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Hands-On A.ランゲ&ゾーネ リトル・ランゲ1・ムーンフェイズを実機レビュー

これにはひと目惚れした。

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本稿は2017年1月に執筆された本国版の翻訳です。

ときには時計を実機で見る前から、好きになることがわかっていることもある。リトル・ランゲ1・ムーンフェイズは、わたしにとってそんな時計のひとつだ。プレスリリースを見た瞬間に、絶対に気に入ると確信したのである。わたしはいつもランゲ1に憧れを抱いていた。普段はアシンメトリーな文字盤を好きにならないため(というかまったく好まない)、これは珍しいことだった。しかし、ローズゴールドとギヨシェダイヤルを持つリトル・ランゲ1・ムーンフェイズの高解像度のプレス写真を見たとき、それにひと目惚れしてしまったのだ。

 わたしはいつもメンズライクな時計が好きで、役に立たないものを非難しているため(ダイヤモンドはもっと少なく、そして文字盤のマザー オブ パールもいらない!)、これが少し矛盾していることに今気づいた。でもこれは違う。私見では、リトル・ランゲ1・ムーンフェイズはフェミニンとマスキュリンの完璧なバランスを保っており、頑張りすぎていないのだ。

A.ランゲ&ゾーネの2017年の新作、リトル・ランゲ1・ムーンフェイズ。

 ランゲ1について少し触れておく。このモデルが初めて発表されたのは1994年で、最初のモダンランゲコレクションのひとつとして登場した。直径は38.5mmで、左右非対称の文字盤は当時大きな話題となった。時・分のダイヤルに加えて、ランニングセコンド、アウトサイズデイト、パワーリザーブインジケーターを備えていた。しかし発売以来、ランゲ1は何度もモデルチェンジされ、2015年にはキャリバーが一新された

 この時計のIntroducing記事で述べたように、新しいリトル・ランゲ1は(夢のような)20周年記念セットに似ている。しかし、新しいモデルは36.8mmという完璧なサイズ感のRG製ケースに、シルバーホワイトのギヨシェ文字盤を備えている。このケースの大きさもさることながら、特にゴールドの色味を気に入っている。完璧なRGを実現させた時計メーカーはそう多くはないが、ランゲはそのひとつである(ほかの例を挙げるとオーデマ ピゲやブルガリなど)。黄色みすぎず、銅色すぎず、はっきりとしたRGであり、どんな肌色をも引き立ててくれる。

この時計には新しい手巻きムーブメント、Cal.L121.2を搭載している。

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 文字盤も目を見張るものがある。純金製のダイヤルにギヨシェ彫りを各所に施し、シルバーホワイトに光り輝いている。文字盤左側には象徴的な時・分表示、右側には日付とパワーリザーブ、そしてこのモデルではムーンフェイズとスモールセコンドが右下に収められている。ムーンフェイズもまた見事で、シルバーディスクを背景に鮮やかなRG製の月と星がマッチしている。今まで見たムーンフェイズのなかで最も美しいもののひとつである。

 そして最後にムーブメントだ。搭載されたCal.L121.2は、数年前に発表されたランゲ1ムーブメントと同じもので、約72時間のパワーリザーブと、現在では標準装備となった122.6年に1度の誤差という高精度ムーンフェイズを備えている。これほど素晴らしい(言うまでもなく、美しく仕上げられた)ムーブメントを搭載していることに新鮮さを感じないと言えば嘘になる。

 全体的には、何から何まで本当に素晴らしい時計である。手首への負担も少なく、ほんの少しの輝きがあり、ダイヤモンドもなく(これは当たり外れがある)、日常的に着用しやすい。

 この時計の価格は約4万800ドル(編集注記:2017年時点では税込475万円)で、新しく発売されたホワイトゴールドのランゲ1・ムーンフェイズの約4万2430ドル(編集注記:2017年時点では税込490万円)よりも約15万円安い。これは“レディース”ウォッチとしては初めてのことかもしれない。今年のSIHHで、わたしが最も気に入った時計がこれかどうかはまだ断定できないが、候補のひとつであることは間違いない。

詳細については、A. ランゲ&ゾーネ公式ウェブサイトをご覧ください。