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WATCH OF THE WEEK Apple Watchで57ポンドのダイエットに成功し、時計への愛を深める

私は最初クパチーノのスマートウォッチに懐疑的だった。しかし、フィットネスに焦点を当てたことで、もう一度試してみようと思ったのだ。

Watch of the Weekでは、HODINKEEのスタッフや友人を招いてある時計を好きな理由を説明してもらう。今週のコラムニストは『コンシューマー・レポート(Consumer Reports)』の技術レポーターだ。

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195ポンド(88.5kg)だって?!? なんてこった!


 2017年12月30日の朝、私はマンハッタンのアッパーイーストサイドにある献血センターの体重計の上に立ち、自分を見つめ返す数字に恥ずかしさを感じていた。その場所に行くのは、この数ヵ月で2回目だった。10月中旬の1回目は、コロンビアの市民権申請手続きをまとめるために、自分の血液型を調べるという唯一の目的で献血をしたのだった。

 私の血液型であるA型が不足していることがわかり、献血センターから今度は血小板を提供してくれないかという依頼があった。私は電話で「いいですよ」と答えた。「私でよければ」と。

A black and white photo of an Apple Watch

 5ラウンドのタイトルマッチ前の週にライトヘビー級に転向する6フィート4インチ(約193cm)のナチュラルな体重なら、195ポンドはそれほど悪くないかもしれない。しかしながら、私は5フィート9インチ(約175cm)でラップトップについて書くことを生業としており、私がマウントから逃れる術はMacBookやDell Inspironsの画像をPhotoshopでリサイズすることだ。

 私は体重計で195という数字を見たあの朝を、自分の体重を「まあ、こんなもんだろう」(ピーナッツM&Mを基本的な食品群と考えると、そういう諦観が生まれる)と「ああ、そうだ、何かしなければ」という思いの分岐点としている。そして私がしたことは、Apple Watchからほこりを払って自転車に乗り、狂ったようにニューヨークの街を走り回ることだった。

A person on a bike with a green shirt and bike helmet

体重をどうにかしようと決心する前の私とApple Watchの関係は、丁寧なアンビバレンスという表現がぴったりだ。

 私は技術系の記者を生業としているが、2014年9月に行われたApple Watchに関する最初のプレゼンテーションのライブストリーム(YouTubeのおかげで今でもその全貌を見ることができる)を見て、“えっ!?”と思ったことを覚えている。

 当時の私は、高校時代から一貫して腕時計を身につけておらず(スカーゲンのような控えめなものも)、クロノグラフとクロノメーターの違いもわからないような状態だった。また、Slackの通知を受けるたびに手首がブザーを鳴らすということにも抵抗があった(正直まだそう思っている)。それに私は一日中コンピュータの前にいるし、残念ながらiPhoneは常に4インチ以上離れることはないのだ。どうして時計が必要だと思えるだろう?

 数年後、スティーブ・ジョブズが起こした企業はApple Watchの焦点を「手首に装着するコンピュータ」という漠然としたものから「カリフォルニアのアップル社がデザインしたとてもおしゃれなFitBit」に絞り始めた。そのころ私は、当時不便だった地下鉄への依存度を下げるために自転車に乗るようになっていたこともあり、これには夢中になった。

 私にとってApple Watchが提供する重要なインサイトは、カロリーを消費するのにどれだけの努力が必要かということだ。自転車に10分乗っただけでは100キロカロリーしか消費できない。30分全力で走れば、もしかしたら300キロカロリーを超えるかもしれない。すばらしい。

 私はすべてのスナック菓子をバイクに乗っている時間に換算して見るようになった。この新しい枠組みで武装し、自分のお腹に宣戦布告したのだ。

Someone on a bike checking their Apple Watch

振り返ってみると、Apple Watchに懐疑的だった私がファンになるまでのスピードが早いのはちょっとおもしろいことだ。2018年の初めにApple Watchに2度目のチャンスを与えたのはフィットネストラッキングが理由だったが、Appleが私と本契約を結ぶことになるのは、その年の秋に発売されたApple Watch Series 4だった。このバージョンでは旧Seriesよりも2mm小さくなったことで、6.5インチ(約16.5cm)の手首に装着しても違和感がなくなった。動作も速くなり、バッテリーも長持ちするようになった。さらにAmazonでApple純正品とほぼ同じ品質のストラップが10ドル程度で買えることを知り、私は夢中になった。

 Instagramの「いいね!」をもらうたびに手首が振動する必要はなかったかもしれないが(何度ももらっているかのように書いている)、BBC Sportやスペインのマルカ(スペイン・マドリードに拠点を置く日刊スポーツ紙)などのアプリが提供する安定したサッカーニュースのアラートは気にならなかった。手首を動かすと、WhatsAppのメッセージが無視しても大丈夫なのか、それともすぐに返信しなければならないのかがわかる。自転車に乗っているときにSpotifyの曲をスキップしたり、Overcast(パワーユーザー向けのポッドキャストアプリ)のサイクリング用プレイリストをフリックしたりすることにも慣れてきた。

 ほとんど狂わないほど正確な時計であることも、とてもクールだった。

 私が思うに、インフォグラフ モジュラーフェイスは(モジュラーと呼ばれていたその前身も含めて)、ある種の人を念頭に置いてデザインされたものだと思う。ウェブページで使われていない空白を見ると肌が痒くなり、常に完全な情報密度を求める人。つまり私のことだ。

 インフォグラフ モジュラーは、時刻以外に最大6つの機能を表示できるデジタルダイヤルだ。私は次のようにレイアウトした。右上に曜日と日付(タップするとカレンダーアプリが開く)、プレミアム天気アプリCarrotによる5日間の予報(タップするとCarrotアプリが開く)、左下にバッテリー残量、中央下にアクティビティリング、右下に湿度(タップするとCarrotが開く)。ニューヨークは夏になると湿った沼のようになるが、出かける前に今日はどのくらい汗をかくのかを正確に知ることができるのはとてもすばらしいことだ。

 左上にはエクササイズアプリを置き、自転車に乗るときには必ずタップした。

 またApple Watchによって「本物」の時計に目が向けられ、こういうものがあるんだ、きちんとしているんだという考えが脳裏に植え付けられたことも特筆すべきだろう。2018年秋にAmazonで放送された『高い城の男(原題:The Man in the High Castle)』のオープニングエピソードを見たとき、登場人物のジョー・ブレイクがこれまで見たことのないタイプの時計を身につけていることに気づいたのを覚えている(当時、時計について何か知っていたわけではなかったのだが、それでも)。数分後、Googleは彼が“Flieger”と呼ばれるものを身につけていることを突き止めた。それからファイル→新しいタブ、www.amazon.com→“Flieger watch.”と検索。その2日後、私はシチズンのエコ・ドライブ・フリーガーを手に入れ、今でも所有している。

 私のコレクションはやがてこのシチズンを超えていくことになるのだが、それが実現したのは約1年後、私の最初の上司であり、今でも親しい友人である作家のジョン・ビッグス(John Biggs)に促されて手頃な価格の時計を研究し始めてからだった。私のコレクションで最初の自動巻きは? それはセイコーのSRPD87で、HODINKEEのジェームズ・ステイシー(James Stacey)のレビューを読んだ約14秒後には近くの宝飾店で購入していた。

 今は? さて、私は多くの時計愛好家が趣味を始めたときに犯すのと同じ間違いを犯してしまい、今では引き出しのなかに200ドルから300ドルの時計が12個ほど入っている。オリエント、タイメックス、アイランダー、アリエクスプレススタイルの“オマージュ”がいくつか、そしてもちろん相当数のセイコーを持っている。正直に言うと、今は時計を持ちすぎていて、来年の夏には新品のドクサ Sub 300Tを買うために、コレクションを減らしたいと思っている。

A person on a bike with an Apple Watch

自分が正しい道を歩んでいることを示すサインは一夜にして現れるものではなく、ヘルスアプリの一連のエントリーを介して滴り落ちてくるものなのだ。そして、再びズボンのサイズが合うようになる。

 生来のマニア気質である私にとって、基本的にあらゆるものを定量化して数字に還元することは常に意味のあることであり、人生の指針となる一般的な「証拠写真がなきゃ起きなかったって事」のようなものだ。Apple Watchを使うと、ワークアウトで消費したカロリーをリアルタイムで記録することができる。私の場合、Apple Watchは自転車に乗った時間(分)、走った距離、自転車の速度、獲得した標高(ここはニューヨークなのでかなり低い)、そして心拍数も記録してくれる。

 いつも私は朝30分かけて自転車で出勤し、同じく30分かけてクイーンズに帰宅し、土曜日や日曜日には3時間もかけてセントラルパークやハドソンリバー・ウォーターフロント・グリーンウェイを走り回り、右耳にはAirPodを1つ装着して、多くの場合、ビデオゲームのポッドキャスト「レトロノーツ(Retronauts)」をプレイしていた。

 家に帰ると、WiFi接続された体重計に乗り、体重と体脂肪率をiPhoneに同期させた。この強迫じみたデータ収集は、私にとっては好都合だった。2020年の春にパンデミックが発生したときの私の体重は138ポンド(約62.5kg)だったが、この年は仕事をし、YouTubeを見たり、非常に古いビデオゲームをしたりする以外のことをする気力がほとんど起きなかったのだ。

 2020年の間、私はジャンクフードを食べ続けていたが、今は最悪の事態を脱したという希望を胸に、最近またサイクリング(とトラッキング)の習慣を取り戻した。

A person checks their Apple Watch while riding a bike

ニコラス・デ・レオン(Nicholas De Leon)は、ニューヨーク在住のベテラン技術レポーターで、趣味は(時計以外に!)サッカー観戦と古いビデオゲームだ。

詳細は、Apple Watch公式サイトへ。