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Introducing 新ブランドのVPCがローンチ。同時に新コレクションのタイプ37 HWも登場

時計ライターが夢の時計を作り上げるときが来た。

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我々が知っていること

今回紹介するVPC タイプ37 HWとは、トーマス・ヴァン・ストラーテン(Thomas van Straaten)氏が考案した新ブランドによる新作ウォッチだ。トーマス氏は僕たちお気に入りの時計ウェブメディアであるフラテッロ(Fratello)に寄稿する優秀なスタッフのひとりのため、その名を知っている人も多いだろう。長年にわたり時計の世界を探求し、特にマイクロブランドに焦点を当てたトーマス氏は、彼の理想の“GADA”ウォッチをつくることを願い自身のブランドを立ち上げた。それは“どこへでも行けて、何でもできる(Go Anywhere, Do Anything)”ものだ。

VPC 37HW
VPC 37HW
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 彼のブランドのVPCとは、ラテン語で“抑制による美”を意味するVenustas Per Constantiamの略である。トーマス氏はこの新ブランド、そしてブランド初の時計の製造過程を、フラテッロの“Building A Watch Brand”シリーズをとおして連載している。シリーズ最初の記事はこちらからご覧いただける。こうして完成したのが、手巻きムーブメントを搭載した37.5mm径のスティール製スポーツウォッチで、ダイヤルカラーは3色(グレー、ブルー、グリーン)で展開した。タイプ37 HWは、基本的にはフィールドウォッチを進化させた時計であり、時刻表示のみ、SS製ソリッドバック、120m防水、ねじ込み式リューズ、さらにクイックリリースと工具不要のマイクロアジャスト機能を備えたSS製ブレスレットが付属する。

 さらにうれしいことに、タイプ37 HWのケースとブレスレットには、1800ビッカース硬さ(HV)ほどあるコーティングが処理されている。ケース(風防を含む)の厚さは9.8mm、ラグからラグまでは45mmだ。ケースからブレスレット、さらには文字盤に使用されたフォントに至るまで、すべての要素がブランドのために設計・デザインされるなど、VPCはマイクロブランドの魅力を向上させる方法論に従っている。

VPC 37HW

 リューズがねじ込まれているにもかかわらず、タイプ37 HWは、セリタ製SW 216-1ムーブメントを搭載した手巻き式である。スイス製でCOSC認定というトップグレードのクロノメーター仕様であり、2万8800振動/時で時を刻み、約45時間のパワーリザーブを提供する。高精度であると同時に優れたメンテナンス性を兼ね備えたこの手巻きのセリタムーブメントは、シンプルなデザインの3つの文字盤すべてにスモールセコンドを配している。

 限定モデルではないが、タイプ37 HWは各ダイヤル100本、合計300本が初回生産され、消費税と送料含まず2479ユーロ(日本円で約40万円)で予約注文可能だ。デリバリーは2024年3月から7~10カ月以内を予定しており、VPCは、販売が好調で初回生産分が完売した場合、さらなる追加生産が可能になるとしている。


我々の考え

大ざっぱな言い方をすれば、これはトーマス氏がやったこととしてはかなりいいと思う。第1に、マニア向けの製品(時計であれスポーツカーであれエスプレッソマシンであれ)を手に入れる場合は、同じ熱意から生まれた製品を買うほうがいいに決まっている。第2に、トーマス氏がフラテッロのための物語を通じて、時計コミュニティとプロセス全体を共有したことが素晴らしいと思う。実際の時計をよく見てみると、デザインもスペックも優れていると感じる。いろいろな意味で(時計ブランドの)モンタをほうふつとさせるが、これは両者への賛辞にほかならない。というのもモンタは、マイクロブランドを評価する聖域のなか、より高品質でマニア志向の製品への需要があるというアイデアのもとブランド全体を築き上げたのである。

VPC 37HW
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 エレガントな文字盤デザイン、ケースの柔らかなライン、ブレスレットの緩やかなテーパーによりユニセックスも着用できるサイズ感。同時に手巻きムーブメントを採用するという判断は、スポーツウォッチとしては珍しく、特にねじ込み式リューズのあるスポーツウォッチとしては異例だ。しかしそれは時計に対する熱狂的なファンの気持ちを物語っている。また手巻きのオリス限定ダイバーズウォッチも存在しているため(所有しているが、素晴らしい時計だ)、このねじ込み式リューズについて非難するわけにはいかない。

 タイプ37 HWで注目すべきは、デザインの一体感である。僕はどのバージョンもまだ実際には見ていないが(Watches & Wondersでこれを訂正したい)、最初のデザインや初のリリースのようには見えない。マイクロブランドのスポーツウォッチを格上げするという目標のもと、価格も間違いなくアップされている。しかし、この時計が仕様どおりの性能を備えていると仮定すれば、大きく外れた価格とは思えない。1000ドル以上のレンジで活動するほかのマイクロブランドを考えてみよう。モンタ ノーブルは2474ドル(日本円で約36万7000円)、オーク&オスカー オルムステッド38は2447ドル(日本円で約36万3000円)、そしてノルケイン インディペンデンスは46万2000円(税込)だ。

VPC 37HW

 価格は少し高く感じるが、それはブランドの歴史と、この時計がまったく新しい提案であるという事実にも起因する。これまでマイクロブランドの分野では、低価格というタグの名の下“ブランド”を提供してきた。その世界が成熟するにつれて、より高い価格帯で事業を展開しようとするブランドが増えているのだ。限定生産、美しいデザイン、しっかりとしたサイジング、硬化コーティングやマイクロアジャストブレスレットなど、素晴らしい追加機能を備えたタイプ37 HWは、このレベルで展開するために必要なものを備えているように見える。トーマス氏とVPCの今後の活躍に期待したい。


基本情報

ブランド: VPC(Venustas Per Constantiam)
モデル名: タイプ 37HW(Type 37HW)

直径: 37.5mm
厚さ: 9.8mm
ラグからラグまで: 45mm
ケース素材: 316Lステンレススティール(1800ビッカース硬さを誇る耐傷性コーティング)
文字盤: ダブグレー、フォレストグリーン、デルフトブルー(すべてマット表面にラッカー仕上げ)
夜光: あり、スーパールミノバBGW9(ダブグレーとデルフトブルー)、C3(フォレストグリーン)
防水性能: 120m、ねじ込み式リューズ
ストラップ/ブレスレット: 工具不要のマイクロアジャスト、クイックリリース、3ピースエンドリンク、20mmから16mmへとテーパー加工された特注スティールブレスレット


ムーブメント情報

キャリバー: セリタ製 S216-1
機能: 時・分・スモールセコンド
直径: 25.6mm
パワーリザーブ: 約45時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 23
クロノメーター: あり
追加情報: トップグレードのムーブメント

VPC 37HW

価格 & 発売時期

価格: 2479ユーロ(日本円で約40万円)、消費税と送料含まず
発売時期: 先行販売では、初回ロットは各ダイヤル100本ずつ(計300本)。納品は2024年3月から7~10カ月後を予定
限定: 時計には製造ロット(1~300本分)のナンバーが割り振られる。VPCによると、初回販売が成功すれば次のロットも提供されるとのこと

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