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Editors' Picks 実は意外とつけやすい。バレンタインデーにおすすめのチョコレートカラーウォッチ5選

バレンタインデーにちなんで、HODINKEE Japanメンバーがつけたいお気に入りのチョコレートカラーウォッチをご紹介。お気に入りの理由もお伝えしよう。

Hero Image by Masaharu Wada

トレンドと持て囃され、いまや定番として定着したブルーやグリーンといった発色のいいカラーダイヤル。実は数年前からそうしたカラーダイヤルとともにブランド各社がラインナップに加えるようになったのがブラウン、なかでも深みのあるチョコレートカラーダイヤルの時計だ。

 シックで落ち着いた印象を与えるチョコレートカラーは、ブルーやグリーンなどのように人目を引く色味ではないものの、見方を変えれば控えめながらもブラック、ホワイト、シルバーなどの定番カラーのダイヤルとは違った印象を手軽に楽しめるカラーでもある。それにブラウンカラーは洋服によく使われるブラック、ホワイト、アイボリー、ベージュといったカラーとも相性がいいと一般的に言われているため、むしろカラフルなダイヤルよりもコーディネートに取り入れやすい。

 今日はバレンタインデーだ。リアルなチョコレートのように溶けてなくなることのない、編集部おすすめの魅力的なチョコレートカラーウォッチを皆さんにお届けしよう。


牟田神 佑介 エディター
ハミルトン カーキ フィールド メカ

チョコレート、すなわちブラウンダイヤルの時計は実は最近気になっていたカテゴリのひとつだ。自分用にいざ時計を選ぶとなるとどうも汎用性や使い勝手を重視してしまう傾向にあり、手持ちの時計はほぼすべてがブラックかホワイト(一部シルバー)のダイヤルを備えたものになってしまっている。たまには冒険してみようと鮮やかなカラーダイヤルを手に取ってみたりもしたのだけれど、僕の普段の着こなしのなかでは手首だけパッと華やかに見えてしまって落ち着かない。その点、チョコレートはちょうどいい。ブラックダイヤルより少し温かみがあってシックで、主張も控えめだから時計に合わせて大きくスタイルを変える必要もない。今回のお題を受けたとき、僕は自分のためにチョコレートダイヤルの“入門機”を探そうと決めた。改めてチョコレートダイヤルの時計をさらってみたが、ロレックスにオメガ、ブルガリにヴァシュロンと各ブランドから想像以上の数がリリースされていた。それらの時計を検討する前に、まずは一本、チョコレートダイヤルの時計を試してみたいと思ったのだ。

 そして選んだのが、ハミルトンの顔とも言えるミリタリーウォッチ、カーキ フィールド メカのブラウンダイヤルだ。もちろん、ハミルトンらしい手に取りやすいプライスもキーポイントではある。しかしそれ以上に、マットなブラウンダイヤルとサンドブラスト加工を施したケース、そして経年変化を思わせるベージュの夜光の一体感が気に入った。ブラックやホワイトダイヤルのメリハリが効いた顔も好きだが、これは新品ながら少し使い込まれてくたびれたようなこなれた空気をまとっているように見える。第2次世界戦で活躍した、ハックウォッチをソースとするベーシックな意匠もいい。カラーダイヤルで遊びを加えるぶん、それを受け止めるデザインはスタンダードであって欲しいし、しっかりとしたバックボーンを持つ時計はカジュアルプライスでもそれ以上の価値を持つと思っている。

 本物のチョコレートは食べてしまったら終わりだが、顔立ちがシンプルなためにこの時計は色々と味(ストラップ)を変えて長く楽しめる。ミルクチョコレートのようにまろやかな色味のNATOストラップのまま使ってもいいけれど、ビターなダークブラウンのスエードストラップなんかも似合いそうだ。今年のバレンタインにチョコレートをもらえるかはわからないが、とりあえずこの1本を自分用(チョコ)として確保しておくのはいい判断な気がしている。

価格: 8万5800円(税込)
その他の詳細は、ハミルトン公式サイトへ。


松本 由紀 アシスタント エディター
オメガ コンステレーション マンハッタン
オメガ コンステレーション マンハッタン

 チューダー ロイヤルのブラウンサンレイ文字盤と最後まで迷ったのだが、チョコレートのような落ち着いた色味と合うゴールドは、イエローより“セドナ™”のほうがいいと思いオメガ コンステレーション マンハッタンを選んだ。セドナ™ゴールドはピンク色が鮮やかなオメガ独自のローズゴールド素材で、日本人の肌の色味ともマッチする。なによりモデル全体をとおして見たときに、チョコブラウンとの相性がいい!

 コンステレーション マンハッタンは3・9時に位置する爪がケース裏側にまで伸びたハーフムーンデザインが特徴で、時計を趣味としていない女性の手首の上でもよく見る(肌感覚の話となって恐縮だが、実際、知り合いに数人コンステレーション マンハッタンをつけている女性がいる。彼女たちは皆、時計に詳しいというわけではない)。30mm以下の小ぶりなサイズ感、6時位置にあしらわれた星、シームレスなリンクブレスレットといったエレガントな意匠が女性の心をつかんでいるのだ。

 価格も60万円台と、比較的手ごろに入手できる。プレゼントはもちろん、自分用チョコならぬ自分用チョコ時計として手に入れてもいい。とりあえずこの時計に思いをはせながら、今日は自分用チョコを買っていこうと思う。

価格: 61万6000円(税込)
その他の詳細は、オメガ公式サイトへ。


和田 将治 エディター、Webプロデューサー
キングセイコー SDKS007

チョコレートカラーの腕時計と聞いてすぐに思い浮かんだのは、ブルガリのオクト フィニッシモ イエローゴールドやロレックスのヨットマスター Ref.126621。ブルガリはチョコレート(実際に食べられる)も展開しているし、ロレックスのダイヤルカラーは名前がそのままチョコレートです。でもせっかくなら、僕が普段から愛用しているチョコレートダイヤルを備えたキングセイコー SDKS007をご紹介しようと思います。

 2022年に発表された本作は、1965年発売の2代目キングセイコーである“KSK”からインスピレーションを受けて現代的なデザインでリバイバルしたモデルです。ケースはスティール製で、デザインはオリジナルモデルのシャープな印象を与える多面カットを採用したものでありながら、サイズは直径37mm、厚さ12.1mmで、コロンとした可愛らしいプロポーションが特徴です。ライターカットが施された12時位置のインデックスなど“KSK”らしさを取り入れながら現代テイストに仕上がっています。

 リリース当初のダイヤルカラーは、シルバー、メタリックグレー、チャコールグレー、ブラウンとレッドの全5種類。最初は縦方向に筋目の入ったメタリックグレーが気になっていたのですが、あまり腕時計のダイヤル色として見かけないブラウンがとても気に入ったのがコレクションに加える決め手となりました。ダイヤルはサンレイ仕上げで、光の加減によってビターチョコレートからココア、ミルクチョコレートまでさまざまな雰囲気に表情を変えます。小ぶりなサイズでパートナーともシェアできるこのキングセイコーは、バレンタインにもぴったりなチョコレートカラーウォッチです。

価格: 22万円(税込)
その他の詳細は、セイコー公式サイトへ。


佐藤 杏輔 エディター
チューダー ブラックベイ 58 ブロンズ

チョコレートカラーウォッチを探してみると、同系色同士で色の相性がよくリッチな印象を与えるゴールドとの組み合わせのものが少なくない。チョコレートカラーダイヤルは以前から少し気になってはいたが、自身のライフスタイルのなかで金の時計をつけるようなシーンはあまり想像できず、かといってブラウンダイヤルというだけでは個人的に物足りなさを感じていたこともあり、これまで強烈に物欲を刺激されることはなかった。そんななかで唯一、そうした自身のイメージを払拭してくれる時計があったことを思い出した。チューダーのブラックベイ 58 ブロンズだ。

 本作は2021年に発表されたものだが、ケースからブレスレットに至るまでブロンズ(ブロンズとアルミニウムの合金)を使用しているという話題性のほうが強く、発表当時はチョコレートカラー云々という文脈で語られることはほとんどなかった。だが見れば見るほど、知れば知るほど、この時計は筆者にとって理想的なチョコレートカラーウォッチとなった。

 ダイヤルはチューダー曰く、マット仕上げのグラデーション“ブロンズブラウン”カラー。艶なしの絶妙な質感が、ココアパウダーをまぶしたチョコレートのような雰囲気を与えている。ブロンズ合金のケースの色合いや質感もまた好みだ。ゴールドとは異なる独特のダークトーンの色味を持ち、かつては軍艦のプロペラなど高い耐食性を要する部分に用いられていた素材というだけあって、ゴールドのような華やかさはないが無骨さやツール感を強く感じさせる。全体にサテン仕上げが施されているが、これは均質で美しいパティーナ(経年変化)を生むための措置だという。もちろんブロンズという素材の特性上、空気に触れたその時から急速なパティーナからは免れない運命にあるが、身につける人のライフスタイルに応じて、独特の変化が生み出されるというのは何とも所有欲をくすぐる。

 見た目に引かれたのが一番だが、時計としても極めて自分好みのポイントばかりであるところも気に入った理由だ。日常で心置きなく安心して使える200mの防水性を備えつつ、ケース径は39mmと大き過ぎず小さ過ぎない絶妙なサイジング。ブロンズ製ブレスレットはチューダー独自の“T-fit”アジャスティングシステム付きクラスプを備えており、コマを持ち上げてスライドさせるだけという簡単な操作で8mmの長さを5段階で調節することができ、いつでも最適なフィット感を得ることができる。それにイエローのラインが入った“ブロンズブラウン”カラーのジャカード織りファブリックストラップも付属するので、その時の気分やスタイルに合わせたつけ方ができるのも魅力だ。そして搭載するムーブメントは約70時間のパワーリザーブを持ち、COSCによるクロノメーター認定を取得した高精度な自動巻きCal.MT5400。これだけの至れり尽くせりの仕様でありながら、68万900円という高過ぎない価格設定であるところにも引かれている。

 強いて難点を挙げるとすれば、この時計がチューダー ブティック限定販売モデルという点だろう。チューダー ブティックは世界50店舗、国内だとBOLTE銀座、渋谷、大阪、広島、金沢の5店舗でしか購入できない。ただでさえ人気モデルは入手困難なのだ。ブティック限定モデルともなれば、推して知るべしである。それだけに、もしこの時計を手にできたのならきっと蜜月の関係が築けるだろう。

価格: 68万900円(税込)、チューダー ブティック限定モデル。
その他の詳細は、チューダーの公式サイトへ。


関口 優 HODINKEE Japan編集長
パネライ ラジオミール オットジョルニ

ラジオミール オットジョルニ Ref.PAM01347

 バレンタインデーとはおよそ似つかわしくない、マッシブなパネライを挙げることを許して欲しい。バレンタインデーのチョコレートにまつわることなどはすでに記憶の彼方のことで、僕にとってはもはやノスタルジーだ。この時計は“チョコレート色”という1点においてのみ本企画にマッチすると判断したもので、パートナーとシェアするとか、価格的にもちょっとしたハレの日のプレゼントに、などと思えるようなものでもない。ただ、圧倒的に自己満足を叶えてくれる1本であることは間違いないのでシェアさせてもらう。

 このラジオミールは“オットジョルニ”と呼び名を変えているが、かつて8デイズと呼ばれていたモデルだ。2013年(もう10年以上前!)に開発された手巻きCal.P.5000を搭載し、パネライの伝統である8日巻きを現代に伝えているモデルである。このキャリバーはサイズが35.7mmと大型で両持ちのテンプ受けとダブルバレルが特徴。とにかく頑丈に、愚直に動き続けることが求められた、パネライの軍用の出自を強く感じさせるものなのだ。まさに男の浪漫に傾倒したパッケージに包まれており、改めて今日という日に紹介すべき1本ではないなあと思いつつ、このラジオミールが特別なところはまだある。

Cal.P.5000

 ラジオミール オットジョルニは、P.5000を搭載した他のモデルと比べても一段上のプライスゾーンに位置していて、同スペックのルミノールが100万円ほどなのに対して、30万円程度プラスする必要がある。しかしながら本機にはブラックのPVD加工が施されたパネライによる最新世代のスティール素材が用いられ、さらに手作業でわざわざ表面を荒らした加工を施している。すべてはヴィンテージ感を醸し出すためなのだが、願っても手に入ることはないオールドパネライを思うと好意的に思える仕上げだと思う。事実、他の8デイズモデルともラジオミールとも一線を画した見た目となっており、この美的感覚に引かれて追加の予算を捻出するのは悪い話ではないだろう。

 それにしても、近年、コレクションを整理し効率を高めることへ舵を切っていた印象のあるパネライが、ケースへの手仕上げをわざわざ加えたことは、このモデルへ特別感を与えていると思う。それはパネリスティへ向けたギフトなのかもしれないし、新しく生まれることはないヴィンテージウォッチの代わりを追求する、終わることのないノスタルジーなのかもしれない。

価格: 129万3600円(税込)
その他の詳細は、パネライ公式サイトへ。