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Staff Picks 2024年のうるう年につけたいおすすめパーペチュアルカレンダー

パーペチュアルカレンダーを最後にセットするときが来た。今こそ、数少ない力を発揮できるチャンスである。

2月は私の好きな時計学的祝日があり、それは4年に1度しか巡ってこない。そう、2月29日はうるう日だ! もしあなたが、幸運にも最も複雑なグランドコンプリケーションを持っているのであれば、ほこりを払って、 (1度だけ)カレンダーが適切にセットされているかを確認し、日付が変わる瞬間を見守るときがきたということだ。4年前、私たちスタッフはお気に入りのパーペチュアルカレンダー(フランス語でquantième perpetuel、略してQP) を選んだが、4年ぶりに同じことをやり直すことにした。

Patek Caliber 89

パーペチュアルカレンダー(左)もあれば、パテック フィリップ Cal.89のような、真に特別なパーペチュアルカレンダーもある。

 1年は365日というわけではないことを思い出して欲しい。365.25日ですらなく、むしろ365.2425日だ(それも正確ではなく、365.24219日に近い)。地球が太陽を回転するのにかかる実際の日数と、暦のずれを調整するためには、グレゴリオ暦に4年ごとに1日を追加する必要がある。次に100で均等に割り切れる間隔ごとに、うるう年を飛ばす。それから、うるう年は400で割り切れる間隔ごとに迎える...理解できただろうか?

 この4年間で忘れてしまった人(あるいは時計に慣れていない人)のために説明すると、うるう年はともかく、2月でも混乱するシンプルなカレンダーとは異なり、パーペチュアルカレンダーは(多くの場合)すべてを計算してくれるが、大抵100年ごとにリセットする必要がある。

Furlan Marri Perpetual Calendar

ファーラン・マリのセキュラーパーペチュアルカレンダーは、Only Watch 2023のオークションに出品されると発表された(実際には出品されなかったが)。Photo by Mark Kauzlarich

 4年前、私は今年のうるう年までにパーペチュアルカレンダーを手に入れると自分に誓った。ただパーペチュアルカレンダーには信じられないほどの複雑機構が搭載されており、その多くは10万ドル以上のため高い(そして率直に言って不可能に近い)目標であった。確かに、より“手頃な”選択肢はあるにはあるがそう多くはない。まあ結果的に目標は達成しなかった。しかし、この4年間で、より入手しやすい価格のQPが市場に出回るようになった。バルチックとファーラン・マリは、Only Watchのためにパーペチュアルカレンダーをリリースした(ファーラン・マリのカレンダーは独創的な設計であり、100年に1回の調整がいらない)。今後数年のうちに、このようなブランドから魅力的なリリースが発表されることだろう。

 今回はとりあえず、HODINKEEチームのメンバー数人を集めて、2月29日に着用したい(すでに存在しているもので)お気に入りのパーペチュアルカレンダーを選んでもらった。夢を見るには絶好のタイミングだろう(そして来たる4年後の貯蓄計画を立てるのもいいかもしれない)。いくつかのブランドはこの複雑機構を巧みに使いこなし、その歴史と密接に結びついているため、リストに複数回ランクインしている。まずはそのうちのひとつから。


パテック フィリップ Ref.3448
Patek 3448

 少し前、ある親切なヴィンテージウォッチのディーラーに、3448の市場はどうなっているのか尋ねた。彼の答えは“今のところ3448を探している人は、HODINKEEのオフィスの外にはあまりいない”だった。

 少し前よりも安くなったということであり、それはそれでうれしかったのだが、3940が世界を熱狂させ続けている一方でなぜパテック初の自動巻きパーペチュアルがうまくいっていないのだろうかと疑問に思った。私にとって、3448は2526のようなものだ。世界で最も重要な高級時計マニュファクチュールであるパテック フィリップの、デザインとムーブメント両方の全時代が凝縮されている。サイズもちょうどいい。そして読みやすい。また2499、5970、あるいはほかの手巻きパーペチュアルとも違う。私にとって3448は、プラチナ、ホワイト、イエローのどれも完璧な時計なのだ。

ベン・クライマー


オーデマ ピゲ 33mmのロイヤル オーク パーペチュアルカレンダー 25800BC

 33mmのホワイトゴールド製ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダーで、文字盤はイエローだ。ここで止めてもいいくらい、彼女は完璧すぎる。

 25800は、おそらく33mmという小さなサイズのためか、レアなリファレンスである。オーデマ ピゲのQPのなかで唯一、Cal.2141/2806を搭載している。非常に限られた数しか生産されていないこのベビーQPは、私の究極のペールブルーウォッシュバギーデニムとクロップドボンバーのジャケット、ミニリュックという、90年代のノスタルジーと並ぶアンサンブルウォッチだ。『クルーレス(原題:Clueless)』のシェール・ホロヴィッツ(主人公)が登校する初日、黄色いチェック柄の学生服の下にこれを着用している姿を想像せずにはいられない。25800の底なし沼に連れて行ってくれたカーラ・バレットに感謝する。彼女はYGにブラック文字盤の個体を所有しているが、それも完璧だ。

 でも、このWGとイエローダイヤルの組み合わせがいい。私が初めてサザビーズで見つけたとき、イエロー文字盤のロレックス オイスター パーペチュアル(私はこの時計を個人的なコレクションにしようと考えていた)に対して抱いていたポジティブな感情は、あっさりと打ち砕かれた。オーデマ ピゲは今、私の非常に長い“買いたいけどまだ手が届かないもの”リストのなかで、イエローダイヤルの優位性を主張している。私は大のオフショアファン(スモール/ミディアムサイズ)なので、この25800へのこだわりは当然だ。通常のロイヤル オークのなかでは最もオフショアに近い外観であり、パンチの効いたカラーにホワイトメタル、そして小径なのにやや厚みのあるサイズが特徴だ。この複雑な美しさは、私が精神的にポリッシュよりもエッジさを選びたくなったときのためのものだ。

マライカ・クロフォード


A.ランゲ&ゾーネ ランゲ1・パーペチュアルカレンダー

 僕が好きな時計のデザイン要素のひとつは、文字盤の表面に特定の機能を無数に配置したものだ。さまざまな組み合わせのマルチタイムゾーンに引かれる理由であり、またそうではないパーペチュアルカレンダーによっても強調されるものである。もちろん標準的なフォーマットは、うるう年の日付と位相を示す小さなインダイヤルがメインだが、それが唯一の選択肢というわけではない。

 A.ランゲ&ゾーネは、魅力的なランゲ1・パーペチュアルカレンダーでQPを再考した僕のお気に入りモデルのひとつを製造した。QPの伝統的なレイアウトを完全に覆すデザインであるが、ランゲ1特有のデザイン言語も尊重されている。2桁のアウトサイズデイトは、曜日を示すレトログラード針によって補完される(本来であれば週末が一番上に来る)。そして月が表示された縁にある回転リングを6時位置にある矢印で示す。最後に、その月の矢印のすぐ上に、うるう年の小さな開口部がある。非常に素晴らしい。

 ランゲ1の特徴であるアシンメトリーにより複雑さが後塵を拝しているため、ちらっと見ただけではそれがQPであることに気づかないかもしれない。42mm径プラチナケースの時計を真に控えめなものとは言えないが、従来の派手なコンプリケーションを控えめにしたのは間違いない、ため僕は気に入っている。

ジェームズ・ステイシー


パテック フィリップ Ref.5004

 パテック 5004だ。これ以上説明する必要があるだろうか? と言われそうなので手短にしておこう。

 スプリットセコンド、パーペチュアルカレンダー、レマニア製ムーブメント。そして素材や文字盤インデックスから、好きな仕様が選べる。これはここ30数年のうち登場した究極のパテック フィリップであり、ヴィンテージとモダンのギャップを埋めてくれる。多くの人が、“最後の偉大なレマニア時代のパテック”と呼んでいるものだ。しかしそれは何を意味するのだろうか? 偉大なるパテック フィリップが最初の自社製クロノグラフウォッチ用キャリバーを発売したのは2009年のこと。それ以前は3本のクロノグラフキャリバーをベースにしていた。レマニア 2310エボーシュをベースにしたCal.27-70は、この3つのうちの最後のモデルであり、そして5004の登場により、パテックウォッチに初めてラトラパンテとパーペチュアルカレンダーをもたらした。そして時計愛好家からひとつ言うことがあるとすれば、たとえ新しいものが“技術的に優れている”としても、“古きよき時代”を懐かしんで欲しいということだ。

Tony Kavak's 5004J

昨春のジュネーブ・オークションに参加していたトニー・カヴァック(Tony Kavak)所有の、5004J ブレスレット。

 私がこの時計について聞いた唯一の不満は、少し厚みがあるということだが、それでも信じられないほど素晴らしいピースであることに変わりはない。長いあいだ、私の一番憧れの時計だったが、まあおそらく手に入れることはないだろう。ただ昨年の春に、8時間ほど試着させてもらったことがあり、そのときのことを今でも思い出す。(非常に高価な)時計のことを訊かれるのがどんなに居心地が悪かったか。アイコンを身につけるとそうなるのだ。

 5004のように革新的でありながら、ブランド史の中核(他社の優れた作品を使用し、それを新たにほぼ完璧なレベルまで引き上げる)を守り続けている時計には、どこか懐かしさを感じるものがある。さらにパテックは2011年、スティールケースモデルのRef.5004A(合計50本のみの予定)と、Only Watchのためのチタン製ユニークピースを、完璧な形で送り出した。幸運にもRef.5004Aを何度か手にしたことがあるが、貴金属製のケースよりもはるかに軽いため小さく感じる。Ref.5004のうち約250本が製造された。そのなかでもし私が1本選ぶとしたら、エリック・クラプトン(Eric Clapton)やロニ・マドヴァニのような、ブレゲ数字をあしらったレアモデルよりはるかにいいものを見つけたいが、欲を言えばきりがない。ベンが言ったようにプラチナ、ホワイト、イエロー、ローズのどれを選んでも間違いはない。

マーク・カウズラリッチ


ブルガリ オクト フィニッシモ パーペチュアル カレンダー
Bulgari Octo Finissimo Perpetual Calendar

 ここで私が選んだのは、自身のなかの逆張りによって生まれた産物である。QPとなると、イレギュラーなものや頭を悩ませるような不可解なものに引かれる。ブルガリのオクト フィニッシモ パーペチュアル カレンダーを不可解なデザインと呼ぶのは言い過ぎかもしれないが、この40mmの時計がわずか5.8mm(ムーブメントは3mm以下)の厚さで提供されたという事実に、またブルガリが超薄型時計製造の原則に忠実であったことに、いつも驚かされるのだ。2021年に発売されたときには世界記録を更新しており、そしてかなりの頻度でこの作品について考えている。

 そして、それを選んだ背景には美的な理由もある。ブラスト加工されたチタンケースとブレスレットが特徴的なブルガリ オクト フィニッシモをまだ体験したことがない人には、ぜひおすすめしたい。それを身につけることは、デザインと時計製造の真の融合を体験することになる。これがブルガリを何度も何度も記録達成させる原動力となっている。私は時刻表示のみのものからクロノグラフ、QPに至るまで、オクト フィニッシモラインのデザイン精神が大好きだ。ここではパーペチュアルカレンダーについて話しているので伝えるが、これは私が最も気に入っているオクトのひとつである。文字盤には複雑な情報が表示されているが、全体的なコレクションとのバランスが取れているように感じる。さらに裏返してマイクロローターを備えたCal.BVL 305を見たら驚嘆することだろう。

 これは歴史と伝統に彩られた複雑機構なのだ。ゆっくりと落ち着いて、今回選んだ時計の方向性を考えたとき、私は特定のモダンデザインモチーフを代表する時計を選ぼうと思った。それが今日の時計であり、今日のパーペチュアルカレンダーである(それも世界記録を持つ)。そして私にとっては、ただ単純にクールなものなのだ。

ダニー・ミルトン


カルティエ パシャ ミニッツリピーター パーペチュアルカレンダー

 私は最近ジェンタデザインのカルティエ パシャに夢中になっているので、今一番好きなパーペチュアルカレンダーを挙げよと言われたとき、このYG製パシャ オートマティック ミニッツリピーター パーペチュアルカレンダーが頭に浮かんだ。

 文字盤には、フォントから各インダイヤル内のさまざまな機能を持つ渦巻き状のレイアウトまで、まるでおとぎ話のような趣がある。おそらく無意識のなか、中央に位置するゴールドのムーンフェイズとそれを囲む青いアクセントが、私に『おやすみなさいおつきさま(原題:Goodnight Moon)』という本を思い出させるのかもしれない。これは私にとって非常にポジティブな連想である。

 タンクとパンテールへの愛情をすぐに捨てるつもりはないが、パシャの独特の大胆さには何か味わい深い魅力があり、ますます興味をそそられる。これはパーペチュアルカレンダーとYGが関係しているときに、最も強く感じられる。この1989年製のリファレンスはずっと前、2020年のAuctions記事で取り上げたものであり、さらによりよいものとしてミニッツリピーターが付いている。財布のことを考えると、簡単に手に入る現実的な選択ではない。今のところ、私と私の揺るぎない愛情の対象のあいだに画面を挟んで物事をうまく進めるしかない。

エリン・ウィルボーン


オーデマ ピゲ 25668PT “オープンワーク”
Audemars QP 25668 "Open Worked"

Photo by Tony Traina.

 これを書いているあいだに、マライカもオーデマ ピゲのQPを選んだようだ。しかもそれだけではなく、そのWGのロイヤル オークには、正直なところ今日まで存在を知らなかったイエロー文字盤が付いている。

 私にとってこのRef.25668は、オーデマ ピゲのQPのほぼ対極を成す。オーデマ ピゲは常にパーペチュアルカレンダーメーカーである(ただ私の言うことは聞かないで。ステイシーの言うことを信じて)。1978年、オーデマ ピゲは初の超薄型パーペチュアルカレンダー Ref.5548を発表した。私は初めてのものにこだわる愛好家のひとりであり、オーデマ ピゲのQPを愛してやまない。それは超薄型QP時代全体の先駆けとなり、すぐにパテック、ヴァシュロン、そしてほかの多くの時計メーカーが独自の超薄型パーペチュアルを製造してあとに続いた。

 しかし、ジェラルド・ジェンタ(Gérald Genta)の弟子であるジャクリーン・ディミエ(Jacqueline Dimier)がデザインしたAPは、今でも私のお気に入りである。

 オーデマ ピゲによると、同社は1978年から90年代初頭までの15年間で、約7200のパーペチュアルカレンダー(ロイヤル オークQPを含む)を製造した。これらのうちプラチナ製のRef.25668はわずか79本であり、この時代の70を超えるリファレンスと200のオーデマ ピゲのQPバリエーションのなかでも、最も希少なひとつとなっている。

 そしてロイヤル オークのような大きさや重量、特に鮮やかなイエローダイヤルはない。しかし、なぜか手首の上で存在感を放つ。その理由のほとんどは印象的なスケルトナイズであり、80年代のクォーツショックを止めるために叫ぶようなものだったに違いない。“これが機械式時計だ! これからも存続していく”。そして今、この時計が鮮やかなイエローのロイヤル オークと並んで存在していたことを知り、さらに好きになった。

トニー・トライナ


オックス・ウント・ユニオール パーペチュアルカレンダー
Ochs Und Junior

 私のお気に入りのパーペチュアルカレンダーは、オックス・ウント・ユニオールのパーペチュアルカレンダーである。そう、これは私が所有しているもののため少し偏っているかもしれない。しかし複雑な部品や機構がもてはやされる時計業界のなか、オックス・ウント・ユニオール パーペチュアルカレンダーが(賛否両論あるものの)ミニマリズムを賛美する時計として存在している事実が好きなのだ。文字盤には数字や針を使用せず、無限にカスタマイズ可能なドットやディスクを採用。創業者ルートヴィヒ・エクスリン(Ludwig Oechslin)が手掛けたパーペチュアルカレンダーコンプリケーションは、300以上の複雑なパーツの代わりに、時刻表示のみのユリス・ナルダンキャリバーに9つのパーツを追加しただけである。何よりも重要なのは、パーペチュアルカレンダーコンプリケーションなのにリューズで完璧に前後調整が可能で、100mの防水性があることだ。生活において最も日常的に着用できるパーペチュアルカレンダーのひとつである。

 オックス・ウント・ユニオールとルートヴィヒ・エクスリンのデザイン哲学を知らない人は、彼のデイトディスプレイに対する考えを読むことを強くおすすめする。彼のドットと円の表現が、日付窓を指標とする“問題”を解決しようとしていることがよくわかる。個人的な経験からお伝えすると、文字盤には複雑機構の情報を説明するための文字がないため、ほかの人から見ると目立たないものの、パーペチュアルカレンダーのディスプレイは非常に直感的で読みやすい。

 また私がこの時計を愛しているのは、それを取り巻くコミュニティのおかげもある。私がInstagramで出会った熱心なオックス・ウント・ユニオールファンのなかには、このブランドへの情熱を共有するのが大好きな人がたくさんいる。また私の所有する時計の製造プロセスも感慨深いものだった。というのも2019年、ルツェルン本社にて、共同創設者であり当時CEOだったビート・ヴァインマン(Beat Weinmann)と一緒に時計を組み立てたのだった。確かに特定のコンプリケーションウォッチのなかでは非常にニッチな製品であることは間違いないが、今年のうるう年、私の手首には何の時計がついているかははっきりしている。

タンタン・ワン


ハブリング² クロノ フェリックス パーペチュアル
Habring Chrono Felix Perpetuel

Image: courtesy of HorologyByTheSea.com

 なぜハブリング²への愛がないのか理解できない。このブランドは独立系とは異なる。時計業界では、著名なインディペンデントブランドの大多数が、昔ながらのクラフトマンシップを前面に押し出した“かつての”時計を製造していることで称賛されているが、ハブリング²はインディペンデントであることの意味について違う意見を持っている。一般的なインディペンデントは、ヴィンテージパテックやブレゲ、1900年代以前の脱進機技術などのアイデアを参考にしているが、リチャード(Richard)&マリア・ハブリング(Maria Habring)夫妻はより工業化された時計界にルーツを持つ。そしてそれを明らかにしている。このブランドはユニークで、オーストリアならではの実用性を追求した時計を手作りしているのだ。

 理解するのが難しいかもしれないが、それはますます混雑する業界においてブランドを差別化してくれる。そう、彼らのムーブメントの多くはバルジュー 7750(または7760)とメカニズムを共有しているのだ。鼻であしらう人もいるかもしれないが、これはバルジューの品質でも仕上げでもないし、ぜひその人たちにはハブリング2の実機とムーブメントを見て欲しいと思う。実際2017年の時点で、ハブリング²はスウォッチグループから部品をひとつも共有しておらず、すべてのコンポーネントは社内で製造されるか現地で調達されている。

 今度はクロノ フェリックス パーペチュアルについて。私の目には、これがブランドのなかで最高の時計に映る。ハブリング²の製品に対する以前の批判は、ケースのサイズと厚さに集中していることが多かったが、これは2014年に時刻表示のみのフェリックスとして初めて取り上げられ、そして38.5mm×13mmのパーペチュアルカレンダークロノグラフとして完成した。同レベルの複雑機構を搭載したハブリング²最後のモデル、パーペチュアル・ドッペルのサイズが43mm×12mmであったことを考えれば、このスペックは飛びぬけているはずだ。

 私はこの時計が大好きだ。ステップベゼルを備えたセンスのあるケースから、8つのブレゲ数字インデックスがぶつ切れることなく配置された、巧みなプロポーションのダイヤルデザイン、そして全体的にすっきりとした雰囲気まで、クロノ フェリックス パーペチュアルは私がパーペチュアルカレンダークロノグラフに求めるすべてを備えている。ただ今後のダイヤルオプションに注目している...サーモンダイヤルが好きではないのだ。ごめんなさい!

リッチ・フォードン