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Introducing クレドール 50周年記念 ゴールドフェザー U.T.D. 限定モデルが登場

地味な新作? いやいや、ドレスウォッチにおける重要な技術を現代に継承する極めて貴重な限定モデルだ。

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クイック解説

クレドールのゴールドフェザーコレクションからブランド誕生50周年を記念し、50周年記念 ゴールドフェザー U.T.D. 限定モデルが登場する。

 セイコーは1970年以降、時計の高級化という時代の要請に応えるために18金や14金などの貴金属を使った特選腕時計シリーズを発表した。このシリーズはグループ化され、1974年にはセイコー クレドールの名を与えられ、セイコーにおける高級ドレスウォッチブランドとしての側面を担った。“黄金の頂き(CRÊTE DʼOR)”を意味するフランス語がその名の由来で、グランドセイコーが時計として最高のパフォーマンスを求めて高精度化に注力したのに対し、クレドールはドレスウォッチ領域に特化。細部まで贅を尽くした美しい時計づくりに注力し、薄型化や装飾性を追求してきた。これまでに本格的なコンプリケーションウォッチとしてスプリングドライブ ソヌリやミニッツリピーターなどを生み出してきたほか、磁器ダイヤルを備えた手巻きスプリングドライブモデル「叡智」は世界的にも時計愛好家たちの高い評価を得ている。

 セイコーウオッチでは、ブランド誕生45周年を迎えた2019年からクレドールをセイコーブランドから独立したポジションとして差別化を図り、ブランドを刷新。2017年に独立したグランドセイコーに続く2つ目の柱として、ラグジュアリーブランド戦略を強化している。そんななか、昨年クレドールブランドの1シリーズとして復活を遂げたのがゴールドフェザーだ。

 セイコー ゴールドフェザーとはもともと、腕につけた心地が羽根のように軽やかで柔らかな薄型ドレスウォッチを目指して1960年に誕生したモデルだった。この時計に搭載された手巻きのCal.60は、中3針(センターセコンドタイプ)の機械式ムーブメントとしては当時世界最薄を誇る厚さ2.95mmを実現。そんなセイコーにおける正統派薄型機械式ウォッチのDNAを受け継ぐのが、現在のゴールドフェザーだ。

1974年のセイコー 特選腕時計カタログに掲載された懐中時計。これに見られる和紙のような文字盤装飾、そして繊細なローマ数字インデックスが今回の限定モデルにおける着想の原点になった。

 そしてこのたび発表されたのが、前述のセイコー ゴールドフェザーの流れを汲むセイコー U.T.D.(=Ultra Thin Dress)にインスピレーションを得た新作だ。

 セイコー U.T.D.は、セイコー ゴールドフェザーのCal.60と同様の設計思想を引き継ぐ機械式ムーブメントであるCal.6800を搭載したモデルで、2針で厚さ1.98mmという当時でも世界有数の薄さを実現した。この時計は1969年に当時のセイコーが持つ技術の粋を結集したセイコー特別高級腕時計として発表され、1970年代には改良型のCal.6810を搭載するモデルも登場。セイコー特選腕時計の中核をなす時計として、さまざまなモデルが作られた。Cal.6800はその後も改良や多彩な機能を付加しながら幅を広げ、実はCal.68系として現行のクレドールにおいても引き継がれている。

裏蓋はシースルーバック仕様。テンパー仕上げ(いわゆるブルースティール)の鮮やかなブルーのネジは職人の手によるものだ。なお本作にも採用されている68系キャリバーは、クレドールを代表するムーブメントとして製造されている。

 新作は、ブランド創成期を代表するモデルのダイヤルデザインを最新の技法で美しく高品質に再現。当時採用されていた和紙のような風合いのパターンをプレス成形で表現し、カーブを描くダイヤルに採用した。この繊細なシルバーダイヤルはゴールドフェザーのコンセプトに基づき、どこを見ても曲線で構成された柔らかさを感じさせるケースフォルムと組み合わされている。価格は121万円(税込)、100本限定のリミテッドエディションだ。4月19日(金)より全国のクレドールサロン、もしくはクレドールショップのみで購入することができる。


ファースト・インプレッション

ダイヤル装飾が見どころであることはもちろんだが、羽軸のような形状の時・分針の中央に細い線を印刷。さらに分針をダイヤルに沿って曲げて高い視認性を確保するなど、細部に至るまで抜かりがない。

ゴールドフェザー U.T.D.限定モデルの登場はこれが初ではなく、昨年リリースされたGBBY979が初である。GBBY979は、ダイヤルの外側から中心に向かって直接刃物でパターンを彫り込む機械彫刻技法のダイヤル、そして同じく直接彫りこまれたインデックス、さらにはムーブメントに“羽根の舞”をテーマにした立体的な金色の華やかな羽根の彫金が施され、特別感がわかりやすく表現されたモデルだった。それと比べると、本作は限定モデルとしてはかなり控えめな仕上がりとなっている。

 とはいえ、インスピレーションのもとになった時計はそもそもこれ見よがしな装飾性や高級感を全面に打ち出したものではなかった。そういった意味ではオリジナルに忠実なモデルと言えるだろう。事実、この文字盤にあしらわれている繊細なローマ数字インデックスは極めて貴重な技術によって表現されたものなのだ。

極細のローマ数字インデックス。技術が進歩しても、実は匠の技の存在が欠かせない貴重なノウハウによって初めて実現した。

 本作では、オリジナルに見られる職人の手書き版下による繊細で優美なローマ数字インデックスを再現するため、当時の印刷技術を現代に復活させた。例えば、ローマ数字のVやXの交差部分がつぶれないように“スリット”をいれることによって印刷時にインクを溜まりにくくしたり、ローマ数字の直角部分のエッジに“セリフ(ひげとも。書体の角につける飾り)”をいれて角を延ばしインク溜まりを想定してローマ数字をすっきりとした印象になるように手作業で補正されているが、これは当時の時計にも採用されていたノウハウだったという。本作においてはさらに印刷を幾度も重ねる現代の技法を加えることで、当時のものよりもさらに立体的で艶やかなインデックスに仕上げられた。

 企画担当者曰く、こうしたダイヤルのプリント技術が失われていく状況に危機感を覚え、現代に継承するべくこの限定モデルプロジェクトが立ち上がったとのことだが、これはまさに高級ドレスウォッチブランドとして名を馳せるクレドールにふさわしい限定モデルと言えよう。

 前述のとおり、クレドールはグランドセイコーに続けと開発を強化しておりコレクションの幅も広がって年々その魅力を増している真っ最中だ。ゴールドフェザーもその一翼を担うコレクションであることは間違いない。ブランド50周年を迎えたクレドールでは、さらにさまざまな新作の投入が予定されているようなので、実をいうと個人的にはグランドセイコー以上に動向が楽しみな存在になりつつある。

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基本情報

ブランド: クレドール(Credor)
モデル名: 50周年記念 ゴールドフェザー U.T.D. 限定モデル(50th Anniversary Gold Feather U.T.D. Limited Edition)
型番: GCBY995

直径: 37.1mm
厚さ: 8mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: 繊細な和紙のような風合いのパターンを施したシルバー
インデックス: ローマ数字のプリントインデックス
夜光: なし
防水性能: 日常生活
ストラップ/ブレスレット: SS製3つ折れ式バックル付きクロコダイルレザーストラップ


ムーブメント情報

キャリバー: 6890
機能: 時・分表示
直径: 24mm
厚さ: 1.98mm
パワーリザーブ: 約37時間(最大巻上時)
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 22
追加情報: 日差+25秒~-15秒


価格 & 発売時期

価格: 121万円(税込)
発売時期: 4月19日(金)
限定: 100本限定

詳細は、クレドールの公式ウェブサイト、およびクレドール 50周年記念 特設ページをクリック。