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我々が知っていること
2022年にスタジオ・アンダードッグ(Studio Underd0g)の最初のクロノグラフコレクションを紹介したが、私たちは彼らがいかに時計を楽しいものにしてくれているかという点をとても気に入っていた。この若きイギリスブランドは、フィールドウォッチにその遊び心を取り入れた第2弾、フィールドコレクションを発表した。第2次世界大戦時のダーティダースをインスピレーション源としながらも、この4本の新作はアンダードッグならではのユーモア溢れる方法でそのテーマに応えている。
スタジオ・アンダードッグのフィールドコレクションは直径37mm(ラグからラグまでは46mm)、ラグ幅18mmのステンレススティール製ケースを採用している。このイギリスの新興ブランドは、第2次世界大戦中に始まったダーティダース製造のために定められたイギリス国防省の仕様を出発点にしたという。しかしながら、現代の技術と素材を用いることで完全に現代的なフィールドウォッチを作り出している。
話はダイヤルから始まる。スタジオ・アンダードッグは、まずベースとなるダイヤルにスーパールミノバを7層塗布し、フィールドコレクションの各モデルが暗闇で鮮やかに光るように仕上げた。ベースダイヤルの上には1mm厚のサファイアディスクが取り付けられ、そこにブランド名、数字、ミニッツトラックがプリントされている。2枚のダイヤルは、ふたつのネジ(3時と9時位置)で固定されている。サンドウィッチ文字盤の新しい試みである。サファイアディスクに施された印刷はベースダイヤルの上に浮いているように見え、斜めから見ると特に目立つ影を落とす。暗闇では数字が明るく照らされた背景の上に浮かんでいるように見え、これもまたクールな演出だ。
スタジオ・アンダードッグ初のクロノグラフコレクションと同様に、ダイヤルの選択肢は比較的保守的なものからカラフルなものまで幅広い。最も鮮やかなのは、ピンクからイエローへのグラデーションが施されたピンクレモネードだ。スタジオ・アンダードッグによると、このグラデーションを実現するには、ほかのダイヤルバリエーションとは異なる手法を採用する必要があったという。次にステファニーブルー、ここ数年で時計界に広まったある有名なブルーをブランドがアレンジしたものだが、こちらはより落ち着いたスカイブルーとなっている。フルムーンは、暗闇でオフホワイトのダイヤルが輝く様子がこのダイヤルの名前の由来になっている。最後にブラックのミッドナイトは最も保守的で、ブラックのダイヤルに夜光のインデックスと数字が組み合わされている。ミッドナイトダイヤルは、全面夜光ダイヤルではない唯一のバージョンである。
ほかの3つのモデルは、日中におけるそれぞれの色に対応するように暗闇でライトアップする。ダイヤルのベースに施されたスーパールミノバは、タイメックスのインディグロに次いで明るい。最近、ほかのブランドでも採用されているクールな演出だが、スタジオ・アンダードッグの遊び心あふれるデザインとは特に相性がいい。フィールドコレクションは、日中でも十分に美しい。しかし暗闇のなかで光り輝く演出は、まだまだ腕時計を楽しむことができるという安らぎを与えてくれる、愛情たっぷりのおやすみのキスのようなものなのだ。
スタジオ・アンダードッグのセカンドコレクションは、表面的な楽しさだけでなく、製造工程にも力が入っている。すべての時計は現在イギリスで組み立てられており、品質管理はホロロギウム(Horologium)という工房が担当。フィールドコレクションはセリタの手巻き式SW 210-1を使用しており、フィールドウォッチらしく秒針停止機能が搭載されている。レザーストラップはカーフスキンまたはスエードで、イギリスのThe Strap Tailorから調達。箱から出してすぐにソフトでしなやかなつけ心地が味わえる。
スタジオ・アンダードッグのフィールドコレクションの販売価格は900ドル(日本円で約13万5000円)で、11月1日(米国時間)より予約受付を開始する。先着500名にクリスマスまでの配送が保証され、その後順次配送される。
我々の考え
新作のフィールドコレクションは楽しげでありながら1000ドル以下に価格を抑えつつ、優れた技術力も披露している。リチャード・ベンク(Richard Benc)氏と彼が2020年に設立したブランドにとって、美学と製造のステップアップを象徴する価値ある2ndアルバムだ。
まず、これは個人的な好みだが、この時計は私の腕に驚くほどよくなじむ。その大きさは往年のフィールドウォッチを彷彿とさせ、ドーム型クリスタルによってそれが強調されている。サイズは昔ながらのものだが、スタジオ・アンダードッグが採用している製造技術の一部には斬新なものも見られる。薄型のサファイアディスクは全面夜光ダイヤルの上にあり、その両者は2本のピンで固定されている。この溝が入ったピンは金属性の吹き出物のようにも見えるが、工業デザイナー出身のベンクにこのことについて尋ねると、なぜここに置かれているのかがわかった。
彼はこのピンは役目を表現した完璧なものだと説明した。ピンをデザインのなかに隠すこともできたが、ピンは多層ダイヤルを固定するものであり、彼はピンを見せることがバウハウスデザインの流儀である“形は機能に従う”を実践することだと考えたのだ。
「これらのピンは、見た目以上に重要なことがあることを示す手がかりの第1歩です」とベンクは言う。「このピンが、ストーリーを辿る手助けをしてくれるんだ」。
ダイヤルには目に見える以上の魅力が潜んでいる。それは強調された立体感だ。真正面からはインデックスとブランドロゴがわずかに影を落とし、浮き上がっているように見える。ダイヤルを傾けて横から見ると、その効果はよりドラマチックになり、ベースダイヤルの影の形から数字の全体像が確認できるほどである。その質感はゼニス デイトナに見られる“ポーセリン”に似ているが、より大胆で意図的だ。数字のフォントは少しシンプルで、ありふれたヘルベチカに寄り過ぎているかもしれないが、もっと派手なフォントだとちょっと行き過ぎてしまうような気がする。フィールドコレクションのデザインはすでに十分完成されている。
ケースのプロポーションはバランスが取れており、直径37mmのケースとやや狭い18mmラグ(ストラップは16mmまでテーパーする)が、フィールドコレクションにヴィンテージ風の雰囲気を与えている。クローズドケースバックなのも賢明な判断だ。手巻き式のセリタSW210は手堅いムーブメントであり、スタジオ・アンダードッグのスイス製ムーブメントへの取り組みの第1歩を象徴している。だが、見た目には特別なものではなく、サファイア製ケースバックの採用により厚みが1mm単位で増えるほどの価値はない。
私のお気に入りはオフホワイトの“フルムーン”だ。明るいけれどもどこか昔風で、クリームがかった色はまるでパティーヌのようだ。“ミッドナイト”はかなり控えめで、スタジオ・アンダードッグがインスピレーション源とするWWWウォッチを最もよく模倣している。“ピンクレモネード”はその名のとおり、暑い夏の日にすっきりと爽やかな楽しさを感じさせてくれる(スタジオ・アンダードッグのファーストコレクションに登場した“ウォーターメロン”とは似て非なるものだ)。最後に、“ステファニーブルー”は、このブランドの大胆かつ華やかな挑戦と、より伝統的な志向との中間に位置している。私にとっては最も印象が薄かった(しかし、これはおそらく4色のなかでいちばん売れてしまうということなのだろう)。
スタジオ・アンダードッグの第2弾は、時計は楽しいものだと再認識させてくれたクロノグラフコレクションに続く強烈な仕上がりとなった。内部に搭載されたスイス製ムーブメントも、ダイヤルに施されたユニークな加工も、スタジオ・アンダードッグによるウォッチメイキングがステップアップしたことを示している。価格もそれ相応に上がるが、数日間着用した後でも900ドル(日本円で約13万5000円)がどこに投じられたのかを疑問に思うことはなかった。楽しいカラーや暗闇で光る機能だけではなく、 ほかのブランドには見られないデザインで、よく練られた時計だと思う。そしてそれこそが私がアンダードッグに求めるすべてだ。
基本情報
ブランド: スタジオ・アンダードッグ(Studio Underd0g)
モデル名: フィールドコレクション
型番: ピンクレモネード(02FSBE)、ステファニーブルー(02BLB)、フルムーン(02BEBR)、ミッドナイト(02BKG)
直径: 37mm (ラグからラグまでは46mm)
厚さ: 12mm(サファイアクリスタルを除くと9.8mm)
ラグ幅: 18mm
ケース素材: 316Lステンレススティール
文字盤色: 全4色、ピンクレモネード(イエローとピンクのグラデーション)、ステファニーブルー(スカイブルー)、フルムーン(ホワイト)、ミッドナイト(ブラック)
インデックス: 数字とブランドロゴは、ベースダイヤルの上に配置された厚さ1mmのサファイアディスクにプリント
夜光: ベースダイヤル全体にスーパールミノバ
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: イギリスのThe Strap Tailor社製レザーストラップ
追加情報: イギリスにて組み立て。品質管理はオロロジウム社が担当し、フィールドコレクションに2年間保証を提供している。
ムーブメント情報
キャリバー: セリタ SW210-1
機能: 時・分・秒表示(秒針停止機能付き)
直径: 25.6mm
厚さ: 3.3mm
パワーリザーブ: 42時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 19
価格 & 発売時期
価格: 900ドル(日本円で約13万5000円)
発売時期: 11月1日(水)よりUnderd0g.comにて予約受付を開始。先着500本限定で2023年クリスマスまでの配送を保証。
限定: なし
詳しくはUnderd0g.comをご覧ください。
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