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Introducing シチズン サテライト ウエーブ GPS F950 チタニウム技術50周年モデル

1970年にシチズンが腕時計に初めてチタニウムを採用してから、50年の時が流れた。

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クイック解説

 シチズンは、同社が腕時計に初めてチタニウムという新素材を用いてから50周年を記念し、エコ・ドライブGPS衛星電波時計の最上位ムーブメントである「サテライト ウエーブ GPS F950」を用いた限定モデルを発表した。2014年にサテライト ウェーブF100、2015年にサテライト ウェーブGPS F900とそれぞれ発表されてきたが、本機はそのデザインコンセプトである「宇宙」を引き継ぐ形で本機も製作されている。

 ケースには、シチズン独自の素材である、ステンレスの5倍の強度を誇るスーパーチタニウム™を採用。表面には、これまた独自の硬化技術デュラテクトDLCが施されている。エッジの効いた直線的ラインが立体的な面を構成し、シャープかつ陰影のある造形が特徴だ。ダイヤルはGPSウォッチの特性上、複数の層(アンテナや光発電用のフィルムが必要になるため)をもつが、本機では6つの層が重ねられており、デザイン的にも宇宙空間のような奥行きある風合いが表現されている。

Citizen

 さて、シチズンは今から50年前の1970年に、世界初のチタニウムウォッチ「X-8 クロノメーター」を発表した。チタニウムは非常に軽量で耐食性が強く、腕時計にとって理想的な素材であると考えたシチズンは開発を続けていたが、ステンレスに比べて傷つきやすいという弱点があった。それは表面の柔らかさゆえであり、一方でチタニウムは粘性の強い金属であるため加工が難しいという問題も存在していた。それでもたゆまぬ開発により、1987年には低メタルアレルギーに対応したアテッサでチタニウムウォッチの量産化に成功。その後2000年には、耐傷性の問題を表面硬化技術「デュラテクト」で解決した初のモデル・アスペック ワールドタイムを発表した(本機はスーパーチタニウムを使用した最初のモデルであった)。

 かくして、シチズンはチタニウムと表面加工技術において多くの特許を取得し、この分野で比類なき技術力を得たのだ。

ファースト・インプレッション

 本機の最大の魅力は、材料工学、航空工学、さらには宇宙工学がクロスオーバーするところにある。つまりはチタニウムに帰結するのだが、今から50年前は多くの分野でチタンは夢の素材であった。本誌US本国版で、コール・ペニントンは本機をテーマにした記事で以下のように記している。

――"A-12は、1962年にチタンで作られた最初の飛行機だ。米国ではチタンが不足していたため、CIAは偽の会社を立ち上げ、当時チタン製造の第一人者であったロシアから原料を調達していた。チタンの使用は航空機開発における最大の課題の一つであったが、それが実を結んだのである。A-12の後継機であるSR-71は、今でも空を舞う最速の飛行機として知られている。チタンの製造方法は、当時、政府の最も秘密裏に行われていた陰の計画の中にあり、この金属の使用は、最先端の航空機を製造するための最大のファクターであった。地球上のあらゆる金属の中で最高の強度密度比を持つチタンの使用がなければ、A-12の偉業は成し得なかっただろう。そして、そのA-12の初飛行からわずか8年後の1970年、シチズンは純度99.6%のチタンを使用した「X-8 クロノメーター」を発表したのである。"

 また、2019年8月22日、シチズンは日本の宇宙関連企業ベンチャーであるispaceが推進する「HAKUTO-R」プロジェクトとパートナー契約を結んだ。これは、2023年までに2度月探査を行うミッションのHAKUTO-Rで用いられる、月着陸船と月面探査ローバーの機体に使用するスーパーチタニウムの提供をシチズンが行うというものだ。

 ispaceのファウンダー&CEOである袴田武史氏は、「宇宙で使われている素材は、昔から変わらず使われ続けている技術が意外と多い。地上では一見宇宙と関係なさそうに見えても、宇宙開発に大きなイノベーションを起こす可能性は高い」と語り、かつての航空産業やアポロ計画に代表される宇宙開発のように、シチズンの素材開発の技術には期待が集まっているのだ。そしてそのような貴重な技術が時計に息づいていると思うと、勝手に胸が踊り出す。

 同社が開発したスーパーチタニウムは空の彼方で活躍し、我々はその偉業に思いを馳せながら、記念すべき時計に目をやることができる。事実、シチズンは宇宙開発に素材提供をする一方で、本業の腕時計製造においてもこの50年の集大成たる加工技術を本機で見せているのだと思う。詳細は、実際に時計を見てからレポートしたいが、チタニウム製のケースとバンドそれぞれに施された、無数の直線的ラインを確かめたいと思わざるを得ない。

左から、1970年世界初チタニウム製腕時計「X-8クロノメーター」、1987年「アテッサ 初代モデル」、2000年スーパーチタニウム™誕生「アスペック ワールドタイム」、2006年デュラテクト MRK+DLCの二重加工を実現「プロマスター エコ・ドライブ電波時計」、2018年スーパーチタニウム™使用の3.53mmの薄型「エコ・ドライブ ワン」

シチズンは、今やチタニウムを多彩なカラーで表現することが可能だ。

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基本情報

ブランド: シチズン(Citizen)
モデル名: サテライト ウエーブ GPS F950 チタニウム技術50周年記念モデル(Satellite Wave GPS F950 Titanium 50th Anniversary Limited Edition)
型番: CC4025-82E

直径: 47.5mm
厚さ: 14.71mm
ケース素材: スーパーチタニウム™
文字盤色: ブラック
インデックス: アプライド
夜光: 針、インデックス
防水性能: 10気圧
ストラップ/ブレスレット: スーパーチタニウム製のブレスレット


ムーブメント情報

キャリバー: Cal.F950
機能: 時、分、ワールドタイム、クロノグラフ、カウントダウン、フライバック、パワーリザーブインジケーター
パワーリザーブ: ソーラー充電
巻き上げ方式: ソーラー
追加情報: 衛星電波受信機能・位置情報取得機能・自動時刻受信機能


価格&発売時期

価格: 50万円(税抜)
発売時期: 2020年冬予定
限定: 世界限定550本

詳細はシチズン公式サイトへ。