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March 06, 2021
Introducing カルティエ タンク サントレ 100周年限定モデル(編集部撮り下ろし)

Introducing カルティエ タンク サントレ 100周年限定モデル(編集部撮り下ろし)

警告: 前方に危険なカーブあり。

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先日、カルティエは、静かに新しい時計を発表した。正確には新作ではないし、「発表」もされていないのだが。この時計の生誕100周年を記念した、新しいカルティエ タンク サントレ リミテッド エディションの写真が、Instagram上の真面目なカルティエコレクターたちの間で流れ始めた。カルティエが最近の記憶の中で最も魅力的なタンクの一つを、単に顧客に届けて、後はインターネットに任せて発売するという選択したにも関わらず、この時計は一夜にして有名になった。

 カルティエ タンクは、1919年に発売され、初代タンク ノーマルの発売から15年ほどの間に、ルイ・カルティエ指揮のもと、ほぼ全ての主要なバリエーションが発表された。アロンジェ、サントレ、バスキュラント、その他多くのモデルは、腕時計の歴史の中では類を見ないほどの創造的なエネルギーに溢れていた。ノーマルの最初のバリエーションモデルが、1921年のサントレだった。独特のカーブがかかったケース(サントレは「湾曲」を意味する)は、細長いデザインに圧倒的な存在感を与え、そのサイズにも関わらず非常に快適な着け心地を実現している。

 カルティエは、タンク サントレの100周年を記念して、新しい限定モデルを発表。このサントレは、特定のヴンテージモデルを正確に再現したものではないが、多くのクラシックなヴィンテージモデルの優雅さを体現している。100周年記念モデルは、1921年のオリジナルデザインの魅力を正確に再現していると言っても過言ではないだろう。本モデルがもちあわせている多くの点は、見たことのない人には些細なことのように見えるかもしれないが、それらが一体となって魔法をかけているのだ。

 全てのタンクと同様に、基本的な観点以外にサントレについて一般化することは非常に困難だ。タンクは、何十年にもわたって、カルティエのブティックに在庫があるのではなく、オーダーメイドで作られていたため、ある程度個々のユニークさがあった。

1935年のデザイン画。ルイーズ・ヴァン・アレンを生んだムディバニ王女のためのタンク サントレ。カルティエ アーカイブより(結婚は成就しなかった)。

 ただし、特に1920年代には、多くの場合、いくつかの特徴が見つかった。多くの場合、カルティエはブレゲスタイルの針と、ほとんどの場合、シュマン・ド・フェール式のミニッツトラックと細長いローマ数字を採用。 細長い曲線を描くケースは、もちろん全てのサントレモデルに共通している(これがアロンジェとの違いだ)。また、その他にも、ケース全体に比例し、タンク ノーマルよりも重く、ケース全体の形状を強く強調している点もそうだ。しかし、サントレのケースの最大の特徴は、時計を真正面から見たときの強調された直線的なフォルムの印象が、ケースサイドでは叙情的な優美さへと変化していることである。私は、常にこのサントレデザインの質の高さが大好きだった。それは、カルティエの最高傑作の特徴である、視覚的な手際の良さのようなものである。まるで、ある角度から見るとほとんどブルータリズム的で、別の角度から見ると妥協のない新古典主義的な建築物を見ているかのようなのだ。

ヴィンテージのタンク サントレ: 左から順にカルティエ パリ(1959年)、カルティエ パリ(1963年)、カルティエ ニューヨーク(1946年)、カルティエ ロンドン(1963年)。スタジオ ジェラール(Studio Gérard)、© Cartier。

 この魅惑的なスリムさと厳格な幾何学の組み合わせは、100周年記念限定モデルにも反映されている。この新しい時計は、カルティエのファンだけでなく、サントレが同社の歴史と時計製造全体の歴史の観点から何を表しているのかを理解する愛好家にもアピールすることを非常に意図しているようだ。

 ケースのサイズは、時計が実機で実際にどのように見え、どのように感じられるかを理解する上で、特に参考になるものではないかもしれないが、このケースの場合はかなり示唆に富んでいる。新型のサントレのサイズは46.3mm x 23mmで、厚さはわずか6.4mmだ。このケースの全長はあなたを怖がらせるべきでないだけでなく、全体のポイントでもある。この長くも深く湾曲したケースは、100年もの間、サントレをカルティエのデザインのアイコンとしてきたのと同じように、視覚的な眩惑と素晴らしい装着感を与えてくれるのだ。

左、フレッド・アステアが所有していたタンク サントレの腕時計、カルティエ ロンドン(1929年)。  N. ウェルシュ、コレクション・カルティエ © Cartier。右、タンク サントレ、カルティエ パリ(1924年)。 プラチナ、ゴールド、サファイア カボション、レザーストラップ。カルティエ コレクション。C.ヴァンサン・ウルヴェリック、コレクション・カルティエ © Cartier。

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 この限定モデルは、2018年にデビューした通常生産モデルとは、いくつかの興味深い点で異なる。どちらのバージョンもシュマン・ド・フェール式のミニッツトラックは共通しているが、新しい限定モデルにはブレゲスタイルの針や細長いローマ数字など、通常の生産モデルにはない意匠が多数採用されている。また、新型の限定版では、2018年に最新バージョンがデビューした際に一部のカルティエ愛好家の間で物議を醸した、6時位置の“Swiss Made”の表記が省略されている。

 エッグシェル文字盤とブルーのカボションリューズの伝統的な形状は、この時計を伝統主義者の陣営にしっかりと位置づけるのにひと役買っている。良い意味で、本機はカルティエデザインの絶対的なクラシックを表現しているが、全体としては非常に現代的な感じがするのだ。

 唯一少し寂しいのは、これが通常生産モデルであればよかったのだが、限定モデルであること。これまで以上に、過去と同じくらい直接的で目に見える形でつながっている時計を購入できることが重要だと思うからだ。本モデルは、150本限定で316万8000円(税抜)だ。

 カルティエのクラシックデザインへの関心が、最近爆発的に高まっていることを考えると、まだ全てが語られていない場合は、すぐに気になってしまうのではないかと強く思う(私の夢の中で、カルティエ ロンドン クラッシュが望まれるデザインになるとは思ってもみなかった)。しかし、その点ではあまり悲しむべきではないのかもしれない。どんな種類のタンクも歴史的に珍しいものなのだ。 カルティエは1919年に正確には6つのタンクを製造し、1921年には全モデルを合わせて40本しか製造されなかった。望めば手に入る聖杯(編注:自身にとって最上の時計のこと)は、聖杯ではないのではないだろうか。

写真提供: リストショット以外は全てアンディ・チョウ氏(Andy Kyaw氏 @andykyaw)。リストショットは、アルヴィン・チョン氏(Alvin Chong @watchrology)。HODINKEEコミュニティで画像を共有してくれた方々にも感謝します。

カルティエ タンク サントレ 100周年記念リミテッド・エディション: 自社製手巻きムーブメントCal.9780MC搭載。18Kイエローゴールドケース、カボションサファイアリューズ、エッグシェルカラー文字盤、ブルースティール製ブレゲ針、ベージュカーフレザーストラップ、18K YG製アルディロンバックル。ケース寸法 46.3mm×23mm、厚さ6.4mm。シリアルナンバー入り150本限定生産、価格は316万8000円(税抜)。詳細はカルティエ公式サイトをご覧いただくか、カルティエまでお問い合わせください。