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VINTAGE WATCHES 1980年代製のオーデマ ピゲ、1970年製のロレックス デイデイト、1960年代製のメイラン クロノグラフ

今週はデイデイト機能のペアが目玉だが、それだけにとどまらない。

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貴金属製の腕時計を身につけると、何かいいことがあるような気がする。イエローゴールド、ピンクゴールド、ムーンシャインゴールドなどの場合、手首の存在感は一目瞭然だが、ホワイトゴールドやプラチナの場合も、腕につけたときの存在感は紛れもなく特別なものだ。貴金属である以上、本来はより価値が高く、そのためスティールやチタン製の時計よりも高価にる傾向にある。しかし、それ以上に手首に装着したときの重量感が、常に信頼感を与えてくれるのだ。ゴールドのロレックス デイデイトが“パワーウォッチ”、つまり“自分は成功した”と世間に(そして自分自身に)証明するために買う時計という評判があるのは、そのためである。

 特にヴィンテージウォッチでは、貴金属製のケースは時計に多くの付加価値を与える。ゴールドやプラチナの経年変化はゴールドの品質と時計の寿命に左右される。何十年も経てば、ケースの色はより暖かく、より黄色く、あるいは暗い色調になる。こうして1970年代製のロレックス デイデイト Ref.1803のように、これらすべてが時計に個性を与えるのだ。そして、このRef.1803がなぜ彼の琴線に触れたのか、ショーンは語る。リッチは1980年代のオーデマ ゲのデイデイトを、サオリは分単位を10進法で表示できるメイラン クロノグラフのステンレススティールモデルを支持している。“水曜日の逸品”はこれだけでは終わらない。Hodinkee Shopで販売されているすべてのヴィンテージウォッチを見るには、ここをクリックして欲しい。

1980年代製 オーデマ ピゲ デイデイト オートマティック Ref.25574
By Rich Fordon

 そう、私はロイヤルオークのファンだが、それがオーデマ ピゲが私の好きな時計ブランドのトップ3に入る理由ととはほとんど関係がない。私にとってのAPは、ジェンタのデザインや1972年以来続いているすべての熱狂がすべてではないのだ。私が求めるオーデマ ピゲの時計は、昨年紹介したイエローゴールドの時計や、記事「Historical Perspectives: Inside The Archives Of Audemars Piguet」に掲載された素晴らしい作品のようなものなのだ。Hodinkeeに掲載されたビデオや記事のなかで最も好きなもののひとつだ。これこそAPなのだ。貴金属のエレガンス、ある人は“ドレスウォッチ”というかもしれないが、パテックに匹敵する仕上げを目指して少量生産されている。

A vintage AP day date

 Ref.25574は、「Historical Perspectives」に掲載された多くの時計から半世紀を経ているが、APの真のエスプリは残っている。小ぶりな貴金属ケースに、さりげなく興味深いデザイン、複雑機構、そしてヴィンテージ感溢れる仕上げのクリーンなダイヤル、これらはすべて共通している。そして最後の共通点は価値だ。20世紀前半の多くのAPと同様に、25574とそのムーンフェイズ搭載の兄弟モデルである25589は、今日の市場では非常に過小評価されている。

AP day date

 クラシカルなオーデマとの結びつきもさることながら、この実機で最も私の注意を引いたのはダイヤルだ。戦前のエナメルダイヤルを彷彿とさせる光沢のある仕上げは、とても温かみがあり魅力的だ。12時位置のオーデマ ピゲの“ブロックフォント”は、ヴィンテージウォッチのなかで最も好きなフォントのひとつである。私にとって、このフォントは常に“おい、これは本物のヴィンテージAPだ、よく見てみろ”と叫んでいるのだ。今週、Hodinkee Shopに入荷した私のお気に入りの時計は、こちらでチェックできる。

1970年製 ロレックス デイデイト Ref.1803 18KYGブレスレット
By Sean Egan

 手に入れることができる限り、多くの時計に触れる機会があるなかで、私はいつもロレックス デイデイトをじっくりと眺めるようにしている。この習慣は、おそらくコレクターではない人たちのあいだで最も広く切望されている時計のひとつであるロレックスへの憧れから始まったのだと思う。しかし、この時計は手に入りにくいもの、贅沢なものでありながら、日常的なものであることを表現しているのだということが、すぐにわかった。そしてそのなかでも“最も愛されている”のがデイデイトであることもわかる。激しく焼けたこれらの時計は、大きなオークションや大々的なセールにはあまり出回らないのだ(もちろん、あなたがジャック・ニクラウスなら話は別だが……)。

Rolex Day-Date on the wrist

 これらの時計は、ほかのどんな時計よりも、それを身につけた人の人生を教えてくれるものだ。ケースは完全にすり減っていたり、ブレスレットが伸びきっていたり、ダイヤルが内側を向いていたり。しかし、それでは時計にまつわる個人的な歴史を軽視しているような気がしてならない。これらの時計は、それを持つ多くの人々(そして家族)にとって、時計である以上に精神的な象徴となるのだ。今日紹介する時計は1970年のものだが、私が“自分だけの時計”と呼ぶにふさわしいコンディションだ。多少の傷や全体的な艶はあるが、身につけるのが嫌になるような状態ではなく、大切にされていたことがわかるような素敵な時計である。あなただけの家宝に、この1本をどうぞ。

Rolex Day-Date
1960年代製 メイラン クロノグラフ Ref.805-61 デシマルメーター付き
By Saori Omura

 時計は1日中シームレスに装着できるように美しく作られ、ときには長年にわたって頼もしいパートナーとなってくれることに、長い年月を経た今でも感謝している。小さな部品をいくつも組み合わせ、正確な時刻を表示する時計職人の技には驚かされるばかりだ。また、時計に新しいデザインや機能を持たせることで、人々の生活をより豊かにするという斬新なアイデアと、それを実現する時計職人の技術にも魅力を感じている。

Meylan chronograph

 このメイランで最も不思議なのは、アウタートラックに赤く表示されたデシマルスケールだ。クロノグラフでよく目にするタキメーター、テレメーター、パルスメーターとは異なり、通常は“100”まであるカウンターでわかるようになっている。10進法の目盛りの使い方は、かなり曖昧だ。要するに従来の60単位ではなく、100で割った分を計測する目盛りのことである。もともとは科学や工業の分野で、60ではなく100で時間を計ったほうが効率的ということで採用された。実際、工場でひとりの作業員がどれだけの時間をかけて作業を完了したかを測定し、コスト効率を測るために10進法が使われたこともあるそうだ。60秒や60分単位での時間経過を表計算ソフトで集計しようとしたことがある人は、その面倒くささを経験したことがあるかもしれない(参考までに、そのための計算式があるくらいだ)。

Meylan chronograph

 10分の1秒や100分の1秒(フドロワイヤント)と違って、100分の1分というのはなかなか普及しなかった。しかし、時間を別の方法で捉えようとした人がいたことを、私は高く評価している。それは道具としての時計が持つ、目的意識に基づいたものだった。オメガのヴィンテージスピードマスターやホイヤーのカレラ、そしてエクセルシオパークの粋なストップウォッチにも、この珍しいスケールのバリエーションが見られるように、珍しいながらも、時間を計測する正当な方法として受け入れられているのだ。時間を計測するために10進法の目盛りが必要だろうか? おそらくないだろう。しかし、私はこの時計が誕生した経緯や、時間を測る“べき”という現状を打破しようとする革新的な試みを知ることが好きなのだ。このメイランのクロノグラフは、Hodinkee Shopでご覧いただける。

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