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November 30, 2020
November 30, 2020
Hands-On ジン U50を実機レビュー

Hands-On ジン U50を実機レビュー

ダイバーズウォッチの小型版において、数ミリの違いが大きな違いを生むのだろうか?

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多くの人もそうだと思うが、僕はダイバーズウォッチの世界を深く掘り下げれば掘り下げるほど、それが大きな手首をもつ人や、同じように大きな時計を好む者たちを満足させてくれるものだと分かってきた。例えば、オメガのプロプロフ、シチズンのプロマスター、セイコーのツナ缶、ブランパンのフィフティファゾムス、そしてIWC アクアタイマー、あるいはドイツ製の工具のようなサイズ感のジン U1なども該当するだろう。今挙げた例は、大きなケースサイズを着けこなせる比較的太い手首の人たちのための素晴らしいダイバーズウォッチだが、かといって手首サイズが少し小さめの人たちにとっての素晴らしいダイバーズウォッチが存在しないというわけではない。

 ロレックスのサブマリーナーやオメガのプラネットオーシャンなどのより小型のモデルと並んで、この5年間で"やや小さめ"のダイバーズウォッチの人気が再注目されている。パネライ サブマーシブルを着けこなせるような大きな手首じゃないって? 2017年には42mmバージョンのサブマーシブルが登場している。チューダーのヴィンテージウォッチテイストの小型ダイバーズが欲しいって? ブラックベイ フィフティ-エイトをご存知の方も多いだろう。そして、その流れはスイスだけではない。セイコーは、42mm以下のダイバーズに新たな焦点を合わせている。そしてジンも(タイトルと写真からもうお分かりだと思うが)新作である小径のダイバーズウォッチU50の発表が大きな波紋を呼んでいる。

 これは多くの人が待ち望んでいた時計であり、特に過去にジンの時計を所有し、使用したことがある人にはたまらない時計だ。1961年にヘルムート・ジンによって設立されたこのドイツブランドは、現代のツールウォッチ界において大きな存在感を放ち、本当にハードコアで信じられないほどタフな時計を作っている。頑丈なスティール製でモダンなパッケージで仕上げられたダイバーズウォッチU1もその1つだ。

44mmのダイバーズウォッチ、ジン U1。

 パイロット用クロノグラフで知られ愛されているジンは、2005年にU1を発表したが、ダイビングに特化したこのモデルは、ドイツ最新鋭潜水艦である鋼鉄Uボート・スティール(耐塩水性に優れていることで知られる)を使用。U1は愛らしいデザインでありながら、潜水艦のような装着感を実現している。直径44mm、厚さ15mmというサイズは、前述した時計の中では最大ではないものの、それでもU1は絶対的な存在感を放っていたのだ。そのことを念頭に置いて、新しい41mmのU50は、同じくストイックにモダンで高度に焦点を当てたデザイン言語をミッドサイズで表現している。

ジン U1 プロフェッショナルを着用してダイビングするジェイソン・ヒートン。

 スタンダードなU1と同様に―現在のダイバーズウォッチのデザインで一般的な方法論とは全く対照的である―U50は意図的に現代的なデザインとなっている。美学の観点から言えば、ブラックベイ フィフティ-エイトやドクサ サブ300 50周年記念モデルのようないわゆる"ニューヴィンテージ"ダイバーが、クラシックレコード盤を今このときにプレスして手に入れることに例えるなら、U50はSpotifyであり、そのデザインは可能な限り機能的であることを意図している。

 U50には3つのバージョンがある。U50(この写真のもの)、U50 SDR(ブラックベゼル)、U50 S(ブラックベゼルとケース)の3つのバージョンだ。購入者は、U50とU50 SDRの両方で、ケースにジンのテギメント加工を追加する "T "バージョンのオプションがある(テギメント加工は標準でベゼルに施されており、U50 Sではベェルケース両方に標準で加工されている)。このレビューのために僕が借りた実機(親切にもジンの北米代理店であるWatchBuysの方々にお借りすることができた)は、黒いラバーストラップのU50-Tだ。購入者は、黒、赤、白いずれかのラバーストラップを選ぶことができ、ブレスレットのオプションもある。

 前述の通り、U50のサイズは直径41mm、厚さ11.15mm、ラグからラグまでは47mmだ。ラグ幅は20mm、ラグは貫通式で(最高だ!)、ストラップの交換も容易である。小型化したケースと頑丈なケースバックに覆われたジン U50の内部には、日付表示機能を備えたスイス製自動巻きムーブメント、セリタ SW300-1が搭載されている。SW300は、2892-A2のようなETAムーブメントのハイエンド版といったところだ。

 4Hzのハートビートで25石を備えた手巻きのSW300-1は、ハック機能や耐磁性(DIN 8309規格に準拠)をわずか3.6mmの厚さに収めている。これをU1のSW200ムーブメント(厚さ4.6mm)と比較すると、ジンがU50の新しいケースサイズにマッチさせた部分が見えてくる。41mmというサイズ感が、U50に注目が集まるきっかけになったかもしれないが、ジンはU1の厚さから3.55mm程度を削っている。これによって、U50のコア市場にあるであろう小さめの手首(と嗜好)をもった人々に大きな利益をもたらしている。

 これは、ますます多くの人がオンラインで時計を購入するこの時代に、より多くのデータが重要であることを強調している。 ケース径は、自動車の0-60マイル/h加速時間のように、1つの測定値にすぎない。 問題はケース径が、0-60マイル/h加速時間のように、全てのものが等しいシナリオで作成されていないことだ。一般の人やバイヤーは、多くの自動車レビューに採用されているようなかなり乱暴なテスト手法を試して自分の車を破壊することはないだろうと仮定して、いくつかのレビュー媒体では5-60マイル/h加速時間も公開している。モータージャーナリストのジェイソン・カミッサがRoad & Track誌で5-60マイル/h加速時間についての素晴らしい記事を書いていた。興味のある方はぜひ雑誌を読むことをおすすめするが、親切にも彼らはその記事をオンラインで公開してくれている。

 上記の立場を伝えるために、カミッサは実世界におけるデータの価値を関連付け、車にあまり関心のない熟練ドライバーがBMW X2 M35iのテスト結果として示された0-60マイル/hを4.6秒で実際に走らせることができる一方で、測定された5-60は6.4秒とはるかに印象に残らなかったことを示している。なぜこんなことを書いているのかとお思いだろう。これはどう時計に関係するのか? そして誰がX2を気にするのかと。

 ダイバーズウォッチのケース径の数字を見て、自分の好みの範囲内であると考えるのは非常に簡単だが、ケース径だけで時計の装着感を考えるには欠陥がある。より良いアイデアを得るためには、厚さやラグからラグのサイズを考慮する必要があることはご存知の方も多いと思う。とても着けやすいスポーツウォッチを作ることを目標とする場合は、これら3つのサイズ全てのバランスをとる必要がある。また多くの点で、ラグからラグのサイズはそれが大きすぎる時計かどうかを見つけるための最も重要な指標だ(ご存知のように腕のサイズは北から南へよりも西から東へ長いのだ)。

 前述のドクサのような時計は、ラグからラグの長さがケースの幅よりも長くないため、予想よりも小さめの着用感となる。同様に41mmのチューダー ブラックベイ GMTは、 このジン U50よりもはるかに大きく感じられる。これは、ブラックベイが14.75mmとかなり厚みがあるためだ(ケースの幅/長さの比率で見ると、約5%長くなる)。 幅のみを考慮した場合、2つの時計の実際の着用感の違いを予測することはできない。

 逆に、比較的小さな時計でも、ラグが非常に長い場合は、ケース径よりもはるかに大きなサイズの時計になる可能性がある(僕は"NOMOSファクター"と呼んでいる)。時が経つにつれ、人々は時計が自分の手首に合うかどうかを判断する際に、厚さに注意を払うようになり、3つの測定値とケースの形状との調和を考慮して、快適なものを作るようになった。僕は"ウルトラシン"と謳われていない時計で、ケースの厚さをしっかりと記載しているブランドに拍手を送りたい。いくつかの "大きな "時計は、実際には本当に着け心地がよく、いくつかの小さな時計はそうでない場合があるが、それはバランスとプロポーションの問題なのだ。

 私の中でU50に最も近い比較は、古いオメガのシーマスター プロフェッショナルである。私が持っていた2254は、ケースの幅と長さの比率が0.88で、ジンの0.87と非常に似ていたが、オメガが当時大きめの時計と考えていたとしても、それは7インチ(18cm弱)の僕の手首には最高だった。

 ビーズブラスト加工を施し、視認性に優れ、500m防水を実現したジンは、手首の上で存在感を放っている。装着感にはノスタルジーのかけらもなく、機械式ムーブメントとアナログ表示を採用している時計からは想像できないほどの道具然とした感じがする。
 ジンはジンであり、U50はDIN 8310とDIN 8306両方のダイビング技術要件を満たしている。ジンはU50をテストして、ユーロダイビング機器規格(EN 250 / EN14143)を満たし、DNV GLの認定も受けている。 したがって、実際にダイビングに行きたい場合、ジンがあれば大丈夫なのだ。

 同様に、ベゼルも素晴らしい。テンションではなく小さなネジで固定されている。がっちりとした60クリックのアクションがあり、落ち着いた感じがする。グリップは良好で、針とインデックスに用いられた非常に明るい仕様に夜光がうまくマッチしている。フラットなサファイア風防は消えてしまっているような、まるでそこに無いかのようでとても良い。僕はいつも写真の撮りやすさで風防を判断しているのだが、このU50はその点で、特に急勾配のドーム型風防が人気を集めている今、フラット風防の機能性の高さを強調していると思う。

 リューズは4時位置に配置されており、手首のエルゴノミクスとしては優れているものの、操作性は多少損なわれる。リューズは非常に小さく、指先でつまむのに慣れるまでには少し練習が必要だった。とはいえ、ネジ山はしっかりしており(位置合わせがしやすい)、全体的にしっかりとした作りになっている。

 付属のカット・トゥ・フィット(着ける際に手首のサイズにあわせてカットする)のラバーストラップは、高級スイス製ダイバーズウォッチに付属しているものと似たようなものではない。柔らかく快適で、がっしりとしており、カーブした折り畳み式のクラスプに取り付けられている。ラバーにこだわらない人にお伝えしておくと、U50の20mmの貫通ラグは、幅広いストラップに対応している。

 要するに(ここまで読んでくれた方にとっては長くなっているかもしれないが)、U50は手首に装着しやすいUボートであり、U1をより小さい(そしてはるかに薄い)ケースサイズに移植することに成功したといえる。ブラボー。

 競争に入る前に、実際にU50を手に入れようと計画しているかもしれない人のために、一つの副次的な注意事項をお伝えする。ジン(アメリカとドイツの両方)は私宛に(ジン本社が予想していたよりもはるかに大きな)圧倒的な需要のため、新モデルの在庫が今後数ヵ月間少なくなる可能性が高いと連絡してきた。彼らは、小さなマニア向けブランドであり続けていること、そして全ラインの在庫を増やすために働いていること、そしてこの遅れがマーケティングではなく製造の一貫として理解されることを願っているというメッセージを伝えるよう、私に依頼した。

 さて、ここからがお楽しみ。スペックにもよるが、U50の価格は35万円から41万円だ(全て税抜)。僕の予算的にベースモデルから1つステップアップして、ケースにテギメント加工を追加したU50-Tにするだろう。これから競合を挙げるため、20万円〜30万円台の薄く現代的なツールダイバーズウォッチ―フォティーナではない―を検討している熱狂的な愛好家と仮定しよう。

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 最初に頭に浮かぶ時計はチューダー ペラゴスだ。しかし忘れてはいけないのは、ペラゴスはチタン製で、自社製ムーブメントを搭載しており、ストラップとブレスレットの両方が付属することだ(これはまた、彼らの驚くべき自動調整式クラスプが特徴)、直径42mm、厚さ14.3mmで、価格は45万円(税抜)。そのため、非常にモダンで、視認性の高いダイバーズウォッチであるため、皆さんの間でも取り上げられるだろうとは思うが、U50の競合になるかどうかはちょっと分からない。同様に僕は、フィフティ-エイトは比較としても見ていない。単にそれらが見た目の観点で2つの非常に異なる時計であるためだ。1つはあなたの好みにもっとアピールしなければならないし、両方とも優れた時計だ(価格は36万3000円・税抜)。

 より直接的な価格比較のために、ジンの独自のラインナップの中から競争相手を見てみよう。EZM3は、42mm x 12.3mmで価格は税抜33万円、500mの防水性能に対してお買い得ではあるものの、ステンレススティール製で、U1の硬化ベゼルでもない。反対側に設置されたリューズや針はポイントが高いのだが。

 ジンから離れて、ストラップの交換をあまり考えていない方にはオリスのアクイスがある。41.5mmと39.5mmの2種類のサイズ展開がされており、どちらも個性的なスタイルを提供している。39.5mmのモデルは24万円(クリーンオーシャン リミテッドエディションは26万円)、13mmの厚さで300mの防水性能だ。ジンのような技術的なオプションはないものの、この価格でブレスレットとセラミックベゼルが手に入るのは魅力だ。

 ドイツ製ダイバーズウォッチオタクは、僕がダマスコを知っているかどうか既にコメントを残しているかもしれない。そうでない人のために、僕はダマスコを知っていると申し上げておく。真の美学に関して、U50と同じリスト上にダマスコのDSub-1が想像できた。どちらもビーズブラスト加工が施された潜水艦用スティールケースを採用し、両者ともスイス製の自動巻きムーブメントや日付表示機能を備え、紛れもなくツールダイバーズウォッチといえる。厚さは約12.9mmで価格は税抜26万5000円。U50のように際立つポイントが無い分、価格も抑えられていると感じる。

 興味深いことに、タグ・ホイヤーは直径41mm、厚さ12mmのアクアレーサー(Ref.WBD2111.BA0928)を製造している(報告によると)。それは、自動巻きのCal.5を搭載し、日付表示と300mの防水性をもち、ステンレス製ブレスレットが付属して23万円(税抜)。僕はWAN2110(同一モデルの古い世代)を持っていたし、むしろそれが好きだった。そうは言っても、それはジンほどツールライクではなく焦点が絞っているわけでもない。

 最後に、42mmのブライトリング スーパーオーシャン オートマチックは、価格帯(税抜40万円)としては上の方に位置しており、モダン・ツールウォッチデザインをもつグループに属していると思う。13.3mmで薄いとは言えないが、通常の分厚いブライトリングのダイバーズで考えると、確かに厚みはない方である。

 薄型で大きすぎず、手間のかかるオーバーエンジニアリングが駆使されるダイバーズウォッチの世界で、何か見逃してしまっていないか気になるところだ。しかし、上記のリストが網羅的ではないとしても、ジン U50がヒットした要因を示していると思う。もしあなたが、有能で着けやすくて、薄いうえヴィンテージデザインのインスピレーションが全くないダイバーズウォッチが好きなら、U50よりもお勧めする時計は思い浮かばない。

ジン U50は、500mの防水性能をもつダイバーズウォッチ。テギメント加工と呼ばれる特殊な表面硬化処理を施したドイツ製のUボート・スティールを使用。直径41mm、厚さ11.5mm、ラグからラグ47mm。ラバーストラップとオプションのSSブレスレットが付属。U50はセリタSW300-1自動巻きムーブメントを搭載。価格は、35万円から(税抜)。詳細はジンの公式サイト