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Introducing ライカウォッチ ライカL1、ライカL2を発表

2018年の発表から4年。ついに待望のライカウォッチが販売を開始。

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クイック解説

 プレミアムカメラメーカーとして知られるドイツ・ウェッツラーのライカカメラ社(以下ライカ社)がライカの腕時計2機種、ライカ L1とライカ L2の販売を開始する。150年以上におよぶ歴史のなかで、(カメラとしての)本質へのこだわりをブランドのコアアイデンティティとしてきたライカ社。新たにライカのラインナップに加わるふたつの新作ウォッチもカメラと同様、腕時計としての本質へのこだわりが存分に込められた製品となっている。

 両モデルはともに機械式だが、新開発の手巻きムーブメントを搭載する。ライカの製品は一貫して“Made in Germany”であることを重視しているが、ライカウォッチの開発にあたっては精密技術ソリューションを提供するドイツのレーマン・プレシジョン社(Lehmann Präzision GmbH)とパートナーシップを締結。ムーブメントをはじめとする多くの部品をドイツのバーデン=ヴュルテンベルク州シュヴァルツヴァルト地方にある同社の工場で開発・製造することが可能となり、ドイツ国内での時計製造を実現した。

ライカ L2

ライカ L2のリューズサイド。

 どちらの腕時計も、ライカの過去の製品からインスピレーションを得てデザインされている。外装のデザインコンセプトはベルリン芸術大学のアヒム・ハイネ(Achim Heine)教授が担当した。同教授は過去に何度もライカの製品デザインに携わってきたライカ特有の様式美を熟知する人物。ライカ社初のデジタルカメラとなったDIGILUX 1やコンパクトデジタルカメラコレクション、D-LUXシリーズの原点であるD-LUX 1などは同教授がデザインしたものだ。両モデルのデザインには、同社の歴代製品が持つ特徴がさりげなく取り入れられた。ステップ状に立体的に成形された針とアプライドインデックス、金属の重厚感を損なうことなく磨き抜かれたステンレススティールケースのフォルム、リューズに施した独特のローレット加工、カメラのフロントレンズを彷彿させるドーム型の風防など、その独特のディテールはライカのカメラにも通じる。またダイヤルの高強度アルミニウム素材もカメラの外装としてよく見られるものだ。

ライカ L1

ライカ L1のフロントサイド。

ライカ L1のバックサイド。

 ベーシックモデルとなるのが、ライカ L1だ。センターに時・分表示、そのすぐ下にスモールセコンド、8-9時の位置に設けられているのはクロージングブレード方式(いわゆるディスクタイプ)のパワーリザーブインジケーターだ。3時位置に日付表示を備えるが、2時位置のプッシュボタンを1回押すごとに1日ずつ切り替わり、日付の早送りを行うことができる。そして最大の特徴が、押し込むことで時刻合わせとスモールセコンド針のゼロリセットが可能な、特許取得のプッシュ式リューズシステムだ。この独自のリューズシステムについて、アヒム・ハイネ教授は次のように語る。

 「リューズは、レーマン・プレシジョン社のマーカス・レーマン(Markus Lehmann)氏とともにアイデアを発展させて磨き上げました。目指したのは、引き出すことで時計を停止させて時刻を合わせる従来の方式ではなく、カメラのシャッターボタンのように押し込む方式でした。押し込むと時計が停止してスモールセコンド針がゼロの位置に戻り、さらにもう一度押し込むと時計が動き始めるという仕組みです。ライカの製品にふさわしいオリジナリティあふれるメカニズムです」

 なお、センターにある時・分針の右隣に小さな小窓が設けられているが、これはファンクションセレクターの役割を果たす。時計が動いている通常時(巻き上げポジション)では開口部は白く、リューズを押して時刻設定のポジションでは赤く表示されるという仕組みだ。

ライカ L2

ライカ L2のフロントサイド。

ライカ L2のバックサイド。

 ライカ L2は、ライカ L1にGMT機能を追加したバリエーションだ。ファンクションセレクターの小窓のすぐ右下にあるのがデイ&ナイト表示で、これによりAM/PMを判別する。また、4時位置のリューズはインナーベゼル操作用。12時間表示のGMTインナーベゼルをこのリューズで回転させて第2時間帯表示を行う。

 価格はライカ L1が129万8000円、ライカ L2が181万5000円(ともに税込)。ライカ銀座店にて2022年2月19日(土)より発売予定となっている。

ファースト・インプレッション

 筆者が最初にライカウォッチの存在を知ったのは、今から約4年前の話だ。正確に言えば2018年6月のこと。当初は同年秋には発売予定とのことだったが、その後一向に発売される様子はなく……。そして2022年、ついにライカウォッチの発売が決定した。当初見ていたのはプロトタイプの画像、そして今回もまだプレス用の画像しか見ていないが、いかにも現代のドイツ時計らしい製品としてまとまっているように感じられた。

 例えば、ダイヤル。ライカ L1もライカ L2もともにマットブラックダイヤルだが、表面を適度に荒らしたダイヤルの質感はジンやストーヴァ、チュチマ グラスヒュッテ、ミューレ グラスヒュッテなどのツールウォッチを得意とするドイツブランドの時計に通じるものがある。また、針やインデックスの独特の形状は極めてオリジナリティにあふれたものだが、マイクロブラスト仕上げをベースにトップにポリッシュ施し、面がビシッと立った様子には、質実剛健を好むドイツらしい気風が感じられる。

 ムーブメントの見た目はなかなか興味深い。受けやブリッジを見ると、エンボス状のパーツ表面にマイクロブラスト仕上げを施し、ポリッシュ仕上げで縁取るという独特のスタイルを採用している。さらに大きなネジを多用してパーツを固定しているが、これはグラスヒュッテ規格に象徴されるようなドイツ時計の伝統的なスタイルとは異なるものだ。関係性は定かではないが、それはどことなく、オランダのインディペンデントメーカー、グローネフェルト(Grönefeld)が自身の故郷の建物に見られるファサードに着想を得たというムーブメントスタイルを彷彿とさせる。

 しかし、このムーブメントの機能的特徴である秒針のゼロリセット機構は、いかにも“Made in Germany”らしいものだ。秒針のゼロリセットはA.ランゲ&ゾーネやグラスヒュッテ・オリジナルなどのドイツの高級時計ブランドが好んで採用する機構だ。身近な価格帯では、本格的なパイロットウォッチを得意としたギナーンも独自のユニークな秒針のゼロリセット機構を持つ時計を手掛けていた(現在は生産されていない)。時計に正確な時刻合わせ機能を求めるところは、ドイツ時計におけるアイデンティティと言っても過言ではないだろう。

 2019年初頭、シュラムベルクからシュバルツバルトのハルト(Hardt)移転したレーマン・プレシジョン社。photo by Lehmann Präzision GmbH.

レーマンブランドで販売されている時計のひとつで、最もスタンダードなインテンポラル ウィンドゥ デイト ベーシック。photo by Lehmann Präzision GmbH.

 記事冒頭でも紹介したが、ライカウォッチの製造・開発にはドイツのレーマン・プレシジョン社が重要な役割を果たしている。どの程度、そしてどのような形でレーマン・プレシジョン社がライカウォッチに関わっているかについては、現段階で詳しい情報を持ち合わせていないが、この会社はレーマンブランドで時計を製造し、販売を行っているほか、ムーブメントの開発・製造、ムーブメントのメインプレートやブリッジ、そのほかの小さなパーツ、そしてケース、ダイヤル、クラスプなども自社で製造できる能力を持っている。

 ようやく動き出したライカウォッチ。まもなく発売となる製品版のライカ L1とライカ L2の出来栄えはもちろん気になるところだが、レーマン・プレシジョン社という確かな技術力を持つ会社と手を取り開発を進めるライカウォッチは、今後のラインナップ展開にも期待できそうだ。

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基本情報

ブランド: ライカウォッチ(Leica Watch)
モデル名: ライカ L1、ライカ L2(Leica L1、Leica L2)

直径: 41mm
厚さ: 14.5mm
ケース素材: ステンレススティール(316L)
文字盤色: 高強度アルミニウム素材、マットブラック(ダイヤル表面)仕上げ
インデックス: ホワイト(プリント部)、インデックスと各針とインダイヤルのアプライドインデックスにロジウムメッキとダイヤモンドメッキ
防水性能: 50m/5気圧(ISO 2281 準拠)
ストラップ/ブレスレット: ライカ L1はブラックカーフレザー、ライカ L2はマットブラックアリゲーターレザー(共にステッチは同系色、裏面はレッド)、「LEICA」の刻印入りSS製ピンバックル(削り出し、ブラッシュド加工とポリッシュド加工)


ムーブメント情報

キャリバー: L1&L2
機構: 時・分表示、スモールセコンド、日付表示、パワーリザーブインジケーター(クロージングブレード方式)。加えてL2のみ、第2時間帯表示(12時間表示のGMTベゼル)、デイ&ナイト表示
パワーリザーブ: 60時間以上
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 26
追加情報: リューズを押し込むことで時刻合わせとスモールセコンド針の帰零が可能


価格 & 発売時期

価格: ライカ L1は129万8000円、ライカ L2は181万5000円(ともに税込)
発売時期: ライカ銀座店にて2022年2月19日(土)より

詳細は、ライカ公式サイトをクリック。