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Watching Movies アーノルド・シュワルツェネッガー、『プレデター』でセイコー “アーニー”をつけて捕食されるのを拒む

今週の時計関連映画を埋め尽くすのは、ムキムキの筋肉、爆発、エイリアン、そしてセイコーだ。


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Illustration by Andy Gottschalk

1980年代の映画がゴーサインを得るためのレシピは次のとおりだ。アーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)を起用する。彼に武器を持たせる。そしてお約束の爆発、筋肉映像、簡潔な決めゼリフを散りばめる。これでヒット作品ができあがる。

 この公式は、ジェームズ・キャメロン(James Cameron)監督の『ターミネーター』(1984年)が起源だが、シュワルツェネッガーの時代ということであれば銃(guns)こそ使わないものの、それより前のコナンにまで遡ることができる(『レイト・ナイト・トークショー』のコナン・オブライエン/Conan O'Brienではなく、『コナン・ザ・グレート』のほう)。しかし考えてみれば、これも“guns(上腕二頭筋のイディオム) ”を使っているとはいえる。

 1987年にジョン・マクティアナン(JohnMcTiernan)監督の『プレデター』でダッチを演じたときのシュワルツェネッガーは、脂が乗りきっていた。映画は、南米のどこかの国のジャングルで、のちにCIAの極秘作戦であると判明する救出作戦に当たっていた傭兵部隊を追ったものだ。一行は自分たちが、なにか目に見えない野性的なもの、“プレデター”に獲物として追跡されていることに気づく。マスクを被るヌルっとした異世界の存在に仲間の隊員がひとりずつ倒されていき、ダッチは最後、たったひとりで対決しなければならなくなる。この映画全編でシュワルツェネッガーは、がっしりとしたセイコーのウォッチをつけている。そしてその時計にはその後、彼の名が冠された。

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葉巻、銃、そしてセイコーという不可欠なアイテムを携えてダッチを演じるアーノルド・シュワルツェネッガー。Image: 20th Century Studios


注目する理由

 今月、アメリカの動画配信サービス「Hulu」で『プレデター:ザ・プレイ』が公開された。これはより広い『プレデター』の世界を設定とする前日譚で、『10 クローバーフィールド・レーン』(2016年)で名声を得たダン・トラクテンバーグ(Dan Trachtenberg)の監督作品だ。舞台は300年前の米中西部グレートプレーンズで、若いコマンチ族の戦士であるナル(演者:アンバー・ミッドサンダー/Amber Midthunder)が、約200年後のシュワルツェネッガーと同じように、人間の血を求める獰猛なエイリアンとかくれんぼを繰り広げることになる。

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『プレデター:ザ・プレイ』の宣伝用スチール写真。Image: 20th Century Studios

 この作品で見つけるべきものはあまりない。私の認識では、1720年ごろのコマンチ部族に腕時計はなかったはずだからだ(この認識が間違っているのなら喜ばしい)。一方、1987年の映画のほうには、現代において最も映画的に重要な腕時計のひとつが使用されている。のちに“アーニー”と呼ばれることになるアナデジウォッチ、セイコーのH558(おそらくはH558-5009)だ。

 H558-5009は、セイコーが1980年代前半に生産したものだ。当時人気のあった時計とまではいわないが、しかし当時最も特徴ある時計のひとつであったことは間違いない。大きくてアグレッシブで、シュワルツェネッガーの手首に落ち着くための時計だといっても過言ではなかった。『プレデター』だけでなく、彼は1985年の名作『コマンドー』でもこれをつけたことで知られている。

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『プレデター』で、腕にセイコーのアーニーをつけたダッチ(シュワルツェネッガー)がプレデターを警戒している。 Image: 20th Century Studios

 この時計へのノスタルジーやこの時計が長年蓄積してきたカルト的ステータスを利用して、セイコーは2019年、H558-5009のリバイバル版のようなものを出した。そして現在SBEQ001(SNJ025)として知られるその新たな時計を、“1982年のハイブリッドダイバーズウォッチを現代風に解釈したもの”と呼んだ。HODINKEEのジェームズ・ステイシー(James Stacey)が当時、これについて素晴らしい Hands-On記事を書いている。オリジナル版とリバイバル版の主な特徴は、全体的に大きいそのサイズだ。リバイバル版は、有名なセイコー“ツナ缶”スタイルで使われる47.8mmケース、回転式のダイビング用ベゼル、デジタル液晶ディスプレイなどを備えている。この疑似リバイバル版は、ソーラーモデルでもある。

Arnie

『プレデター』でシュワルツェネッガーがつけていた時計に似ているセイコー H558-5009。Image: eBay

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セイコー H558-5009のサイドビュー。Image: eBay

Seiko Arnie

『プレデター』でシュワルツェネッガーが着用したH558-5009の(ある種の)復刻版であるセイコーのSBEQ001(SNJ025)。

 『プレデター』でシュワルツェネッガーが演じるダッチは、この時計を常に装着している。脈打つその筋肉によく合っており、実際のところ、彼の腕につけると小さくも見える。“腕”といえば、この映画には腕時計がまったく映っていない重要な腕の撮影ショットがある。序盤でダッチが与えられた任務に関する説明を受けている際に、元戦友で現在はCIA工作員であるディロン(演者:『ロッキー』でクリード役を演じたカール・ウェザース= Carl Weathers)と偶然再会する。ふたりは握手をするが、それが腕相撲へ変わっていき、カメラが両者の手首と(巨大な)上腕二頭筋を映し出すと、それはこの時代の実に素晴らしい映画撮影作品となった。

Muscles!

『プレデター』で腕時計をしていない筋肉だけの場面。Image: 20th Century Studios

 キャラ的な適合性でいえば、H558-5009は“傭兵がつける腕時計だ”と叫んでいるように私には感じる。正確で読み取りやすく、150mの防水性能があり、何が体当たりしてこようとも耐えることができる。たとえ血液がスーパールミノバでできているような地球外生物が相手であっても。

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見るべきシーン

 映画で腕時計が火蓋を切る始まりほどよいオープニングはない。そしてこのオープニングは、アーニー(アーノルドの略称)にとっても、“アーニー(この時計の愛称)”にとっても象徴的だ。ヘリコプターが僻地の海岸のような場所に着陸する。傭兵部隊が降りてくる。暗闇のなかに、はっきりそれとわかるシュワルツェネッガーのシルエットが見える。彼は帽子を被り、まだヘリコプターのなかに座って葉巻の煙を吐き出している。そして彼もヘリコプターから降り立ち、近くの軍事施設までの短い距離を車で移動する。そして、引き続き葉巻を吸いながら車を降りるときにパイロット用サングラスを外すのだが[00:03:35]、そこでその太い手首につけているセイコーのアーニーが見えるのだ。

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Image: 20th Century Studios

 その後、プレデター(捕食者)と獲物の駆け引きが本格化し、ダッチはそのモンスターと対決することになるが、その一方で彼は、部隊が最初の秘密任務のあとに救出したアンナ(演者:エルピディア・カリロ/Elpidia Carrillo)を守ろうとする。ダッチはプレデターに激しい銃撃を浴びせ、自身が打撃を受けるが、その前にアナデジウォッチのセイコーの完璧な横からのショットが見える。彼が地面に倒れるときに[01:16:09]、今やおなじみとなったあのセリフ「ヘリまで行くんだ!」をアンナに向かって叫ぶのが聞こえ、このシーンになる。

Get to the choppa!

Image: 20th Century Studios

『プレデター』(アーノルド・シュワルツェネッガー主演)は、ジョン・マクティアナンが監督を務め、アントニオ・マタ(Antonio Mata)が小道具を担当。Huluで配信されており、iTunesとAmazonでレンタルや購入可能。

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