒、デイト表示。10気圧防水。価格: 95万円(税抜)。

スペックの詳細は、Introducing記事をご覧ください。その他詳細は、グランドセイコー公式サイトへ。