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Hands-On ピアジェ 80年代黄金期をリバイバルしたポロ 79を発表

ピアジェ創業150周年記念の幕開けとともに、80年代特有のエレガンスさと過剰さが戻ってきた。

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Photos by Anthony Traina

ピアジェのポロが復活を果たした。新作は、ピアジェが現代的なスポーツウォッチとして2016年に発表したモダンなポロではなく、後に1980年代を象徴する時計となった、1979年発表のオリジナルのスポーツシックなポロだ。

piaget polo79 review

 これは初代ポロをアップデートしたピアジェ ポロ 79だ。38mm径のイエローゴールド無垢で、ブレスレットとケースがシームレスに組み込まれている。ケース、ブレスレット、文字盤に至るまで、ポリッシュ仕上げのゴールドゴドロン装飾(水平のライン)がサテン仕上げのゴールドに溶け込んでおり、ポロの特徴的な美しさが表れている。イヴ・ピアジェ(Yves Piaget)の“ブレスレットウォッチ”というアイデアが現代によみがえったのだ。オリジナルのポロを忠実にアップデートしたポロ 79はまさに、私たちがピアジェに求めていたヘリテージインスパイアのモデルである。

 ポロ 79は、ケース、ブレスレット、文字盤、針に200g近い18KYGを使用している。38mm径と7.35mm厚というサイズは、オリジナルのポロよりも大きく、太く、エレガントさに欠ける。しかしゴールドを成形するために費やした作業と職人技はすぐにわかる。フィット感と仕上げのよさは他の追随を許さない。サテン仕上げを施したゴールドブレスレットはシャープかつ繊細で、ブレスレットのエッジに施されたポリッシュ仕上げのゴドロン装飾や面取りとのコントラストが美しい。とても印象的なジュエリーである。ブレスレットはデプロワイヤントクラスプに向かって細くなっており、ゴドロン装飾やリンクのパターンを邪魔しないよう完全に隠されている。

piaget polo79 wrist shot

 ポロ 79の最も重要なアップデートはムーブメントだ。クォーツではなく、代わりに2.35mm厚の自動巻きマイクロローターを取り入れた、ピアジェの超薄型Cal.1200P1を搭載している。ピアジェは、ポロ 79でエレガントなブレスレットウォッチと超薄型時計という、時計に対する最も重要なふたつの要素をひとつのパッケージに統合した。

piaget polo79

 文字盤はほかのポロの延長線上にあるようなシンプルなもので、サテン仕上げのゴールドとポリッシュ仕上げのゴドロン装飾が、フラットなクリスタルの下に配置されている。12時位置には、“PIAGET”の文字をブランドの伝統的なフォントでプリント。オリジナルと同様、ポロ 79にはサテン仕上げのゴールド製2針があるのみで、秒針はない。

 ピアジェ ポロ 79の希望小売価格は1060万円(税込予価)である。


我々の考え
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私はオリジナルのポロを愛していると公言してきたが (私のコレクターズガイドはこちら)、ポロ 79はこのレガシーにふさわしいものである。1979年、ピアジェはオリジナルのポロ Ref.7661(34mm)とRef.761(27mm)を発表しており、両モデルともにメゾンの新しい極薄クォーツCal.7Pを搭載している。これらの時計は70年代を代表するスポーツウォッチからインスピレーションを得ており、それはピアジェ独自のエレガントで豪奢なものであった。

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 オリジナルポロは金無垢で薄く、スイス全土で最も恐ろしい6文字の単語(quartz)であった。ピアジェが2016年に発表したモダンなポロにも活躍の場があるが、それはポロではない。80年代のラグジュアリーウォッチを象徴するポロのエスプリと、臆面もない過剰さが失われている。

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 ピアジェはポロ 79でその魔法の一部を取り戻した。多くの人がオリジナルポロの復刻を望んでいた、あるいは少なくとも求めていたものだ。ポロ 79はオリジナルポロに似ているかもしれないが、腕につけるとまったく違う体験ができる。初代のフルサイズのポロよりも4mm大きく、厚くて重さがある。これは絶対的なYGの重厚感によるものだ。オリジナルポロほどエレガントではなく、もっと豪華なのだ。実際に見てみると、その輝きは素晴らしい。

piaget polo79 caliber 1200p
piaget polo79 caliber 1200p

 ある意味で、ポロ 79は“常にそうあるべきだったがいままでなかった”ポロである。コレクターズガイドでも記載したように、ピアジェは自動巻きポロをいくつか製造したが、それは今日のピアジェのコレクターからしたら真の宝である。それはピアジェの金細工技術と、超薄型時計という製造技術の究極の融合だった。今、その融合はより大きな規模で実現された。

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 大きいサイズのポロ 79は、私の細い手首のために合わせてつくられた時計ではない。いくつかの写真を見てもらえればわかると思うが、ガッシリとした手首につけても艶っぽく見えるし、それをつけこなす人たちにちょっとした嫉妬を感じた。ブレスレットのサイズが合わなかったため、もしかしたらよりよいフィット感が得られたのかもしれないが、重量がありゴールドカフスのように装着できる。最高の意味で仰々しく、派手だ。時計を手に取るたびに手にずっしりとした重みを感じて、笑わずにはいられなかった。ブレスレットはケースよりも少し薄く、美しいヴィンテージブレスレットのように手首に垂れることもない。とはいえ、ゴドロン装飾と比較的短いリンクの明瞭さが、快適なつけ心地のよさを生み出している。

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 初代ポロが画期的だったのは、誰にとっても同じデザインだったことだ。ピアジェは大きいサイズと小さいサイズ、ラウンドとスクエアの両方のバージョンを提供していた。広告では、“彼または彼女のための究極のスポーツウォッチ”とうたわれていた。

 ピアジェがこの38mmバージョンと一緒に、32mmのミドルサイズのポロをリリースするのを見てみたかった。また、ポロは時計のブレスレットではなくブレスレットの時計であるというイヴ・ピアジェの考えを実現した、ケースとブレスレットが完全に一体化したラウンド型よりも、ヴィンテージのスクエアポロのほうが好きだ。ラウンドシェイプのほうがよく知られているかもしれないが、80年代はスクエアポロのほうがはるかに人気があった。ラウンドポロほどの商業的魅力がなくとも、スクエアポロが登場することを願っている人は、私を含め多く存在するだろう。

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 ピアジェに限らず、どのブランドもこのリリースを超える2024年モデルを出すのは難しいかもしれない。ポロ 79は、2024年にポロがどのような存在になり得るかを模索する始まりに過ぎないことを願っている。ピアジェは80年代を通じて、ストーンダイヤル、ダイヤモンド、その他のケース素材など、あらゆるカスタマイズオプションのポロを提供してきた。80年代にポロが文化的に大きな注目を浴びたように、今日、同じような瞬間を迎えたのだと感じる。

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自身の手首で着用した。

 より広い意味では、ポロ 79はピアジェがその豊かな時計製造の伝統を、現代のコレクションに継承し続けるための、より協調的な努力を表していると望む。ピアジェは時計とは何かというほかに類を見ない唯一無二の視点を持っており、この視点は失われるべきではない。

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ポロ 79をガッシリとした手首で着用。

 1060万円(税込予価)というポロ 79の価格は、少なくとも抽象的なものとしては不快ではない。大量のゴールドから成る時計だ。ゴールドケースとブレスレットは美しく仕上げられ、約200gもある。問題があるとすれば、競合他社とのクロス販売(購入検討している商品のほかに、ほかの商品も同時に買ってもらうマーケティング手法)を始めるときだ。1060万円(税込予価)もあれば、ほとんどのブランドにダメージを与えることができる。ただし既存のポロとは異なり、ポロ 79は市場に真の競争相手がいない。ポロはそれ自体が独自の価値を持っているのだ。ポロが復活してうれしく思う。

piaget polo79

ピアジェ ポロ 79。イエローゴールドケース、38mm径×7.35mm厚、50m防水。自動巻きのCal.1200P1搭載、厚さ2.35mm、2万1600振動/時、約44時間パワーリザーブ、マイクロローター駆動。希望小売価格は1060万円(税込予価)。限定モデルではないが、限定生産となる。