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Photos by Mark Kauzlarich
ドレスウォッチが、“ハイプ”または“バイラル”のステータスを獲得するのはかなり難しいが、1月にリリースされたロンジンのコンクエスト ヘリテージ セントラル パワーリザーブは、その事実があるにもかかわらず、かなりの注目を集めたと言える。この発表に関する相対的な熱狂は、間違いなく私の興味をそそるものだったので、その騒ぎの真相を探る機会があったとき、私は迷わず追求することを決めた。
ロンジンの代表的なコンクエストコレクションは今年70周年を迎え、ここにあるコンクエスト ヘリテージ セントラル パワーリザーブはこの節目を記念して誕生した。名前が示すように、この作品の最も斬新なディテールは、もちろん中央に鎮座するパワーリザーブインジケーターディスクである。そのルーツは1959年のロンジンのデザインにまでさかのぼる。現代的な38mmサイズのステンレススティールケースを採用したこのモデルは、ヴィンテージの先代に忠実でありながら、デザイン、構造、機能性の面で、今の時代にふさわしいと感じさせるだけの十分なアップデートが施されている。これこそが、飽和状態にある同ジャンルにおける、リバイバルモデルの成功の鍵だ。
いつもなら、無意識のうちにシャンパンとイエローゴールドのモデルに引かれていたが(1月にリリースされた3モデルのなかで、間違いなく最も伝統的な外観をしている)、今回は柔軟性を発揮して、違うものを試して自分の好みに挑戦してみるいい機会かと思った。そしてグレーとローズゴールドの組み合わせが、思っていたよりもずっと気に入ったと伝えておこう。一般的に言って、伝統主義者向けのよりクラシックなオプションと並列して、ヴィンテージのリブートデザインをモダンなカラーパレットでスタイリングしたモデルを発表するのは、ブランドの動きとしては賢い選択だ。“誰もが楽しめるもの”という理念は、引き続き効果的なのだ。
1959年のモデルと今回のモデルを見比べてみると、文字盤のレイアウトがほぼ同じであることに気づくだろう。唯一欠けているのは、翼のついた砂時計のエンブレムだけだ。テキストはかなり多い(タイポグラフィも多い)が、12時位置の日付窓とパワーリザーブディスクにより、全体的にバランスのとれた印象を与えている。デザイン言語は明らかにミッドセンチュリーであり、ドレスウォッチのカテゴリーに非常に適している。アプライドインデックスから針の形状、日付窓の台形のアウトラインまで、これらすべての要素が協調しながら機能し、クラシックで時代を超越した雰囲気を維持するのに役立っている。
中央のパワーリザーブ機能のユニークな特徴は、1枚のディスクが回転するだけでなく、2枚の同心円状のディスクが、ロンジン製Cal.L896.5のおかげで自動的に、または手動で巻けることである。パワーリザーブディスクのもうひとつの変わった点は、64までの数字が記されているが、実際には最大72時間のパワーリザーブがあり、64のとなりにあるポイントで示される。2万5200振動/時で時を刻み、単結晶シリコン製ヒゲゼンマイを搭載した同ムーブメントは、サファイア製シースルーバックをとおしてその動きを鑑賞できる。
ここで、本モデルについての私の主な不満を述べる。それはラグだ(興味のある方のために、ラグ幅は19mmだ)。短く切り詰められたサイズに好感を持ったが、実際手首につけてみると湾曲さが足りないと感じた。両サイドのラグや、レザーストラップと手首のあいだに隙間ができてしまい、その隙間が私を落ち着かなくさせた。しかし、これは付属のストラップが箱から出したばかりの新品で、その革の硬さが、より使い古されたストラップでは生じないような、空いた隙間を悪化させた可能性がある。加えて、もしあなたが私よりも大きな手首であるなら、この訴えはそれほど刺さらないだろう。とはいえ、直径38mmの見た目自体は気にならず、手首に装着したときの存在感の大きさにはかなり引かれた。
この時計は、その他ふたつの現代的な兄弟機とともに、ロンジンのヘリテージコレクションの恒久的なラインナップに加わったが、59万5100円(税込)という価格はほかの多くのラインナップよりもかなり高値だ。その価格は、中央のパワーリザーブインジケーターそのものの斬新さによって正当化できるだろうか? 私にはわからない。誰か教えて欲しい。しかし、このモデルとともに午後の数時間をゆっくりと過ごしてみたが、なぜ多くの時計愛好家を魅了するのかがわかった。そして、最近人気絶頂のRGとグレーの組み合わせに対する、私の不安を考え直させてくれたかもしれない。
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