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Bring a Loupe ロレックス “プレデイトナ” Ref.6234、ダブルサインのエクセルシオパーク デシマル、エテルナ初期のコンチキなど

優れたコンディションのロレックス クロノグラフをはじめとする、オンライン上で見つけた4本のヴィンテージウォッチ。

本稿は2017年9月に執筆された本国版の翻訳です。

今回紹介する時計は、記事のTOP画像に選んだ素晴らしいコンディションのロレックス クロノグラフ Ref.6234(値段もそれに見合ったものだった)以外はほぼすべてEbayで見つけたものだ。Ebayでは、ギャレット デシマルに酷似した(それにはちゃんとした理由がある)エクセルシオパーク/ジンのダブルサイン デシマルと、トロピカルな ダイヤルを持つ初期のエテルナ コンチキ ダイバーを見つけた。そしてセレクションの最後を飾るのは、フルセットでお届けするドレッシーなヴァシュロン・コンスタンタン Ref.6273だ。これが今回のBring A Loupeのすべてである。


エクセルシオパーク デシマル ダブルサインダイヤル
Excelsior Park Decimal

 ヴィンテージ ギャレットの人気が高まって久しいが、なかでもマルチクロン デシマル クロノグラフは、そのキャッチーなルックスのおかげか最もホットなモデルのひとつとなっている(その素晴らしさについては、概略をこちらで読むことができる)。興味深いことに、これらの時計に搭載されている手巻きクロノグラフムーブメントは、エクセルシオパークのCal.EP40である。これは、このダイヤルに施された一風変わったブランド名の説明にも役立つ。

 確かにダイヤルにはエクセルシオパークの表記があるが、それだけではなく“Sinn”の文字も確認できる。これはふたつのブランドの密接な関係を考えれば驚くにはあたらず、ジンはクロノグラフモデルにしばしばエクセルシオパークのキャリバーを使用していた。デシマルは非常に希少なモデルであり、2003年にも目撃されているようだが、最近の痕跡は5年前の掲載品のみである。この個体は、ダイヤルに若干の経年変化(と多少のシミ)が見られるものの全体的に素晴らしいコンディションを保っており、ゲイ・フレアー製と思われる年代もののブレスレットが付属している。

Excelsior Park Decimal caliber

 このエクセルシオパークのデシマルは、Ebayで(執筆当時)3日を残して3000ドル(当時のレートで約32万7000円)強の入札が入っている。

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素晴らしいダイヤルを持つロレックス クロノグラフ Ref.6234
Rolex pre-daytona Reference 6234

 デイトナは間違いなくロレックスで最も有名なクロノグラフだが、まったくの白紙から作られたわけではない。オイスターケースの採用は、初代デイトナ Ref.6239が発表されるよりも以前から行われており、Ref.6034、Ref.6234、Ref.6238はすでにオイスターケースの恩恵を受けていた。このため、これらのモデルはしばしば“プレデイトナ”という愛称で呼ばれるが、見てわかるとおり、私たちの知るデイトナに至るきっかけとなった重要なデザイン変更であるベゼルの目盛りがない。

 今回紹介するRef.6234はほぼ完璧な状態のダイヤルを備えており、そのデザイン本来の美しさを堪能することができる。外周の目盛りには、1950年代の典型的なプリントと配色が見られる。積算計の3/6/9の区切りは、3分単位で国際電話をかけるために使われていたものである。ケースのコンディションも申し分なく、ポリッシュ仕上げは施されていないと説明されているが、太いラグから判断するにそのとおりで間違いないだろう。ラジウム夜光は、針とダイヤルのマーカーに調和した非常に美しいパティーナ(古艶)を帯びている。

Rolex  6234 dial

 この非常に素晴らしいロレックス Ref.6234は、(執筆当時)8万5000ユーロ(約10万2000ドル、当時のレートで1119万円)で提供されている。これは強気な金額のように思えるが、販売者はこのコンディションがプレミア価格に値すると考えているようだ。


エテルナ コンチキ ダイバー トロピカルダイアル
Eterna KonTiki Diver

 コンチキの名は、ノルウェーの探検家トール・ヘイエルダール(Thor Heyerdahl)が率いた素晴らしい探検に由来しており、彼は1947年にエテルナを着用していたと伝えられている。この名前はエテルナの多くの時計に使用され、そのなかには軍用ダイバーズウォッチもあった。今回のコンチキは、ブランパンのフィフティ ファゾムスやロレックスのサブマリーナーからわずか数年後の1958年に発表されたあまり知られていないモデルである。そのデザインは視認性を重視していて、そのために針やインデックスにはたっぷりと夜光塗料が施されている。

 この初期のコンチキのブラックギルトダイヤルには、特にその中央に、コレクターのあいだでトロピカルと呼ばれる明らかな経年変化が見られる。エテルナマチックという名前から推測できるように、この時計は自動巻きムーブメントを搭載しており、37mmという直径が優れた装着性を実現している。この時計はゲイ・フレアー製のオリジナルブレスレットに装着されており、出品者は過去60年間にリューズとガラスのみを交換したと明かしている。

Eterna KonTiki advertising

 この初期のエテルナ製コンチキは、(執筆当時)Ebayで3450ユーロ(約4130ドル、当時のレートで約45万円)のBuy-It-Now価格で売りに出されている。

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ヴァシュロン・コンスタンタン  Ref.6273 元箱、書類付き
Vacheron & Constantin Reference 6273

 Ref.6273は、1950年代のヴァシュロン・コンスタンタンに見られるスリムでエレガントなデザインが特徴である。一方でムーブメントはオーデマ・ピゲも採用していたジャガー・ルクルト製エボーシュ、Cal.818をベースとするCal.1001(2.94mm厚)を搭載している。その仕上げの美しさは、さすがヴァシュロン・コンスタンタンといったところだ。アプライドインデックスとマルタ十字、そして浮き上がったエナメルのシグネチャーからは、ダイヤルの仕上げにも同様に細心の注意が払われていることがうかがえる。

 このイエローゴールド製のRef.6273は、コンディションが素晴らしいだけでなく、オリジナルの箱や書類なども付属している。裏蓋には“Movie Star 25 Ted Littel”という興味深いエングレービングがあり、この時計の過去の所有者を知る手がかりになるかもしれない(グーグル検索してもなかなかヒットしなかったが)。直径32.5mmは1950年代当時の標準的なサイズであり、ケースの相対的な薄さを考えると、手首に装着するとひと回り大きく見える。

Vacheron & Constantin 6273 full set

 Vesper & Coは、この見事なヴァシュロン・コンスタンタンのドレスウォッチを(執筆当時)5995ドル(当時のレートで65万3500円)で出品しており、フルセットであることに加え、最近オーバーホールを受けたことも強調している。